
絶対に近づいてはいけない男なのに「後藤進平」が気になって仕方ない! TVアニメ『ホタルの嫁入り』第1話から第3話を一気にレビューします!
ついにスタートした橘オレコ先生の人気漫画を原作とするTVアニメ『ホタルの嫁入り』。
余命わずかな伯爵令嬢・桐ヶ谷紗都子(CV:Lynn)と、彼女を運命の相手と信じる殺し屋・後藤進平(CV:内山昂輝)。生き延びるための“嘘の求婚”から始まった二人の関係は、どのように動き出したのでしょうか。アニメイトタイムズでは本作をたっぷりレビューしていきます。
アニメで見てもやっぱり進平がとんでもない男すぎる! 怖い、かわいい、トキメキ……と感情が忙しすぎる、怒涛の第1話から第3話までを振り返ります!
「かわいい」と思ったらもう手遅れ!? 進平が沼すぎる
舞台は明治時代。心臓に病を抱える伯爵令嬢・桐ヶ谷紗都子の望みは、家のためになる相手と結婚し、敬愛する父の役に立つこと。ところがある日、何者かに誘拐され、殺されそうになった彼女が繰り出した起死回生の一手が「私たち結婚しましょう」。命を奪おうとする殺し屋にプロポーズする……というのが、この作品の導入なわけですが、原作を読み始めたときは「幸せな結婚を夢見る美人薄命な伯爵令嬢の溺愛ものかな?」なんて思っていたんです。
ところが、殺し屋である進平の様子がどうもおかしい……。これは溺愛というか狂愛……?
もちろん最初は、紗都子の「結婚しましょう」を真に受けてはいませんでした。でも、結婚する気満々になってからの進平がめちゃくちゃヤバい! 自ら「愛が重い」というだけあって、何をしでかすかがまったくわかりません。
それなのに、だんだん進平が「かわいい」と思えてくるから恐ろしいんです。2次元でも3次元でも、気になる男を「かわいい」と思ったら、それはもうハマっている証拠だっていうじゃないですか……!
目に光のない恐ろしい顔を見せたかと思えば、そのすぐあとに紗都子に向かって無邪気に笑ったりする。人の命を何とも思わない殺し屋の顔と、恋する少年の顔が大胆に行き来するんですよね。
怖さを強調しない内山さんの淡々としたトーンが底知れなさを生み、紗都子に対する想いには幼さがのぞく。内山さんの進平はやっぱり沼でしかない……!
何より、第1話「望まぬ恩返し」のラストは必見! 捕らわれた紗都子の前に現れたときの不気味さたるや、淡々と仕事をこなそうとする冷たさはどこへやらです。「結婚しよう!」と顔を赤らめて無邪気に喜ぶ進平に、思わず心をつかまれそうになるも「ちょっと愛が重いけど、幸せにするよ」で再びゾクッ。怖いのか、かわいいのか、ときめいていいのか……感情がまったく追いつきません。
紗都子の強さと二人のパワーバランスにも注目
そんな強烈な進平に負けていないのがLynnさんの演じる紗都子。病弱ながら抜群の度胸と機転で窮地を切り抜ける彼女もまた、とんでもなく強いんです。
妹とやりあっているところで何となくわかってはいたけれど、ものすごく腹が据わっています。誘拐されても、殺されそうになっても、状況を観察し、生き残るために頭を働かせる。血まみれの進平の口元を拭って契りを交わし、進平をその気にさせてしまうなんて、ただものではありません。
第2話「天女島」で印象的だったのが、試すような行動をする進平と、そこで「あなただけが頼り」としおらしく見せる紗都子の絶妙な駆け引き。内山さんもインタビューで「進平と紗都子の、ある種の主導権争いみたいなところが見どころ」と語っていましたが、この奇妙なパワーバランスこそ『ホタルの嫁入り』の肝なんですよね。
そして、原作でも印象的だったホタルのシーン。紗都子にホタルを見せたいと思うところがまずかわいいし「この心臓はもう紗都子のものだよ」と手をつかんで触れさせるのもドキッとするし、最終的に「好きだよ」と告げるところにもう……! 先行上映会でLynnさんが「3メロ」と表現していましたが、心の底から同意です。進平がしょんぼりして必死に言い募る姿に、ちょっぴりほだされる紗都子の気持ちもわかってしまいます。
このホタルが象徴するように、進平は紗都子にとって「これまで知らなかった世界」を見せてくれる存在になっていくのです。危険で、何をするかわからない。なのに彼といることで、限られた人生を生きてきた紗都子の世界が少しずつ広がっていく。この矛盾もまた、二人の関係を面白くしているのかもしれません。
そんなトキメキあふれる空気から一転、進平が言い出したのが「遊女になってほしいんだ」。あんなに紗都子にまっすぐなくせして、遊女って!?と思いきや、島から脱出するために必要なことだと言います。ここで覚悟を決める紗都子もかっこよかったですね。あと「紗都子様を連れ戻します!」と言い切る康太郎も忘れてはいけない存在!
怖いのにメロい!? 加速する『ホタルの嫁入り』の魅力
続く第3話「見守るネズミ」では、真面目に新渡戸栄進を攻略する作戦を立てる紗都子や、そのお座敷を見守る進平などコミカルなシーンも。
でも、やっぱり心奪われるのは新渡戸栄進に襲われる紗都子を助けにくる進平! 「さーとーこ」と暗がりから呼びかける狂気じみた笑顔はもはやホラーですし「妻を傷つける悪党はやっつけなきゃ」と容赦なく新渡戸を斬りつける姿にはヤバさをひしひしと感じます。しかも「愛する人にもっと好きになってもらえる機会」ってどういうこと!? 暴力的なまでに一途に紗都子を守る姿に若干ときめくのも事実……!
怒涛の勢いでラブからサスペンス、アクションといくつものジャンルを行き来した第1話から第3話。先が読めない展開に加えて、アニメならではの映像や音の表現も物語に惹き込まれるポイントです。
時代物ならではの華やかさと、そこに容赦なく入り込んでくる暴力描写の生々しさ。鮮やかな色彩からの血! その落差がたまりません。橘オレコ先生の描く繊細なタッチや美しい世界観が、アニメでも丁寧に活かされていたのもうれしいところ。
第3話のラスト、新渡戸に撃たれた進平も心配ですが、この先は天女島に生きる人々の思惑や秘密も絡み合い、二人を取り巻く状況はますます怪しい雲行きに。誰を信用していいのか。紗都子はなぜ狙われたのか。進平は紗都子のためならどこまでやるのか……!? そして、紗都子は進平のどこに惹かれていくのか。
原作勢としては、この先に待っている“あの進平”や“あのシーン”がアニメでどう描かれるのかも楽しみで仕方ありません。でもひとつだけ確かなことは「絶対に近づいてはいけない男」だったはずの進平に、紗都子も自分もしっかり近づいてしまっているということ。進平、恐ろしい男……!
【文:吉田光枝】
ちょいたし|第3話「安心感」
『ホタルの嫁入り』作品情報
あらすじ
女は家の財産とされた時代――
名家に生まれ美貌に恵まれるも、余命わずかと言われている伯爵家の令嬢・桐ヶ谷紗都子。
そんな彼女の夢は名家に嫁ぎ、父の誇りになること。
しかしある夜、何者かの企てによって連れ去られてしまう。
絶体絶命の場面に居合わせた殺し屋・後藤進平に
「私たち結婚しましょう。私と一緒になれば全てが手に入ります。」
と咄嗟の嘘をつく紗都子。
「運命の相手だ」と紗都子を狂愛する進平と
自らの使命と進平への想いの間で揺れる紗都子の
一途で許されぬ愛のかたち。
キャスト
(C)︎橘オレコ/小学館/アニメ「ホタルの嫁入り」製作委員会






























