
春アニメ『クジマ歌えば家ほろろ』クジマ役・神月柚莉愛さんインタビュー|どんどんクジマ化していく収録現場。村瀬歩さん、阿座上洋平さんとのアドリブ合戦に大奮闘!?
トイレットペーパーの芯が役づくりのヒントに!?
──テクニカル面以外で、監督さんから何かディレクション等はありましたか?
神月:アドリブあり、何でもありの自由な現場でしたので、とにかくやりたいようにやらせていただきありがたかったです。
──クジマを演じる際、心がけたことがあれば教えてください。
神月:クジマは仲間の群れに戻るための練習で日本に来ているので、新鮮さを忘れないように心がけました。
きっとクジマからしてみたら何もかもが新鮮に感じられると思うので、童心にかえるといいますか、子ども心をもう一度掘り起こそう、と。
あとは、“クチバシ”を意識しましたね。
──“クチバシ“ですか?
神月:はい。私はクチバシを持っていないので(笑)。
一同:(笑)。
神月:クチバシがある芝居はどういう感じなんだろうと、まずは自分がクチバシを体験しないとわからないこともあると思って、トイレットペーパーの芯を口に当てて喋ったりしてみました(笑)。
見ている方にクジマの魅力がさらに伝わるように、密かに研究したのが懐かしいです。
──トイレットペーパーという物理的な方法で感覚を身につけたのがすごいです。
神月:本当に体験してみないとわからないこともあるので、もし鳥のような役を演じることがあれば、トイレットペーパーの芯をおすすめしたいと思います(笑)。
──また、本作はクジマが鴻田家にやってくるところから物語は始まりますが、クジマと出会い、家に連れ帰ったのが鴻田新(CV:村瀬歩)です。クジマを演じる神月さんからみた鴻田新の印象を教えてください。
神月:村瀬さんは本当に飾り気のないナチュラルな声質で新を演じられていて、新とクジマというファンタジーな生き物との対比がものすごくわかりやすくなっていると思います。
村瀬さんのもともとの声質もありますが、すごくナチュラルに物語に入っていけるような感じが出ていて。一緒にやっていて、“こういう声質でいかれるんだな。じゃあ私は思いっきり人外としてクジマを演じよう!”という気にさせていただきました。
アフレコ中の雑談で「村瀬さんはいろんな声が出せますね」とお話させていただいたときに「今回の物語はクジマが主導で動いてくれているから、クジマに合わせてやっているだけだよ」と当たり前のようにおっしゃってくださって。
私にはその技量がなく、今はまだ突っ走ることしかできていないので、一緒にアフレコをさせていただいたおかげでとても勉強になりました。
──すごく良い現場だったのですね。
神月:はい。収録の最中は、新だけでなく、音響監督の岩波さんまでもがどんどんクジマ化していく現場でした(笑)。
──(笑)。本作の見どころについてもうかがえればと思いますが、特に印象に残っているシーンはありますか?
神月:やり取りとしては、「おはよう」「行ってらっしゃい」を一緒に言うセリフが印象に残っています。
私はまだ現場経験が少ないので、これまでのアフレコ現場ではマイク前で目を合わせて言うことが多かったのですが、今回の現場は目も合わせなくても、まるで阿吽の呼吸のようになぜか呼吸が合ったんです。
村瀬さんがわかりやすく大きく息を吸ってくださったので「あっ今だ!」と察知することができてたのですが、今まで私が経験してきたものとは違った、“呼吸が合う”感覚をすごく感じました。
また、クジマが暴れると“まぁまぁまぁ”と落ち着かせてくれる新のように、現場でも私がロシア語でピンチに陥ると村瀬さんが「大丈夫!できるよ!クジマならできる!」と優しく励ましてくださいました。
おこがましいかもしれないのですが、作品の中でも作品を録るうえでも、新を演じる村瀬さんとはかけがえのない相棒のような、家族のような存在としてとても楽しく収録させていただきました。
クジマから教えてもらったこと
──クジマと新はもちろん、新の兄である鴻田英(CV:阿座上洋平)との関係性の変化も本作の見どころの1つです。
神月:阿座上さんとは初めて共演させていただきました。英の声はいつもの阿座上さんの力強さがありつつ、“こういう人いるよね”と思わず感じるようなナチュラルさもあります。
とてもイメージ通りの声といいますか、英の絵と声がこんなにもピッタリ合うことはあるのかと思うほど阿座上さんの声質とお芝居が素晴らしくて、英に怒られるシーンの時も嬉しくなりました(笑)。
一同:(笑)。
神月:カオスな状況をすぐに受け入れてくれる新、自由なクジマ、そこにやっとツッコミ役が来てくれるので、「待ってました〜!」と私自身もすごく楽しく収録させていただきました。
常に言い合いはしていますし、なぜかクジマは英にライバル意識を持っているので喧嘩も絶えませんが、回数を重ねていくうちにクジマと英の犬猿の仲がどのように変化していくのかを楽しみながらご覧いただけたらと思います。
──初共演の阿座上さんとの掛け合いはいかがでしたか?
神月:意外とアドリブが多かったです。別録りの日もありましたが、一緒に収録をするときには打ち合わせもないのに、テストでクジマがキレると英もそれに乗っかってキレていました(笑)。
私が1回ものすごく無茶振りをしたことがあって、事前に決めていないセリフを思わず言ってしまったのですが、それにも乗っかってくださって。
“お兄ちゃんがいたらこういう感じなんだろうな”と収録を通して思いました。本当の家族のような一体感を感じられる本当に温かい現場でした。
──アドリブ合戦、すごく楽しそうですね(笑)。
神月:アドリブのセリフも事前にだいたいは考えていましたが、村瀬さんがポンっと出してくるセリフに喰らいつくのに結構必死で(笑)。
今回の現場は本当にアドリブに強い方々がたくさんいらっしゃったので、絶対に私もくらいついてやる!という気持ちが強かったです。
──神月さん自身、楽しみながらもいろいろな経験ができたのですね。
神月:新しい経験がたくさんありました。今までまったく喋らない猫だったり、焼き鳥になってみたりといろいろ演じさせていただいたのですが、自分の声を変えるということがあまりなかったので。
今回のクジマは私にとって、かなり挑戦的な役でした。
オーディションを経て役が決まってからも、ここはこうなんじゃないか、ああなんじゃないかとずっと考えていたんです。
でも、あるときにふと、クジマは作りすぎないほうが良いのではないか、考えすぎたらそれは作りものになってしまうのではと気がついて。
原作に合わせてクジマのセリフを読んでいくうちに、わざわざ頑張って声を作らずとも、いつの間にかクジマの声がすぐ出るようになり、クジマと一緒に過ごしているような感覚が生まれました。
──素敵なお話をありがとうございます。クジマのことをすごく理解していらっしゃって、大切にされているのだなと感じました。
神月:ありがとうございます。クジマの2番目の理解者として、紺野アキラ先生の後に続くことができたら嬉しいなと思います(笑)。
──先ほど、クジマが自然とできるようになったとおっしゃっていましたが、日常生活でクジマが思わず出てきちゃうようなことはありましたか?
神月:あります! よく叫ぶようになりました。
今までは、嬉しくなると「うわぁ、嬉しいなぁ〜」と軽く身震いするような感じでしたが、喉が鍛えられたのか、全力の「やったー!」を叫ぶようになりまして(笑)。
あとは、喉がよく鳴るようになりました。普通に叫ぶだけだとどんなに声を作っても人間がただ叫んでいるようになってしまうので、巻舌ではなく、喉の奥を鳴らせるように鍛えたんです。
その結果、日常生活でも出るようになってしまって……それはちょっと私生活に支障をきたすといいますか、普通に喋っているのに鳥っぽさが出てしまうので、少しずつ落ち着かせていけたらなと思っています(笑)。
──そういえば、公式コメントにて、“幼少期に必死で練習した巻舌がクジマでとても活きました”とおっしゃっていましたね。
神月:小さい頃から負けず嫌いで、父と母が讃美歌を歌っていたのですが、そこで初めて巻舌というものを知りました。父と母が巻舌を得意げに自慢してきて、小学2年か3年の頃だったと思うのですが、それがとても悔しくて。
とにかく父と母がやっているのを真似して、母にコツを聞いたら「"プリン”と言い続けていたらできるよ」というアドバイスをもらって。それからずっと“プリン”と言い続けていたら、あるときから巻舌ができるようになりました。
なので、クジマの巻舌ができるようになったのは、父と母と、私の負けず嫌い精神のおかげです(笑)。
──たくさんのお話をありがとうございました。最後に、『クジマ歌えば家ほろろ』を楽しみにしている方へメッセージをお願いいたします。
神月:原作に忠実といいますか、紺野アキラ先生の世界観をそのままアニメ化したような魅力あふれる作品となっております。
謎の生き物である「クジマ」が登場するからといって身構える必要はなく、『クジマ歌えば家ほろろ』という作品を純粋に気楽な気持ちで見ていただければ、クジマや鴻田家のみんなと同じ気持ちになれると思います。
原作をご存知の方は「このシーンだ!」と楽しめますし、まだ原作を読んだことがない方も朗らかな空気感を楽しむことができるアニメです。
いろいろな魅力が詰まった素敵な作品になっておりますので、ぜひリラックスして楽しんでいただけたらと思います!よろしくお願いいたします。
作品情報






































