
【今週の『キングダム』の話題は?】飛信隊、邯鄲(かんたん)を前にする! 史実の邯鄲の歴史と「邯鄲の夢」は?「奥深く」〈875話〉
邯鄲の歴史と「邯鄲の夢」
ここからは、史実としてわかっている邯鄲についての雑学です。
邯鄲の歴史
邯鄲の場所には、殷(いん)代以前から都市があったことがわかっており、殷の時代になって都城が築かれた、とされています。この場所は、西から流れ来る滏陽河(ふようが)と南を流れる漳河(しょうが)に囲まれた交通の要衝です。人と物が集まり大きな市場へと発展するしかない、という土地ですよね。
周代は衛(えい)国、春秋時代には晋(しん)国の版図となり、いずれも主要都市として扱われました。前500年ごろには、晋の正卿(宰相)である趙(ちょう)氏が世襲で治める城都となっています。
戦国時代になると晋が趙・魏(ぎ)・韓(かん)の3つに分裂。邯鄲は趙の版図となり、前386年には王都となりました。この、邯鄲を王都とする趙が、『キングダム』の趙というわけですね。
話はそれますが、趙王の苗字は「趙」です。趙王の祖先は、晋の正卿(宰相)までたどれるのです。また一説には、秦の嬴政(嬴氏)も趙氏の出という説もあるようです。まあ、よくわかりませんが、遠くたどれば趙と秦は親戚関係があるかも、というぐらいなのかもしれません。
邯鄲の夢
「邯鄲の夢」とか「邯鄲の枕」という故事成語をご存知でしょうか。聞いたことはあるが意味は知らないや、と焦った筆者は急ぎ調べましたのでしばしお付き合いを。
「邯鄲の夢」の意味は、「人生の栄枯盛衰のはかないことのたとえ」(デジタル大辞泉より)だそうで、元の話は、唐(とう)代の沈既済(しんきせい)の小説『枕中記』(ちんちゅうき)にあるとのこと。
主人公の盧生(ろせい)は、あてもなく故郷から都 邯鄲に出てきます。邯鄲の宿屋で、ある道士に枕をもらった盧生。もらった枕で眠ると、自分が立身出世を果たし栄達の限りを尽くしたすえに子孫に囲まれ大往生する、という夢を見ます。最高の気持ちで目覚めると、そこは元の宿屋で、主人が火にかけていた粟の飯すら炊きあがっていないという有様。
ほんの一時の夢見、ここに盧生は人生の儚さを悟った、というわけです。
邯鄲という大都会での出世欲が、盧生にこのような夢を見させたのでしょうか。人間界で推奨される立身出世の一生も、大地や都城に比べたらあっという間の出来事に過ぎないという、広大な中国ならではの故事成語ですね。
『キングダム』にはこのような老成した言葉は似合いませんが、邯鄲が中華全土で一二を争う大都会なのであろうことはわかりました。そんな邯鄲を目の前にした飛信隊、このまま踏み込むのか? 味方を待つのか? どうする? 続きが気になりますが、今回はここまでです。



























