「本当に心から、出会えてよかったです」──『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』緑谷出久役・山下大輝さん×死柄木弔役・内山昂輝さんインタビュー

2016年にTVアニメの放送が始まり、その後も7シリーズにわたって物語が紡がれてきたアニメ『僕のヒーローアカデミア』。

2025年10月4日より放送中の『FINAL SEASON』で、デクをはじめとするヒーローたちと、死柄木弔とオール・フォー・ワンの率いる敵＜ヴィラン＞の戦いがついに決着を迎えます。

アニメイトタイムズでは『FINAL SEASON』放送を記念して、緑谷出久役の山下大輝さん、死柄木弔役の内山昂輝さんにインタビューを実施！　『FINAL SEASON』の魅力に加えて、おふたりにとって『ヒロアカ』がどういった存在であるか語っていただきました。

寂しさはあるけど、それを凌駕するくらいの嬉しさと感謝

──第7期はヒーローと敵＜ヴィラン＞、それぞれの決着が描かれました。中でも印象深いシーンはありますか？

緑谷出久役・山下大輝さん（以下、山下）：本当にいいシーンだらけでしたが、僕が涙したのは麗日さんとトガちゃんの戦いです。「なにかが違えば死んでしまうことはなかったんじゃないか」とか、「普通ってなんだろう」という現実世界に通ずるテーマを突きつけられた気分でした。

決着がついたもののそこに笑顔はない。未だにどんな気持ちで見届けるのが正解なのか迷っています。

──デクの活躍はご覧になっていかがでしたか？

山下：第7期のデクは我慢の連続でした。作戦を実行しようとしたけどワープさせられてしまい、やっとみんなのもとにたどり着いたと思ったらとんでもないことになっていて。そこからも天空の棺を崩壊させないために奮闘したりと制約ばかりだったんですね。

そんな中でも、ずっと隠していた＜オーバードライブ＞を発動した時は、僕自身、こういう“個性”だったのかと驚きました。ニッチで取り扱いが難しそうだなと思いつつ（笑）、演じてみて今までにないアプローチができたので、この＜オーバードライブ＞のシーンは印象深いです。

──内山さんは印象的なシーンを挙げるとすると、どのシーンでしょうか。

死柄木弔役・内山昂輝さん（以下、内山）：スターアンドストライプ戦はいち視聴者として楽しみました。映像の迫力はもちろん、戦いの規模の大きさが印象深いです。

演技的にはこのあたりからオール・フォー・ワンが死柄木を乗っ取り始め、セリフ回しに変化があったので、そういう意味ではターニングポイントでもあったなと思います。

──アニメ放送から約9年が経ちます。『FINAL SEASON』までたどり着いた心境をお聞かせください。

山下：原作が10年で完結したと考えると、間を開けずに『FINAL SEASON』を迎えられたのはすごく幸せなことですよね。まだちょっとだけ寂しさもあるんですけれど、それを凌駕するくらいの嬉しさと感謝でいっぱいです。

内山：『FINAL SEASON』で明らかになるキャラクターの秘密もあり、全部が開示されたからこそ振り返って考えたいことがあります。だから今の僕としてはまだなんとも言えない気分です。

この作品は最初のシーズンからキャラクターの変化やストーリー展開が考えてもいないものばかりで。僕としては毎シーズン、なんとかついていこうと目の前のことに着実に取り組んでいました。そんな風に、一つひとつ重ねて『FINAL SEASON』までたどり着けたのかなと思っています。

──『FINAL SEASON』の収録にあたってどういったことを意識しましたか？

内山：『FINAL SEASON』は前回から戦闘が継続している中で始まるので、そこは意識しています。あと死柄木はオール・フォー・ワンに乗っ取られている状態もあれば、自分を取り戻す瞬間もあるので、一つひとつ状況を確認することが大事だなと思いました。

山下：僕もうっちーと似ているんですけれど、戦いが継続している中で始まるからこそ、疲労感や怪我の具合は忘れないように心がけました。でも疲れすぎていると意思が弱く聞こえるので、疲れを凌駕するくらいの狂気さを保つことも意識しています。

収録現場は、みんなが意思疎通しながら、限界を超えても立っているんだという雰囲気です。それくらい、みんなが大事なものを見据えて演じているので、デクとしては疲れていても絶対に立ち続けるんだ、むしろ「止めなきゃいけない」という気持ちでいました。