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『プリオケ』監督・大沼 心が目指した「世代間の物語」【最終回カウントダウンインタビュー】

「それまでの積み重ねによって全ての歯車が噛み合った結果と言えるかもしれません」──第13話“バンド・スナッチ回”などから感じる作品の導き『プリンセッション・オーケストラ』監督・大沼 心さん【最終回カウントダウンインタビュー】

作品としての弾みがついた第13話

──あくまで一視聴者目線にはなりますが、2クール目の後半あたりから作品としての歯車がガチッと噛み合ったような印象を受けました。監督目線で『プリオケ』という作品の歯車が嚙み合ったと感じた瞬間はありますか?

大沼:もちろん第1話から歯車をきっちりと合わせるのが自分の仕事ですが、あえて“作品として弾みが付いた瞬間”として考えるとしたら、やはり第13話あたりですかね。ただ、もともと1クールかけてキャラクターを温めていくプランだったので、第13話で弾みがつくのは狙い通りのタイミングでもあったのは事実です。

シナリオの段階から、バンド・スナッチは単純な悪役ではない方が良いとスタッフとも話していて、第13話はその側面が見えているのが大きいかなと思います。主人公側を立てる一方で、対峙する悪役がどんな存在なのか、単純な悪役ではないかもしれない、という要素がちゃんと噛み合った起点の話数だと思っています。

万太先生(シリーズ構成・脚本・逢空万太さん)があそこまで男性キャラクターに対する造詣が深いとは思わなくて。第13話のシナリオの第1稿が上がってきた時に、金子さん(企画原案・金子彰史さん)が「これが見たかったんだよ!」みたいに仰られていて、それに私自身も共感したのは印象に残っています。

──第13話以外でも印象に残る回はありますか?

大沼:第13話から更に加速がついたという意味では第23話と第24話、個人的に強く印象に残っている話数を挙げるとしたら、物語の終盤にあたる第41話ですね。白の女王の結末が印象的な回ですが、あれは正にそれまでの積み重ねによって全ての歯車が噛み合った結果と言えるかもしれません。

実は以前から「世代間の物語」を描きたい想いが強くあったんです。最初、この作品ではその意識はあまりなかったんですけど、制作を進めていくうちに、自分がやりたかった物語ができていたと気付かされたのがこのあたりの話数なんです。最初から狙っていた部分もありつつ、作りながら変化していく結果を見て、初めて気づかされることも多かったです。

──放送前のインタビューでは「本筋と外れたお遊び的な要素を加えさせていただいた」と仰っていました。実際に視聴しているともしかしてと思う場面もありましたが、具体的にどのような要素を盛り込まれたのでしょうか?

大沼:正直、今となっては記憶がうろ覚えなんですが(笑)。本筋のストーリーがかなりシリアスで硬いトーンなので、それが続くと疲れちゃうんですよね。そこに対してインターミッション的な要素というか、あえてコメディや息抜きのシーンを挟むことはお願いしていました。

だから第13話でバンド・スナッチが女装してアリスピアに潜入するのは、折角1年かけて放送するから幕感や余裕といったものもあるので、バンド・スナッチにも焦点を当てて欲しいと要望していたのを覚えています。

それ以外にも、現場レベルでは細かな遊びを随所に忍ばせていて、もはや数え切れないほどです。特に次回予告に関しては、ほぼ制作側で預からせていただいたので、あれこそお遊びの塊のような状態になっています。

──第45話の予告でも触れられた「なっちバズーカー」は、第2期オープニングに登場した時から何かと話題になっていました。あれはどのような経緯で盛り込まれたのでしょうか?


大沼: 2クール目半ばくらいを制作している時に気付いたと言うと遅すぎるのかもしれませんが、様々な原作有りのアニメ多く手がけさせて頂いていたので、自分の中で無意識のうちに「視聴者の皆さんも先の展開をある程度知っているだろう」という感覚がずっとあったんです。

放送が始まると、ファンの皆さんが考察や展開予想をたくさんされるんですよね。そこで「みんな本当に結末を知らないんだ!」という当たり前のことにハッと気付いたんです(笑)。

自分が子供の頃に見たアニメのオープニングって色々な謎が散りばめられていてワクワクしたのが印象に残っていて、いざ第2期のオープニングを作ることになった時に、それを自分なりにやってみようと考えたんです。

それで構成を考える中で、なつ(陽ノ下なつ)のカットを入れようと思って、一番インパクトのあったバズーカーを撃つシーンを入れました。でも、思い込みって駄目ですね。冷静にシナリオを読み返すと、バズーカを撃ったのは葉加瀬(葉加瀬まなび)なんですよ(笑)。

──そんな思い込みから「なっちバズーカー」が登場していたんですね。

大沼:ただ、要望が多かったので最終話で追加させて貰いました。ちょっと期待されてた使い方とは違うとは思いますが…本来のバズーカーの使い方です!

オープニング作業時に社内の原画担当の子と話していた際に「本当に笑顔で撃っていいんですか?」と聞かれましたが、笑顔が良いと押し通して「なっちバズーカー」ができあがりました。本編の場面はもっとシリアスなので、笑顔にはならないはずですけどね(笑)

──なっちバズーカーもそうですが、物語の展開に合わせてオープニングのカットが細かく変化していく仕掛けも毎週楽しませていただきました。


大沼:本編の進捗とオープニング映像の間に違和感が出てしまうのが嫌で、細かく変えさせていただこうと考えたんです。ただ、「白の女王編」が終わった後の玉座の部分とかは、どこまで変化させるか迷ったこともありました。先々、花の騎士が再登場することを分かっていたので、どうしようかと迷いましたがあえて消さないでおいたんです。

これらは大人向けのファンサービスの側面が強いので、今見ているお子さんが大人になって見返した時に、改めて気付いてもらえたら監督としては本望です。

<次ページ:アリスピアへの入り口は日本だけでなく海外にもあるという考え方で進めています>
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