
春アニメ『MAO』主演・梶 裕貴さんが語る作品の見どころ|高橋留美子作品への想いと摩緒役の責任
現在、週刊少年サンデーにて連載中の高橋留美子先生の人気マンガ『MAO』のアニメが2026年4月4日(土)より連続2クールで放送スタート!
900年生き続ける謎の陰陽師、摩緒と同じ呪いを背負う少女、菜花が自身にまつわる謎と呪いを解くため、令和と大正をまたぐ、時代を越えるタイムスリップミステリー。
主人公・摩緒を演じるのは、高橋先生のファンを公言する梶 裕貴さん。この作品にかける想いや摩緒を演じる時に意識していること、アニメの見どころなどたっぷり語っていただきました。
高橋留美子先生ファンの梶さんはインタビューを受けるほどの愛と熱量!
──まず『MAO』という作品に触れたのはいつですか?
梶 裕貴さん(以下、梶):以前から高橋留美子先生の作品が大好きだったので、『MAO』の連載が週刊少年サンデーで始まった時は、やはりテンションが上がりましたね。留美子先生は、昭和・平成・令和と3つの時代にわたって連載を続けていらっしゃるマンガ界のレジェンド。しかも、それが週刊誌だなんて、本当にとてつもないことです。驚きと尊敬しかありません。その最新作をリアルタイムで読める幸せをかみしめて、日々生きております(笑)。
原作コミック第2巻が発売されるタイミング(2019年11月)でインタビュー取材のお話をいただき、「るーみっくわーるど」への想いをたくさん語らせていただきました。その際、留美子先生の直筆で『MAO』のイラスト入りサイン色紙を頂戴したのですが、そこには「『進撃の巨人』観てます」というメッセージまで添えてくださっていて。本当に夢のようでした。その時は、まだ『MAO』アニメ化は決まっておらず、「いつかやれたらいいですね」というレベルでした。なので、どんな形であれ声優として関わることができたらな、と漠然と夢見ていましたね。
──それから摩緒を初めて演じることになった経緯は?
梶:それから数年経ち、2021年に『MAO』コミックの宣伝プロモーションの一環として、摩緒と百火と華紋の声が付いたダイジェストムービーを制作することになって。その際に、まさかの摩緒役にご指名いただけて…本当に光栄でした。百火を下野(紘)さん、華紋を豊永(利行)くんが演じることになり、3人で配信番組もやらせていただいたんですが、その時にも、ありがたいことに留美子先生から色紙を頂戴して。そこには「遂に実現しましたね」というメッセージも添えてくださっていて、もう涙が出るほど嬉しかったことを覚えています。
ただ、そのタイミングではテレビシリーズ化が決まっていたわけではなかったので、いちファンとしても『MAO』のアニメを絶対に観たいと思いつつ、同時に、アニメ化した時にキャストが変わってしまうことはよくあるので、決してぬか喜びしないようにしよう、と深く心に留めていました(笑)。それでも、学生の頃から、更には声優になってからも、留美子先生原作のアニメに出演したいとずっと夢見続けてきたので、まさに「どうか実現してほしい」と願っていましたね。
──今回『MAO』のアニメ化と摩緒役を演じることが決まった時の感想は?
梶:決して比喩表現でなく、飛び上がるほど嬉しかったです(笑)。2022年放送の『うる星やつら』に水乃小路飛麿役として出演させていただいた時も幸せを感じていましたが、この『MAO』では、憧れていた「タイトル名と同じ名前の主人公」という大役を任せていただき、声優としての大きな夢がひとつ叶って。けれど同時に、責任の重みもひしひしと感じはじめました。
演じる上で摩緒のピュアさと優しさが大切
──演じる摩緒の印象をお聞かせください。
梶:すごくピュアで、優しい人だと思います。けれど、猫鬼の呪いにかけられて不老不死の体になってしまい、ずっと独りで時代の変遷を見届けてきたという境遇は、間違いなくつらく苦しいものですよね。普通の人なら耐えられずに精神を病んでしまうほどかと。
900年間いろいろなことを乗り越え、適応してきた経験値の積み重ねで、大正時代にいる摩緒は出来上がっているはず。なので、必然的に冷静沈着で思慮深くもなると思うんです。そう簡単には他人を信用することもないでしょうし、一つひとつの出来事に一喜一憂していられません。
基本的に感情の起伏はあまりなく、口数も少ないので淡々としている印象を抱きがちですが、元々はピュアで優しい人物ということを忘れてはいけません。ひとたび心を開けば、その相手を大切にするでしょうし、守ろうとする人だろうなと。そのあたりは、しっかりと念頭に置いてアフレコに臨んでいましたね。菜花と出会い、共に時間を重ねていくことで、少しずつ心を許していく。いわば、心のグラデーションが重要だろうなと。
また対象によって、心の距離や温度感は変わるもの。例えば、菜花や乙弥に対しての対応と、百火や華紋、あるいは猫鬼に対しての対応はそれぞれ違うわけで、それに伴って変化するであろう声色や温度感に差をつけていくことも大事だろうなと考えながらお芝居していました。
──摩緒を演じる上で難しかったところは?
梶:その繊細な温度感をチューニングするのが、とにかく難しかったですね。アフレコ収録の現場自体はすごく和やかで、常にみんなでニコニコ会話しているような空間だったんです。でも当然ドラマの中の摩緒は、常にクール。そういった和気藹々としたムードに引っ張られてはいけないわけです。声もテンションも基本ロートーンな人物なので、レコーディングが始まる手前でちゃんと切り替えないと、うまく役に入れないんです。
とはいえ、立ち位置的には座長的ポジションでもあるので、一人で孤立するのも違うなと思って。なので、休憩中と収録時の切り替え、自分とキャラクターの切り替えに関しては、かなり意識的に行っていました。
──ヒロインの菜花の印象はいかがですか?
梶:摩緒や乙弥は気が遠くなるほどの長い年月を過ごしてきているし、呪いに関係していることもあって、アクティブとは言えない人たちですが(笑)、菜花は対照的に、すごくエネルギッシュで、細かいことは気にしない天真爛漫なところが素敵だなと思います。そんな菜花だからこそ摩緒も心を開けるのではないでしょうか。そして、菜花の存在は摩緒だけではなく、作品全体にとっても非常に大きい。闇や影といったものを明るく照らしてくれるような子だからこそ、読者の方々も陰うつとせずに物語に触れられるような気がしています。
──そして摩緒と長い付き合いである兄弟子の百火と華紋の印象もお聞かせください。
梶:摩緒と同じように、平安時代から長い歳月生きている陰陽師が登場するところが、本作のワクワクするポイントの一つですよね。
百火も摩緒とは違い、どちらかというと菜花に近いというか、子供っぽさや無鉄砲なところがあって、とにかく賑やかで元気。あと何って言っていいのかな……いわゆるおバカキャラというか(笑)。だからどこか憎めないんですよね。そして、演じる下野さんにも同じイメージがあって。憎めない人。愛されキャラ。だから百火役のキャスティングを初めて聞いた時も「それそれ!」と、すごく納得しちゃいました(笑)。
華紋は、摩緒とはまた違う種類の大人で、ちょっとクセがあって、一筋縄ではいかない、ひょうひょうとしている部分が魅力的です。とはいえ、彼にも秘めた想いや弱さがあるところがたまらないんですよ。原作を読んでいた時、なかなか華紋の声は想像がつきませんでしたが、アフレコがはじまってみて納得。決して本音を見せず、常に余裕を感じさせるお芝居や呼吸、スピード感などのすべてが、実に華紋らしくて。豊永くんが素敵に表現してくれているなと感じました。


































