
『ゾンビランドサガ』フランシュシュ、ぴあアリーナMMを熱狂で満たす――劇場版楽曲から「ここが私たちのサガだー!」まで感動の2DAYSレポート
佐賀県を舞台にアイドルが活躍するゾンビアニメ『ゾンビランドサガ』。オリジナルアニメながら、2018年の放送開始から大きな話題を呼び、大ヒット。そこからTVアニメ2期『ゾンビランドサガ リベンジ』を経て、制作発表から、待ちに待った劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』の公開。劇場版は、伝説の山田たえの活躍、切ないラストシーンなど、待ち続けた甲斐がある快作だった。
一方、作品に登場するゾンビィアイドルグループ・フランシュシュも、頻繁ではないがライブを重ね、辿り着いたぴあアリーナMM。アリーナの2DAYSをソールドアウトさせるということは、いまだ衰えを知らない『ゾンビランドサガ』の人気、フランシュシュの人気を裏付けるものだと言えるだろう。昨年10月にリリースした『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス フランシュシュ The Best Paradise』に収録されている楽曲を中心に繰り広げられたアリーナ公演、DAY2の模様をレポートする。
伝説のライブを繰り広げたフランシュシュ、次はSAGAアリーナ凱旋!
TVアニメの第2期に当たる『ゾンビランドサガ リベンジ』の放送終了から4年半の時を経て公開された劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』は、佐賀から宇宙へと、スケールがとてつもなく広がっていった。
リアルライブとしては、前回『ゾンビランドサガLIVE〜フランシュシュ 佐賀よともにわいてくれ〜』の開催が約5年前。幕張メッセ国際展示場7・8ホールという大きな会場で実施されたが、コロナ禍で、声出しが禁止されている状況でもあった。それもあって、今回の2DAYSライブは、フランシュシュのファン=ゾンビィたちにとって、久々に全力の声を出せる現場となった。
「ChouChouture:SE」が会場に響き渡ると、フランシュシュの法被を着た大量のゾンビィたちのペンライトが揺れ始める。そして、大きな満月をバックに、巨大なフラッグをはためかしたフランシュシュが現れると、大歓声が巻き起こる。劇中のライブと同じく、1曲目の「悠久ネバーダイ」を、劇中と同じ衣装をまとった6人が歌い踊る。ユニゾンの一体感、それでいて1人1人が声量でも圧倒し、堂々と花道を練り歩く。ラスサビはセンターステージで、乱れ咲くレーザーとライトをバックに歌い、6人がロングトーンを響かせ、拳を突き上げる。劇中のライブが実際に観られている現実に胸が熱くなった。
6人が客席を向いて円になり、右手をソラへ突き上げて歌ったのは、「またたく宇宙(ソラ)に憧れて」。R&B調の楽曲だが、ソロを繋いでいき、ユニゾンとダンスで会場をひとつにする。フランシュシュの6人の歌声は、重なっても個性を失わないところが唯一無二だ。ラストは、大きなクラップと5人の歌声の中、本渡の力強い歌声が轟いていた。
2曲を歌ったあとのMCでは、あまりの盛り上がりに、もう終わるくらいの感じだったと漏らしていたが、劇中ライブの再現で、確かに大団円を迎えた感はあった。だが、まだライブは始まったばかりだ。
6人が自己紹介を終えると「準備はいいかな? はっじまるよー」と本渡の呼びかけで始まった「冒険ズンドコドン!」は、劇中の映像をバックに、みんなでズンドコする。曲調がころころ変わっていくミュージカルのような曲なのだが、“シュッポシュッポシュポ 佐賀県だ”という歌詞に、余計なことは考えずに、子供になった気分でライブを楽しめ!と言われている感じがした。
劇場版で大活躍だったゾンビィ0号山田たえ役の三石琴乃のメッセージ映像と、たえによるクイーンのフレディ・マーキュリーさながらのコール&レスポンス “ゲーソ ゲエエエエエエソ”で、声出しをしまくると、再びフランシュシュがステージに飛び出してきて、トロッコに乗り、メンバー紹介ソング「We are FranChouChou!」をぶちかます。6号(星川リリィ/CV.田中美海)が1号(源さくら/CV.本渡楓)を、1号が2号(二階堂サキ/CV.田野アサミ)を、2号が3号(水野愛/CV.種田梨沙)を紹介していくスタイルなので、キャラクターの特徴とは違う曲調を歌っていく面白さがある。つまり、5号(ゆうぎり/CV.衣川里佳)のイメージである和風のメロディを4号(紺野純子/CV.河瀬茉希)がロックに歌いながら5号を紹介したり、6号が得意とするスキャットを5号が挑戦しながら6号を紹介したり…、アニメ本編を知っていると、より楽しめる時間になっていた。
続く佐賀県唐津市×ゾンビランドサガ スペシャルコラボソング「すきっちゃん!からチュッ」では、会場の隅々にまで唐津の魅力を紹介。ぱちんこ「Pゾンビランドサガ」の楽曲「七福大祭典」は、MVをバックに流しながら熱唱し、トロッコからスモークガンをぶちかます。ステージに戻り、曲終わりに見せた決めポーズでは、3人が777の人文字、3人がハンドルを回すポーズをしていたのだが、これはメンバー考案のものだとMCで明かしていた。
トロッコでみんなの近くまで行くブロックが終わると『ゾンビランドサガ リベンジ』から、第4話「純情エレクトリック SAGA」の名シーン映像が流れる。紺野純子がエレキをかき鳴らすシーンを、河瀬が赤いエレキギターを手にして再現すると、ミクスチャーロック「激昂サバイブ」を、衣装チェンジした5人でぶちかます。最後に、赤いギターを叩きつけてぶち壊す……までは再現しなかったが、その歌に心を動かされた3号の種田が加わり、6人で「目覚めRETURNER (Electric Returner Type "R") 」を、レーザー光線を大量にステージから放ちながら歌う。
さらにもうひとつの名シーン、第9話「佐賀事変 其ノ弐」の映像が流れると、衣川の独唱から始まる和ジャズ「佐賀事変」がスタート。衣川のパワフルで艶やかなボーカルの凄さが、生でも存分に感じられた。滾りまくるTVアニメからの3曲のあと、さらにもう1曲、第12話の挿入歌「追い風トラベラーズ」を、トロッコに乗りながら歌い、最後はメインステージに戻り、みんなの“とうっとうっとうるとうっとうっとうる”の歌声の中、本渡の“(いえいえーい)”のシャウトが響き渡り、会場がひとつになった。
フランシュシュが証明した“歌うコンテンツ”の進化
世界観は再び劇場版に戻り、クライマックスの決戦で流れたサキと純子がメインを取るハードロック「今日が歴史に残るなら」を、シリアスな表情で歌っていく。リボンがメンバーカラーになっている新衣装(佐賀万博のポスターになっていた衣装)で、“Say wow”と力強く拳を突き上げ、花道を行進する。「REVENGE」まで、劇場版の映像を流しながら、力強いフランシュシュの歌を叩きつけていく。
MCで、この2曲を振り返るトークをしたあと、本渡が「みんなが喜んでくれるように、今までの感謝の気持ちを込めて歌わせていただきますので聴いてください」と伝え、本編ラストに、劇場版のEDテーマに当たるバラード「今を未来をありがとう」を歌っていく。メンバーやファンのみんなへの感謝の歌であり、劇場版のストーリー的なことを考えると、このステージにいない、山田たえや巽幸太郎のことが浮かんで涙が滲む。メンバー同士で目を見合わせて歌う姿、涙を堪えながらのボーカル、田中のシャウト、本渡のロングトーンと最後の“ずっと ありがとう”の言葉、全てが感動的だった。
アンコールで、『ゾンビランドサガ』の始まりの曲である「徒花ネクロマンシー」(第1期OPテーマ/劇場版挿入歌)を歌うと、2027年4月24日と25日に、佐賀市にあるSAGAアリーナで、フランシュシュの6人によるイベントが開催されることを発表。田野からは「1年後、全力懸けてやるから、(チケット)お願い申し込んで! SAGAアリーナで待ってる!」と伝えられた。
そして、6人がひとりずつ、ファンやスタッフへの感謝の想い、そしてSAGAアリーナに懸ける想いを届けて、最後にもう一度、トロッコに乗って「またたく宇宙(ソラ)に憧れて」を歌っていく。曲の後半、ステージに戻ったメンバーは、それぞれギュッとハグをしたりしながら、笑顔と涙で歌い終える。そして「(本渡)ここが私たちの (みんなで)サガだー!」と叫んで、2日間に渡る『ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ ゆめぎんがフェスティバル~』を締めくくった。
TVアニメの第1期と第2期、そして劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』まで、フランシュシュが奏でる音楽は、ジャンルも幅広く、どの曲のクオリティも高かった。もともと、こんなに歌うコンテンツになる予定ではなかったと、メンバーはよく話していたが、この歌たちをしっかり生で歌い届けることができる、信じられない歌唱力を持つフランシュシュだからこそ、このような大きな展開になっていったのだとも思う。高校生、ヤンキー、平成アイドル、昭和アイドル、花魁、天才子役と属性が違うキャラたちを、特徴的な歌声で表現してくれたフランシュシュに、改めて感謝したくなるライブだった。
[文・塚越淳一]
SET LIST
M01.悠久ネバーダイ
M02.またたく宇宙(ソラ)に憧れて
M03.冒険ズンドコドン!
M04.We are FranChouChou!
M05.すきっちゃん!からチュッ
M06.七福大祭典
M07.激昂サバイブ
M08.目覚めRETURNER (Electric Returner Type "R")
M09.佐賀事変
M10.追い風トラベラーズ
M11.今日が歴史に残るなら
M12.REVENGE
M13.今を未来をありがとう
M14.徒花ネクロマンシー
M15.またたく宇宙(ソラ)に憧れて
作品情報
『ゾンビランドサガ』
『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』
あらすじ
2025年、佐賀万博開催で盛り上がる地球。
フランシュシュは万博のアンバサダーに起用となり、メインイベントのSAGAアリーナライブへと向けて準備を進めていた。
しかし、突如として巨大な宇宙船が佐賀上空に出現し、佐賀県全土を攻撃し始める。
動揺するフランシュシュメンバーたち。ただのアイドルにできることは何もないのか...!?
そんな中、唯一自我に目覚めていなかった伝説の山田たえが覚醒し、フランシュシュ脱退を宣言してこの侵略を止めようと単身敵地に乗り込んでしまう。
バラバラになってしまったフランシュシュたちは、再び絆を取り戻し、佐賀を救うことができるのかー!?
キャスト
(C)劇場版ゾンビランドサガ製作委員会







































