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- シモヤマヨウ
- 関西出身のライター。アニメやゲーム、漫画、小説、映画、ドラマ、音楽、VTuber(ホロライブ)などが好き。

普段から小雪は陽太といる時には自然と顔がほころび、ずっと前からの知り合いだったかのような気安さで会話を楽しむ姿が目を引きます。陽太の姿を見つければ、自分から話しかけにいきたくなるし、時には他愛ない冗談で笑いあえる。そんな親しい関係を築いています。
小雪と陽太が二人で話している時のゆったりとしたテンポや空気感はどこか似ていて、まるでカップルにも見えるほど。近しい間柄である美姫や湊でさえ、もしかして小雪と陽太が友達以上の関係なのかと勘違いしてしまうのも無理はありません。
性別、性格、体格など多くの違いを持つ二人ですが、自分とは違う相手の良さを認め、自然な形で対等に付き合えていることが小雪と陽太の友情の魅力だと筆者は考えます。
小雪は自分とは違う特徴を備える陽太を羨ましく思っているものの、それが嫉妬など別の感情にはなりません。ただ、彼の持つ穏やかさや温かさが素敵だと思っていて、友人として尊敬していることが小雪の様子からは伝わってきます。
また、陽太といる時はいつもホッとすることができると感じる小雪。後に自身で気付くことになるのですが、小雪が陽太に抱く安心感には、離婚して今は離れて暮らす父親と重なるものがありました。
面倒見がよく、包み込むような優しさを感じさせる陽太。誰と接する時も落ち着いた振る舞いが光る彼の存在は、小雪の心も自然と解きほぐしてくれたのかもしれません。
作中において、クラスの友人関係で悩む美姫に、小雪が「誰といる時の自分が好き?」と問いかけるシーンがあります。
相手に合わせて関係を続けていれば、どこかで無理が出てくることもあるでしょう。少なくとも陽太と一緒にいる時の小雪は、肩ひじを張らず、自分を取り繕うようなことはありません。彼の前では緊張せず落ち着いて話すことができ、心を開いていることが分かります。
陽太の様子からも、無理に小雪のペースに合わせているような印象は受けません。たとえ会話がなくとも一緒にいられるような関係が築けているのだと、二人を見ていると感じます。
他者との距離感を大切にし、普段は相手のことに必要以上に踏み込まない小雪と陽太。そんな二人ですが、友人が悩んでいる時には相手のために行動できる思いやりを、ともに持ち合わせています。
ボタンのかけ違いで小雪と湊の関係が悪くなった際、陽太はその日のうちに小雪が湊に対して抱いていた誤解を解き、二人の仲を取り持ちました。そうした行動をすっとできる陽太の気づかいや優しさにはグッとくるものがあります。
一方の小雪は、いつも穏やかな陽太が抱えていた悩みの存在に気づき、彼のために一歩を踏み出しました。
陽太が胸の内に抱えていたのは、人と一緒にいる時に感じる寂しさ。これは小雪も過去に感じたことのある悩みで、だからこそ気づけたものでした。相手のことに踏み込んでいいものか小雪は葛藤しますが、それでも彼女は勇気を振り絞って行動することを選びます。
陽太を誘って放課後に同じ時間を過ごす中、小雪は「何か悩みがあるの?」と直接尋ねるようなことはしません。彼女が口にしたのは、自身の両親が離婚していること、そして放課後の暇な時に一緒に時間をつぶしてくれたら嬉しいという話でした。
無理に何かを聞き出そうとせず、自分のことを話して陽太に寄り添おうとするところに、小雪の思いやりが感じられます。
陽太も、まっすぐ自分と向き合ってくれる小雪なら、どんな話をしても大丈夫だと安心感を抱いたのではないでしょうか。彼は初めて家族の話やモヤモヤした感情について、小雪に打ち明けることに。過去に同じような寂しさを経験していた小雪は、自分を責めていた陽太の苦しさまで理解し、共感し、しっかりと受け止めます。
ここでは、陽太が美姫への恋心を小雪に明かす一幕もありました。悩みや弱さ、恋愛の話までできるようになった二人は、互いにかけがえのない友人となっていきます。
出会いから自然に距離を縮め、かけがえのない友情を築いていった小雪と陽太。
二人の関係が心地よく感じられるのは、互いに無理をせず、自分らしくいられるからなのかもしれません。小雪は陽太と一緒にいると肩ひじを張らずに過ごすことができ、陽太もまた、小雪には自分一人で抱えていた悩みや本音を打ち明けることができました。
ただ一緒にいて安心できるだけでなく、必要なときには相手の気持ちを思いやり、そっと寄り添うこともできる。そんな二人にとって、お互いの存在は、何物にも代えがたい大切な居場所になっているのではないでしょうか。
今後も小雪と陽太の友情を見守っていきたいですね。
[文/シモヤマ ヨウ]
