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- 五反田ちさと
- 東京都出身。アニメイトタイムズでライターデビュー。好きなアニメ作品は『カードキャプターさくら』、『らんま1/2』、『氷菓』。最近は朗読劇にハマっています。座右の銘は「当たって砕けろ」。

累計発行部数1億3,500万部を突破し、実写ドラマ化やアニメ化でも一世を風靡した、原作:雁屋哲先生・作画:花咲アキラ先生による究極の食漫画『美味しんぼ』。前作のアニメ放送終了から35年の時を経て、再アニメ化が決定し話題になっています!
筆者は、父親が料理好きなこともあり、幼少期から料理漫画やアニメが大好きでした。なかでも『美味しんぼ』は、擦り切れるほど繰り返し読んだ作品です。
幼い頃は、内容をよく理解しないまま読んでいましたが、大人になって自分で料理をするようになると、「これは『美味しんぼ』で見たことある!」と思ったり、料理番組を見ていて、「『美味しんぼ』で解説していたものだ!」と気づいたりすることが多々ありました。
そこで本稿では、本作で紹介された料理の小技や豆知識を5つご紹介します。日常で使える小技や思わず自慢したくなるような豆知識なので、ぜひ最後までお楽しみください!
私たちが普段よく使う「ポン酢」。焼き魚に添えた大根おろしにかけたり、鍋のつけだれに使ったりと、さまざまな場面で活躍します。しかし、「ポン酢」の「ポン」が何を意味するのか、ご存じの方はどれくらいいるでしょうか。
「ポン酢の“ポン”とは何のことだ」
これは、海原雄山が山岡士郎に投げかけた質問です。私も『美味しんぼ』を読むまで、「ポン酢の“ポン”」が何を意味するのか考えたこともありませんでした。日常に当たり前に存在するものの由来まで知っている海原雄山は、さすが美食家ですね!
さて、本題の「ポン酢の“ポン”」についてです。ポン酢の語源となった言葉は「pons(ポンス)」。これは、インドの言葉で「5つ」を意味する「panc」に由来するオランダ語で、柑橘類の果汁を意味するそうです。
これで突然美食家に「ポン酢の”ポン”とは何のことだ」と聞かれてもスマートに答えることができますね!
コミックス67巻(文庫版第46巻)「ポン酢の秘密!?」より
スーパーで半額のステーキ肉を見つけたとき、嬉しさのあまり思わず買ってしまうことがありますよね?
しかし、家に帰ってから「ステーキの美味しい焼き方を知らない……」と現実に引き戻されることも。インターネットで調べると情報が多すぎて困惑してしまいます。そんな時、『美味しんぼ』にステーキの名人・伝助老人が登場したことを思い出し、急いで読み返して実践してみました!
肉本来の香ばしさが失われるため、サラダオイルではなく牛の脂肪(牛脂)を使う。
前もって強火で熱したフライパンで肉の両面を素早く焼き固め、中の旨味・肉汁を外に逃がさないようにする。
表面を焼いたあと、フライパンを一度濡れ布巾の上に乗せて温度を調整し、再度コンロに戻して蓋をし、じっくりと中へ熱を通す。
音を聞き分けながら、さっとブランデーを振って香り高く仕上げる。
ブランデーの準備だけが少々大変かもしれませんが、それ以外の工程は難しくありません。スーパーで割引ステーキ肉を見つけた際には、ぜひこの方法を試してみてください!
コミックス第3巻(文庫版第3巻)「肉の旨味」より
カツオのお刺身には、皆さん何を付けて食べますか? 私は『美味しんぼ』を見るまでは醤油一択でした。海原雄山も「ショウガ醤油で食べる、それが決まり」と断言している通り、間違いありません。
しかし、ここでぜひ試していただきたいのが、山岡さんが提唱する「カツオの刺身+マヨネーズ醤油」です! 作中の山岡さんの解説によれば、遠洋漁業の漁師が、たまたまマヨネーズの入ったサラダに落ちたカツオの刺身を口にしたところ、その美味しさに気づき、この食べ方が広まったとのこと。
好みの問題もあるかもしれませんが、個人的にはマヨネーズのコクが加わり、非常に美味しく感じました。醤油に飽きたら、たまにはマヨネーズ醤油も試してみてはいかがでしょうか!
コミックス第3巻(文庫版第2巻)「料理のルール」より
「タイのタイ」ってご存知ですか? 名前だけ聞くと、「なんのこっちゃ!?」と思いますよね。
実はこれ、お魚の「鯛(タイ)」のエラの奥にある、鯛の形をした骨(正確には「肩帯骨」などの硬骨の一部)のことなんです! 古くから縁起の良いもの、面白い骨として珍重されてきました。
お正月に東西新聞社の大原社主の自宅へ、山岡さんや栗田さんたち文化部一同が年始の挨拶に訪れた際、大原社主の幼馴染であり大富豪のライバル・大河氏がやってきます。大河氏は金に物を言わせ、文化部一同を見下すようにマウンティングを取ってきました。
すっかり面目を潰されてしまった大原社主のため、山岡さんが「金をかければ美味いものが食えると思っているのは、浅ましい成金の錯覚だ。本当の鯛の美味さを教えてやる」と言い放ち、この「タイのタイ」を披露しました。
「めでたい」とされる鯛の中に、さらに小さな鯛の形をした骨が入っているなんてロマンがありますよね。「財布に入れておくとお金が貯まる」「幸運を呼ぶお守り」などと言われるのも納得です。
普段スーパーで買う切り身などではお目にかかれませんが、お祝いの席などで「尾頭付きの鯛」を食べる機会があったら、ぜひエラの奥を覗いて探してみてくださいね!
コミックス第26巻(文庫版第18巻)「タイのタイ」より
そのまま食べてヨシ、ご飯のお供にヨシ、料理に使ってもヨシな万能食材・梅干し。普段食べるのは種の周りの果肉ですが、実は種の中に美味しいものが隠されているのをご存知でしょうか?
梅干しの種を割ると、中から白い芯のようなものが出てきます。これは「仁(じん)」と呼ばれ、古くから「天神様が宿る」と言われて大切にされてきました。
これを作中で紹介したのは、山岡さんや栗田さんの上司である谷村部長で、「人に言うとちょっと恥ずかしいけれど大好きな食べ物」として披露されました。
しっかり漬け込まれた梅干しの仁は、杏仁のような独特の風味があり、通の間で珍重されている逸品です。ちなみに、生の梅の種には毒性があるため、塩漬けや加熱処理された梅干しの種で適量を楽しむのがルール。美味しいからといって食べすぎないように注意してくださいね!
第31巻(文庫版第21巻)「恥ずかしい料理」より
意外な発見や、今すぐ話したくなる豆知識はありましたか? 美味しい食事は、こうした小さな知識やこだわりを知ることで、より一層味わい深くなるものです。次の食卓では、ぜひ「美味しんぼの小技」を思い浮かべてみてください!
[文/五反田ちさと]
