
「変わってしまったな」「変わってしまうんだな」キャラクターたちの変化から再認識する『【推しの子】』の始まりとは──TVアニメ『【推しの子】第3期』アクア役・大塚剛央さん【連載インタビュー第4回】
「“わからない”だと思います」
──第3期では、復讐からの解放および再燃という、アクアの変化も描かれました。
大塚:アクアを演じるにあたって、アニメスタッフの皆さんと相談したり、ディレクションをいただいたりしながら作っていく部分が大きかったのですが、第2期までは大きく演技を変えてほしいと言われることもほとんどなかったんです。
第2期までの彼は、復讐という大きな目標のために動いている。僕自身アクアを占める要素の割合として、復讐が最も大きなものという認識で、その根っこの部分に優しさがある、という考えでした。
第3期になって復讐から解き放たれて、でも「終わっていなかった」と、再度復讐の道に踏み込んでいかなければならない。そんなアクアの見せ方などについて、ディレクションをいただきました。僕が原作や台本から受けた印象よりも、かなりアクアの内面が表に出てきていたんだなと。
原作を読んだイメージから、きっとアクアの心情がさらに強く伝わってくるのではないかと思っています。
──ちなみに「復讐に燃えるキャラクター」を演じるという、メンタル的な負担はあるのでしょうか。
大塚:演じるにあたってカロリーといいますか、例えば第2期の「2.5次元舞台編」など、ときにはやっぱり命を削るような意識で演じなきゃ、という気持ちはありました。
加えて、アクアが復讐に向けて動く中で、物事をどのように感じて、動いて、受け止めて進んでいくのか……アクアならどうするかを考える時間は、一人の声優、役者としてすごく充実した時間になるのかなと。
物語的に、アクアの心情的に苦しいなと思うことは当たり前にありますが、アクア自身も表に出さずに抱えているからこそ、それが『【推しの子】』の面白さに繋がっていると思っています。やりがいを感じるといいますか、本当に良い経験をさせてもらってるなと感じています。
──第3期では、MEMちょ、かな、あかね、ルビーら、多くのキャラクターとの掛け合いも多くあったかと思います。お芝居の面で感じたことをお聞かせください。
大塚:僕はアクアとして、例えば潘さんもかなとして、お互いに言葉を出し合って掛け合いを始めてしまうと、自然とそれぞれの関係性の空気が出来上がるぐらいの積み重ねがあるので「こうしなきゃ」と考えながら臨むことはあまりありませんでした。
だからこそ、第3期の序盤で描かれたMEMちょの自室でのやり取りや「深堀れ☆ワンちゃん‼」をめぐるルビーとの掛け合い、あかねとの決別を見ると「変わってしまったな」「変わってしまうんだな」と。演じる中でも強く感じる部分がありました。
みんなそれぞれ本当に良い子たちですから、何もなければ一緒に楽しく過ごせると思うんです。そういう意味でもカミキヒカル(CV:宮野真守)という存在が大きいなって。そして、カミキをたどっていくとアイ(CV:高橋李依)という存在もいて……第3期で改めて、『【推しの子】』の始まりを感じていました。
たったひとつの事象で全てが狂ってしまう。本当は良い関係を築いてもらいたいけれど、そうはいかないというもどかしさ、苦しさを感じています。
──とても大きな問いになりますが「星野アイ」とは何なのでしょうか。
大塚:多分、今言えることと、この先言えることが変わってくるとは思うのですが、アイは……いや、難しいな。どの目線で見るかによって、人物像が変わってくるんですよね。何て言ったらいいんでしょう。
『【推しの子】』に関わるにあたって、それこそアクアを演じるにあたって、アイの存在はすごく大きいものですから、アクアにとって何なんだろう、『【推しの子】』にとって何なんだろうとずっと考えていて。そのたびに、こうかもしれない、ああかもしれないって、違う答えが浮かんでくる……だから、わからない。“わからない”だと思います。






























