
TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3甲斐田裕子 インタビュー|シルヴィアを演じる楽しさを語る「役者は日々戦い、探求の連続ですね」
TV アニメ『SPY×FAMILY』Season 3 が毎週土曜 23:00 よりテレ東系列ほかにて放送中です。
『SPY×FAMILY』は、「少年ジャンプ+」にて連載中の遠藤達哉さんによるスパイアクションコメディが原作。凄腕スパイの〈黄昏〉が極秘任務のために精神科医ロイド・フォージャーに扮し、他人の心が読める超能力者・アーニャ、殺し屋のヨルと仮初めの家族としてお互いの正体を隠しながら、世界平和のためにさまざまなミッションに挑む物語です。
今回は、10月25日(土)放送の MISSION:41「スキャンダルの裏側」で大活躍する〈黄昏〉の上司であるシルヴィア・シャーウッド役の甲斐田裕子さんにインタビュー。
MISSION:41のみどころや『SPY×FAMILY』の魅力を聞きました。
シルヴィアは母であり、父でもある素晴らしき人
──『SPY×FAMILY』という作品の印象や魅力をお聞かせください。
シルヴィア・シャーウッド役・甲斐田裕子さん(以下、甲斐田):原作は読み始めたら止まらない面白さで、どのキャラクターも魅力があって、世界中の人達が盛り上がるほどの力を持っている作品。アニメになってより多くの人の目に触れることになり、音楽や演出の力も相まって、さらに愛溢れるいい作品になりました。個人的にはアーニャが一番大好きです。
──アーニャについて、どんなところがお好きですか。
甲斐田:天真爛漫の受け答えとアーニャ語が魅力的。家でも「おでけけ」とか「うぃ」とか「アーニャきかんした」使っちゃいます(笑)。ふと口をついて出てしまう中毒性、伝染性。家族でかなり影響受けてます。
──社会現象となった『SPY×FAMILIY』に出演して、ご自身に影響はありましたか。
甲斐田:代表作として名前を挙げるとみんな知ってるので驚きます。幅広い世代の人が見てくれているんだなと改めて実感します。夜に映画を見ることが多いんですけど、家族みんなが好きなので、「また『SPY×FAMILY』を見ようか」と言って、見返すことが多いです。
Season 1 の第2クールでは、シルヴィアの過去が時々見え隠れ。辛く厳しい過去を乗り越えてきた人なんだろうと想像します。いい役をいただいたなと思っています。その分悩むことも多いですがそれもまた、楽しいです。
──シルヴィアは優しさと厳しさを感じます。
甲斐田:スパイや諜報の仕事をしている人としては珍しいですよね。もっと冷酷で非情な世界のイメージだけど、ちゃんとフォローすべきところはフォローしていて、すごく人間味あふれる人。彼女の下で働いていれば大丈夫という、信頼できる上司です。母であり、父でもある気がして、素晴らしい人だなと思います。
彼女のセリフに「今日が平和で何よりだ」とか「自分の頭で考え続けろ」など好きなセリフがいっぱいあるんですが、そのセリフを口にできるのがとても嬉しかったです。シルヴィアの深さを感じられるセリフです。
──シルヴィアを演じる上で、難しいと感じるところやスタッフのディレクションで印象的なものがあればお聞かせください。
甲斐田:シルヴィアは基本的には落ち着いたトーンで、淡々と指示を出しますが、内側に秘めているものがあるキャラクターです。そして、それがかいま見えることが時々ある。そういうところが一番難しいと同時にやりがいがあるなと思っています。またチャーミングでいたずらっぽい表情の時もあってどの程度まで崩すのか、毎回楽しく悩んでいます。
『SPY×FAMILY』の収録現場では、基本的には役者に任せていただくようなディレクションが多くて、時々「こうしてみましょうか」「ああしてみましょうか」というピンポイント、さじ加減で調整して、できあがったものがいいものになっているという、とても信頼のおけるディレクションです。
Season 1 でテロリストの学生たちに、シルヴィアが「大学では『戦争』を習わなかったようだなボウヤたち?」と言うシーンがあるんです。そこが彼女の最初のキーポイントのところだったので、原作も読み込み、舞台の稽古のように家で何回も反復し色々なパターンを試しました。収録現場では内に秘めた大きなものを抑え込む芝居を持っていきました。
テストの後「もうちょっと感情を出しましょうか」というディレクションが入ったので、「抑えすぎたかな」と思いもう少し熱い感じのパターンもテストしました。最終的には、「持ってきた(演技プランの)もので」となりました。いろんな周りとの絡み合いを見て、全体を調整しながらお芝居を作っています。役者も個性的で実力ある人たちが揃っているので、テストからほとんど完璧な仕上がりです。そこに匙加減の調整が入るとみんな瞬時に対応できるし、さらに一段と面白くなったりする。いつもスピーディな収録ですが一時たりとも見逃せない良い空気感の現場です。
──シルヴィアの好きなところはどんなところですか。
甲斐田:包容力というと、母親的ですけど、父親の持つ包容力も持っていると思います。放置しながらも助けるべき時は助けるという安心感がある。いろいろな経験値を持っているからこそ、適切な答えが出せるのかな。彼女の人生の厚みが形作っている落ち着き、頼もしさが好きです。色々裏で奔走したり尻拭いしたりしてるはずなんですが、決してそれは口にせず、さも当然のように包み込んで、むしろ楽しんで支えている、萌えます! 大好きですね!


















































