
「自分自身の性格がにじまないように」自分とは異なるタイプの人物を演じる上で意識した花梨のイメージ──TVアニメ『鬼の花嫁』連載インタビュー第12回 東雲花梨役・石見舞菜香さん
シリーズ累計750万部を突破し、待望のTVアニメ化を果たした和風あやかしシンデレラストーリー『鬼の花嫁』。本作は人間と“あやかし”が共に暮らす日本を舞台に、家庭に居場所をなくしていた女子高生・東雲柚子と、あやかしの頂点に立つ鬼の次期当主・鬼龍院玲夜の運命の恋を描く物語です。
優れた能力と美しい容姿を持つあやかしたちは、社会の中核を担い、絶大な権力を誇る存在。そんな彼らが本能で見つけ出す、たったひとりの運命の相手が「花嫁」です。妖狐の花嫁である妹・花梨と比べられ続け、家庭の中で傷ついてきた柚子。ついに心が折れかけたその日、彼女の前に現れたのは玲夜でした。
「見つけた、俺の花嫁」
その一言をきっかけに、柚子の運命は大きく動き始めます。
今回は第11話までの放送を記念して、主人公・柚子の妹である東雲花梨役・石見舞菜香さんにインタビューを実施。柚子とは対照的な立場にあり、物語の中で強い存在感を放ってきた花梨を、石見さんはどのように捉え、演じたのか。作品全体の印象からキャラクターへの向き合い方、そしてアフレコ現場の空気感まで。たっぷりと語っていただきました。
前回のインタビューはこちら
花梨は「わがままなまま大きくなってしまった子ども」
──まずは、原作や台本などに最初に触れた時の印象を教えてください。
石見舞菜香さん(以下、石見):実は数年前に『鬼の花嫁』の朗読劇があって、その時に柚子役で出演させていただいたことがあったんです。しかも、その時の花梨役は、アニメで透子を演じる千本木(彩花)さんで。
今回は役こそ真逆ですけど、同じ作品のアニメ化に関わらせていただけるのがすごくうれしかったですね。朗読劇の時とはまた違う形で『鬼の花嫁』の世界に触れられるんだろうなと思って、すごく楽しみでした。
──朗読劇では柚子を演じられていたからこそ、今回は花梨として作品を見ることになったわけですね。作品全体にはどんな印象を持たれましたか。
石見:王道のラブストーリーだなと思いました。ただ、その過程はすごく繊細に描かれていて……。柚子が家庭の中で苦しみながら生きてきて、玲夜さんと出会うことで愛をもらい、少しずつ自分の足で立っていくようになる。
きゅんとする要素もたくさんあるんですけど、それだけじゃなくて、見ていて自然と登場人物を応援したくなる魅力があると思います。一方で、花梨や両親の側は、登場の仕方だけを見るとかなり強い悪役にも見えると思うんです。
でも、アニメでは、どうしてそうなっていったのかが丁寧に描かれている。特に花梨がどういうふうに育ってきたのかを見ていくと、根っこの部分には家庭環境が大きくあったんだろうなと感じました。人がどう育っていくのか。どういう環境がその人を形作るのか。そういうことまで考えさせられる作品だなと思いました。
──花梨というキャラクターについては、どのような人物だと捉えて演じていましたか。
石見:私の中では、花梨はすごく“子ども”のイメージでした。小さい頃から花梨の意見が通ってきて、妖狐の花嫁になったこともあって、自分が大事にされるのが当たり前の環境で育ってきた子なんですよね。だから、その子どもの心のまま育ってしまったような印象があって。
もちろん、第11話まで見ていただくとわかるのですが、最初からただ冷たい子だったわけではないんです。「なんでお姉ちゃんは買ってもらえないんだろう」とか、「なんでお姉ちゃんは風邪の時に置いていかれちゃうんだろう」と、そういう優しい気持ちもちゃんと持っていた。小さい頃は姉妹仲も本当に良かったはずなんです。
そう考えると、両親からかけられる言葉や、自分が受けてきた待遇によって、そのままプライドが形作られていったんだろうなと思います。
自分が下になることを許せないとか、感情が昂った時の爆発の仕方とか……。「誰かが絶対に自分を助けてくれる」と信じているところも含めて、嫌な子というより、わがままなまま大きくなってしまった子ども。そんなイメージで演じていました。
──花梨を演じるうえで、特に意識されたことや大切にされたことがあれば教えてください。
石見:花梨は自分とすごく近いタイプのキャラクターではなかったので、ちょっと気を抜くと、自分の声の雰囲気が出てやや弱く聞こえてしまうかもしれないな、というのは意識していました。なので、自分自身の性格がにじまないようにすることは結構考えていたと思います。
ただ、花梨を“わがままな子ども”として捉えると、意外とイメージはつかみやすかったんです。感情の出し方もわかりやすいですし、その意味では演じていて面白さもありましたね。
──音響監督からのディレクションで印象に残っていることはありますか。
石見:細かいキャラクター調整はあまりなかった気がします。わりと任せていただいていた印象ですね。
──石見さんは、一見ほんわかした雰囲気の女性キャラクターやヒロインを演じられている印象も強いので、花梨のような役は新鮮にも映る視聴者の方も多いのではないでしょうか。ご自身としてはいかがでしたか。
石見:たしかに、テレビアニメのシリーズで花梨ちゃんみたいな雰囲気の役をがっつり演じるのは珍しいかもしれないですね(笑)。だからこそ、新しい自分を見ていただける機会にもなるのかなと思いました。

































