声優
『ガールズ&パンツァー 劇場版』渕上舞さんロングインタビュー

TVシリーズの放送から3年……渕上さんはどんな気持ちで劇場版に挑んだのか? 『ガールズ&パンツァー 劇場版』公開直前ロングインタビュー

ガールズ&パンツァー 劇場版』が、ついに11月21日から全国ロードショー。公開直前ということで、主人公「西住みほ」を演じる声優・渕上舞さんにインタビューを行いました。TVシリーズの放送から3年が経ったいま、渕上さんはどんな気持ちで劇場版に挑んだのか? また、劇場版の見どころなど、たっぷり語っていただきました。それではパンツァーフォー!

■テレビシリーズ放送から3年、渕上さんのいまのキモチは?

――ついに『ガールズ&パンツァー 劇場版』が公開されます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください。

渕上舞さん(以下、渕上):「やっとだな」というのが正直な気持ちです。すごくお待たせをした期間が長かったので、やっと公開を迎えられることに、なによりも安心しています。いまはアフレコを終えて完成を待っているタイミングです。私はみなさんにどれだけ楽しんでいただけるか、その反応を楽しみにしている状態です。

――テレビ版の放送から3年経っての劇場版ですが、この3年は長かったでしょうか?

渕上:おっしゃるとおり、私にとって『ガールズ&パンツァー』という作品は長い間お世話になっていて、役が決まってからを合わせると4年近く経っていると思います。そのような『ガルパン』という作品が、大きな劇場で光を浴びることができて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
『ガルパン』は私にとって初めて「主人公」を演じさせていただいた作品ですし、さまざまな「初めての経験」をたくさんさせていただきました。ファンのみなさんに応援していただいたおかげで、『ガルパン』がここまで大きく育ってくれました。

――『ガルパン』のアフレコは久しぶりだったのではないでしょうか?

渕上:アニメ作品としてのアフレコは久しぶりでしたが、『ガルパン』という作品はとても珍しく、長い付き合いのなかで頻繁に「西住みほ」を演じる機会がありました。「みほ」とのお付き合いが途切れる期間がなかったんです。アニメは3ヵ月のワンクール作品だったにもかかわらず、その後もゲームやアプリ、テレビCMなど、関わらせていただく機会が多い作品なんです。

だから今回のアフレコでは「みほを演じるのは久しぶりだ」という感覚はありませんでした。例えるならば「旅行でちょっと自宅を留守にしていて、数日ぶりに帰ってきた」くらいの気持ちです(笑)。「やっぱお家が一番だね♪」くらいの感覚でした。

――おもしろい例えですね(笑)。

渕上:ですが今回の劇場版はアニメのアフレコです。大勢のキャストが集まってのアフレコは久々でした。だけどスタジオの空気は硬くなることもなく、いままでとまったく同じように、みんなそれぞれ仲良しの人と集まっていました。

――『ガルパン』のキャストさんは人数が多いですね。

渕上:多いながらも、みんなそれぞれ、思い思いのスタイルで過ごしているような空間です。私はそんな空間がとても居心地がよいと感じています。テレビシリーズのころと同じように、あいかわらずたくさんのお菓子が運ばれてくるし、あいかわらず(人が多すぎて)イスに座れないし(笑)。そういうところをすべて含めて、とても居心地のいい空間でした。


■渕上さんが語るストーリーのヒント

――新キャラクターや戦車が追加されるとか、画面内に戦車が2~3倍登場するとか、劇場版の情報が少しずつ出てきましたが、肝心な内容はおおやけになっていません。

渕上:そうですね。内容は公開まで言えません(笑)。

――では、渕上さんが台本を見て初めて物語を知ったとき、どのような感想を持ちましたか?

渕上:TVシリーズでの出来事の意味を考えさせる内容だと思いました(笑)。

――意味深ですね……。

渕上:とはいえ、結果的には「やっぱり、いままでがんばってきてよかった!」と思いました。

――ますますワケがわからなくなってきました……。

渕上:ストーリーとしては、いまお伝えした通りなんですけど、映像は「コレは許されるんだろうかっ!?」というくらいの大迫力でした。

――もう少しヒントをいただきたいです!

渕上:公開前にお伝えできる情報は、「練習試合がありました」と「みんなでお風呂に入りました」のふたつだけです(笑)。事前に公開していたキービジュアルの「とり戻せ――」という文字の意味も、劇場版を観てくだされば理解できます。お楽しみに♪

▲今年3月に開催された「第4回 海楽フェスタ」のステージで発表となったキービジュアル。<br>とり戻せ──の意味とはいったい……

▲今年3月に開催された「第4回 海楽フェスタ」のステージで発表となったキービジュアル。
とり戻せ──の意味とはいったい……

■涙もろい人は「ハンカチ」が必要になる、かも!?

――劇場版を観るとき、ハンカチとか耳栓とかペンライトとか、持って行ったほうがいいモノ、用意しておいたほうがいいモノはありますか?

渕上:「ワクワクした気持ち」さえ持って来てくだされば、あとはなにも必要ありません。もしかしたら、人によっては「ハンカチ」はあったほうがいいかな?

――テレビシリーズを全話見ておいた方がよいのはもちろんですが、見ていない人も楽しめますか?

渕上:そうですね……。テレビシリーズを見てないと、混乱するかもしれないです。私も劇場版なので「いままでのキャラクターは全員登場するんだろうな」とは思っていました。TVシリーズの最後の決勝戦にみんなが応援に来たときみたいな感じで、「ちょこちょこと顔を出すくらいかな」と思っていたんです。でも、フタを開けてみたらビックリ! けっこうみんな活躍の場があるんです。
なので、本編を観ておいたほうがキャラクターの特性や関係性、戦い方などがわかって、劇場版をより楽しめると思います。「また○○はこんなこと言ってるよ~」とか「さすが、○○は心が広い!」とか(笑)。

――それはファンにとっても、たまらない劇場版ですね!

渕上:その上に、どんどん新しいキャラクターが出てくるので、頭がいっぱいいっぱいになっちゃう(笑)。それはそれで、何回も劇場に足を運んでくだされば徐々に理解していけると思いますが、やはり可能な限りテレビシリーズを予習してから劇場版を観ていただくことをお勧めします。

でも、初めてという方にもお話はわかりやすいし、専門的な知識がなくてもいろんな要素で楽しめるに作品なっていると思います!

――劇場版のストーリーは「重い」でしょうか? それとも笑える娯楽作品?

渕上:背負っているものは大きいですが、しんみりとした空気にはなっていません。キャラクターたちが明るいので、まさに『ガルパン』といった感じです。

――「あんこうチーム」の5人はテレビシリーズから急成長した方はいますか? それとも、あのころのままでしょうか?

渕上:みなさんが知っている5人のままです(笑)。あいかわらず麻子はいっつも眠そうだし……。

一同:(笑)。

渕上:優花里はソーセージみたいなのを作ってるし! みんなの個性はそのまままです。

――えっ、ソーセージですか?

渕上:はい。自分でソーセージみたいなのを作ってるんです(笑)。優花里らしいので、どうやって作っているかスクリーンでチェックしてほしいです。

▲実は劇場特報映像の中にちょっとだけ映っていた優花里のソーセージ(みたいなもの)。<br>気になる人はぜひ特報をチェックしてみましょう。

▲実は劇場特報映像の中にちょっとだけ映っていた優花里のソーセージ(みたいなもの)。
気になる人はぜひ特報をチェックしてみましょう。

■ストーリーはシンプルだけど、この劇場版は何度も観たくなる!?

――劇場版のストーリーは複雑でしょうか? 1回観ただけでわかりますか? それとも謎や伏線などが多くて、複数回観なければわからないでしょうか?

渕上:これも『ガルパン』のいいところのひとつだと思うのですが、前に話したように、ストーリーはシンプルで、小さいお子さんにも楽しんでいただけるお話です。スッと入ってくる物語なので、頭をフル活用して考えなければならない作品ではありません。どなたでも楽しんで観てもらえます。なのですが……。

――なにか不安要素があるのでしょうか?

渕上:劇場版はとにかく登場するキャラクターや戦車が多いので、観るポイントが多すぎるんです(笑)。しかも、劇場版のスクリーンって大きいじゃないですか? 人によっては観るポイントを絞り切れないと思います。ファンの方々は、何度も観たくなっちゃうかもしれません。

――それは嬉しいことですね!

渕上:1回目はストーリーを楽しむ、2回目は迫力の映像を楽しむ、そして3回目は音を楽しむ……など、みなさん見方を考えて楽しんでいただきたいです。

■劇場版の演技はテレビシリーズと違う?

――演技について伺います。劇場版ということで、「西住みほ」を演じるときにテレビシリーズと演技を変えた部分はありますか?

渕上:「あえて変えた」というのはありません。テレビシリーズを演じていたころの私は、意識して演技を変えられるほどの技術力はなかったし、当時できる精一杯の気持ちを込めて、「みほ」として演じていました。ですが、それが「私」と「みほ」をリンクしてくれて、成長過程を見せられたのかな、と思っています。

――なるほど、テレビシリーズのころはがむしゃらに演じていたと?

渕上:当時は3年前の私が演じた「みほ」です。今回は2015年の私の「みほ」。そういったところで、若干無意識なところでTVシリーズの1話の時よりはしっかりしていると思います。あえての意識はなく、今回も今回で自然体です。いま自分ができる精一杯の演技です。

――アフレコ現場で、劇場版ならではのエピソードはありましたか?

渕上:お昼ごはんの時間の空気感が楽しかったです。昼休みの休憩が1時間くらいあったのですが、「いまから休憩です。○時に戻ってきてね。ハイ、解散!」って感じでした。普段のテレビシリーズのアフレコだと長時間の収録ではないから、そういう時間はないんです。

――劇場版の現場ならではですね。

渕上:最初は「(ご飯)どうしようかなぁー」って思いましたが、それぞれ外に出て食べに行く人もいれば、コンビニでなにかを買ってきてスタジオで食べる人もいました。私は五十鈴華役の尾崎真実さんと、近くのカフェでパスタを食べてパッと帰ってきました。

――今回のアフレコの時間は長かったですか?

渕上:朝の10時から、夜の12時までやりました!

――すごい! 1日で録り終えたのですか?

渕上:はい。ビックリしました(笑)。録り終わらなければ翌週の予定だったのですが、無事に1日で終わりました。

――声優さんってすごいですね! 朝の10時と、夜の10時の声は変わりませんか?

渕上:私も完成版を観るまで、声が変わっていないか不安です(笑)。というのは冗談で、もしも途中で声が変わってしまったら「NG」が入るので、なにも言われなかったということは大丈夫だったということだと思います。でも……いつも実際に自分で観るまで不安がつきまとう気持ちはあります。


■渕上さん注目の「継続高校」と「知波単学園」をチェック!

――大勢の新キャラクターが登場しますが、渕上さんが注目しているキャラは?

渕上:出てくるキャラクターすべておもしろくて個性的なんですけど、要所要所で出てくる「継続高校」の謎な雰囲気が「クスッ」と笑ってしまいます。終始よくわからないままなんですけど、彼女たちはおもしろいんです(笑)。このおもしろさがみなさんにも伝わればいいんだけど。

▲継続高校の隊長・ミカ(CV:能登麻美子)。

▲継続高校の隊長・ミカ(CV:能登麻美子)。

――映画を観たら、おもしろさはわかりますか?

渕上:どうでしょう?(笑) 私が特別なのかもしれないです。あとは「知波単学園」が、私の想像とゼンゼン違っていました。だって隊長の西絹代はキリッとしたお顔立ちで、黒髪ロングですよ? 容姿から「強くてたくましい」と思うじゃないですか! でも想像と少々違いました(笑)。

▲知波単学園の隊長・西 絹代(CV:瀬戸麻沙美)。

▲知波単学園の隊長・西 絹代(CV:瀬戸麻沙美)。

――想像と違ったのですか(笑)。

渕上:はい。観てくだされば、みなさんもわかっていただけると思います。でも、すごく愛すべき存在です。愛おしいです。

――新しく軍事用語は出てきましたか?

渕上:みほは司令系のセリフが多いので、特別な軍事用語は出てこなかったと思います。テレビシリーズのころから、特別な軍事用語はみほよりも優花里が担当しますからね。だけど、「ヒトフタマルマル」とか、数字の読み方はすっかり慣れました。もう台本にフリガナをふらなくても読めます!


■お待たせした分、満足できる劇場版になっていると思います――渕上舞

――みほのシーンで印象に残っているところは?

渕上:もちろんありますけど……まだ言えないシーンですね(笑)。

――言えるシーンのなかで挙げていただけませんか?

渕上:そうですね、ではひとつだけ。いまさらなのですが「パンツァーフォー」の意味を説明をするシーンです(笑)。「この説明をしたのはいつぶりだろうか?」と思いました。

――最後に楽しみにしているファンのみなさまにメッセージをお願いします。

渕上:長い間お待たせしてしまいましたが、お待たせした分、みなさんに満足していただける内容と映像にできあがっていると思います。ぜひ楽しみな気持ちをそのままに、劇場に足を運んでいただきたいです。ストーリーはいままでの『ガルパン』らしいハートフルな内容です。難しいことを考えず、みほたちが頑張っている姿と、戦車の迫力、スピード感、今回はサラウンドの音。すべてを楽しんでいただきたいです。よろしくお願いします。

――最後の最後にもうヒトツだけお聞きしたいのですが、『あんこう音頭』は出ますか?

渕上:見てのお楽しみです(笑)。

――ありがとうございました!

■作品概要
2015年11月21日公開

【あらすじ】
学校の存続を懸けた第63回戦車道全国高校生大会を優勝で終え、平穏な日常が戻ってきた大洗女子学園。ある日、大洗町でエキシビジョンマッチが開催されることに。大洗女子学園と知波単学園の混成チームと対戦するのは、聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校の混成チーム。今やすっかり大洗町の人気者となった大洗女子学園戦車道チームに町民から熱い声援が送られた。

戦いを通じて友情が芽生えた選手たち。試合が終われば一緒に温泉に浸かり、お喋りに華が咲く。そんな時、生徒会長の角谷杏が「急用」で学園艦に呼び戻される。いぶかしがる大洗女子のメンバーたち。果たして「急用」とは…?



【スタッフ】
監督:水島努
脚本:吉田玲子
考証・スーパーバイザー:鈴木貴昭
キャラクター原案:島田フミカネ
キャラクターデザイン・総作画監督:杉本功
キャラクター原案協力:野上武志
ミリタリーワークス:伊藤岳史
プロップデザイン:竹上貴雄、小倉典子、牧内ももこ、鈴木勘太
モデリング原案:原田敬至、Arkpilot
3D監督:柳野啓一郎
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭生
音楽:浜口史郎
3DCGI:グラフィニカ
アニメーション制作:アクタス

>>『ガールズ&パンツァー』アニメ公式サイト
>>Twitter公式アカウント(@garupan)
ハッシュタグ:#garupan

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