
安田レイがTVアニメ『瑠璃の宝石』との出会いを通じて見つめた自身の中の輝き――ニューシングル「光のすみか」リリースインタビュー
冷蔵庫のチョコに手を伸ばす夜――日常の誘惑も歌詞のヒントに
──今回のシングルには、ドラマ『奪い愛、真夏』の主題歌「BROKEN GLASS」も収録されます。ドロドロの恋愛模様を描いた人気作『奪い愛』シリーズの最新作に宛てた楽曲ということで、かなりダークな雰囲気の楽曲になっていますね。
安田:私、『奪い愛』シリーズは好きで過去の作品も観ていたので、お話をいただいた時は「えっ、あの『奪い愛』シリーズですか!?」ってなって、まさか!という気持ちでした。すぐにこれまでのドラマの衝撃的なシーンがフラッシュバックして。 とにかくセリフや絵力が強い作品なので、そこに負けないサウンドとリリックにしなくてはいけないなと思い、安田レイの楽曲の中でも特に尖った楽曲になりました。声のトーンもサウンドも歌詞も「光のすみか」とは真逆の場所に存在しているので、「光のすみか」をきっかけに知ってくれた方はこの曲を聴いてどう思うのか、すごく好奇心があります(笑)。
──歌い出しから“笑っちゃうよね全部壊れて 希望も絶望も砕けて”という強烈なフレーズですものね。「光のすみか」と同じく、こちらもご自身で作詞していますが、どんなイメージで書き進めていきましたか?
安田:今回の作品が「不倫×タイムリープ」というテーマだったので、危険な恋愛と時間の流れというものを意識しながら書いていきました。なのでサビに“keeps on ticking keeps on ticking”という時計の針の音のようなフレーズを入れていて。ただ、「ザ・不倫」という感じの曲にはしたくなかったので、ドラマでは使われない2番以降の歌詞は、もっといろんな人の日常と重なるものにしました。
──というのは?
安田:人間は誰しもダメとわかっていてもついやってしまうことがあると思うんです。私の場合、それは真夜中にハイカロリーなチョコレートをこっそり食べてしまうことで、“今日だけって言い訳をして またドア開けてしまう夜”という歌詞は、「ダイエットは明日から頑張るから今日だけ……!」っていう感じで、冷蔵庫のドアを開けてチョコに手を伸ばしてしまうイメージで書いています(笑)。その後の“So sweet so dangerous”は不倫の世界観と甘いチョコレートを重ね合わせていて、“愛おしさトゲごと抱き締めて”も「250キロカロリー分、太ることはわかってるけど今食べたい!えい!」という気持ちを重ねています。多分、聴いてくれる人は、言われないと気付かないと思いますけど(笑)。
──上手い入れ込み方ですね(笑)。サウンドも歌もいつも以上にインパクトがあって、挑戦的な楽曲になりました。
安田:私は歌詞を書く時、頭に浮かぶ映像を言葉にする作業をするのですが、この曲の歌詞を書いている最中は、めちゃめちゃ変な夢を見ていたんですよ。悪夢みたいな夢ばかり見てしまって(苦笑)。でも、こういう闇の部分のある歌詞は、20代の頃の私では絶対に書けなかったと思いますし、歌のニュアンスも違っていたと思うので、レコーディングを含めて新しい自分を表現できて楽しかったです。ミュージックビデオも撮影したのですが、背中の露出が多めな衣装を着て、結構鋭い表情をしている場面が多い映像に仕上がっているので、ぜひ観てもらえると嬉しいです。ほぼ優しい顔はしていないです(笑)。
──そしてカップリングには、安田さん自身が作詞・作曲した全編英語詞のナンバー「NOW」を収録しています。
安田:去年から海外でライブをさせていただく機会が増えて、日本語ではなく英語で曲を作ってみたい気持ちが大きくなってきたなかで、海外のファンの方ともみんなで一緒にシンガロングできるものを作りたいな、というところから作り始めた曲になります。メロディーは、みんなでひとつになれるアンセム的なイメージで考えて、歌詞に関してはあらかじめテーマやモチーフを設けず、自分が今感じていることを書こうと思って書き進めていったら、この12年をゆっくり振り返りながら前に進んでいる自分、というテーマに辿り着きました。
先ほどの「光のすみか」のお話とも重なるのですが、やっぱり自分の欲しいものや行きたい場所には、すぐには辿り着けない。でも、12年という年月をかけて、20代はとにかくいろんな種を蒔いてきたなかで、なかなか前に進めない時期もあったけど、その種がちゃんと根を張って、もうすぐ花を咲かせるぞ、という歌詞に気づいたらなっていました。別に私に限らず、どの仕事をしていても、いきなり大成功することはないと思うんです。失敗して、不安になって、あちこち行って、やっと見えてくる景色がある。そのテーマをみんなで一緒に歌えたら最高だな、と思いながら歌詞を書きました。
──個人的には“This is how I finally found my voice”というフレーズが印象に残りました。直訳すると“私はついに自分の声を見つけた”という意味ですが、どんな思いを込めて書いたのでしょうか。
安田:この歌詞の“voice”には、もちろん“歌声”という意味もありますが、私の中では、自分の思い、心の奥底にある本音を知ることができた、という意味合いが強いです。この12年間、思うようにはいかないこともあったけれど、時間をかけて、ここにある言葉や思いを知ることができた。それはデビューしたての20歳の自分にはわからなかったことです。なので「Everything takes time(すべてに時間がかかる)」というのが大事なテーマになっていますね。
──また、歌詞には“Light the fire inside me”というフレーズもあります。安田さんにとってご自身の心に灯がともる瞬間を教えてもらっていいですか?
安田:一番はやっぱりライブです。最近は海外でライブをやらせてもらっていますが、ソロで音楽活動をしていると孤独を感じる時があって、レコーディングも準備も一人なので不安になる瞬間があるんです。でも、ライブで実際に曲を聴いてくれている人と会ったり、思いを重ねる瞬間があると、「私は一人じゃない、この温かさ、熱さがあるんだ」と火がつく。そういう時に人のエネルギーや熱を感じるので、私の心に火を灯してくれるのは、人がくれるパワーかなと思います。この曲はまだライブでは披露していないので、皆さんと一緒に歌える時が楽しみです!
──ありがとうございます。そんななか、11月から上海・広州・大阪・東京を巡るライブツアー「Rei Yasuda Live Tour 2025 “Scarlight”」の開催が決定しています。ツアーを通してどんな思いを届けたいですか?
安田:タイトルの“Scarlight”は造語で、「NOW」の歌詞にも“Scars shining like true gold”というフレーズがあるのですが、この12年間、傷つきボロボロになりながらやってきたけど、その全てに意味があるし、傷があったからこそ気づけたことや成長できた部分がある、という想いを込めています。今、自分が伝えたいことを端的に表現すると“光と闇”だなと。なので、自分の傷が未来を照らすというニュアンスを込めて、響きが「スターライト」に似ている「スカーライト(Scarlight)」という造語を作りました。誰しも傷はあると思うので、このツアーではみんなで自分の過去の傷を光にして照らし合い、エネルギーを交換し合えたらいいなと思います。
──今回のシングルで表現されたものとツアーのテーマがリンクしているんですね。
安田:そうなんですよ。このシングルの3曲をひと言でまとめるなら「スカーライト」だなと思っていて。多分、今自分が一番表現したいのは、光と闇もそうですし、自分の過去の傷を肯定することなのかなと思うんですね。そんなテーマで歌う曲を選びたいし、アレンジも考えていこうと思います。
[文・北野創]
ライブ情報
安田レイ Planetarium Live -Follow the Light-』
日程:2025年9月27日(土)
時間:1st stage 14:30開演(14:00開場) 2nd stage 17:00開演(16:30開場)
※各公演約70分程度を予定
料金:一律 7,700円(税込) ※整理番号付き自由席となります
会場:コニカミノルタプラネタリアTOKYO DOME1(有楽町マリオン9階)
特設サイト:https://planetarium.konicaminolta.jp/planetariatokyo/dome1/yasudarei2025/
Rei Yasuda Live Tour 2025 “Scarlight”
■開催日程・会場
2025年11月21日(金)大阪・246 LIVEHOUSE GABU [18:15 開場/19:00 開演]
2025年12月7日(日)東京・代官山UNIT [16:15 開場/17:00 開演]
■チケット
<前売り>6,600円(税込) 整理番号付/税込/ドリンク代別
●ぴあ https://w.pia.jp/t/yasudarei-t/
●イープラス https://eplus.jp/yasudarei/
●ローソンチケット https://l-tike.com/yasudarei/
Rei Yasuda Live Tour 2025 “Scarlight” in China
【上海公演】2025年11月7日(金) 20:00 会場:バンダイナムコ夢想劇場
【広州公演】2025年11月9日(日) 20:00 会場:広州MAO Livehouse(永慶坊店)
https://www.yasudarei.net/news/archive/?576623
各ライブの詳細は、オフィシャルサイト等をご確認ください。
オフィシャルサイト https://www.yasudarei.net/
Xアカウント https://x.com/yasudarei
楽曲情報
【発売日】2025年8月27日
【価格】
通常盤:1,760円(税込)
初回生産限定盤:6,600円(税込)
期間生産限定盤:2,200円(税込)
【収録内容】
■通常盤
≪CD≫
1 光のすみか
2 BROKEN GLASS
3 NOW
4 やさしい気持ち
■初回生産限定盤
≪CD≫
1 光のすみか
2 BROKEN GLASS
3 NOW
4 やさしい気持ち
5 光のすみか -Instrumental-
6 BROKEN GLASS -Instrumental-
7 NOW -Instrumental-
8 やさしい気持ち -Instrumental-
≪Blu-ray≫
光のすみか -Music Video-
光のすみか -Music Video- メイキング
BROKEN GLASS -Music Video-
BROKEN GLASS -Music Video- メイキング
Rei Yasuda “through my VOICE” Premium Live 2024 at Billboard Live TOKYO
1 夏の終わりのハーモニー
2 プラスティック・ラブ
3 Mirror
4 やさしい気持ち
5 each day each night
6 Ray of Light
7 Not the End
8 Brand New Day
■期間生産限定盤
≪CD≫
1 光のすみか
2 BROKEN GLASS
3 NOW
4 やさしい気持ち
5 光のすみか -Anime Edit-
≪Blu-ray≫
アニメ「瑠璃の宝石」ノンクレジットオープニング映像
作品情報
あらすじ
ある時は水晶を探して山道を歩き、ある時はガーネットを拾いに川に浸かり、またある時は見知らぬ鉱物を顕微鏡で覗き――ルリはナギに導かれ鉱物採集の世界に飛び込んでいく。
「私だって、採れるはず」
それは、誰しもが抱いたことのある夢。
本格サイエンスアドベンチャー始動!
キャスト
(C)2025 渋谷圭一郎/KADOKAWA/「瑠璃の宝石」製作委員会















































