
私の音楽活動の第3章が始まる──大西亜玖璃さんコンセプトミニアルバム「Rock&Roll Lady Girl」&「失恋モノクローム」リリース記念インタビュー
“28歳の私にぴったりな楽曲”
──3曲目「恋のサチュレーション」は片思いの歌なのでしょうか?
大西:そうですね。だけど真っ直ぐな歌詞ですよね。私のいつもの曲のテイストに近いからレコーディングはすぐに馴染めましたし、歌いながらファンのみんなが盛り上がっている姿が想像できました。この曲もライブで歌うのが楽しみです。
──作詞・作曲の井上トモノリさんは数多くのアイドル曲を手掛けられていますね。
大西:すごく爽やかでキャッチーで、CMソングのような曲ですよね。
── 一転して4曲目「アンブレラビート」はかっこいいサウンドです。
大西:アニソンロックですね。激しい曲で、口調も強めということもあって歌うのが難しかったです。仮歌をいただいた時は良い曲!と思ったのですが、実際に私が歌うことを考えたら……(笑)。
──(笑)。以前の「恋よりずっと Only you」のインタビューで、作詞の東乃カノさんとはまだお会いしていないとお話しされていましたが、今回は……?
大西:まだお会いできていないんですよ。それこそ「恋よりずっと Only you」は私が小倉 唯さんのことが好きな気持ちを反映してくださった曲で、私にとってもお気に入りの一曲なのでいつかお会いしたいと思っています。
──そして表題曲の「Rock&Roll Lady Girl」。こちらはタイトルから感じる雰囲気と曲調の違いに驚きました。
大西:英語だから「アンブレラビート」のようなイメージを持ちますよね。
──歌謡曲感があるといいますか。
大西:シンガーソングライターがギター片手に駅で歌っていそう。歌詞の通り、上京ソングでもあります。
──大西さん自身、上京する時はこの曲のような心情だったり?
大西:こんなにしっぽりはしていなかったですね(笑)。どちらかと言うと、頑張るぞ!と前向きな気持ちでした。
今回、「裸足のスタンプ」と「世界の全てがさよなら」を先にもらっていたのですが、後から「実はhabanaが作っています」と教えてもらって。これまでの傾向的にロックな雰囲気なのかなと思っていたらしっとり系で驚きました。でもhabanaらしさがしっかりと詰まっていて。
──間奏のサックスなど、サウンドにこだわりを感じました。
大西:そうですね。曲のディレクションをしてくださっている方の知り合いに演奏していただいたそうです。
──歌ってみていかがでしたか?
大西:仮歌の段階では今よりも2個くらいキーが高く、優しい歌い方だったんですよね。でも、この曲は“28歳の私にぴったりな楽曲”を目指しているんです。
28歳って大人びているところもあれば、まだ子供っぽさもある年齢だと思うんです。なので「Lady」と「Girl」が組み込まれていて。
収録の際、高く歌うとGirlに寄りすぎてしまうと思って、低めで歌いたいとリクエストしたのですが、そうしたらhabanaが乗りに乗って、もう一音低くすることになって。歌い終えてみて、この曲が一番私の地声に近い感じなんじゃないかなと思っています。
らしさと、新鮮さが詰め込まれた失恋ソングの数々
──では次に「失恋モノクローム」について。1曲目「世界の全てがさよなら」は王道の失恋ソングになっていますね。
大西:最初はhabanaが失恋の詩を書くのが面白いなと思っていたんですけど、実際に見てみたら詩人が書いたみたいで驚きました。特に、メロディやサビもなく、スッと終わっていくところは余韻があってすごく強気だなって。
歌詞の最後に〈?〉が付くのですが、これが何を意味しているのかhabanaに聞いても照れて話してくれないんです(笑)。真相はわかりませんが、私としては余韻を残しつつ、前を向いていることの表れなのかなって解釈しました。
──これが1曲目に収録されているのは大胆な構成かもしれませんね。
大西:本当にそうですね。さよならしてから次に行くなんて(笑)。
──2曲目「いつもどおりに」は、シンプルながら印象に残るタイトルだなと。
大西:歌詞を見て、どこにタイトルがあるのか探したら()の中にあってビックリしました。
──歌詞は片思いの女の子の切ない雰囲気が表れています。
大西:相手にはなにも伝えていないから、なにも始まらずに終わってしまったんですよね。ちょっと切ないけれど、最終的に相手の幸せを願っているからこれでよかったんじゃないかなって。当たって砕けるくらいの心境だったら全く違う曲調になると思いますし……。
実際に歌ってみて、こちらもキーとかメロディがいつもの曲と同じだったので歌いやすかったです。
── 一方、3曲目「今日が過ぎても」は悲痛な雰囲気があって。
大西:メロディがかっこいいバラードになっていますね。この曲を歌ってみて気が付いたのですが、私はこれまであまりバラードを歌ったことがなかったんですよね。だから工藤さんも、今回のアルバムコンセプトに「失恋」を選んだのかなと思いました。
──新鮮な気持ちで歌えたのでは?
大西:「大西さんらしく歌ってください」と言われたので、切ない感じで歌ってみました。普段は裏声をあまり使わないんですけど、この曲はたくさん使っています。
──4曲目「失恋を君に」はタイトル通り、失恋をさせる側の曲ですね。
大西:そうですね。最初はイントロが不思議な音でリズムも取れなかったのですが、途中からみんなが乗れるような曲になっているなと。歌詞も韻を踏んでいて、聴き心地も良いのではないかと思います。
失恋ソングですが、「この恋、良かったよね」みたいな後味の良さもあって。私としても「この歌、良かったね」と思ってもらえるような曲になっていたら嬉しいです。
──「失恋を君に」には、アルバム名「失恋モノクローム」の〈モノクローム〉というワードも出ています。
大西:実は、この曲はアルバムのタイトルが決まった後に完成した曲なんですよ。そういう意味でもアルバムを象徴した曲になるような曲として制作いただきました。
──そして最後を飾るのは「にじんでく」でした。
大西:これも難しいです。音が少なく、音程が取りづらい中でアカペラっぽくなりますし、「セリフのように歌ってほしい」というオーダーもあって。
──歌詞も相まって、しんみりした気持ちになりますね。まさにこのアルバムの締めくくりに相応しいような。
大西:歌詞に共感できるかと言われたら、私としては共感はしなかったんですよね。むしろ、なんで別れちゃったんだろうって。書き置きでいなくなる……本当に経験した人がいるのか気になります。
──ファンのみなさんの反応が気になりますね。
大西:そうですね。みなさん教えてください(笑)。












































