
『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』小島秀夫監督&ドールマン役・杉田智和さんインタビュー|「僕が好きなのは杉田さんが演じている杉田さんなんです」小島監督のこだわりが光る“杉田さんらしさ”
小島監督がアニメイトに!?
ーーお互いに人としての印象に変化はありますか?
杉田:柔軟に映画やアニメから幅広く見られているという印象はずっとあります。そのうえで、今でもインプットを絶やしていないんだなと。
小島:杉田さんは変わらないですよね。お互いに年は取りましたけど、出会ったときと変わらないような感じです。杉田さんに初めてお願いしたのは『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER(※)』(以下、『ピースウォーカー』)でした。
※METAL GEAR SOLID PEACE WALKER:2010年に発売された小島監督作品。『METAL GEAR』シリーズ屈指の人気作のひとつ。携帯機のPlayStation Portableでプレイできることもあり、若年層に大ヒットする作品となった。杉田さんはカズヒラ・ミラー役で登場。
ーー杉田さんをキャスティングされた理由は?
小島:大人になると映画は吹き替え版を見なくなって、新しい声優さんを探せなくなってきます。昔はTVで吹き替え版の海外ドラマも多くやっていましたけど、今では字幕版になっていますよね。
そんな中でも子供と映画を見に行くと吹き替え版を見るんです。ディズニーとかピクサーとかマーベルとか。それだけだとあまり吸収できないので、深夜アニメも見ようとしたんですが、なかなか見られなくなってきて。
その時にうちの息子がアニメに詳しかったので、「誰が好きなん?」って聞いたら杉田さんと水樹さんと大塚さんって言って。水樹さんのCDも一緒に買いに行きましたからね。当時、息子が中学生のころかな。アニメイトに行って買いましたよ。
ーーありがとうございます……!
小島:杉田さんに関しては、息子が『銀魂(※)』見ていたので知りました。
※銀魂:週刊少年ジャンプで連載されていた漫画作品。SF、バトル、ギャグなんでもありの展開が売りで原作者の空知英秋先生によると本作のジャンルは「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」。2006年にアニメ化され、杉田さんは主人公の坂田銀時を演じている。
小島:それでキャスティングしたら大成功でした。
気に入った人とはずっと一緒にやりたいと考えていて、その人のために役を作ったりもしたんですけど、最近は海外の俳優さんを起用するので吹き替えになるんです。なので、杉田さんのための役は作りにくくなっています。そこはさみしいところですね。
昔は日本語を先に録って、英語版は半分くらいしかアフレコに行かないこともありました(笑)。『リコリコ』はたまたま見ていましたけど、この次、新しい声優さんを探すのが難しいんです。常に新しい人を探しています。
信頼のできる方々と一緒に仕事をしつつ、新しい人を取り入れることで活性化させる。これはノーマン・リーダスやレア・セドゥさんなど、海外のキャストにおいても同様です。ずっと一緒の人だけだったらみなさんも面白くないと思うので。
昔は、日本語版だけカットシーンも台詞も長くしたりしていたんですよ。ただ今では発売の都合上、尺の決まりがあって、そこに合わせないといけないんです。そこがけっこう難しい。ドールマンでありながら杉田さんを出せと。無茶なこと言っていますけどね(笑)。
ーー杉田さんから見て、収録現場の小島監督はどんな様子ですか?
杉田:小島監督は現場を作り上げる雰囲気づくりから才能が発揮されているんです。例えば、以前の作品の現場では、その舞台に合わせてコスタリカ産のコーヒーが用意されていたりと、なにか一つとっても意味があって、それが自然と馴染んでいる。それはなかなかできないことかなと。
誕生日を祝うイベントシーンを収録した際も、出演者全員で収録したんですよ。いない人がいるとかわいそうだなと思っていたので監督に聞いたら「全員です」と言ってくださって。そのおかげで映像を見ても誕生日をお祝いしている空気にちゃんとなっているなと思いました。
小島:10ヶ月一緒に収録するので、ドラマシリーズで2クールくらいです。自然と仲良くなりますよね。
杉田:『デススト2』以外でも共演者のみなさんとお会いしますが、話す機会がとても増えて、津田さんとは一緒にオリジナルのコンテンツを動かすくらいに距離が縮まっています。
ーー実際に『デススト2』をプレイされてどうでしたか?
杉田:遊んでいて面白いし、サプライズがあると知っていてもびっくりして嬉しかったし、そういう感情を常に持ちながらプレイしました。考えさせられる設定も興味深かったです。ドールマンの人間だった頃と人形化したあとの設定もそうですよね。
自分も年齢を重ねてきて、若い頃は主人公やその周囲にいるメインの役に近い視点で物語を見ていましたが、今では親や師匠などの役を演じているとその視点も追加されていくんです。そういった心境の変化はキャラクターから受ける印象にも影響しますね。
ただ根本的にあるのは、グラフィックが美麗になって良い音がついたことだけではなく、「遊んで面白いもの」を作るのが小島監督であるということです。それはこれからも変わらないと思います。
































