
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』三日月・オーガス役 河西健吾さんインタビュー|三日月はこれからもずっと何かしらで声を届けていきたいキャラクターのひとり
オルガが落ち着きを見せ始めるまでの準備段階のような一幕が見られた
──「幕間の楔」についてもお聞かせください。今回改めて三日月を演じた感想からお願いできますでしょうか。
河西:もしかしたら僕だけではないのかもしれないのですが、第2期までの全てが終わった後に第1期のあとの話をやることになったので、第2期に入ってからの関係値や仲の良さみたいなものが台詞にのってしまったんです。それだとTVシリーズが終わった後の感覚になっている……という指摘をいただいて、確かにそうだよなと自分自身でも感じながらも、「幕間の楔」の時期の三日月に戻すという作業は大変でした。
──作品自体をご覧になられた印象はいかがでしたか?
河西:「ガンダム」なのでもちろん戦闘シーンはあるのですが、どちらかというと第1期を経たことで鉄華団のみんなから、これからもっともっと成り上がっていくぞという勢いを感じました。ここから第2期へと繋がっていくので、まだ『鉄血』をご覧になられていない方は、ぜひこの「幕間の楔」とTVシリーズを合わせてチェックしていただけると嬉しいです。
──今回のバルバトスの新形態であるガンダム・バルバトスアダプトについて、最初ご覧になった印象はいかがでしたか?
河西:第25話からしっかり整備されないまま歩みを止めていないことが見てとれました。色々な戦いをその後も繰り広げていたからこそ止まれないし、その場その場での応急処置をずっと続けながら戦っていたのだなと。あの見た目のボロボロな感じも、バルバトスらしいなとも思いましたね。
──戦闘シーンでは第1期のグレイズ・アイン戦同様に太刀を使って戦う三日月のバルバトスが見られたかと思います。そのあたりの感想はありますか?
河西:グレイズ・アインとの戦闘シーン中に「こいつ(※太刀)の使い方、やっと分かった…」という台詞もありましたが、やっぱり三日月自身はそんなに太刀を好んで使っていた訳ではないんだなという印象を受けました。ただ、バルバトス自体がボロボロで酷使し続けている状態なので、大きいメイスを扱えるかというとそうではないのだろうし、三日月の歯がゆさみたいなものも感じていました。
──歯がゆさを感じているような三日月に対して、昭弘・アルトランドが声をかける場面もありましたが、昭弘とは改めて掛け合ってみていかがでしたか?
河西:さっきも話したように、今回の収録では、はじめは第2期まで終わった後の感覚で三日月を演じてしまったんです。昭弘とのやり取りは特に顕著で、「それだと仲が良すぎる」とディレクションをいただき僕自身もそうだなと気付く部分がありました。もちろん第1期の時にも軽口をたたくようなシーンはあったのですが、最初に演じたものはその度合いが少し強すぎたなと見返してみて思いましたね。
──オルガが第2期になって何故スーツを着るようになったのかという部分も出ました。オルガについてはいかがでしたか?
河西:オルガなりに慣れないことを頑張っているなというのは感じました。自分の衣服が破けていることにも気付かないくらい没頭している。
それを見て周囲もちょっと茶化したりはするのですが、鉄華団の仲間のために奮闘していることはわかっていて。第2期だと落ち着きを見せ始めていましたが、その段階に行くまでの準備期間のような一幕……子供から大人に変わる瞬間みたいなところを「幕間の楔」で見られて良かったです。
──『ウルズハント』についてもお聞かせください。ご覧になって三日月たちの物語との雰囲気の違いなど感じましたか?
河西:主人公のウィスタリオ・アファムが三日月のような少年兵だったり、昭弘たちのようなヒューマンデブリではないところは違いとしてありますが、ウィスタリオたちの暮らす金星も劣悪な環境で、現状を変えたいと行動する奔走劇でもあるので、そのあたりは三日月たちとどこか近しいものを感じています。
ただ、大元は宝探しが主軸のお話ですし、『鉄血』の世界の色々なところを巡っていく要素もあるので、楽しく見られたのかなと思っています。
──ありがとうございます。最後にファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
河西:10年と言う節目にこうやって劇場で展開できたことを僕らとしても嬉しく思っています。この10年、劇場版をやりたいと言い続けていましたが、実現できたのはやっぱり、止まらずにずっと『鉄血』を追いかけ続けてくれたみなさんのおかげです。この作品を劇場でご覧いただいて、少しでも「追いかけ続けて良かった」と感じてもらえたら幸いです。
作品情報
あらすじ
ギャラルホルンによるアーブラウ中央議会への政治介入事件は、モビルスーツを使った武力行使にまで発展。
事件を終結に導いたのは、鉄華団と呼ばれる火星から来た少年たちだった。
金星に浮かぶラドニッツァ・コロニーで生まれ育ったウィスタリオ・アファムの耳にも、鉄華団の活躍は届いていた。
火星との開拓競争に敗北した金星は、四大経済圏も興味を示さない辺境惑星。
住人はIDすら持たず、今は罪人の流刑地として使われるだけ。
そんな生まれ故郷の現状を変えたいと願うウィスタリオの前に現れたのは、「ウルズハント」の水先案内人を名乗るひとりの少女だった。
「おめでとうございます。あなたは『ウルズハント』の参加資格を得ました」
少女との出会いにいざなわれ、ウィスタリオはコロニーすら易々と買うことのできる莫大な賞金を懸けたレース……「ウルズハント」の入口に立たされていた。
キャスト
デムナー・キタコ・ジュニア:堀内賢雄
コルナル・コーサ:上田麗奈
レンジー・ダブリスコ:木内太郎
カチュア・イノーシー:田中美海
598:三瓶由布子
タマミ・ラコウ:伊藤静
ローム・ザン:稲田徹
アイコー・ザン:山根雅史
シクラーゼ・マイアー:野島健児
【同時上映「幕間の楔」】
三日月・オーガス:河西健吾
オルガ・イツカ:細谷佳正
ユージン・セブンスターク:梅原裕一郎
昭弘・アルトランド:たくみ靖明(内匠靖明)
ノルバ・シノ:村田太志
ライド・マッス:田村睦心
ナディ・雪之丞・カッサパ:斧アツシ
クーデリア・藍那・バーンスタイン:寺崎裕香
アトラ・ミクスタ:金元寿子
(C)創通・サンライズ















































