
嫌なことだらけの世界だからこそ、刺さる歌がある。だからこそ「筋トレはしないほうがいいかも(笑)」? 縁城蒼吏役・岡本信彦×主題歌アーティスト・五十嵐ハルが語る『デッドアカウント』と「デッドエンド」
筋トレをすると「前向きになりすぎてしまう」?
──せっかくの機会なので、お互いに聞いてみたいことがあればぜひ。
岡本:じゃあ僕から。タイトルって、いつのタイミングで決めるんですか? 最初から決まっているのか、それとも歌詞を書いたあとに決めるのか。
五十嵐:基本的には、どの曲でもタイトルは最後です。
岡本:やっぱりそうですよね。
五十嵐:はい。この曲もそうでした。「デッドエンド」はいろんな要素を掛け合わせて決めたタイトルなんですよね。“行き止まり”を表せる言葉ですし、『デッドアカウント』との言葉のつながりもあって。“デッド○○”って、タイトルとしてカッコいいなと思って、いろいろ単語を調べました。意味を書き出して自分の歌詞と合うかどうかを照らし合わせて、候補をいくつかパソコン画面に並べて見比べるんです。そのときに、「リリースされたときに“五十嵐ハル『〇〇』”と並んだときの見え方」をイメージして、一番しっくり来たのが「デッドエンド」でした。
岡本:なるほど。タイトルをカタカナにしたのも、『デッドアカウント』と合わせて、という意識があったんですか。
五十嵐:そうですね。そこは意識しました。英語表記もかっこいいとは思ったんですけど、今はカタカナのほうがしっくりくるな、という感覚があって。
岡本:ありがとうございます。やはりそうなんですね。僕も作詞をするので分かるんですけど、結果的に後からタイトルを決めることが多くて。最初に決めることって、わりと稀なんですよね。理由は分からないのですが……最初に決めすぎると、狭まっちゃうのかもしれないです。それにしても、感情から歌詞を作られるというのは、すごいなと思います。
──岡本さんは、また少し違いますか?
岡本:僕は、メロディが先に来るタイプです。メロの数が決まって、「じゃあどうしようかな」って考える。基本的には応援ソングを書くことが多いので、「どうやったら応援になるかな」と考えながら書いています。構成としては、1番で提示したものを、2番で反語にして、3番でその反語を回収する、みたいな形になりがちです。
あとは、近い言葉をうまく入れ替えてまとめるとか。例えば「僕」という単語が出てきたら、2番では「君」になりがちです(笑)。呼応しあうようにするというか。それと歌詞を書くときに気をつけているのは、母音の「い」と「う」が最高音にならないようにすることです。叫びにくい母音だと、ひっくり返りそうで危ないんですよ。特にG♯は一瞬でも怖い。
──お話を聞いていると岡本さんの歌詞、改めて読みたくなります。
岡本:いやいや(笑)。僕でいうと、感情的に抱えて書いているというより、かなりロジック寄りなんです。そういう意味では、五十嵐さんのように感情から出てきた言葉のほうが、刺さる人は多いだろうなと思います。
さっきのお話を聞いていて思ったのが、人間は基本的に嫌なことのほうが多い生き物だと思うんですよ。むしろ、うまくいかないことのほうが圧倒的に多い。だからこそ、そういう感情に寄り添う言葉は、きっと多くの人に届くんじゃないかなと思います。
──では五十嵐さんから岡本さんに聞いてみたいことはありますか?
五十嵐:はい、作品とは直接関係ないんですけども……。
岡本:全然大丈夫ですよ。
五十嵐:ひとつ前の取材で、筋トレがメンタルにもいい、というお話をされていたじゃないですか。声優さんは声のお仕事ですけど、今はSNSや番組で顔も出る時代で、岡本さんはスタイルがすごくいいなと思って。その維持ってどういう意識でやられているんでしょうか。
岡本:内面的な意識で言うと……おそらく声優は、童顔な人が多いんですよね。少年役をやっていると、もしかしたら何か分泌されているのかもしれない(笑)。先輩方も「若いな、この人」と思うことが本当に多くて、50代の方々も「俺たち若手はさ」などと言うので「やめてください」って(笑)。「じゃあベテランって何歳からですか?」と聞くと、「90からだろ」みたいな返事が返ってきたりして。
五十嵐:(笑)
岡本:そういう内面的な若さがまずありつつ(笑)。それこそ僕は筋トレですね。アンチエイジングに効果があるという研究結果もありますし。やりすぎると逆に老けるらしいんですけど、適度が一番いい。最近は、美容にハマっている人も増えましたよね。時代だと思いますし、「これがいいよ」みたいな話、よく聞きます。
五十嵐:男性キャストの皆さんの中で、美容や体づくりの話題はよく出るんですか?
岡本:僕はおすすめしてもらったものを素直に使うタイプですね。最近だと後輩にビタミンC系のサプリとか。それとタンパク質も適度に摂取しています。「鶏むね肉がいいよ」と聞いてからは、むね肉ばっかり食べてますね。低温調理して、塩コショウだけで食べる。もうそれだけです。
五十嵐:かなりストイックなトレーニング食ですね……!
岡本:まさにトレーニング食ですね(笑)。周りにも筋トレやってる人が多くて。この現場でも多いです。(痣木宵丸役の)佐藤拓也さん、(漆栖川希詠役の)ファイルーズあいちゃん。特に(柄本成彦役の)鈴木崚汰はやばいですね。やりすぎ(笑)。「今、ベンチプレス何キロ?」みたいな、いわゆる“ベンチトーク”をよくするんですよ。100キロ超えが出てくると、みんな「おお……」ってなる(笑)。
五十嵐:岡本さんはどうでしょう?
岡本:僕は今、基本的に55キロで10回を3セットですね。それよりきついのが、ブルガリアンスクワット。あと、おすすめなのがラットプルダウン。背中の種目なんですけど、これをやるようになってから、叫びやすくなりました。それこそ蒼吏って叫ぶシーンが多いので、それを実感しています。「全ては筋肉だ」と(笑)。
五十嵐:ライブ前はやはり体を絞りたいなと思っているのでぜひやってみたいです。
岡本:ぜひ。オススメです。以前は糖質制限が流行っていましたが、お米を食べることも大事と最近は言われているそうです。筋肉が増えると基礎代謝も上がって、結果的に燃焼のほうが勝つらしいんですよね。ただ、五十嵐さんは「マイナス思考寄り」って言ってましたよね。筋トレすると、ちょっとポジティブになりがちなんですよ(笑)。ネガティブさは大事にしつつ、筋トレはほどほどに……ですね(笑)。
五十嵐:ああ、なるほど……! 実は思い当たるところがあって。警察学校時代は柔道もやっていたので、トレーニングも適度にしていたんですが……やっぱりポジティブになっちゃって。
岡本:そうですよね、ポジティブになっちゃうんですよ(笑)。音楽性を考えると、もしかしたら筋トレせず、適度にお米を抜くぐらいのダイエットがちょうどいいかもしれません(笑)。
五十嵐:めちゃくちゃ明るい曲ができるかもしれない……。
──でも岡本さんは、さきほどのお話にもありましたがもともと陽のかたですよね?
岡本:筋トレを始めてから拍車がかかったんです。僕はカカオも好きなんですが、カカオと……あとお肉も幸せホルモンが出るといわれていて。そこに筋トレが加わって、さらに磨きがかかりましたね。ちょっとしたストレスなら、全部「イエス」で答えられる感じです。ちょっとした悩みよりも「それより、明日のトレーニングのことを考えよう」という考え方になってしまう。ものづくりをされている方は、筋トレせずに、むしろそのドロドロした感情を作品に抽出したほうがいいのかもしれないですね(笑)。
五十嵐:難しいですね(笑)。でも、すごく勉強になります。いつか前向きな曲を依頼されたら、筋トレをします(笑)。
『デッドアカウント』、そして五十嵐ハルのこれから
──物語の前半を振り返っていければと思います。前半戦(第6話まで)で、おふたりが特に印象に残っているシーンやセリフはありますか。
岡本:なんといっても、まず第1話ですよね。妹が「実はもう死んでいた」という事実が明かされる展開が、ものすごく強いフックになっていて。この作品はどういう物語なんだろう、と一気に掴まれる。電能という能力も第1話でしっかり提示されていて、構成としてすごく綺麗だなと思いました。
しかも、炎上系配信者として活動している蒼吏の姿が見られるのは序盤しかないので。そういう意味でも、あそこでしかできない芝居があって、すごく楽しかった記憶があります。あとは、やっぱり「寂しがり屋のK」が登場する場面ですね。Kと痣木先生の、いわば頂上決戦のようなバトルが好きです。こちら側の最強と、あちら側の最強がぶつかる感じがすごく好きで、「ああ、この先生、やっぱりかっこいいな」と思いながら見ていました。
五十嵐:自分も、痣木先生がめちゃくちゃ好きで。主人公ではないんですけど、圧倒的に最強で、頼れる存在という立ち位置がすごく刺さるんですよね。まさにそれを全部詰め込んだような存在だなと思いながら観ていました。セリフで言うと、霞流が縁城に最初に言った「でもなんとか折り合いつけて生きていくしかねえんだよ」といった言葉にハッとさせられました。本当にその通りだなと。
──では今後の見どころについてお聞かせください。
岡本:やっぱり甲組でしょうか。甲組の面々が登場してきて、僕はその中でも輪狩が結構好きなんです。オープニングでちょっと出ているので言ってしまいますけど、刀を使うキャラクターで。眼鏡キャラって、知的で分析型、データ重視みたいなイメージがあるじゃないですか。でも彼はゴリゴリのインファイターなんですよね。そのギャップがすごく良くて。性格も、正義感はあるんだけど、それがちょっと行き過ぎている感じで……いや、面白いキャラだなって思います。
──本当に個性的なキャラクターが揃った作品ですよね。
岡本:そうですね。電能で言うと、僕は大和田の電能がすごく好きで。ネタバレになっちゃうので詳しくは言えないんですけど、いろいろな電能が出てくるところも含めて、かなり楽しんでもらえると思います。
五十嵐:楽しみです。原作でも甲組が登場してから、一気に面白さが加速したように思いました。最初は敵役、ライバル的な立ち位置で出てくるキャラクターたちなんですけど、全員にしっかり魅力があって、それぞれ個性がある。その後の展開でも、「え、こうなるんだ」という意外性がちゃんと用意されていて、展開ごとに全然退屈しないんですよ。どんどん面白くなっていく作品だと思うので、今見ている視聴者の方にも、ぜひ楽しみにしてもらえたらいいなとイチ視聴者としても思っています。
──ありがとうございます。そして、五十嵐さんは初ワンマンライブツアー 「Mr.Sentimental Vol.1」も控えられていますが、今回のツアーで楽しみにされていることはありますか?
五十嵐:めちゃめちゃ楽しみですね。ワンマンライブ自体が初めてなので、純度100%で、自分のことを好きでいてくれる人たちが目の前にいるという状況を、まず全力で楽しみたいです。ネット出身のアーティストということもあって、直接顔を合わせられる機会って実はそんなに多くないんですよね。だからこそ、その時間を大切にしながら、お互いに最高の時間にできたらいいなと思っています。
──「デッドエンド」を聴いているときは、こんな反応をしてほしいといった希望はありますか?
五十嵐:自由に楽しんでもらいたいなとは思っているのですが……イントロがすごく印象的な曲なので、そこで「来た!」って感じで、自然にテンションが上がってもらえたら嬉しいですね。ここをこうしてほしいというのは特になくて、それぞれ思うままに楽しんでもらえたら、それが一番だと思っています。
[取材・文/逆井マリ 撮影/鳥谷部宏平]
TVアニメ『デッドアカウント』作品情報

放送・配信情報
■放送情報
テレビ朝日系全国24局ネット“IMAnimation”枠:2026年1月10日(土)より毎週土曜夜11時30分~放送開始
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
■配信情報
<先行配信>
2026年1月10日(土)より毎週土曜深夜0時~
Lemino/U-NEXT/アニメタイムズ/アニメ放題
<一般配信>
2026年1月13日(火)より毎週火曜深夜0時~ 以降順次開始
ABEMA、Amazon Prime Video、AnimeFesta、DMM TV、d アニメストア、FOD、Hulu、J:COM STREAM、milplus、music.jp、Pontaパス、TELASA、TVer、カンテレドーガ、ディズニープラス、ニコニコ(ニコニコ生放送/ニコニコチャンネル)、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、ふらっと動画
※配信開始日時・配信期間は配信サービスによって異なる場合がございます。取扱いは配信サービスにてご確認ください。
あらすじ
死者のSNSアカウントってどうなると思う?
未練を残したは、やがてデジタルの幽霊――化け垢として現世へ蘇る……。
縁城蒼吏は、妹・緋里の治療費を稼ぐため、炎上系配信者『煽りんご』として日々配信活動をしていた。
しかし、とあるきっかけで電能に開眼した縁城は、怪しい噂の絶えない『』へと連れられる。
そこはインターネットの普及と共にデジタル化してしまった幽霊を祓う、新時代の霊媒師を育てる学園だった!
燃やして叩いて祓う、現代式除霊バトルアクション開幕!
STAFF
原作:渡辺 静『デッドアカウント』(講談社「マガジンポケット」連載)
監督:齊藤啓也
シリーズ構成:広田光毅
美術監督:藤井星夏・山根左帆(草薙)
撮影監督:芹澤陽香(旭プロダクション)
色彩設計:阿野栄太郎
編集:上野勇輔(柳編集室)
音響監督:納谷僚介
音楽:井内啓二
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:SynergySP
OPテーマ:五十嵐ハル「デッドエンド」
EDテーマ:金子みゆ「来世はどうせ」
CAST
縁城蒼吏 CV.岡本信彦
霞流括 CV.内山昂輝
漆栖川希詠 CV.ファイルーズあい
羽住蓮理 CV.花江夏樹
灰島ひより CV.Machico
柄本成彦 CV.鈴木崚汰
痣木宵丸 CV.佐藤拓也
鋭義泥 CV.今井文也
輪狩実 CV.佐藤 元
草場恵流 CV.内田真礼
大和田一狐 CV.熊谷健太郎
滑川霧 CV.宮﨑雅也
亜科伴 CV.福山 潤
アニメ公式サイト
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原作情報
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