音楽
『小日向美香 Music Session vol.01』レポート&インタビュー

「私がお届けする音に身を任せて、ただただ楽しんで欲しい」──オリジナル曲・カバー・初披露の新曲で紡いだ“はじまりの音”『小日向美香 Music Session vol.01』レポート&ライブ後インタビュー

声優として活動する小日向美香さん。自身が作詞を担当した「夢のみちしるべ」でソロアーティストとしてデビューしてから約半年。26歳の誕生日の翌日にあたる2026年3月15日(日)、単独イベント『 小日向美香 Music Session vol.01』を東京・SHIBUYA DIVEにて開催した。

昼はトーク、夜はライブを軸に構成された本公演。昨年の『Music Session vol.0』に続く開催となるが、トークパートを含まないライブとしては今回の夜公演が初となる。

アニメイトタイムズではファーストライブとなった夜公演「-はじまりの音-」のレポートと、その直後に行われたインタビューを実施。まずはライブの模様からお届けする。

“運命の一本”のベースで“はじまりの音”を鳴らす

開演前、満場のフロアに流れたのは小日向さん本人による影ナレーションであった。「みんなで譲り合って、良い一日にしましょう!」とファンである「こひなた民」に呼びかければ、すぐに「はーい!」と元気な声が返り「良い返事!」と太鼓判。小日向さんの笑顔が思い浮かぶ。

まずはバンドメンバーの3人(=バンドマスター/Key. Reymiy、Gt. 松本コーキ、Dr. 田中“TK”康太郎)がステージへ。「夢のみちしるべ」のリフに合わせてハンズクラップが鳴り響く中、サドウスキーを携えて小日向さんがスタンドマイク前に登場した。

「『はじまりの音』いくぞー!」という一言に、フロアから地響きのような声が響いた。オープニングを飾ったのは、自身が作詞、そして日高勇輝氏(Elements Garden)が作曲・編曲を手掛けたデビュー曲「夢のみちしるべ」。青く煌めく“はじまりの音”に合わせて観客が高く手を振り上げ、ステージセンターではピンク色のライブTシャツにエアリーなチュールジレを合わせた、ふわりとしたシルエットが揺れる。足元のエフェクターを踏むカチカチという音すら聴こえるほど近い距離感もまた、ライブハウスならではの臨場感を際立たせていた。

そこから続いたのはSaucy Dogの「優しさに溢れた世界で」のカバー。この曲でもベースを弾きながら歌唱し、バンドメンバーとアイコンタクトを交わしながら楽曲を紡いでいく。「夢のみちしるべ」に続き、“夢”という言葉が重なる流れも印象的であった。

最初の挨拶では、すぐさま「後ろのほうのみんなも見えてる? 大丈夫?」「ぎゅうぎゅうでつらくなったりしていない? もしつらそうな人がいたら譲り合いしてあげてね」と、観客に気を配る。その細やかさがなんとも彼女らしい。

その上で「生バンドの演奏が大迫力で。私もバンドの皆さんと一緒にライブができること、そして、みんなに会えるのを楽しみにしていました!」と声を弾ませ「今日は私が歌いたい曲をたくさん詰め込んだセトリにしました」と予告。オリジナル楽曲はまだ限られているだけに、どんな楽曲が披露されるのかは誰もが気になったところだろうが「今日のセトリを当てられる人は絶対にいないと思う」とニヤリ。「今日は私がお届けする音に身を任せて、ただただ楽しんで欲しい」という言葉にワクワクが広がった。

次は「私がベースボーカルを練習するときに、最初に弾いていた曲」として、アユニ・Dがベースボーカルを務めるバンドプロジェクト・PEDROの「感傷謳歌」を披露。エモーショナルな中にも温かさをにじませる。

一転して、冒頭からフロアの熱量を一気に引き上げるパフォーマンスで観客を沸かせたのが、『けいおん!』桜高軽音部による「Don't say "lazy"」。床が抜けてしまうのでは!?と思わず心配をしてしまうほどの盛り上がりで、小日向さん自身もベースを弾きつつ笑顔を見せる。「みんなが盛り上がってくれるから、すっごく楽しかったです!」とMCへ。「私の推しの(秋山)澪ちゃんがメインボーカルを務めている曲で、私も澪ちゃんのようにベースを弾きながら歌ってみたいなと思って今回選曲しました!」と、その理由を語った。

その後、話題は2月のバレンタインデーに発売された『小日向美香1st写真集 まなざし』へ。「持ってくれてるかな?」と問いかけると、フロアからはたくさんの手が上がり、中には写真集を掲げるファンの姿が見られた。京都・滋賀を舞台に、思い入れのある作品の聖地を巡った本作は、裏表紙に『けいおん!』の私立桜が丘女子高等学校のモデル校の講堂が収められており、「今日歌った楽曲などを思い出しながら、写真集を見ていただけたら嬉しいです」と語った。

「シルシ」など多彩なカバーで魅せた表現力

中盤はベースを置き、ヘルプベースの奥村フミヤさんがステージに加わる。ここからは歌にフォーカスしたブロックへ。堀江由衣さんの「虹が架かるまでの話」では、爽やかな歌声を響かせるなか、Reymiyさんのコーラスが重なり、楽曲にやわらかな彩りを添えていく。

そこから続いたのは、小日向さんが大好きな作品であり、写真集でも聖地巡りをしている映画『たまこラブストーリー』の主題歌・洲崎綾さんの「プリンシプル」。ゆったりとしたリズムに乗せて、伸びやかなハイトーンボイスで感情を重ねていく。さらにもう1曲、『ソードアート・オンライン』シリーズより、LiSAさんが歌う『ソードアート・オンラインII』マザーズ・ロザリオ編のEDテーマ「シルシ」を。壮大なスケール感を持つバラードをまっすぐに歌い上げてみせた。どの曲も「いつか歌ってみたい」と思っていた曲。「こんなにも素敵な演奏で歌わせていただける日がくるとは思っていなくて、とても嬉しかったです。想いのこもった演奏のおかげで、私も歌声に力が入りました」と話す。

MCではバンドメンバーとの信頼関係も垣間見える。バンドメンバーの紹介後、限られたリハーサルの中でアレンジを作り上げたことや、ステージに立つまで互いを気遣っていたことなどが語られ「皆さんとは(5月の)追加公演もご一緒できるということなので、お名前などを覚えてくださると嬉しいです」と呼びかけた。

また、Reymiyからは「美香ちゃんが楽屋でも、(楽屋内にある場内用のカメラを見て)皆さんのことをずっと気にしていて。“暑くないかな、寒くないかな”って。すごく優しいんですよ」と、その人柄を明かす一幕も。客席から何度も拍手がおきたひとときであった。

新曲「光をくれるあなたへ」をプレゼント

ライブはあっという間に後半戦へ。その幕開けを飾ったのは「私の大好きな声優アーティストさんの楽曲。3月になると聴きたくなるんです」と水瀬いのりさんの「三月と群青」だった。透明感のある歌声が際立つ中、ハンズクラップが広がり、疾走感あふれるサウンドがフロアを一気に駆け抜けていく。

TVアニメ『SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!』Mashumairesh!!挿入歌「エールアンドレスポンス」ではバンドメンバーも前方でプレイ。どんどんと熱を帯びてステージと客席が呼応し合うその光景に、この“Music Session”というタイトルの意味をあらためて感じさせられた。それにしても選曲が本当に興味深い。「小日向美香」がどんな楽曲を愛してきたのか、そのエッセンスがどのように今につながっているのか。彼女のバックグラウンドが垣間見えるのも、このライブならではの魅力だった。

本編ラストには初披露となる新曲が。曲に先駆けて「今回も作詞を担当させてもらっています」「ソロアーティスト活動を始めてから、前回の『Music Session vol.0』でみんなが見せてくれた景色を通して感じた私の想いと、普段からSNSやブログで届けてくれるみんなの想いをつなぎあわせる楽曲を作りたいなと思って作詞をしました」「私から、大切な“こひなた民”のみんなに綴った想いを受け取ってください」と、楽曲に込めた想いが語られた。

新曲「光をくれるあなたへ」は、哀愁を帯びたギターロックナンバー。キラキラとしたピアノの音色が、エモーショナルに響き渡る。冒頭から初披露とは思えないほどの盛り上がりだ。〈届けるよ 声が枯れても ここで歌い続けたい 隣にいて欲しい これからもずっと〉という、曲の後半にこめられたメッセージと切々とした歌声から、この先も共に歩んでいきたいという想いや決意も感じさせるものであった。

最後に「みんなの歌声がないと成立しない曲」

アンコールではさまざまな情報がアナウンスされ、追加公演『小日向美香 Music Session vol.01 -はじまりの音- RE:PLAY』の開催もあらためて告知された。

5月1日(金)横浜Renyβ、5月15日(金)代官山SPACE ODDでの開催が予定されている。また、この日披露した新曲「光をくれるあなたへ」の配信も決定しているという。「実はタイトルは昨日決まったんです。ずっと“メッセージ”という仮タイトルで練習していました」「誰が作曲をしてくれたのかなどは、続報をお待ちください」と付け加えた。

そして「素敵な演奏で、それを無駄にしないように、私自身も誠意いっぱいに歌を届けようと、このライブに向けて準備してきました」「まだまだ一人でライブをすることも上手くできない部分もありますし、今はまっすぐに歌を届けることしかできないのですが、その分、全力で魂を込めて歌っています。またこの想いを受け取りに来てくれたらうれしいです!」「これからもよろしくお願いします!」と伝えた。

続けて「まだ披露してない曲があるよね?」といたずらっぽく問いかけると、フロアからはあえてとぼけるような「え?」が返ってくる。「だ、大丈夫だよね? みんな私の持ち曲もう1曲あるの、知ってるよね?」」と焦りつつ、「次の曲は、みんなと共につくった曲だと思っています。みんなの歌声がないと成立しない曲です。ぜひ歌える方は一緒に歌ってくださいね!」と呼びかけ、ベースを弾きながら「ひなたぼっこ」を歌唱。

作詞・作曲を自身が手がけたオリジナル曲で、共作曲・編曲には藤永龍太郎(Elements Garden)が名を連ねる。ひとりじゃできないことも、あなたとならできるという、そんな温かなメッセージが込められたハートウォーミングな一曲だ。観客の表情もやわらかく、隣の人と肩を組んで横に揺れたり、シンガロングしたり、ステージをじっと見つめたりと、それぞれの楽しみ方で会場はひとつになっていく。タイトル通り、陽だまりのような温かさが会場を包み込み、記念すべき最初で最後のファーストライブは幕を閉じた。

記念撮影後は「まだまだ未完成」と語りながらも、「これからもみんなとともに進んでいきたい」と決意表明。カッコよく決まったかと思いきや、マイクを持ったままステージ袖へと向かったことで、マイクのケーブルがピンと張り「(ステージから)出られない!」と慌て、観客から笑いが起きる一幕も。そんな自然体の彼女も魅力的だ。

オリジナル曲・カバー・新曲という3本立てで行われたファーストライブ。こうしたセットリストも、今のタイミングだからこそ実現できるものだろう。いずれオリジナル曲へと変わっていくであろう未来を思うと、なおさら貴重な、はじまりの一夜だ。音と言葉で想いを共有する“Music Session”で、これからどんな音楽が鳴らされていくのか、楽しみで仕方がない。

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