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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島での心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
6月15日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1185話“ほっときなはれ”では、エスペリア王国に起きた悲劇の序章が、若かりしブルックの視点から描かれました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1185話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方など、ジャンプ未読の方はご注意ください。
キャンデルに鍛えられた少年時代・護衛戦団として活躍した青年時代の2段構造でブルックの過去が語られた第1185話。なぜブルックがルーヴェンとキャンデルに忠誠を誓うのか、いかにしてシュリが誕生したのか。そして、平和に見えたエスペリア王国に何が起きたのかが、少しずつ明かされていきます。
マナーやルールを知らなかった少年時代のブルックは、道ゆく女性に「パンツ見せて」と声を掛けたり、念願の学校でも「ガッコーにそまったらいい音楽を作れなくなる!!」とパンクな宣言で周囲をざわつかせたり。はじめは教育係を担うキャンデルも手を焼いていた様子。そんななかでついにキャンデルの教えが功を奏し(?)、「パンツ見せてもらってもよろしいですか?」というブルックお馴染みのセリフが誕生した瞬間は見どころです。
そうして礼儀作法を叩き込まれたブルックは、子ども時代と見違えるほど忠義に厚い武人へと成長を遂げます。彼は海賊になるという自身の夢より恩義が先だと語り、その忠誠心は「世界政府と戦争になる」と言われたとて二つ返事で従うほどのもの。いよいよ王国に危機が迫っても暗い顔を見せず、むしろ明るく歌って国民を勇気づけるなど、まるでヒーローのような強さと精神性で恩人に報いようと働くのでした。
しかし、病が流行り、戦争が起こり、自身の人生を変えてくれた大恩人たちが死に、その娘は変わり果てる……。若かりしブルックが直面した現実はあまりに残酷です。これだけでなく、家族を失い孤児だった幼少期を経験し、さらにこの先には自身を含む海賊団の全滅、50年にも及ぶ孤独が確定しています。
そこで、読者からは「ブルック、生きててどんだけ辛いことあるんだ」「悲しすぎる」「何回大切なものを失う人生だったんだ」など、悲哀を感じずにはいられない彼の運命に続々と感想が寄せられています。
一方で、そんな過酷な運命に折れることなく、しなやかな強さと熱い信念を感じるブルックの生き様には「団長時代のブルックかっこよすぎ!」「世界政府と戦争するよって言われて即座にわかりましたと答えるの、さすがに覚悟決まりすぎてる」「今ルフィに忠誠を誓ってるのも頷ける」「過去編が進むごとにブルックの株が上がりまくる……」といった声も。悲壮美という表現がしっくりくるような、心揺さぶる見事な生き様ですよね。
ルーヴェンとキャンデルへの恩義を振り返るブルックの語りのなかには、シュリの誕生エピソードも登場します。
ブルックによると、エスペリアに世界政府の船がやってきた後、キャンデルが数ヶ月寝込んでしまうが、やがてルーヴェンの即位と同時に2人が結婚し、シュリが生まれたとのこと。
一見、キャンデルの長年の想いが叶った幸せな結婚かのように思えますが、注目すべきは天竜人の上陸とキャンデルが塞ぎ込んだ期間を経てからの結婚・シュリ誕生という時系列です。
読者の間では、シュリはルーヴェンとキャンデルの実の子ではなく、キャンデルが天竜人に気に入られてしまった末に身ごもったのがシュリだとする考察が共感を集めています。
ジニーの子であるボニーを実の娘として育てたくまのように、事情を知ったルーヴェンがキャンデルを妻として迎えてシュリを2人の子としたという可能性は、充分にあり得るのではないでしょうか。そんな自身の誕生エピソードを神妙な面持ちで聞くシュリの反応も、意味深さを増していますよね。
また、現在はマンマイヤー家の軍子宮として神の騎士団の地位を持つシュリ。これまではイム様との契約によって後天的に天竜人になったものと考えられていましたが、ここへきて彼女が実際に天竜人(マンマイヤー家)の血を引いている可能性がぐんと高まりました。
思い返せば、ゴッドバレーで行われた「先住民一掃大会」のシーンで登場したマンマイヤー家の神の騎士団員は、目深に帽子を被り、どんな目をしているか明かされていません。もしかするとシュリの特徴的なオッドアイは、マンマイヤー家特有のものなのかも。
さらにラストシーンでは、黒転支配(ドミ・リバーシ)を受けたとみられる悪魔姿のシュリが、同じく悪魔化したルーヴェンを手にかけた惨状が描き出されます。皮肉にも、そこで舌なめずりをするシュリの表情は、ゴッドバレーで登場した先述のマンマイヤー家の人物と同じです。
そして傍らには、その様子を見守るマーズ聖(以津真天)らしき者と、謎の男の姿が。なかでも、ロックス海賊団に所属していた西の海(ウエストブルー)のギャング、首領(ドン)・マーロンを彷彿とさせる謎の男の正体は首領(ドン)・ムーロンではないかと囁かれているようです。
首領(ドン)・ムーロンとは、第1183話“グッドモー人魚”にてその名が登場したギャング。昔からキャンデルを狙っていたといい、実際にその一家が奇襲をかけてきた様子も描かれていました。
かつて、作中ではジンベエが裏社会を牛耳る西の海(ウエストブルー)の5人のマフィア「西の五大ファミリー」について言及したことがありますが、ムーロン一家もその一角でしょうか。SNSでは、ムーロンとマーロンに親子などの血縁関係があるのではないかと指摘する声もあがっています。
しかし、謎の男がムーロンだったとして、彼がどんな経緯であの場に立ち会っていたのかは疑問が残ります。イムや世界政府との関係性が気になりますね。
マンマイヤー家の血を引いて生まれたからといってシュリの誕生が悲劇になることはなく、彼女はルーヴェンとキャンデルの愛を受けて幸せに育ちました。そして、その後も権力に屈しなかったエスペリアを、世界政府もといイムが面白く思うはずはありません。有毒スモッグによる疫病も、エスペリアを弱体化させ支配するため、はたまたシュリを聖地に連れ戻すための陰謀だったのかもしれません。この後、ブルックはさらなる悲劇を目の当たりにすることになるのでしょうか。心して続きを待ちたいと思います。
[文/まりも]