
『地獄楽』小林千晃さん×花守ゆみりさんインタビュー|画眉丸と山田浅ェ門佐切、「対になる存在」を通して自己を知る物語――第二期への意気込みを語る
2026年1月11日より、ついに放送開始となるTVアニメ『地獄楽』第二期。第一期の放送から約2年半を経て、物語の続きを描く新シーズンにファンの期待が高まります。
そんな第二期の放送にあわせ、アニメイトタイムズでは豪華キャスト陣によるインタビュー連載を実施します!
記念すべき第1回には、主人公・画眉丸役の小林千晃さんと、山田浅ェ門佐切役の花守ゆみりさんが登場。
インタビューでは、第一期で芽生えたふたりの繋がりから、第二期で深まるふたりの関係性を見つめ直します。
花守さんが『地獄楽』から受け取ったのは、「対になる存在を通して自分を知っていく」という、静かで力強いメッセージ。物語と演技が交わる地点で、キャラクターと演者がどのように変化し、影響を与え合っていくのか。
『地獄楽』の真髄と、キャラクターたちの成長を改めて感じられる対談を通して、第二期への期待がさらに高まること間違いなし。ぜひ最後までお楽しみください!
『地獄楽』がこれまで描いてきたこと
──第二期の放送が近づいてまいりました。今の率直なお気持ちやご感想をお聞かせください。
小林:月並みですが、本当に嬉しいなと思っています。一期を見ても思いましたが、すごく大変な作品だと思うんですよ。作画もそうですし、演出面でも。これだけ制作が大変な作品を、また二期として作っていただけるというのは本当にすごいことだと思っていて。1ファンとしても、出演者としても嬉しい気持ちです。
花守:いやもう、まったくその通りで! 嬉しいと同時に、やっぱりまた熱量を持ってお芝居をするということへのプレッシャーもあります。でも、それすらも楽しみだったというか、そんな気持ちでした。
一期のときは、佐切が最終話まで迷い続けていた、罪悪感や戸惑いが強かったと思います。
でも12話、13話を経て、彼女の中に決心や決意が生まれましたよね。続く二期からは、彼女の「本当の意味での強さ」を持って演じられるんじゃないかなと。
なので、アプローチ的にも一期のときとは少し変わっていると思うので、そこを感じ取ってもらえたら嬉しいです。
──なるほど。演技的にも変化があるんですね。第一期の『地獄楽』という作品は、おふたりにとってどんな作品だったか教えてください。
花守:そうですね。「自分と向き合う」ということが作品全体のテーマになっていると思います。そして、自分と向き合うということは、目の前の他者と向き合うことでもある。
その構図がずっと描かれている作品だなと感じていました。それは原作を読んだときからも強く感じていたことでした。
たとえば佐切だったら、自分の弱さや強さと向き合うとき、同時に隣にいる画眉丸の強さや弱さとも向き合っています。
画眉丸を見て自分の強さを知り、逆に画眉丸は佐切を見て、自分の強さの中にある“弱さ”と向き合う。メイちゃんも言っていましたが、「強いだけじゃダメ。強さと弱さが大事」というのを意識していて、作品全体を通して、表と裏とか、対になるもの、というのが、自分という存在を知る鍵になっていると感じました。
だから、いろんなキャラクターを通して、私たち演者自身も、自分を知ることができる作品でした。
──確かに。対になる他者がいるからこそ、自分と向き合える。おもしろい解釈ですね。
小林:そうやって、自分も他人も知っていく中で、その先に何を感じて、どう変化していくのかも大切ですよね。一期は、その変化の途中を描いていた印象があります。
お互いに、向き合って何かを感じ取っていくんですけど、まだ気付けていない部分もあったり、自分の強さを過信してしまったり、逆に自信を持てなかったり。そういうキャラクターたちの動きが多かったと感じます。
この作品の肝でもある“バディ”というか、死罪人と打ち首執行人の関係性も凄く面白くて。最初は対立していたはずの両者が、だんだんと相手を知ることで、その対立の構図すらも変えていく。そこが本当に良くできていると思いますね。
花守:あと、「罪とは何か」ということを、作品全体でずっと問い続けているようにも感じます。
佐切と画眉丸のこれまで
──第一期をご覧になった視聴者の方々からの反響はいかがでしたか?
花守:男女どちらのキャラクターも人気があって、ファンの方も男女問わずたくさん応援してくれました。
皆さんそれぞれに好きなペアがあって、それぞれの関係性を好きになってくださっている印象でした。個人的には、佐切やヌルガイたちを、女性ファンの方が「かっこいい」と思ってくれていたのが嬉しかったです。彼女たちは女性としての強さを持っているし、同時に共感できる弱さも持っているキャラクターなので、どんな方が見ても応援できるのかなと。
それでいて、アクションの迫力や、圧倒的な力を持つ敵に立ち向かう姿が魅力的なんですよね。その“戦う姿のかっこよさ”は、男女関係なく伝わるものがあったんだと思います。
お手紙などでも、それをすごく感じました。
──確かに、いろんなかっこよさ、可愛らしさがあります。
花守:それでいて、『地獄楽』って「このキャラクターはきっと死なないだろう」っていう予想が全然通用しないんですよね。本当に、ある日突然“推し”の命が奪われることがあるかもしれない……。そういう、ある意味での容赦のなさというのも、この作品の魅力のひとつだと思っています。
小林:生きて帰れるかも分からない。実際、画眉丸に関しては(一期の)最終話の時点で言えば、もう生きているとは言えないような状態ですから。
花守:記憶をなくしてしまって、どうなっちゃうの?っていうところで終わりましたから。
小林:「妻のいない画眉丸は、果たして画眉丸と言えるのか」っていうぐらいのところまで来ています。
──画眉丸と佐切というペアは、作品を象徴する存在ですよね。第一期でふたりを演じるうえで意識していたことや、大切にしていたことがあれば教えてください。
花守:2人のバランスを、1話の時点からすごく考えていました。それこそ1話・2話って、すごく面白い構造になっているよねっていう話を小林さんともしていましたし、牧田監督や賀来先生とも実際にそういう話をしていたんです。
小林:1話は結構、画眉丸の視点で描かれていて。アニメでも原作でもそうなんですけど、彼の置かれた立場や、ほとんど不死身にも近い力を持つ存在としての視点で世界を見ている。
花守:そのうえで、彼から見た佐切という存在もしっかりと描かれているんです。対になるものというか、その時点ではまだお互い個としてのキャラクター性――こういう人物たちなんだ、という世界をまず見せています。
また2話では、佐切がずっと内面で迷い続けている。葛藤しながら、「どうしよう」って常に思いながらも、目の前の人と対峙している姿が描かれていて。
だから、1話と2話で『地獄楽』という作品の“もうひとつの第1話”みたいな構造になっているんじゃないかと思うんです。
──主人公・ヒロインというよりは、W主人公ですよね。
花守:そうですね。あと、意識していたこととしては、1話以降の佐切は、彼女の目で見ている世界や、ありのままの彼女を演じることでした。佐切が、視聴者の目線にいちばん近いキャラクターであるということも大切ですね。
実際、賀来先生も「(佐切を)いちばん感情移入できるキャラクターにしたい」とおっしゃっていたので、なるべく、見てくださっている方と同じ目線に立つように。
そして、「迷うこと」が「弱いこと」に映りすぎないように。そのバランスはすごく意識しながら演じさせていただきました。
──対して、画眉丸は迷いがない状態で物語がスタートします。
小林:やっぱり「妻のもとに帰る」というのが、画眉丸の一番の目的であり、行動理念なんですよね。それに従って動いているんですけど、同時に佐切の「強さ」も画眉丸側はちゃんと認識していて。逆に、彼自身は自分のことを「弱い」と思っている。本当は妻のことだけを考えて、そのために行動すればいいのに、どうして最善の行動をとれないんだろう、ワシは弱い、と。
それに対して佐切は、それは強さだ、と言う。お互いに補完し合っている関係が、序盤の肝だと思うんです。
僕としても、戦闘の圧倒的強さはありつつも、人間としてはまだ成長途中の存在として見られていいと思っていました。佐切が導いてくれる余地があるような関係性に、お互いのキャラクターを作っていけたのかなと思いますね。
逆に佐切は、画眉丸のことを強いと最初からわかっているのに、自分のことは弱いと思ってすごく悩んでいる。でも、画眉丸はその迷いや葛藤があるからこそ、彼女を信頼していると思います。
──直接的な言葉はなくとも、互いをつぶさに認識し合っている。
小林:この2人って、言ってしまえばまだ若者なんですよね。自分のことが一番分かっていないというか、他人のことはよく見えているのに、自分自身のことは分かっていない。
だからこそ、いい意味で完成しきれていないというか、応援したくなるような、人間くさい2人だなと思います。
花守:確かに。前半で私が一番面白いと思ったのもそこでした。結局、“自分の視点だけでは絶対に自分を完結させられない”。
それってもう『地獄楽』という作品が描きたいテーマそのものなんだろうなって、すごく感じて。
──やっぱり作品において「他者」という存在は大きいですよね。
花守:他者の中に存在している自分を見ることで、ようやく自己理解につながるというか。そういう感覚を演じながら感じていました。
──死罪人と執行人という関係だった2人が、今のお話のように補完し合うような関係へと変化していきました。
花守:最初からお互いに何かを感じ取っていたと思うんです。そして、それを言葉にしていくにつれて、関係が少しずつ変化していく。
自分が必要としているものの片鱗を、佐切は画眉丸の中に見出している。逆に、画眉丸も佐切の中にある芯の強さを、本人が自覚していない段階から感じ取っているんですよね。
小林:陸郎太のシーンでのふたりも印象的です。
花守:そうですね。画眉丸と会う前の佐切では、到底あの解釈には至らなかったと思うんです。画眉丸と出会ったことで、初めて「自分の中にも強さがあるのかもしれない」と気づくことができた。
そう考えると、一期の時点で佐切はすでに「変化」をもらっているんですよね。













































