
「とにかくまどかをずっと見ています」——『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』公開御礼舞台挨拶レポート|斎藤千和さん、梶浦由記さん、鶴岡陽太氏、久保田光俊氏が語る13年ぶりに公開された新作映画への思い
2026年8月28日(金)に公開となった、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』。
公開から2日後の8月30日(日)に神奈川・横浜ブルク13にて、公開御礼舞台挨拶が開催されました。
本イベントには、暁美ほむら役・斎藤千和さん、音楽・梶浦由記さん、音響監督・鶴岡陽太氏、シャフト代表取締役社長・久保田光俊氏が登壇。
13年ぶりに公開された新作映画への思いや、時代とともに変化する映像制作に対する考え、さらに推しキャラクターや、自分をキャラクターに例えるとどのようなキャラクターかなど、作品への愛が詰まったイベントの模様をレポートでお届けします。
「皆様にやっとお届けできてホッとしています」──13年を経て公開された新作への思い
上映前、MCの呼び込みで、斎藤さん、梶浦さん、鶴岡氏、久保田氏が登壇。斎藤さんは「初めてご覧になる方はいらっしゃいますか?」と観客に尋ね、「楽しみですね!」と笑顔で挨拶し、会場の期待感を大いに高めました。続いて梶浦さん、鶴岡氏、久保田氏からも挨拶があり、それぞれ感謝の言葉や作品への思いを述べました。
MCから公開を迎えた心境を尋ねられると、斎藤さんは「こんなすごい音響だと、感じ方もまた変わってくると思います」と語り、初めて本作を観る観客への羨ましさを明かしました。さらに、「13年お待たせしちゃったけど、皆さんのお手元にやっと届けられてホッとしています」とコメント。続けて「皆さんが観てくださって、作品が届いて、初めて一つの結果を生み出すんだなと実感しました」と笑顔を見せます。
ファンと同じ気持ちで13年間、映画の公開を待ち続けていたと語る梶浦さんは、「全部忘れて、皆さんと同じ状態で観たいです。目線がスタッフになってしまっているのが、もったいない気がします」と語り、さらに「魔法少女たちのファンであり、味方でありたいです」と、一ファンとしての思いも明かしました。
鶴岡氏は、制作に着手した当初と完成時とでは印象がかなり異なると語り、「あまり多くは言えませんが、最後の最後までセリフに悩んだりもしました」とコメント。久保田氏は、「ようやく公開できたという安堵の気持ちがあります。どんな感想が聞けるのかという期待と不安もあります。13年は長いと思われるかもしれませんが、制作側からすると、もっと時間が欲しいと思うくらい、あっという間でした」と、スタッフを代表して思いを述べました。
続いてMCから「待望の新作劇場版ということで、プレッシャーはありましたか?」と尋ねられると、久保田氏は、「プレッシャーは常に感じていると言えますが、皆さんがいてくださるからこそ、ものづくりや制作が成立しています。皆さんに観ていただける楽しみのほうが大きいです」と答えました。
「噛み締めながら『叛逆』のほむらに戻りました」
MCから、久しぶりとなる新作アニメーションに向けて準備したことはあるかと尋ねられた斎藤さんは、「そんなにほむらと離れていたわけではないと思いますが、さまざまな派生作品があり、それぞれが独り歩きしていました。アニメシリーズと『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』を見直して、思い出す作業をして、作品を噛み締めながら役に戻っていきました」と、長く続いてきた作品ならではの役作りについて語りました。
また、久しぶりに集結したキャストに、変化を感じたかと尋ねられると、鶴岡氏は「今回、すごくフレッシュだった」と明かします。斎藤さんはその言葉を受け、「みんなすごく喜ぶと思う!」と笑顔を見せました。
さらに、昔と比べて劇場の上映形態が変化したことを踏まえ、映像制作で意識した点について尋ねられた久保田氏は、「IMAXなど、映画館の上映フォーマットが変わってきています。13年前に『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』を作っていた頃は紙に描いていましたが、現在はデジタルでの制作に変わっています。当時は、大きなスクリーンで観ることをそれほど意識していませんでした。今は、デジタルならではの繊細な高解像度にも対応できる映像制作ができるようになったことが進化だと思います。大きな画面にはさまざまな情報がたくさん詰まっているので、ぜひお見逃しなく。何度も観ることで、いろいろな発見や体験ができると思います」と時代の変化に対応した映像制作について語りました。
それぞれの“推し”に込めた作品愛
イベント後半では、事前に出演者のグループLINEで募集した質問に答えるコーナーも実施され、百江なぎさ役の阿澄佳奈さんから寄せられた「自分に近いキャラクター、推しキャラクターはいますか?」という質問に対し、久保田氏は「自分を知っている人なら、みんなキュゥべえと言うんじゃないかな。いろいろな契約をして願いをかなえていく、そんなことの繰り返しだから(笑)」と答え、会場は大きな笑いに包まれました。
続けて鶴岡氏は、「キュゥべえにはなれそうにないから、消去法で言えばほむらが近い。失敗したと言わなければ失敗していないから、とにかくやめないところがね(笑)」と回答。
また、推しキャラクターを尋ねられた梶浦さんは、「この物語は、ほむらを応援することがすべてだと思っています。ほむらちゃんに幸せになってほしいと思いながら、ずっと見ています」と語り、ほむらが推しキャラクターであることを明かしました。
そんな梶浦さんが推すほむらを演じる斎藤さんの推しは、まどか。長年ほむらを演じているため、自然とほむらの心情になってしまうと語り、「とにかくまどかをずっと見ています。それだけを考えてアフレコをしていると言っても過言ではないくらい、まどかを見ています」と、まどかへの愛を炸裂させました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、フォトセッションを終えると、最後の挨拶へ。久保田氏は「みんなで作った大切な作品ですので、ぜひ何度でも楽しんでいただきたいです」とコメント。鶴岡氏は「IMAX以外にもドルビーシネマや通常上映があり、それぞれに適した音響を作っています。ぜひ自分の好みに合わせて、たくさん観ていただければと思います」と語りました。
梶浦さんは「初めて観る方は、まず音楽に耳を傾けなくても大丈夫です。一度瞬きをすると何かを見逃してしまうほど、とにかく情報量が多いので、まずは作品に集中してください。音楽は作品に溶け込んでいますので」と呼びかけました。さらに「最後の方に流れる音楽には、魔法少女たちの未来への望みみたいなものをちょっと託してみたので、彼女たちの未来への祝福を願ってご覧いただけたらと思います」と続けました。
最後に斎藤さんは、「13年待ってくださった方々、最近作品を知った方々を含め、皆さん、待っていてくださってありがとうございます。皆さんが変わらず応援してくださったおかげで、映画が完成し、お届けすることができました。本当に皆さんのおかげです」と改めて感謝を述べ、舞台挨拶を締めくくりました。
[取材・文:五反田ちさと]
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』公開御礼舞台挨拶 概要
■日時:8月30日(日) イベント/14:00~14:30 ※上映前イベント
■会場:横浜ブルク SC7(〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1−7 コレットマーレ 6階)
■登壇者(敬称略):斎藤千和(暁美ほむら役)、梶浦由記(音楽)、鶴岡陽太(音響監督)、久保田光俊(シャフト代表取締役社長)
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』作品情報
絶賛上映中
あらすじ
少し引っ込み思案な、どこにでもいる女子中学生。
だが“魔法少女”となって魔女と戦う少女たちの存在を知り、
その戦いに巻き込まれていく。
魔法少女たちが傷つき倒れていく姿を悲観した彼女は、
キュゥべえに「すべての魔女を生まれる前に消し去りたい」と願う。
かくして、まどかは「円環の理」と呼ばれる超常的概念と化し、
その力によって、世界は魔女が存在しないものとして作り変えられた。
暁美ほむらは、まどかの最後の意志を胸に抱き、
魔女の代わりにはびこるようになった「魔獣」たちと戦い続けることを誓う。
円環の理に導かれる日を夢見て、戦い続ける――。ほむらは魔法少女としての日常をすごしていた。
ナイトメアとの戦いの日々だが、仲間たちとの楽しい毎日。
しかし、日常の綻びに違和感を覚え始め、ついには決定的な事実に思い至る。
それは、この世界にはいないはずの“鹿目まどか”が存在すること。
ここは魔女と化しつつある自分が、まどかとの日常をもう一度取り戻すために捏造した世界、偽りの空間だったのだ。
魔法少女たちは、その秘密を知りつつ利用しようとしていたキュゥべえの企みを打ち砕くべく共闘する。
だがそれは、ほむらが魔女と化し、
まどかは円環の理として世界から遊離した存在であることを、認めるのに他ならなかった。
それゆえに最後の瞬間、ほむらはまどかを失わないために、
神にも等しいまどかを貶める「悪魔」となり、自ら世界を作り変える。
見滝原の女の子たちのあいだで、最近、とあるうわさ話が囁かれていた。
“トカゲさん電話”が、願いを叶えてくれる――この世の呪いと戦うことを引き換えに。
その頃、“ソウルジェムを持たない少女”が魔獣狩りを行うという、異常事態が連続して起きていた。
ほむらは、そんな風景を悠然と眺め、この世界に君臨する悪魔として、
すべてをほしいままにしていた。――はずだった。
そんな歪んだ日常を終わらせる存在が、突如として現れる。
すべての魔女の始まりの場所――名塚底根(なづかそこつね)、
かつてほむらを苦しめた複数の魔女の集合体――ワルプルギスの夜、
そして、円環の理を求める魔法少女がふたり。
少女たちは言う。「暁美ほむらを許さない」と。
円環の理を失った世界で、魔法少女たちの運命が、再び廻り始める。
キャスト
(C)Magica Quartet/Aniplex・WR


































