
『機動戦士ガンダムエイト』第1巻発売記念! シナリオ:鴨志田一先生×漫画:高木秀栄先生対談インタビュー|外宇宙探査の候補生たちにフォーカスした新たなオルタナティブシリーズ……その世界観構築に至るアイディアに迫る
今後の見どころや先生方が気に入っているガンダムシリーズの作品にも迫る
――ここまででかなり重要なネタも出てきていると思いますが、おふたりが今後に向けて第1巻で把握しておいてほしい情報などはありますか?
鴨志田:第1巻の終盤にようやくガンダムジリウスが登場するので、そこからあの第1話の活躍にどう繋がるのか。ここがおそらく、みなさんが一番気にしているところかなと思っています。なので今後、ジリウスがどうやって第1話の状態になっていくのか……というところにはやっぱり注目してほしいです。
高木:普段の漫画だと1話分のシナリオは30~40ページぐらいに収めるのですが、この作品はじっくり80ページものボリュームをもらっているので、かなりじっくり物語を描いているんです。この先も面白くなるので、物語の方にはぜひ期待してもらいたい感じです。
鴨志田:ようやくガンダムにも乗りますから!
高木:そうなんです。第1話で本編の終盤を描いているとしても、現状はまだナオミたちはガンダムには乗っていない。第2巻以降でガンダムは活躍するのでぜひ読んでいただきたいですね。
そして第3話の終盤に2機のガンダムが出ていたと思います。ガンダムシリーズの作品で量産機というと違った意味に聞こえるかもしれませんが、『ガンダムエイト』におけるガンダムはワンオフの機体ではなくあくまで量産できるものなんです。そのあたりがどうしてこうなったのだろうか、という部分が第2巻以降はどんどん見えてくると思います。
――ジリウス以外にも訓練生用の量産機・マージムも登場していますが、こちらもカッコいいです。
鴨志田:名前はカネコツさんが考えてくれました。機体は今後も増えていくので楽しみにしていてください。
――メカの話からで恐縮なのですが、ジリウスは既に立体化を果たしていたかと思います。実際にご覧になる機会はありましたか?
鴨志田:物自体もキットが出来上がっていく過程も見させてもらいました。僕は文字面を起こすだけなので、プラモデルにする時にこの細さだとパーツを作るのが難しいとか、ビームサーベルをここにマウントさせるとちょっと邪魔になるかなとか、そういうデザインに関するところはカネコツさんがBANDAI SPIRITSの方と打ち合わせしてまとめてくれています。完成する前の過程で色がつく前の状態のデコマスも見させていただきましたが、凄く細かいところまで再現度が高かったです。
高木:完成品はまだ自分の手元にはないのですが、それこそSNSで商品を購入した方の話が流れてきたのを見て、こんな感じなんだと思ったりはしました。楽しそうにしてくれているなって!(笑)
――最近はガンダムシリーズ全体がとても勢いがあるように思いますが、余談としておふたりの思い入れのあるシリーズ作品なども教えてください。
鴨志田:僕は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が一番好きなんだと思っています。いまだに何年かに一度見返すのですが、今見ても古さを感じない不思議な作品ですね。それが凄く印象に残っています。単純にνガンダムがかっこいいと思っているところもありますし。
それにプラスして『逆襲のシャア』で言えば、富野由悠季総監督が書いた小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』も自分の中でかなり印象に残っています。最後の「もう、ナイチンゲールのさえずりは聞こえなかった」という一文はいまだに覚えていますし、素敵だなと思っています。それもあってシリーズでどれが好きかと聞かれたら『逆シャア』と答えることが多いです。
後は『∀ガンダム』も凄く好きでした。こんなガンダムの作り方、ありなんだって思ったりしました。
――物語としても複葉機が飛んでいる世界にモビルスーツが発掘されて、月から来た主人公がという驚きの展開の連続でしたし、主役機にしても髭がついているという。
鴨志田:あれは僕にはちょっと採用できる自信がないですね……!
――高木先生はいかがですか?
高木:僕は元々プラモデルが好きで作っていたので、どちらかというとガンダムを見るより先にプラモデルを作っていました。リアルタイムでは見ていなかったのですが、世代的には『∀ガンダム』くらいの時期に小学校高学年だったので、カプルのガンプラは作っていました。その後、深夜に『機動戦士ガンダム』の再放送を見てシリーズにハマっていきましたが、中でもOVAの『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』が一番好きなんです。
前作の『コード・フェアリー』は宇宙での戦いがなかったので、地上戦という部分で自分の好きなガンダムと近しい部分があったのは今でも良かったなと思っています。モビルスーツの傷の表現を気付いたらどんどん入れてしまうので、自分で自分の首を締めないよう抑えていたくらいでした。
――『第08MS小隊』はDVDやBlu-rayのジャケットで描かれているものを見ても、陸戦型ガンダムの傷や汚れの表現はとても印象に残りますよね。
高木:そうですね。キャラクターデザインを務めた川元利浩さんも大好きなので、よく画集とかを見ています!
――おふたりはこれまでご覧になられたガンダムシリーズで、自身の創作の中で参考になるなとか、こんなやり方があるんだと発見した要素はありますか?
鴨志田:もう身体に沁み込んでいるので、おそらく意識的にサルベージしているのではなく、気付かないくらい自然に漏れ出ているんだろうなと思っています。後は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は鈍器で殴り合うというシリーズでも珍しい方法で戦闘シーンを表現していたのですが、関わっていた時に大きいものを力強く動かすにはやっぱり大地があったほうがいいなって思ったりしていました。
高木:ビジュアル面でいうと、やっぱり『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』や昨年の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』における、デカいモビルスーツが動いているところは感動しました。これまでもそういう表現はあったのですが、映像表現としての段階を上げて来たなっていう感じがしたんです。おそらくあれは漫画ではなく映像の表現なので漫画に落とし込むのは難しいと思うのですが、そういう大きなものが動いている感覚の表現に感動した覚えがあります。
――『閃光のハサウェイ』におけるモビルスーツの巨大さの表現は確かに凄まじかったです。
高木:僕としてはあの敢えて画面全体を暗くして見せないっていう表現は好きでしたね。後は、あの夜の市街地でのグスタフ・カールとメッサーの地上戦でしょうか。あの火花が溶けて落ちてくる感じも、なんだか鉄が溶けて血のように流れているように見えて、おもしろいなぁと。
どちらかというと今まではパッと爆発して煙と火花が出る表現が多く用いられていたように思うし、自分の漫画とかでもそちらの方が派手にできるし、漫画だとワンシーンを切り取った表現になるのでああいう感じにしてしまう。だけど、映像を見てこういう血が吹き出すような感じもとてもおもしろいし新しいなと思っていました。
――それでは最後に『ガンダムエイト』の今後に期待している読者のみなさんへのメッセージをお願いします。
高木:自分もこれから先の展開がどうなるのかワクワクしながら漫画を描いています。みなさんもナオミとジリウスの運命を見守ってくだされば幸いです! ナオミとマリアネラがメインだけど、個人的には何か訳アリそうなフェデリカの今後や活躍に期待しています!(鴨志田先生の方を見ながら)
鴨志田:お楽しみに!(笑)
――ナオミが第3話で助けていた子ですよね。ちなみに、高木先生はどこまでシナリオを知っているのですか?
鴨志田:第8話までは見ていると思います。
高木:そうですね。打ち合わせを月イチでやっているので、そこで最初にチェックしています。もらった話数をベースに月イチで打ち合わせをして、その後から描いていくのを毎月繰り返しています。
鴨志田:またちょっと大変な作画のラインナップになりますが、近日中には第9話が少しは見えるかなと。
高木:今自分が読んでいるところで物語の全体の何パーセントくらいなのかもわからないので、お話しできることが今後また増えていくと思います。
――では鴨志田先生からも一言お願いします。
鴨志田:第1巻の終わりでようやくガンダムが出てきましたので、ナオミが乗って活躍していく物語がこの後は展開していきます。そこはもちろん楽しみにしていてほしいのですが、キャラクターに関してもモビルスーツに関しても、まだこれから新たに登場する人や物がいっぱいあります。その辺も含めて、どうしてあの第1話に繋がっていくのかを注目しつつ、楽しんでいただけたら嬉しいです。
[取材・文/胃の上心臓]
『機動戦士ガンダムエイト』1巻発売記念フェア

○開催期間
2025年10月23日(木)~2025年11月24日(月)
○開催場所
全国アニメイト
(通販を含む)
○フェア内容
期間中、対象商品を1冊ご購入ごとにB5サイズビジュアルボード(全2種)を1枚プレゼント!
※絵柄はお選びいただけません。
さらに!アニメイト池袋本店にて『機動戦士ガンダムエイト 1巻』をご購入いただいたお客様には、池袋本店限定 ブロマイド(全1種)を1枚プレゼント!!
○特典内容
全店特典:B5サイズビジュアルボード(全2種)
池袋本店限定特典:ブロマイド(全1種)
○対象商品
■2025年10月23日(木)発売
[コミック]
・機動戦士ガンダムエイト 1巻
[雑誌]
・ガンダムエース 2025年12月号
■好評発売中
・KADOKAWA刊 ガンダム関連コミック・小説各種
○注意事項
※特典はなくなり次第終了となります。
※施策に関わる景品・特典・サイン本他・応募用紙・引換券等は、全て第三者への譲渡・オークション等の転売は禁止とさせていただきます。
※アニメイト通販をご利用のお客様につきましては、ページ下部のアニメイト通販の対応方法をご確認ください。
○問合せ先
恐れ入りますが、対象各店宛にお願いします。
関連施策
アニメイト一部店舗にて、ガンダムジリウスのスタンディパネルを設置!
展示期間:2025年10月23日(木)~2025年11月24日(月)
展示店舗:アニメイト池袋本店、名古屋店、梅田店











































