
「あんまりかわいくなり過ぎないように、もうちょっとフラットでというリクエストがありました」──アニメ『違国日記』キャラクターデザイン・総作画監督 羽山賢二さんインタビュー【連載第4回】
声の起伏に合わせて目元を動かしたり、口の開き方を変えてみたりしました
──本作のキービジュアルも羽山さんが担当されたとお聞きしました。
羽山:キービジュアルの大元のアイデアは、上田プロデューサーが出してくださいました。原作の似たようなレイアウトを参考にしています。槙生の服は、設定を作ってないものだったんですが、色彩設計の田中さんが綺麗な色を乗せてくださって。いい感じの仕上がりになりました。
──デザインのポイントやこだわった点を教えてください。
羽山:机や棚はBG(背景美術)で描いてもらったのですが、本棚の中身はセルで描きました。すごく大変でしたがこれも仕上げの方にがんばっていただいて、落ち着く良い本棚になったと思っています。
──セルで描くならではのよさがある。
羽山:セルで描いて輪郭線とかが入っていると、密度感が増します。もっと潤沢に時間があったらBGで描いてもらったらいいものができたとも思うのですが、本編作業が忙しいタイミングでしたので、なるべくBG担当者の作業量を減らしたいという制作的な都合もあり、それならセルで描こうという話になりました。
──アニメは色や何で描くかによって印象が変わるのですね。
羽山:色はもちろん、それを背景で描くのかセルで描くのかによっても変わりますし、撮影でどの程度やるのかでも印象は変わります。いまは色々とできるようになっているからこそ、難しさがあるのかもしれません。
──羽山さんは本作で総作画監督も担当されています。チェックするうえで留意していたポイントなどを教えてください。
羽山:ポーズとか髪の毛でしょうか。これも初期の頃、寝起きなのに大人しめな髪型やポーズで上がってきたものがありました。先ほどお話した通り、槙生は髪がボサボサで姿勢もダラーっとしているときがありますし、朝も寝起きのときは寝ぐせがすごくついています。そういう原作の細かい部分は積極的に手を入れました。あとは、このキャラクターはこのシーンではどんな気持ちで動いているのかを考えて、それが画面に出るようにちょっとだけ芝居を足したりもしていましたね。
──絵を描くときにもそういう感情を考えてのせているのですね。
羽山:そうですね。今回は幸いにしてアフレコが先行していたこともあり、声の起伏に合わせて目元を動かしたり、口の開き方を変えてみたりしました。正直、完成した映像では気が付かないようなところかもしれませんが、気が付かないくらいくらいがちょうどいいのかなと思っています。
──実際に映像をご覧になってみての感想を教えてください。
羽山:このインタビューを受けている段階ではまだ最後まで見られていない状態なのですが、制作スタッフのみなさんが頑張って、いいものにまとめてくださっています。ただ、個人的にはもうちょっと頑張れればと感じた部分もあって。実際にやってみて、日常芝居の難しさを感じました。アクション寄りの作品だと勢いでいけちゃうようなところも、より丁寧に、丁寧にやっていかなきゃいけなくて。そういうのを作ってきた先人たちの偉業のすごさを痛感しています。
──PVをご覧になった原作ファンのみなさんからは感動したという声もあがっています。
羽山:ありがたいです。それはもう現場のスタッフさんが頑張ってくれたおかげですね。
──本日は色々なお話ありがとうございました。最後に、今後の見どころを教えてください。
羽山:不器用な人たちが、それぞれどう人と関わっていくのか、優しい目で見守っていただければと思います。
【インタビュー・文:M.TOKU 編集:西澤駿太郎】
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『違国日記』作品情報
あらすじ
思いがけずはじまった同居生活によって、それまで静かだった槙生の日常は一変。他人と暮らすことに不慣れな性格のため、15歳の朝との生活に不安を感じていた。
一方、両親を亡くし居場所を見失った朝は、はじめて感じる孤独の中で、母とはまるで違う“大人らしくない”槙生の生き方に触れていく。
人づきあいが苦手で孤独を好む槙生と、人懐っこく素直な性格の朝。
性格も価値観もまるで違うふたりは、戸惑いながらも、ぎこちない共同生活を始めていく。
共に、孤独を生きていく二人の、手探りで始まる年の差同居譚。
キャスト
(C)ヤマシタトモコ・祥伝社/アニメ「違国日記」製作委員会

















































