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秋アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』上田麗奈インタビュー|比名子は“死ぬために生きる”少女

秋アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』上田麗奈さんが語る、死にたがる比名子の“面倒くさい可愛さ”【インタビュー】

海辺の街に独り暮らす八百歳比名子(CV.上田麗奈)と、それを喰べに来た人魚の少女・近江汐莉(CV.石川由依)。比名子の血肉は特別に美味しいと数多の妖怪を惹きつけてしまうのだが、彼女が成熟してから自分が喰べると、汐莉は妖怪たちから比名子を守っている。また、比名子を想う心優しい社 美胡(CV.ファイルーズあい)もいて……。

人と妖怪が織りなす、美しくも切ない、新感覚ガール・ミーツ・ガール、TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』が、TOKYO MXにて毎週木曜23:30より放送中! 比名子を演じる上田麗奈さんに、作品や自身が演じるキャラクターについて聞いた。

 

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私を喰べたい、ひとでなし
「私は君を喰べに来ました。」突如現れた人魚の少女・汐莉は海辺の街に独り暮らす比名子の手を取り、優しく語りかける。比名子の持つ血肉は、特別に美味しいという。それは数多の妖怪を惹きつけるほどに…。汐莉は、成熟し、最高の状態を迎えるまで比名子を守り“いずれ自分が喰べる”と約束する。比名子の胸には「このひとなら私の願いを叶えられるかもしれない」という切なる想いが浮かび―。作品名私を喰べたい、ひとでなし放送形態TVアニメスケジュール2025年10月2日(木)~AT-X・TOKYOMXほかキャスト八百歳比名子:上田麗奈近江汐莉:石川由依社美胡:ファイルーズあいスタッフ原作:苗川采総監督:葛谷直行監督:鈴木裕輔シリーズ構成・脚本:広田光毅キャラクターデザイン:郁山想色彩設計:水野多恵子美術監督:工藤義隆撮影監督:武原健二3DCG:志田じしろ編集:瀧川三智音響監督:納谷僚介音響効果:斎藤みち代音楽:井内啓二アニメーションプロデューサー:高木秀仁プロデュース:インフィニットアニメーション制作:スタジオリングス主題歌OP:「贄-nie-」吉乃ED1:「リリィ」八百歳比名子(CV:上田麗奈)ED2:「太陽、なってあげよっか?♡」社美胡(CV:ファイルーズあい)公開開始年&...

 

比名子は、見ている側が苦しくなるくらい仄暗さをまとっている子

──原作を読まれた印象をお聞かせください。

上田麗奈さん(以下、上田):コミカルなシーンもありつつ、ホラーなシーンもしっかりと怖く描かれているなと思いました。主人公の比名子は、見ているこちらまで苦しくなるような、全体的に仄暗さをまとっている子なんですけど、周りのキャラクターたちとの関係性がどこか歪だったりして、儚さを感じました。それに絵の美しさも印象的でした。

汐莉は人喰い人魚で、比名子を喰べに来たというところで、本来は怖い話なんですけど、比名子は自分の死に対して、怖がるどころか救いを感じているんです。そこが見ていて辛くなるところなんですけど、汐莉に出会って比名子がどう変わっていくのかを見守っていきたいと思わせてくれる作品でした。

 

 

──ホラーであり、ミステリアスな作品でもありますよね。ちなみにホラーは好きですか?

上田:実はホラーはすごく苦手なんです。だから本当に怖いなと思いながら原作を読ませていただきました。ただミステリーは好きなんです。だから汐莉に関しては特に、本心が読み切れない感じが序盤からあって、本当にただ喰べに来ただけなのか、そうじゃないのかが図り切れないところが気になるなと思いながら読んでいました。美胡ちゃんに関しても、何かありそうじゃないですか。なのでミステリー作品としても、面白いと思います。

──女の子たちのやり取りを楽しむだけではない面白さがありますよね。

上田:でも、原作の苗川 采先生は、面倒くさい子が面倒くさい子に振り回されているのがすごく好きで、それを詰め込んだとおっしゃられていたので、そういう視点で見ると、もどかしさとか辛さ含めて、良さがあると思います。でも比名子が前向きになったのかも?と思ったら、実はこうでしたって、真逆の意味だったりしてショックを受けたこともあったので、ドキッとすることが多い作品ではありますね。

──比名子のキャラクターについて、どんな印象を持たれていますか?

上田:比名子は死にたがっているというところが一番インパクトがある子だと思っているんです。心は(亡くなった)家族の元に行きたい。でも生きてほしいという家族の想いもある。そこに板挟みになっていて、結果、家族の元に行きたいという想いはあるが、自分で命を絶つことができないという考えに至り、自分の命を奪ってくれる何かを欲するようになってしまうんです。

 

 
生きたくはないけど、死ぬために生きるしかない。そんな状態からスタートするので、仄暗いイメージが序盤は強いと思います。そこから山あり谷ありなんですけど、表情が豊かになる場面があったりするし、家族以外の他者への想いも見せてくれるので、状況が良くなっているのかな?と思ったりもするんだけど、そっちに気持ちが変化しちゃったんだ……ということもある。そんなキャラクターなので、周りの子を無意識に振り回しちゃうところはあるのかなと思っています。

でも、比名子自身はそんな意識はないし、むしろ周りのことをすごく考えて動いている子なので、本当に優しい子なんだなと感じました。自分の頑固さと優しさのバランスをうまく取れてない感じが、先生がおっしゃった“面倒くさい子”というのにも繋がっていくのかもしれないですね(笑)。

──役を作っていく中で、ディレクションはありましたか?

上田:一番最初に、モノローグの比名子とみんなと会話している比名子の温度感をどうするのかという話があったんです。モノローグのほうは、淡々と、感情の持つエネルギーすらないという状態でやって、「そのままで大丈夫」という判断になったのですが、人と会話しているとき、「暗さを減らしたい」というディレクションをいただきました。明るくまではいかなくとも、比名子なりに周りと馴染んでいる感じになるよう意識して演じていきました。

 

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