映画
『アギト—超能力戦争—』監督・田﨑竜太インタビュー

「“これぞ『アギト』だな”と思いながら撮りました」歳を重ね、歴史を積み上げてきた25年後の世界――『アギト—超能力戦争—』監督・田﨑竜太さんインタビュー

「これぞ『アギト』だな」と思いながら撮りました

ーー『アギト—超能力戦争—』ではTVシリーズに引き続き、井上敏樹先生がシナリオを書かれています。今作のストーリーに触れた際の率直な感想をお聞かせください。

田﨑:小沢澄子が“不可能犯罪”を追っている一方で、刑務所の中には氷川誠がいる。それが並行して描かれるという展開は、かつて3人の男を並行して描いた『アギト』に似ているところがあると感じました。

ーー氷川誠が収監されている刑務所のシーンはどのように演出されたのでしょうか?

田﨑:刑務所のシーンはそれだけで楽しめるものにしたいと思いました。東映には元々『網走番外地』などの刑務所モノのDNAがあるんですよね。そういったDNAをうまく抽出できたら、面白いものになるのではないかなと。刑務所の中で暴動が起きるシーンなどはまさに東映の得意分野で、私が指示を出すというよりは、皆さんの力が結集して上手くいきました。

ーー京都撮影所の俳優さんも活躍されていますね。

田﨑:京都には、京都撮影所に所属している俳優さんがいらっしゃって、そういう方たちが非常にうまく演じてくださいました。本当は関東の刑務所という設定なのですが、関西弁を話している人が何人もいます(笑)。京都には昔の東映のDNAがまだまだ濃く残っているところがあるので、それをうまく活かせた気はしますね。

ーー京都撮影所の撮影チームと関わりが深い田﨑監督だからこそ、スムーズに進んだ部分もあるのでは?

田﨑:それこそ、今作でエグゼクティブプロデューサー務めている塚田英明さんに「『科捜研の女』をやらない?」と声をかけられて、7〜8年担当したんですよね。冬は京都で『科捜研の女』、夏は東京で仮面ライダーシリーズという生活を送っていました。京都のスタッフと上手くやれたのは、間違いなくその経験があったからだと思います。

京都の持ち味や良さというのもよく分かっているつもりです。やはりクラフトマンシップ(物づくりへのこだわり)に関しては、東京のスタッフよりも圧倒的に強いんですよ。こちらが難しい球を投げる時に「どういう球を投げれば、そのクラフトマンシップに火がつくのか」「火がついた結果、どれほどすごいものが出てくるのか」というところが、京都スタッフの底力なのだと思います。

例えば、刑務所のパートで赤い夕日が差しているシーンについては、照明部がものすごく心血を注いで素晴らしい夕景にしてくれています。あれはまさに職人技ですね。

ーー当時のオリジナルキャストが集結している点も大きな見どころです。

田﨑:長く元気でいるからこそ、声がかかった時に集結できる訳ですから、そういうところはありがたいなと思います。それぞれ歳は重ねていますが、例えば山崎潤さん演じる北條透は、北條透として歳を取っているという印象があって。それぞれ良い歳の取り方をしたのではないでしょうか。

ーー氷川と翔一の豆腐に関するやり取りなど、当時を思い出すようなシーンも印象的でした。

田﨑:ありましたね。「これぞ『アギト』だな」と思いながら撮りました。

ーー25年を経た、要さん演じる氷川誠のお芝居はいかがでしたか?

田﨑:私自身も観客として、要さんの作品をずっと見ていますので「やっぱり上手いなあ」と。今の要さんが氷川誠を演じた時にどうなるのかなとは思いましたが、やはり氷川は氷川としてご自身の中にいるんでしょうね。一緒に歳を取ってくれていることが伝わってきたので、嬉しかったです。

ーーまた、新キャラクターとして、ゆうちゃみさん演じる葵るり子/仮面ライダーG6も登場します。ゆうちゃみさんのキャスティングは、田﨑監督の指名だったのでしょうか?

田﨑:何人か候補がいて、その中で「絶対にゆうちゃみさんがいい」と思ったんです。葵るり子というキャラクターは少し体育会系な思考回路と言いますか、そういうところがぴったりくるのではないかなと。

ーーGシリーズのアーマーに関しても、ある程度の背丈がないと似合わないですよね。

田﨑:そうなんです。Gシリーズ以外ではあまりやらないですが、首から下はライダーのスーツで顔だけを出しているカット。これができる女性キャストは、実は芸能界の中でもあまりいないかもしれません。

ーー現場に入られたゆうちゃみさんと、役についてお話されたことはありますか?

田﨑:冒頭のるり子は交通課に配属されて、少し不満を抱えている状態なんですよね。その不満の中で小沢澄子と「レストラン・アギト」で不思議なココアを飲むというシーンがあります。翔一と小沢澄子の間に氷川誠の名前が出た時、少し表情が曇る。そこには「小沢さんにとっては氷川誠が必要なのかな、私がいるのに……」という感情がある訳です。

そういった感情の表現については、軽く打ち合わせをしました。あとはネイルがG6の色に塗られていたりするのですが、「そういうところは葵るり子のこだわりなのかな」といった話もしましたね。

©2026「劇場版アギト」製作委員会 ©石森プロ・東映
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