
「藍美と波の存在は、彼の人生の中で大きかったんだと思います」──TVアニメ「霧尾ファンクラブ」満田充役・広瀬裕也さん【連載インタビュー第5回】
現在、MBS/TBS系28局“スーパーアニメイズムTURBO”枠にて、毎週木曜深夜0時26分から放送中のTVアニメ「霧尾ファンクラブ」(原作:地球のお魚ぽんちゃん)。
本作は、同じクラスの「霧尾(きりお)くん」に夢中の女子高生・三好藍美(みよしあいみ)と染谷波(そめたになみ)の日常を描く、一方通行ラブコメディーです。
アニメイトタイムズでは、スタッフ&出演キャストのみなさまへ連載インタビューを実施。本稿では満田充役・広瀬裕也さんにお話を伺いました。
藍美と波に振り回されながらも、その眼差しには柔らかさと明るさを感じさせる満田。絶妙な距離感で止めどなく押し寄せる感情に、広瀬さんはどのように向き合ったのでしょうか。
「彼の中にある自然さをなるべく保ちたい」
──まずは本作の印象からお聞かせください。
満田充役・広瀬裕也さん(以下、広瀬):全6巻の構成ということもあり、「霧尾ファンクラブ」初心者、初めて見る方でもとっつきやすいといいますか。物語に入っていきやすいなと思いました。
「ファンクラブ」というくらいだから、推しをひたすらに応援していくような漫画なのかなと思いながら読み始めたのですが、とにかく(地球のお魚)ぽんちゃん先生ワード、ギャグセンス、藍美と波の掛け合いが絶妙で!
二人に推される立場の霧尾くんは出てくるけれど顔はあまり見えず、何者かもあまり見えてこない。藍美と波を通して、我々も霧尾くんがどんな人間か知っていく。そして最後まで読むとどんでん返しが待っていて。読む手が進んで、気がついたら読み終わっていました。
──テンポの良さはもちろん、様々な要素が折り重なっている作品ですよね。
広瀬:彼らの心理的な切なさや抱えているものも、最初のスタートとは印象が全然違ってくるんですよね。女子のわちゃわちゃを見るお話なのかと思いきや、結構重い。そんな裏切りもあって、まったく飽きない作品だと思います。
──最後まで見終わったみなさんは、その足でもう一度第1話から読み直したくなるのではないかと思います。
広瀬:あの時のそれは、実はこういう意味だったんじゃないか……と。この段階では詳しくお話しできませんが、だんだんと見えてくるものがありますからね!
──そんな本作にご出演が決まったときの気持ちはいかがでしたか?
広瀬:僕は霧尾くんと満田くんのオーディションを受けさせていただいたのですが、オーディションが終わったあとにスタッフさんの「満田くん、良かった」という声が聞こえて。もちろんその時点では合格をいただいたわけではなかったのですが、とってもワクワクする嬉しい言葉をいただくことができました。
彼の、真っすぐが故の悲しさや報われなさが時に可愛く、時に切ないといいますか。彼の不器用さ……「みんながみんなを好きにはなれないよね」みたいなところも含めて、満田君を演じることが楽しかったので、任せていただけると決まったときは本当に嬉しかったです。
──不憫でありつつ、愛されキャラな一面もあって。
広瀬:感情の起伏も大きいですし、満田くんは他のキャラクターに負けないパワーを持っています。
──オーディション、またアフレコに際してどのような準備を行ったのでしょうか。
広瀬:オーディションのときも意識していたのですが、ナチュラルなお芝居を目指しました。味付けしすぎないシーンもしっかり大切にしたいなと。
──味付けしすぎないシーン?
広瀬:満田くんは言動やビジュアル含め、結構攻めていきそうな雰囲気がありますが、彼自身の流れる日常を意識しようと思っていました。藍美たちに絡まれて嫌がるシーンなど、コミカルになる瞬間もあるのですが、彼の中にある自然さをなるべく保ちたかったんです。
──本作の登場人物からは、良い意味で「アニメのキャラクター」という概念に寄りすぎていない印象を受けます。
広瀬:会話劇がこの作品の強みだと思うんです。波と藍美によるテンポの良い掛け合いの中に、桃瀬や星羅、満田くんがちょこちょこと入っていく。みんな、二人(藍美と波)によってかき回されていくようなところもあるので、二人の自然な「霧尾くんが大好き」という気持ちの流れに乗っかって、スパイスになったらいいなと思いながら演じました。
──アフレコで印象に残っているエピソードを教えてください。
広瀬:テストテイクがそのまま使われることがたびたびありました。例えば物語の後半、霧尾くんが色々な気持ちを吐露するシーンでは、梶原くん自身もテストから気持ちをすごく込めていて、グッとくるお芝居をされていたんです。音響監督さんから「このままテストを使います」という声を一度聞いてから、テストから本番のつもりで、静かに音を立てずにしようという意識が芽生えましたね。
本作にあるいわゆる“生っぽさ”については、何回もテイクを重ねていくと、ちょっとずつ狙いたくなったり、変わっていったりすることがあるので、やっぱり一発目が大事なんです。生の一発目に、雰囲気や空気感が出る。制作チームもその流れを大事にしているんだろうなと感じていました。
──「テストテイクを採用する」「本当の一発勝負」は、昨今のアフレコ風景では珍しいことなのかなと。
広瀬:新鮮でしたね。やはりアフレコはどうしても「テストの後に本番」という流れがあるので、既存の概念にとらわれないという意味でも楽しい現場でした。
テストを経て、キャストとスタッフ陣の話し合いが起こることもあるし、あとは単純に声が被ってしまう可能性もある。でもテストだからみんな「ビビらずに堂々とできる」みたいな気持ちもあると思います。
「本番」と言われるとちょっと力も入りすぎてしまうかもしれないし、僕は「綺麗に見せよう」という意識が入りすぎてしまうタイプでもあって。そんな中「テストだし、大胆にやっちゃおう」というお芝居を「いいじゃん!」と言ってくれるのはとても素敵だなと思いました。
──プロによる職人芸が合わさった結果なのかなと思いました。
広瀬:そんな現場に居合わせることができたのはすごく貴重ですし、勉強になりました。とてもありがたかったです。

































