
ぼたんといぶき、かなでとジンランが語った“理解”──『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』「…ばか」「塗って?」彼女たちのたった一言で“健康になれた”話【アニメ振り返り】
塀先生が描く『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』。そのTVアニメが2026年4月より放送中です。
お酒を通じて表れる関係性の揺れ動きが本作の魅力のひとつ。登場キャラクターの感情の機微が繊細に描かれる『上伊那ぼたん』の中から、本稿では放送されたTVアニメ第7話を振り返りつつ、上伊那ぼたん(CV:鈴代紗弓)と砺波いぶき(CV:青山吉能)、郡上かなで(CV:寿美菜子)と張景嵐(CV:河瀬茉希)のとあるシーンにも注目します。
原作から可視範囲が拡張されて描かれるアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』。彼女たちによる一瞬、一言のやり取りは余韻に満ちており、つい「健康に良い……」とオタク的な感想が飛び出てしまうほど尊いものでした……!
※本稿はTVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』第7話のネタバレを含みます
砺波いぶき、郡上かなで、張景嵐の三人で武甲山へ!
寮生で登山に行く計画を立てていた一行ですが、下がり始めた気温と高まりすぎてしまった意欲によって北杜やえか(CV:富田美憂)が熱を出してしまいます。やえかを深く理解する遊佐あかね(CV:天海由梨奈)の談によれば、気温が下がったこともあり「逆に上がっちゃったんじゃないか」「いろいろと」とのこと。
やえかを看病するために寮に残ることになったあかねとぼたん。比較的インドア派であるかなで、ジンラン、いぶきのメンバーで武甲山に向かうことになりました。
さーいしょにー#上伊那ぼたん pic.twitter.com/RzyRzcVvAy
— TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』 (@kamiina_anime) May 22, 2026
登山届を出し、クマが出没する可能性におののきながら登山を始める三人。楽しげな表情を浮かべるかなでとジンランに対し、いぶきはくぐもった表情を見せます。
頂上までの長い道中、足の痛み、山特有のしずけさ……登山の楽しさを見いだせないままのいぶき。そうしてたどり着いた滝の横には「水歩荷(みずぼっか)」の協力をうながす看板と大量のペットボトルが置かれていました。
水歩荷とは、水を携え山を登り、山頂や山小屋に物資(水)を届けること。武甲山では山頂のトイレのために水を運搬します。
すすんで水歩荷を行うかなでと「じゃあ私も」と水を汲み始めるジンラン。重い水を持っての登山は当然大変な行動ですから、いぶきは水歩荷には参加せずに登山を継続することに。
その後の道中では、野生のシカとの邂逅があるなどトラブル(?)を乗り越え、徐々に「日常とは違う世界にいる」ことを意識するいぶき。面白さを見出せそうないぶきの目に、ちんまりと座る老婦人の姿が映ります。
水を汲んで登ってきたけれど疲れてしまったと語る老婦人。中身を捨てることを提案したいぶきの言葉を即座にただし、水は武甲のお恵みだと話し始めます。
山を通った水を秩父の人々は大切にいただいていること。そしてアニメ第6話で登場した「ちちぶホステル」にて、いぶきとぼたんが呑んだ日本酒「武甲正宗」も武甲の水が使われていることが明かされます。
感謝の気持ちを持ってお水を運びたいと語る老婦人に、いぶきは「私が持っていってもいいですか?」と代理を申し出ます。乗り気でなかったいぶきが水歩荷を申し出たその理由とは──
山は楽しい……か。#上伊那ぼたん pic.twitter.com/J1XQboOypk
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「好きです」
ぼたんの告白から始まったBパート。いぶきへの想いを言葉にしたかと思いきや、ぼたんの「好き」は「宇宙」に向けられた言葉でした。
いぶきの誘いでプラネタリウムにやってきた二人。道中の「おしなり橋」近くで「うちゅうブルーイング」を飲みながら談笑します。
ちなみに「おしなり橋」が架かるのは隅田川ではなく北十間川(きたじゅっけんがわ)。東京スカイツリー付近に流れる一級河川で、川幅が10間(約18.18m)で本所(墨田区南部の商工業地区)の北に位置することからその名がついたと言われています。
いぶきが寮から持ってきた「うちゅうブルーイング」は、宇宙を想って作られるビール。先日山の面白さを理解したいと思ったいぶきは、今度は宇宙を想いながらお酒を理解したいと思っている、と語ります。
──「宇宙について最も理解しがたいことは」「それが理解可能ということである」
アインシュタインの言葉を引用したぼたんは続けて「いぶきさんのことも もっと理解したい」とつぶやきました。プラネタリウムに入ったいぶきとぼたん。チケットを揃えて入場する瞬間、いぶきは二人のときは「いぶき」と名前で呼んでくれていいとこぼします。
この先、お互いがお互いをもっともっと理解することが示唆される一幕。このシーンを見た視聴者は、その尊さゆえお肌にツヤが戻ったのではないでしょうか。
UCHU SOUSEI#上伊那ぼたん pic.twitter.com/pbJMqS0hSB
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「お風呂が沸きました」
時刻は0時を回り夜も更けてきたころ。かなでがお風呂に入ろうとすると、脱衣所にはお風呂上がりのジンランがいました。ジンランは入浴を終え、ちょうどお湯を抜いてしまったところ。再度お風呂が沸く瞬間を「夢乃寒梅 古酒19年」を呑みながら待つことになります。
「夢乃寒梅 古酒19年」は、ロンドンで開催されたインターナショナルワインチャレンジ「IWC」日本酒古酒部門で銀メダルを受賞した名酒。かなではこのお酒をいぶきからのお返しだと頬を染めます。
「日本酒自体ほとんど飲んだことのない私には」「まだちょっと難しいお酒」としながらも「いつか理解したい」と語るかなで。その横顔を見たジンランも「私も一緒にしたいです」「理解」と投げかけました。
日本酒・古酒の理解の第一歩として、スキンケアに無頓着なジンランを気にかけたかなでが持ってきたのは鶴見酒造の酒粕を使ったリップバーム。手渡されたバームを見て、そのあと横目でかなでを見たジンランは言いました。
──「塗って?」
/⋰#上伊那ぼたん 第7話
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ご視聴ありがとうございました!
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このあと24:30からはABEMAで
上伊那ぼたん、酒の肴になる話
おかわり🍺https://t.co/ict7h6rd64 pic.twitter.com/JnQPiQHJhV
第7話で描かれた“理解”
「理解」という言葉がたびたび登場した第7話。ぼたんが加わり、さらに留学生のジンランが入寮したことで変化する関係性は、静かに波を立て始めました。
私も一緒に理解したい、と言われたぐじょせん(郡上かなで)はリップバームを持ち込みましたが、ジンランの言う“理解”の対象は本当に日本酒のことだったのか……詳しく言いすぎるのは、きっと無粋なのだと思います。
言葉を使って感情に訴えかける手法は、必ずしも大きな音量である必要はありません。今回は特に、ぽつりぽつりとつぶやくように、それでいて胸に突き刺さるように落ちてくる一言が際立ったように感じました。
ぼたんといぶきの理解が進むほど、かなでから見た二人(ぼたんといぶき)の関係も理解が深まっていく。その深まりはかなでにとって、必ずしも心に余裕をもたらすようなものではないハズ。その間にジンランが静かに、しかし急激に入り込んでいくことで新たな理解が起こるとしたら……お風呂ではなく視聴者である我々の心が沸いてしまいそう!
原作から可視範囲が拡張されて描かれるアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』。ゆとりから生まれる緊張と、訪れるゆるやかな日常的な緩和が非常に心地よい作品です。アニメイトタイムズでは毎話放送後に掲載されるキャストインタビュー連載も実施中。原作・アニメとあわせてぜひチェックしてみてください!
連載インタビューバックナンバー
『上伊那ぼたん、酔える姿は百合の花』作品情報

Onair
TOKYO MX、BS11、とちぎテレビ、群馬テレビ、テレ玉 ほかにて
4月10日(金)24時より放送開始
Streaming
ABEMAにて4月10日(金)24時より地上波同時・最速配信
ほか各配信プラットフォームにて順次配信
キャスト
上伊那ぼたん:鈴代紗弓
砺波いぶき:青山吉能
郡上かなで:寿美菜子
遊佐あかね:天海由梨奈
北杜やえか:富田美憂
張景嵐:河瀬茉希























