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『終末ツーリング』稲垣好×富田美憂が語る、これまでの走行記録【インタビュー】

終末の世界で輝く“ふたり”の絆――『終末ツーリング』稲垣好さん×富田美憂さんが語る、これまでの走行記録

 

核心に迫るところは、視聴者に委ねているところがいいんです!

──第5話が「流山・利根川運河・木更津」でした。巨大な欠けた月と海の竜巻が、終末感もあってすごかったです。

稲垣:サバイバル感をすごく感じました。今まで2人がどんな感じで過ごしてきたのかも描かれていたりして。

富田:アイリも、ザリガニを釣ろうとしていたからね(笑)。

稲垣:あと、ヨーコはアイリと違う感覚を持っているからこそ、不吉さを感じることができたりするんですよね。それをアイリが理解できないというところで、2人の違いも感じて、新鮮でした。

富田:そうだったね~。

稲垣:今の現実世界ではあまり考えられないようなことも起きていて、面白かったです。これが終末世界かぁって。

富田:ちゃんと怖かったよね。今までののんびりさとは一転して、緊張感があった。

稲垣:作画の良さも相まって怖かったですし、ヨーコも珍しく怖気づいていたんですよね。そこまでの危険を感じていたんでしょうね。

富田:あと、オンエアで音が付くと、より怖いですよね。

稲垣:挿入歌(「オフロード・コンパス」五阿弥ルナ)もあって、音楽からは爽やかさも感じるんだけど、映像の激しさから緊張感もありました。

──ほのぼの感とのギャップが面白いですよね。でも基本、2人はノーテンキな気もしますが(笑)。

富田:(台本を見ながら)あと、テントとパンクの修理講座もありましたね! このアニメ、時々ためになる講座が入るんですよ。

稲垣:ロケでテントを張ったけど、それも私たちは苦労していたので、この2人は、それをサラッとやるからすごいんです。

富田:我々も同じことをしているから、2人のすごさがよりわかるという。私たち2人では、終末世界は過ごしていけないんだろうなとは思いました(笑)。

──次の第6話は「海ほたる」でした。

稲垣:ここは、とんでもなかったですね!

──アクションアニメみたいでした。

稲垣:劇伴も含めて、めちゃめちゃ2人がカッコよく見えました。すごいアクションでしたけど、ヨーコが珍しく、明るさがなくなるところがあるんですよね。終末世界の危険に触れて、珍しいヨーコが見られたのは良かったと思います。

あとこの回のヨーコとアイリの関係がすごく尊いと思ったんですよ。ヨーコが、アイリとおでこを合わせて、「熱はなし! ちゃんと眠れた? 食欲は?」って確認するところとか、2人がお互いを本当に大切に思っているんだなというのが伝わってきて、すごく好きです。

富田:不思議だよね。家族でもないけど、友達でもないような。何と言い表したらいいのかわからない関係というのがいいよね!

──その前の、アイリが倒れちゃうところも、ヨーコの焦り方が良かったんです。

稲垣:原作を読んでいない方からしたら、何が起こるか本当に想像がつかないと思うので、ずっとドキドキできますよね。そこからお姉ちゃんからメールが届くというのも含めて。

──アイリの緊急メンテナンスの必要性についての堅苦しい語り口のメールが届いていましたよね。

稲垣:でも、ここでメールが来るというのも、何でだろう?ってなりますよね。

──思いました。むしろ先を知らずに観たい作品なんですよ。

富田:確かに! 私も予備知識なく観たいんですよ。自分の記憶を消して観てみたい。

稲垣:私たちはどうしても先を知って、観ることになるから……。

──そして大量のネズミに追いかけられていたり、貨幣の価値がなくなっている世界だというのを実感する回でもありました。コインに発行年が書いてあって、そこまで人類は存在していたんだなと考察できたりもしましたね。

稲垣:発行年のことは、ネットの感想でも書いてありましたね。

富田:みんなよく見てるな~。

──ネズミも怖いですよね。

稲垣:でも、あれを食べているのすごくないですか?

富田:すごすぎるよ(笑)。

稲垣:アイリはまだしも、ヨーコは大丈夫かな?って。

──ヨーコは大丈夫ですよ。傷の治りが早い描写はありましたが、図太いですから。

富田:そりゃ、この世界で生き残ってるよ!って感じですよね(笑)。

──回想シーンでは、海ほたるの今の風景がありましたけど、お二人も海ほたるに行っていましたね。

富田:楽しかったです!

稲垣:いわしバーグも私たちは食べられたので(笑)。ヨーコたちの代わりに食べてきました!

富田:箱根でソフトクリームを食べたときも、2人は食べられなかったけどねって言いながら食べていました(笑)。

──第7話「つくば」では、アイリの緊急メンテナンスのために研究所へ行きました。そこでヨーコも健康診断をしました。つくばエクスポセンターあたりなんですかね。

稲垣:私たちも実際にここへ行ったんですけど、つくばエクスポセンターは終末世界ではなくなっていて、電話ボックスから施設に入るんですよね。あれはカッコ良かったです。

──確かに、秘密基地の入口みたいでカッコいいですよね。『週末ツーリング』では、つくばエキスポセンターで遊んでいましたね。

富田:結構面白かったんですよ! そのロケの中では、ゆるぎ石が印象的でした。到底動かせる重さ(50t)ではないオブジェみたいな石が、ちょっと触っただけで動かせる仕組みになっているんですけど、それが特に面白かったです(笑)。

稲垣:科学に触れたよね。電話ボックスは見つけられなかったので、あの研究所には行けなかったですけど(笑)。

──電話ボックスがあれば、行けたかもしれない(笑)。でも、何の迷いもなく裸になって健康診断を受けているヨーコは、やっぱり図太くて面白かったです。

富田:本当に図太いですよね。でも、ああいう図太さがないと終末は生き延びられないんですよ。

稲垣:しかもヨーコは、ぐっすり寝ていましたからね(笑)。それで戻ったら、アイリがおっきなヘルメットみたいなのを被っていて、改造されてるー!!みたいなのも、かわいかったです。

──宇宙服ですけどね。

富田:そういえば、宇宙食も出てきましたね。

稲垣:保存食みたいなのは、我々も食べましたけど。

富田:宇宙食は興味あります!

稲垣:この研究所のように、実際に今の世界にないものも出てきたりするのが面白いですよね。しかも、この研究所もちょっと謎があったような気がします。ここでもまた考察されているのでは?と思いました。

富田:あと「きらきら星」(「Twinkle, Twinkle, Little Star」)を歌ったよね!

稲垣:プラネタリウムの天井が抜けていて、天然の星が見えていたんですけど、それもすごくきれいで良かったです。

──ちょくちょく2人が歌っている歌は、アフレコ現場で歌っているのですか?

富田:アフレコのときに歌っています。

稲垣:「Twinkle, Twinkle, Little Star」も、英語なんだ~と思いながら。

富田:ちょっとネイティブなほうがいいのかな?と思って歌ってみたら、音響監督の明田川仁さんから「もうちょっとカタカナ“トゥインクル”でいいよ」と言われました。

──カタカナっぽい感じが、良かったです。ちなみに2人が歌った挿入歌で印象に残っている歌というと?

富田:挿入歌はほぼ毎話入っているんですけど、私は第4話の「てのひらを太陽に」が印象に残っていて、これだけ音源を聴きながら歌ったんですよ。ほかは我々の好きな間合いで、アカペラで歌うんですけど。

稲垣:ラジオで流れているという設定だったので。この曲の歌詞がすごく響いたというか。これまで何となく聴いていた歌だったけど、こんなに、この世界観に合う曲があるんだ!と思いました。

富田:特に第4話のエピソードを経てから聴くと良いんですよね。こんな感動できる楽曲だったんだ!と思えるんです。

──第8話は、「霞ヶ浦・モビリティリゾートもてぎ」ですね。大雑把な鴨の解体講座がありましたが(笑)。

稲垣:そうですね。ライトな感じにやっていましたね(笑)。

──アニメも、いきなり鳥を仕留めるところから始まるという。

富田:これ以前の話数でも、アイリが鳥を見かけると「焼鳥」ってずっと言っているんですよ。焼鳥がよほど好きなんだなって(笑)。

稲垣:そしてこここそ、バイク音の連続でした。

富田:そうだね。

稲垣:で、アイリの好きなセリフがあったんですよね。「昔みたいにガソリンじゃないから、仕方なィ~―ン」ってやつ(笑)。

富田:そのあとの、ヨーコの「ガソリンエンジンのバイクも乗ってみたかったぞぞ~ン!」もね(笑)。

稲垣:ここのやり取りがすごく好きなんですよ。アイリのちょこっと見せる茶目っ気がかわいくて。ネズミの回でも、バイクに乗るとき「10点」と言ってたのが、すごく好きで(笑)。

富田:意外とちょけてくれるんですよ。アイリは。

──そして、サーキットに行って、テンションが上がっていました。

稲垣:ヨーコはバイク好きなので、それはそれはテンションが上がるだろうなと思いました。だから台本に「テンション高く」と書いていた気がします。ヨーコだったら、こんなところにいたらたまらないだろうなっていうのが、セリフからも伝わってきたし、原作を読んでもわかっていたので、ここはいつも以上に思い切りやろうと思っていました。

──バイク好きだと、やっぱりサーキットは興奮するんですね。

稲垣:そうだと思います。あと実際に行ってみてもすごかったです。

富田:迫力あったね! ロケとかの機会がないとサーキット場は行かないだろうから、すごく新鮮で面白かったなぁ。レースもいろんなものがあって、速さを競うのがレースじゃないんだとか、学びにもなりました。決められた燃料でどれだけ長く走れるかみたいなのが、行ったときにやっていたので。

──本当に全部辿っているんですね。

富田:アフレコをして、現地に行って、そのあとオンエアを見るという面白い体験ができています。

──ここがこんな感じで荒廃したんだとわかりますからね。そして、第9話の「モビリティリゾートもてぎ」まで繋がっています。ホンダコレクションホールの話でした。

稲垣:第9話も感動でした。挿入歌(「ハルジオン」)があるんですけど、映像チェックのときに、そこでボロ泣きしていたんですよ。

富田:本当に良い演出がされていて……。

稲垣:魂を感じる回なんですよね。今まで、生存していた人間の魂を感じるシーンがあったんですけど、ロボットとかバイクとか、そういうモノにも魂が宿っているというのが感じられて……。

で、その想いをヨーコが現実で体感できるんですけど、みんながどれだけ強い想いを持っていたのかというのを感じたんですよね。最後、その魂がホタルみたいに光になっているところで、すごく泣いてしまって……。

富田:魂に関しては、第8話のBパートあたりから「魂って何?」ってアイリがヨーコに聞いていたりしていたのが、第9話でそれがちゃんとわかるというのが、素晴らしかったです。

稲垣:それにアイちゃん(アイザック)がかわいいんですよね。毎回、ゲストの方が、短い中で、終末前に生きてきた物語をも感じさせてくれるようなお芝居をしてくださるから、こういう過去があったんだというのが感じられて、すごくグッと来るし、回想シーンに深みが出てくるんですよね。

富田:秋葉原のときも横浜のときも、ゲストがいる回は、そのキャラクターとの出会いを経て、ヨーコとアイリが何かに気づき、着実に成長している感じがあるんですよね。それが見られるのも感動しますよね。

──出会いには意味がある、ということですね。では最後に、今後はどうなっていきそうですか?

稲垣:一番現実味がない話があるんですよ。あれはすごく不思議だったよね?

富田:うん。

稲垣:我々もすごく不思議な感じだったので、楽しみにしていてください。

富田:ちょっとスピ(リチュアル)だったね。早くオンエアで観たい!

稲垣:オンエアだと、どうなっているんだろうね。

富田:なかなか自分が担当しているキャラクターが行くようなところではないところまで行っていたので(笑)。

あとは最終話が近づくにつれて、2人が何で旅をしているのか、みたいなところも想像しやすくなってくるのかなと思うので、そこも楽しみにしてほしいです。でも核心に迫るところは、視聴者に委ねているところが、やっぱりいいんですよね!

 
[文・塚越淳一]

 

作品情報

終末ツーリング

あらすじ

誰もいない終末世界を旅する少女、ヨーコとアイリ。

名所の風景ふたりじめで写真を撮ったり、自然いっぱいな街中でキャンプをしたり。

オフロードバイク・セローにタンデムで走る2人の旅は、渋滞もなければ信号にも止められない、いまだかつてない自由なツーリング旅!

2人の少女と1台のセローが滅んだ日本を駆け回る、異色のツーリングコミックがテレビアニメ化!

世界も終わったし、バイクに乗って旅に出よう!

キャスト

ヨーコ:稲垣好
アイリ:富田美憂

(C)2025 さいとー栄/KADOKAWA/「終末ツーリング」製作委員会

 

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