声優・アニメ・漫画業界の夢の扉を開く「東京アニメーター学院」を知りたい！新人声優・平賀三恵さんと声優・講師の吉田恵子さん対談[後編]

　春を迎えて「声優になりたい」、「アニメを作りたい」、「漫画家になりたい」など進路に悩む人も多いのでは。そんな人達の夢を叶えるのが東京アニメーター学院。「声優タレント科」、「アニメーション科」、「漫画家プロ養成科」など10の学科があり、2つの学科が学べる無料併学制度、充実の講師陣などで注目されている学校です。

　当サイトでは、人気の声優タレント科にスポットを当てた対談企画を2回に分けてお送りしています。ご登場いただくのは卒業生であり、声優として活動するほか、現在は同校で講師を務める吉田恵子さんと、今春、同校を卒業し、カレイドスコープへの所属が決定した平賀三恵さん。平賀さんは『智一・美樹のラジオビッグバン』に1年間レギュラー出演し、3月25日発売のOVA『森田さんは無口』にも出演する期待の新人声優です。

　後編となる今回は声優タレント科のカリキュラムや無料併学制度について、声優志望者へのアドバイス、そして平賀さんが出演する『森田さんは無口』の見どころなどを語っていただきました。

●豪華講師陣を擁する声優タレント科のカリキュラムとは？

――声優タレント科での2年間の簡単な流れをご説明いただけますか？

吉田さん：1年生の間はまず基礎作りで、滑舌や発声、体力作りを前期に、後期では応用編として演技を重点的に学んでいきます。最後に1年間学んだことを発表する場として修了公演があります。2年生になると、アテレコやナレーション指導などの現場スキルを学びながら、やっぱり基本は演技力の向上ですね。前期は演技力の向上に注いだら、後期では卒業公演として1時間半の舞台をチームで作っていきます。入学後には作品のオーディションが随時あって、参加することができます。2年の間に必要なことがみっちり詰め込まれているので生徒は大変だと思います（笑）。

――目を引くのは講師陣の充実です。野沢雅子さん、白石冬美さん、肝付兼太さん、増岡弘さんなど、声優界を代表するベテランばかり。

平賀さん：私は白石先生に教えていただきました。初めてお会いした時、すごく感動しました。演技指導をされている時は厳しいんですが、それ以外ではとてもやさしくて、クラスのみんなも大好きで。毎回レッスンが楽しかったです。

吉田さん：彼女のクラスは白石先生のレッスンの出席率は高かったですね（笑）。

――今、アニメの現場も若年化が進んでいる中で、重鎮の方と接することも難しい状況なのに、直接学べることは貴重ですよね。

吉田さん：指導していただくことも貴重ですが、トップで長年活躍されてきた方々の空気感やすごさを肌で感じられるだけでも価値があります。言葉にしなくても伝わるものもありますし。今も職員室でお会いすると皆さん、オーラがすごくて、「お、おはようございます」みたいな（笑）。

平賀さん：いらっしゃった瞬間に空気が引き締まるんです。自分は皆さんみたいにはなれないけど、少しでも一歩でも近づきたいなと思います。


●無料併学制度、無料講座、ワークショップなど充実したフォローシステム

――そして、この学校独自のシステムとして無料併学制度があるそうですが、どんな制度なんですか？

吉田さん：1学科分の授業料で、2学科受講できる制度です。例えば声優タレント科に入った生徒が、ナレーション演技科を受講して声優のスキルを磨くことも可能だし、アニメーション科やイラストレーション科など絵を描く勉強をすることもできます。声優もやりたいけど、アニメーターにも興味があるという人も1年試して適性を見極められるのはいいと思います。以前、声優タレント科に所属していた生徒がマンガ家になったというケースもありますから。

――平賀さんはこの無料併学制度を利用されたんですか？

平賀さん：私はナレーション演技科と声優タレント科を受けていました。ナレーション演技科では滑舌やアクセントを学んで、午後は声優タレント科で台本を使って演技をしてました。無料併学制度を利用した生徒のほうがオーディションの合格率も高いと聞きました。モチベーションの高さもあると思うけど、幅広く学んだほうが成長も速いのかもしれません。

――更に無料講座も設けられてますね。シナリオノベルズ講座や英会話講座など多種多様ですが、メイクアップ講座はおもしろいなと思いました。

吉田さん：声優も今はイベントに出演したり、取材を受けたり、人前に出る機会が多くなったので、必要なスキルだと思います。お化粧をしないで授業に出てくる生徒も多いですが、自分自身が商品と考えた時、人に見られることを意識したり、自分を磨くことは大切ですから。

平賀さん：私は夏期講座で、歌の授業を受けました。1年時に歌とダンスの授業があったんですが、2年時では歌のレッスンがなくなったので、無料講座でカバーできたのでありがたかったです。声優になると歌えることも求められると思うし、音感が意外に良かったことも発見できました（笑）。あとオーディションで自分の音域を書くんですが、それを知る方法も教えていただきました。
そして不定期ですが、ワークショップも開いてくださって。そこでフリートークも学びました。卒業生でも受けられるそうなので、まだまだお世話になるつもりです。

吉田さん：どうぞどうぞ（笑）。ワークショップのために特別に外部から講師の方もお呼びしています。在校生と卒業生が情報交換できる場でもあります。無料併学制度もそうですが、授業時間が増えて、生徒にとっては大変かもしれないですけど、その分、自分にも返ってきます。とにかく学びたい、うまくなりたいという意欲がある人にはピッタリの制度ですね。

●平賀さんはカレイドスコープへ。出演するOVA『森田さんは無口』も3月25日発売！

――さて平賀さんが出演する最新作のOVA『森田さんは無口』が3月25日にリリースされます。どんな作品なんですか？

平賀さん：佐野妙さん原作のコミックのアニメで、タイトル通り、無口な女子高生の森田さんの日常を描いたほのぼのコメディです。私が演じる、りつきは森田さんのクラスの委員長で、スポーツ万能なクールな優等生で女子に大人気の女の子です。原作を読んだ時、宝塚の男性役みたいにかっこよくて、「こうなりたい！」って思いました（笑）。
ヒロインの森田さんを花澤香菜さんが演じるんですが、セリフがほとんどモノローグで、しゃべっても息というのが衝撃的でした（笑）。
　現場では花澤さん、戸松遥さん、早見沙織さん、南条愛乃さんと皆さん、私と年齢が近いのに現場慣れされていて、しかもディレクションにも即座に対応されて。ご自身で「もう1回お願いします」とリテイクを要求される方がいたり、「すごい。プロだ」と感動しました。年齢が近いからこそ、早く皆さんに近づけるようにならなくちゃと思えたし、素敵な目標ができました。

――平賀さんはこの春、卒業後にカレイドスコープへの所属が決まりました。

平賀さん：この取材の前日に卒業したばかりで、これからプロになるなんて、あまり実感が湧いていないんです。まだ事務所の所属声優としてもお仕事をしたことがないんですけど、マネージャーさんに指導していただいたりして、「何でも頑張ろう！」というチャレンジスピリッツがみなぎってます。BGPの先輩でもある波多野和俊さんも所属されて、心強いです。いろいろ教えていただこうと思ってます。たくさんの方に私の声を聴いていただいて、何か感じてもらえる声優になりたいです。

●学びたい気持ち＋努力す＝チャンス∞

――改めて東京アニメーター学院のアピールポイントは？

吉田さん：学びたいと思う気持ちがあればそれに応えられる学校で、自分が努力すれば可能性もチャンスもたくさんあります。声優に絶対なるんだという強い気持ちがある方にはこちらも本気でぶつかります。我々も夢の実現へのお手伝いができればと思っています。夢の扉は開いていますのでお待ちしています。

平賀さん：この学校では多くのことを学びました。素晴らしい先生方、クラスメイトに出会って、演技や技術だけでなく、人間的にも成長できたと思ってます。お返しは自分がプロとして活躍していくことだと思うので、この学校の卒業生の誇りを持って、声優の道を歩んでいきたいです。私と同じように、この学校から声優への一歩を踏み出してもらえたらいいなと思います。

――最後に声優を目指している皆さんへメッセージをお願いします。

吉田さん：声優を目指すきっかけは人それぞれだと思いますが、一番最初に自分がやりたいと思った気持ち、初心をずっと忘れずにいてほしいです。壁にぶち当たったり、やめたくなった時、あきらめずに、まっすぐに突き進む力はやっぱり初心だと思うんです。決して楽な道ではないけど、勇気を持って、自分を信じて立ち向かってください。

平賀さん：本気で声優になりたいと思ったんだったら、「やるしかないでしょ！」と。「どうせ無理だよ」とか後ろ向きな人を見るたび、「もうこれ以上できないと思えるほど努力したのかな」と感じてました。オーディションも落ちるものだと言われても、ギリギリまでやり尽くして当日に臨んで、「出し切った」と思えるほど頑張れれば、後悔もしません。落ちたら、ちょっと落ち込むけど（笑）。
声優への道を選んだ自分が間違いではなかったと胸を張っていえるように、お互い頑張りましょう！

――2回に渡って貴重なお話、ありがとうございました。

＜取材・文:永井和幸＞

>>東京アニメーター学院公式サイト