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『なのはEXGV』上坂すみれインタビュー|声優を15年続けてきて挑んだ純粋悪

『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』篠宮マナ役・上坂すみれさんインタビュー|“あどけなさ”と“音のいびつ感”で表現した純粋悪

 

マナの印象的な言い回しは、彼女のシンプルさを表現

──なのはやフェイトを演じる先輩方をはじめ、主演の橘 杏咲さんや結川あさきさんなど共演者の印象、現場の雰囲気についてもお聞かせください。

上坂:この作品はほぼ全員で一緒に収録することができたので、終始女子多めの和やかな現場でした。ただ、私は席順的に左隣が(水樹)奈々さんで右隣が(結川)あさきさんという絶妙なところに座ってしまって……。あさきさんは橘さんと試験の話をしていましたし、私は奈々さんとレーベルメイトですからライブの話などもしていたので、不思議な気分でした。いろいろな世代がいるのに、演じている役はみんな年齢が近いのも珍しいですよね。主演の2人(橘さんと結川さん)はいい意味で臆せずガンガン前に出てお芝居していて、すごく格好よかったですし、先輩からも後輩からも学ぶことの多い現場でした。

──物語のことに話を戻すと、直近に放送された第11話でマナの過去やバックボーン、セツナとの関係性が明らかとなりました。それに関してはどのように感じましたか?

上坂:マナはセツナに負けて悔しくて、「もっと強くなりたい!」というシンプルな理由で力を求めていたんですよね。第11話をご覧になった方は、「そんなことでたくさんの人を殺していたの?」とビックリしたんじゃないかと思います。マナが誕生した環境も環境ですし、それを根絶するという意味でもマナは倒さなければならない存在。背景が描かれたことでマナへの感情移入が断ち切れて、気持ちよくシイナやトワ、なのはさんチームを応援することができると思いました。演じるときは、苦境に立たされても最後まで力を追い求めるところはブレずに、「なにが悪いの?強くなりたいんだけど」って悪びれないお芝居を心がけました。

──セツナの印象や、セツナとシイナとの関係についてはいかがですか?

上坂:セツナはマナにとって唯一勝てない相手。めちゃくちゃ強い部活の先輩みたいな存在だったのかなって思います。マナは「強くなければ生きている意味がない」という考えなのに、セツナとははっきりした決着がつかないまま、勝てずじまいで来たことが原動力になっているんです。マナにとってセツナは原動力であり、それを止められるのがシイナだけという関係が印象に残っています。

──物語的にも、それまでのマナは相手よりも絶対的に強いラスボスとして常に上から見下ろす立場でしたが、最終決戦で「勝てない」「負ける」側の悪役になる落差も印象的でした。そのあたりは何を意識して演じたのでしょうか?

上坂:シイナはまったく引かずに押し続けてきますし、セツナの力が乗ったシイナなのでめちゃくちゃ強くて、マナに対しての相性もいいんですよ。でも、気持ちで負けてしまうと、決着を次(第12話)まで持ち越すことが難しいと思ったので、この話数では「ただただビックリしている」「圧倒されているうちに吹っ飛んでしまった」といった演じ方を意識しました。

──そこも含め、マナを演じてきて特に印象に残っているセリフを挙げるならどれでしょうか?

上坂:印象的な言い回しとして「あたしのために」というセリフがすごく多いんです。「あたしのために○○してね」とか。自分の行動を説明するときには「もっと食べて強くなるんだ」とよく言いますし、このふた言が頻繁に出てくる言い回しとして、マナのシンプルさを表しているなと思います。

マナは対人関係に関心がなく、“役に立つ/立たない”、“強くなる素材になる/ならない”といった利害関係だけで全てを判断していて。それって人間というよりも魔物的な発想ですよね。なので、人間を演じるというよりも、“人型で可愛くて脳のある魔物”ってニュアンスで演じるとしっくりくるシーンが多かったです。

 

声優を15年続けてきて、マナのような純粋悪を任せていただけたのが嬉しい

──第11話は「マナはまだやられていないのか?」「最後にもう一段階変身するのか!?」と思わせて終わりましたが、最終話となる第12話の見どころをお聞かせください。

上坂:戦いはどういう決着を迎えるのか、この世界がどうなっていくのか――それが最終話ですべて描かれます。マナは純粋に強さを求めた存在であり、それに対してシイナやトワは絶望するような環境のなかでも“守りたい存在”が原動力となる人。そういう原動力の違いがどうやって決着するのかも、本作のテーマのひとつだと思います。ラスト1話、しっかりと見届けていただきたいです。

──では最後に、マナを演じきって上坂さん自身が得たもの、マナという役に出会って良かったと感じたことを教えてください。

上坂:それこそ『ViVid Strike!』の2016年だったら、この作品に出演したとしても任せていただける役は異なっていたと思うんです。声優を15年やってきて、マナのような全キャラクターの憎しみを一身に背負ってひょうひょうと戦うラスボスを演じられたのは、すごく学びがありました。マナはアッパーで感情の振り幅も大きいので、絵を信じて「もっと大きめに演じてみよう」といったチャレンジもできました。近年はここまで“純粋悪”な悪役は珍しいと思いますので、そういう昔ながらの悪を演じられたのも嬉しかったです。

いろいろな世代のキャストさんが一堂に会する作品で、こんな重要なキャラクターを任せていただけたのも、本当に宝物になりました。マナは転生しない限りは二度と出てこないキャラクターではありますけど、作中では出てくるたびに雰囲気の変わるキャラクターにしたいと思っていたので、それが皆さんに届いていたなら嬉しいです。

 
[文・千葉研一]

 

作品情報

魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance

あらすじ

30年前に現れた未知の「侵略性外来生物」によって、世界は一度滅びかけた。
人類とその生物「侵略種」は互いに生活圏を争い、
現在はかろうじて人類の安全が確保されているものの、世界はいつ滅びてもおかしくない。
人々は死と滅びを恐れながら、危険や災害から目を逸らすように日常を生きている。
そんな世界の中、国連危険生物調査機関「EXCEEDS」は、侵略種による危機と災害を退けるために活動を開始した。
物語のはじまりは極東の島国「瑞穂」。
離島で暮らす、侵略種駆除ハンターの少女・久瀬シイナ。
たったひとりの家族である妹セツナと静かに暮らすことを望むシイナに訪れる事件とは――?

キャスト

久瀬シイナ:橘杏咲
夜海トワ:結川あさき
高町なのは:田村ゆかり
フェイト・T・ハラオウン:水樹奈々
八神はやて:植田佳奈
八神リイン:ゆかな
ルーク・アンダーソン:川原慶久
久瀬セツナ:日高里菜
相沢シオリ:千春
喜多森ユーナ:小林愛香
新名アオイ:伊藤彩沙
古寺ユズ:青木陽菜
篠宮マナ:上坂すみれ
蔵木エイジ:矢田悠祐
レイジングハート:緒方佑奈
バルディッシュ:佐藤聴成
炎の少女(日渡ナツキ):前島亜美

(C)NANOHA EXCEEDS PROJECT

 

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