
秋アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』上田麗奈さんが語る、死にたがる比名子の“面倒くさい可愛さ”【インタビュー】
先生が笑顔だから私たちも嬉しい! そんな現場でした
──上田さんから見た、汐莉はどんなキャラクターですか?
上田:最初はやっぱり怪しかったので、何を考えているのかわからない、底が知れない人だなと思いました。会話をしていく中で、飄々とした印象もすごくあって、飄々と、強引なことを比名子に言ってくるんですね。でも、その強引の中にも比名子を喰べるだけではない何かがありそうだと思わせる、すごく真っ直ぐなものを持っている感じがするキャラクターです。
──比名子と汐莉との掛け合いはいかがでしたか?
上田:最初の出会いのシーンはすごく怖いと思ったし、掛け合っているときも、何かを話しているようで話していない、噛み合っているようで噛み合っていないもどかしさがありました。
でも、今お話した通り、一緒にいると、比名子に対して優しいし、真っ直ぐ想いを届けてくれるから、友達になれるんじゃないか?と思わせてはくれるんです。
──石川由依さんは、他作品で演じてきた役柄もそうなのですが、声に優しい成分があると思っていて…。それが、仲良くなれるかもしれないと思わせてくれる要素のひとつだったりするのかなとも感じました。
上田:確かにお声がすごく優しくて柔らかいんですよね。含みがすごくネガティブなものに感じないのは、石川さんのお声や人柄も相まってだったのかもしれません。根っこから悪くて怖くて相容れないものではなく、とっつきやすさと清らかな空気感がある感じがして。それが汐莉の優しさに重なったのかもしれないですね。
──比名子の親友である社 美胡は、どんなキャラクターだと感じていますか?
上田:美胡は、比名子と真逆で、カラッとしていて、太陽みたいな子ですよね。存在感の強さとか、この子がいたら、比名子じゃなくても心強いだろうなと思える存在でした。あとは場の空気をガラッと変えてくれる人であり、対比名子に関して言えば、一番共感を生みやすいキャラクターだと思いました。だから美胡が比名子への想いを語っているシーンも、すごく納得しながら聞いていましたね。
──こういうホラーだったり、怖さがある作品だと、逆にアフレコは明るかったりするのかな?と想像したのですが、実際はどうでしたか?
上田:明るかったです(笑)。本編は重いんですけど、休憩中はお菓子を食べたりしていました。美胡役のファイルーズあいちゃんが、自分の家からお菓子をいっぱい持ってきてくれて、みんなに配ったりしていたのですが、ある時、かわいいパッケージのハンドクリームを持ってきて、石川さんと私と3人で、それを分けてくれたことがあったんです。「友情の証ね」と言って、ファイちゃんが、「由依さんはこういうイメージだから、このパッケージ」とか、私たちに合わせて見繕ってくれて。キャラクターとしては、この3人の関係性はちょっと歪だったりするけど、休憩時間は仲良しで、とても平和でした(笑)。
──最初に原作の先生の話もありましたが、アフレコに来てくださったのですか?
上田:そうなんです。先生は愛媛に住んでらっしゃるんですけど、度々アフレコにも来てくれて、そのたびに「素晴らしいです」「嬉しいです」「ありがとうございます」と、すごくポジティブな言葉を掛けてくださったんですね。先生が笑顔だから私たちも嬉しい! そんな現場だったと思います。
──愛媛というのは良い舞台ですよね。
上田:私、これまで愛媛には行ったことがなかったのですが、この番組のロケで愛媛に行ったんですよ。その景色を見ながら、比名子は辛かっただろうなと思ったんです。そのくらいめちゃめちゃきれいな空気と景色だったんです。私も田舎育ちなので、田舎ののんびりした感じは知っていたけど、やっぱり北陸と四国は少し違うなと(笑)。瀬戸内海は、穏やかな海と、とても温かい空気感があったので、すごくキラキラして見えたんですね。
これだけ多幸感に溢れた街だと、比名子のようなメンタルで道を歩いたり、景色を眺めたりしたらしんどいだろうなって。自分のしんどさと、周りの世界がすごく幸せに見えるギャップに苦しんだんじゃないかなと思ったんですね。本当に、穏やかに暮らせそうだなと思わせてくれる、すごく良いところでした。
──では最後に、アニメを楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。
上田:苗川先生が面倒くさい子が面倒くさい子に振り回される作品が好きで、それを詰め込んだとおっしゃられていたのに対して、私も「なるほど」と思ったので、その視点で見る楽しさもあると思います。そのくらい比名子と汐莉が本当に噛み合わないんですよ(笑)。ずっと噛み合わなくてもどかしい中、比名子の危うさに、この子どうなっちゃうんだろうという怖さもあるので、それがどう変わるのか、もしくは変わらないのかを見守っていただきたいです。
でも周りの人たちの比名子に対する友情とか愛情は、とても伝わってくると思うから、汐莉や美胡と同じ気持ちで比名子を見てくださるのもいいし、比名子に感情移入すればするほど、汐莉は強引だなと思ったり、美胡に対してはごめんねという気持ちが湧いてきたりするので、誰の視点も大事に、見ていただけたら嬉しいなと思います。
[文&写真・塚越淳一]
作品情報















































