アニメ
『東島ライダー』渡辺明乃インタビュー後編【連載第18回】

『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第18回:サンダーライコ役・渡辺明乃さん 後編|掛け合いで“楽しい流れ”が生まれる。この現場でサンダーライコを演じられて良かった

この現場でサンダーライコを演じられて良かった

ーーアフレコ現場での印象的なエピソードがあれば教えてください。

渡辺:個人的に面白いと思ったのは、戦闘シーンで声を入れる場所が少なかったところです。他のアニメでは、「アクションに合わせてもっと声を入れてほしい」と細かく指示があることが多いのですが、この作品では声を入れる箇所がピンポイントなんです。

絵で見せる面白さと声で出すパワーの配分をどうするか、初期の段階から監督や演出の方のイメージが固まっていたのではないかと思います。

ーーアクションに合わせた台詞は台本に書いてあるのでしょうか?

渡辺:書いてある場合もありますが、台本に書いていない場合もあります。そういった時は、基本的にアドリブで入れていますね。でも、この作品の台本はアクションに当てた台詞がとても少なかったんですよ。だから「たくさんアドリブを入れなくちゃ!」と意気込んでいたのですが、アフレコの際に「台詞で書いてあるところ以外は、絵と音と音楽で見せる処理にするので大丈夫です」と言っていただきました。もちろん、現場で声を付けた方が良いと判断されたところは入れることもありましたけれど、それ以外は入れていませんね。

ーーアフレコ時点で“絵と音と音楽で見せる”ことがすでに決まっていたと。

渡辺:すごいことだと思います。「絵がどうなるか分からないから一応声を収録させてください」ではなくて、アフレコを聞いた上で、より良い絵を作る目的で「やっぱり声をください」となっていたんです。指示に迷いが無いので、こちらもスムーズに応えられました。

ーー素人目線ですが、絵がない状態で声を当てられる声優の方々もすごいと思います。

渡辺:とはいえ、私達が収録する時には“ボールド”という声を出す仮の目印が映像で出るんですよ。技術的な話にはなりますが、絵が完全に出来上がっていなくてもタイミングだけは収録時点で決まっているんです。

そのボールドが出たタイミングで台詞を入れるのが、アフレコの基本的なスタイルなのですが……。実はある話数の収録時にボールドが出るより先に喋り始めてしまったことがあります(笑)。

サンダーライコと2人のキャラクターが絡むシーンだったのですが、現場の雰囲気がすごく楽しくて、勢い余ってしまったんです。注意されたらやめようと思っていたものの、何も指摘されなかったので、そのまま前倒しで喋ってしまいました。「何度やっても渡辺さんは前倒しで喋ってしまうから仕方ない」と諦められていたのかもしれません(笑)。でも、「面白かったからOK」とポジティブに受け入れてもらえたのではないかな、と勝手に思っています。

ーー現場の流れや雰囲気も重要なんですね。

渡辺:そういった現場の雰囲気が、個人的にはすごく心地良く感じるんですよね。皆さんと一緒にアフレコをしていて、サンダーライコが他のキャラクターと絡んだ時に初めて、家では思いつかなかった演技が「ぽん!」と出てくる。その演技にOKが出されると、「キャラクターが自分の中に落とし込まれていたからこそ、このタイミングでこれが言えたんだな」と感じられるんです。すごく嬉しくて、楽しい瞬間ですね。

ーー現場では出てくる演技も変わるということでしょうか。

渡辺:原作を読んでいるときに「こういう風に演じたいな」と考えていても、やっぱり現場に入ると全然違ってきますね。現場の熱量やテンションを肌で感じながらお芝居をして、ようやく自分の中にサンダーライコというキャラクターが落とし込まれた感覚です。「この現場でサンダーライコを演じられて良かったな」と心から思っています。

現場での掛け合いで生まれる“楽しい流れ”

ーーコロナ禍の影響で、個別収録が主流だった時期もありましたが、この作品は揃って収録できていたようですね。

渡辺:そうですね。特にこの作品は、皆で収録できて本当に良かったと思います。もし別々の収録だったとしたら、かなりきつかったと思うんですよね。正直、出来上がりの面白さは3割くらい下がってしまっていたかもしれません。

ーーなぜそのように感じたのでしょうか?

渡辺:一緒に収録できないと、どうしても予定調和になってしまうんですよ。例えば、先に録っているキャストに合わせて後から録る側が台詞を“乗せる”形になると、自然な掛け合いの妙が薄れてしまう。やっぱり皆で一緒に収録した時の臨場感には敵わないはずです。全員が別録りだったとしたら、キャラクターの印象も今とは違っていたのではないかな、とも思います。

ーー現場での掛け合いが、お芝居の流れを生んでいるんですね。

渡辺:そうですね。楽しい流れというものは、“今ここで掛け合っている”からこそ生まれるものなんですよ。逆に言えば、現場で生まれる楽しい流れがないのなら、別録りで構わない。これはこの現場に限ったことではありませんが、特に本作のような熱量の高い作品は、皆で録ることに大きな意味があると思います。

そして、皆が「今面白いね!」となっている流れの中に上手く入れると、台詞がすっと出てきたり、「自分も何かやりたいな」と思えてきたりするんですよね。本作は、その空気感がすごく出ている作品だと思います。

ーーその中で、みんなで掛け合える喜びを感じる瞬間もあるのでは?

渡辺:それは日々感じています。コロナ期間を経て、自分がどれだけ人に頼っていたのかを思い知らされました。一人で芝居していると、演技が合っているのか不安になって、段々怖くなってきて……。オンエアを見ても、「これで良かったのかな?」と疑心暗鬼になってくるんですよね。

「一人では生きられない」という当たり前のことを改めて感じました。これまでずっと人に支えられて生きてきましたが、コロナ禍によって再認識できたという感覚です。こうした経験もあって、人を笑顔にできる作品を作りたいと思うようになりました。“楽しい”という感情をブーストできる役者になりたいです。

おすすめタグ
あわせて読みたい

東島丹三郎は仮面ライダーになりたいの関連画像集

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2026冬アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2026冬アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング