Elements Gardenアルバム発売記念リレーインタビ..

Elements Gardenコンピレーションアルバム発売記念リレーインタビュー第5弾は代表の上松範康さんにアルバムの魅力や想いを総括していただきました!

 アニメやゲーム界にとどまらず幅広く活躍する音楽制作集団、Elements Gardenが今まで提供したゲーム作品の楽曲の中からセレクトした、初めてのコンピレーションアルバム『Elements Garden』が8月6日(水)にリリースされる。アルバムのリリースを記念して、galge.com、げっちゅ屋、アキバOS、電撃萌王ブログ、そしてアニメイトTVの5つのWEBサイトが連動して、Elements Gardenのメンバー一人ずつにインタビューし、アルバム収録曲も分担して紹介していただく企画を展開してきた。

 1回目(galge.com)では上松範康さん、2回目(げっちゅ屋)が藤間仁さん、3回目(アキバOS)では藤田淳平さん、4回目(電撃萌王ブログ)が菊田大介さんで、5回目の最終回となる今回はElements Gardenの代表、上松範康さんに1回目に続き、再度ご登場いただいた。

 今回は、収録曲でまだ未紹介の3曲と今回のアルバムの聴きどころ、そして今後のElements Gardenの未来像について語ってもらった。

●これまでのリレーインタビューはコチラ!
Elements Gardenコンピアルバム初登場で代表・上松氏を直撃取材!Galge.com

Elements Gardenコンピアルバムリレーインタビュー第2弾! 3男・藤間仁の音楽世界の変遷に迫りますGetchu.com

Elements Gardenコンピアルバム発売記念リレーインタビュー 第3弾は藤田淳平氏に密着!アキバOS

Elements Gardenコンピアルバムリレーインタビュー第4弾! そして菊田は動き出す電撃萌王ブログ


●初の試み、それは全員での楽曲作り

――各媒体ごとにElements Gardenの皆さんからアルバム収録曲を解説いただいていますが、最後となる今回は代表の上松さんにまだ未解説の3曲についてお話しいただきたいと思います。まずこのアルバムのために作られた新曲、榊原ゆいさんが歌う「SALVAGE REQUIEM」ですが初の試みだったそうですね

上松さん:今回、作詞・作曲・編曲のクレジットに“Elements Garden”と記されていますが、まさにこの曲は全員で作りました。1曲を全員で作ったのは初めてで、しかもすごく難しくて、普通に楽曲制作するのに比べて5倍くらい時間も労力もかかりました。とても大変でしたが勉強になったし、全員で作ることに今回は意味があったので……。


――特設サイトのブログを読んで、皆さんが悪戦苦闘している様子が伝わってきました

上松さん:(笑)。みんな、「自分のこのフレーズは神パートだろう」というのが必ずあるのでぶつかったりもしましたが、協力し合わないと進まないので、藤間(仁)と(藤田)淳平と菊田(大介)は作曲・編曲を担当、僕と新人の中山(真斗)は作詞担当と分担しました。もちろん最初のアイデア出しはある程度、全員でやりました。それから作曲班はずっとスタジオにこもってキーボードを3台並べて、「はい!思いついた」と言って弾き始めるものもいれば、その後ろで寝てるものがいたり、合宿のような感じで制作していましたね。やったことがないことに挑戦するのが好きな僕らも「本当に曲ができるのか?」と心配だったのですが、淳平が指揮をとってうまくまとめてくれました。


――この曲のコンセプトは?

上松さん:実は僕らはコンセプトを作ることに慣れていないんです。なぜかと言うとクライアントさんからの「こんなゲームの音楽を作ってほしい」、「こういうアニメのOPにしたい」というオーダーを前提に作ることがほとんどだからなんです。「こういう作品なんですけど、Elements Gardenだったらどう解釈しますか?」と投げかけられることもありますが、本当にゼロから作り出すことに慣れていないため、「僕らはいったい何やりたいんだっけ?」、「どんなジャンルの音楽にしようか?」と全員で話し合いました。そして「Elements Gardenのユーザーさんが見ている色に近づけたほうがいいかな」という結論にたどり着きました。それで段々速くなるロックテイストの曲に、ノスタルジックな笛や弦などを絡めて「Elements Garden」らしいテイストを盛り込んでみました。
 音楽の部分は割とイメージが固まるのが早かったんですが、歌詞はすごく悩みました。作詞班の中でも意見が分かれましたが、「僕らのことを書くしかないだろう」と思って。音楽はいくら作ってもなかなか自分達がイメージする100%に行き着かないんですよね。もちろんどの曲も自信があるし、満足もしていますがやっぱり80~90%どまりで。でもいつも100%を目指し続けなきゃいけないし、全力をかけて作った曲が次に作る時には超えるべきライバルになるというのはつらいよねと。そこで「僕らの音楽を救って」という歌詞はどうかなと思った時に“SALVAGE=救助”が思い浮かび、“REQUIEM=鎮魂歌”につながりました。それでせつない感じにしようと思ったのですがネガティブなイメージだけでなく、「音楽は何から始まったんだろう」と音楽に敬意を表して、壮大なイメージで考えた結果、この歌詞ができました。歌詞の中に「?(クエスチョン)」が多いのは、それだけ自分たちに問いかけながら曲を作っているからなんです。今までずっと音楽をやってきたけど、僕らはこれでいいんだろうか?」というような……。
 すごく考えた末、今の段階でのElements Gardenはこういったことだろうという結果は出せたかなと思っています。


――Elements GardenのHPの冒頭で流れる、音楽に関わっていく上での意思表明のような文章の内容とつながる感じがしました

上松さん:うれしいです。あのフレーズも考えるのに2日間くらいかかったんですよ(笑)。


――あの文章と「SALVAGE REQUIEM」の歌詞を見ると、Elements Gardenが求める音楽の道は果てしなく高く、遠く、終わりの見えない旅を続けているように思えました

上松さん:音楽を作ることは追求以外の何ものでもないんです。本当に終止符がなくて。根本の歌詞の部分は僕が前面に出るのではなく、みんなの個性を出したかったのでまずは中山に書いてもらって、「こういうものがやりたいです」って上げてきたのを「う~ん、暴れてるね」と修正する作業を僕がやりました。いい関係性で作れたのではないかと思っています。


――サウンド的の部分ですが、Elements Gardenの手がける楽曲は複雑で音もすごく厚い、ぜいたくなイメージがいつもあるんですが、この曲も数曲分のエッセンスを詰め込んだような豪華さがありますね

上松さん:ぜいたくですよね、請求書が怖いです(笑)。


●アーティストの“伸びしろ”を考えた曲作りをします

――あとElements Gardenのそれぞれの方の個性も出ていて、コアなファンの方は「このパートは○○さんが担当している」とかわかるんじゃないでしょうか?

上松さん:そうかもしれませんね。サビ前のきっかけは菊田、サビは淳平という感じで分担しているので、それぞれの部分を誰がやっているのか、わかる方は本当のエレガマニアです(笑)。


――この曲は正確に言えば2曲目で、前に「introduction」を置いていますが、それはどういう理由ですか?

上松さん:僕らがやりたかったことは「SALVAGE REQUIEM」の中でやれてはいるんですけど、それとは別に普段、僕らの曲に求められるポップな匂いを残さなくちゃいけないという部分を取っ払った時、音楽だけで何ができるんだろうというのを1曲目で試してみたくて。僕と淳平で作ったんですけど、まず僕がピアノとそのそばにマイクを置いて、ピアノを弾きながら思いついたまま歌ったものをボーカリストの木蓮さんに渡して。それを元に木蓮さん。に歌っていただいたものを素材として、今度は淳平がどうデジタル的な要素を入れていくか……という感じで、考えながら作っていきました。第六感を使う作業だったので、いつかこういうこともしてみたいとは思っていたんですけど、実際にやってみたら完成したのがマスタリング1日前。ヘタしたら、工場に直接行かなきゃいけないくらいギリギリになってしまい、皆さんに多大なご迷惑をおかけしました(笑)。


――民族的な雰囲気もありつつ、楽園的な広がる感じもあって、この曲も壮大で、「SALVAGE REQUIEM」に自然につながってますね

上松さん:「introduction」と合わせて1曲になるようにしたかったのでつながりはすごく大事にしました。このアルバムは1曲目から続けて聴いていただくと、僕らが何を言いたかったのか、わかっていただけるのではないかと思っています。うちには曲順のスペシャリストの菊田がいて、彼は作曲家より選曲家になりたいと言っていた時期がある程、曲順にこだわりがあり、それに加えて曲間にもうるさくて。今回も菊田が「この曲順がいいんじゃないですか?」と言ってきたのを皆でケンカをしながら決めました(笑)。


――「SALVAGE REQUIEM」の次には、またスケールが大きな『ギャラクシーエンジェル2~絶対領域の扉』のOP曲「Wing of Destiny」が並んでいます。こちらは上松さんが作詞・作曲・編曲のすべてを担当されていますね

上松さん:やり過ぎちゃったかなというくらいこだわってます。歌ってくれた富田麻帆さんは舞台を中心に活躍されている方で、当時10代でした。技術や感情の高ぶりはまだ幼かったのですが、その先にある可能性がすごく見えたので、レコーディングで完成させる曲ではなく、そこを起点としてライブを経験することでより完成していく音楽にしようと。だから難易度はS級という難しい曲を作らせていただきました。つい最近、『ギャラクシーエンジェル』のコンサートでステージを見せていただいたのですが、「よく自分のものにしたな」と感慨深いものがありました。僕の曲には時々、アーティストの伸びしろまで考えて作られているものがあり、だから上松曲は「難しい」とよく言われるんだと思います。最近、「上松臭がプンプンする」とか書き込まれたりして(笑)。でもそのくらい熱い曲っていうイメージがついているんだなとうれしく思ってます。


――上松さんの楽曲は「攻め」の印象が強いんですが、この曲もぶ厚い音で壮大ですね

上松さん:僕は防御力がないんで攻撃するしかないんです(笑)。この曲は、全部で12人の弦が入っているんですけど、弾いていただいたストリングスチームの方から「こんなの弾けるわけないでしょ!」とめっちゃ怒られました。音符が細かく書かれた真っ黒な譜面を渡したら、「真っ黒だな。俺はもっと全音符の白玉が大好きなんだよ」とか言われて(笑)。


――そして上松さんの曲らしい大サビ前のドラマティックな盛り上がりも……

上松さん:間奏はボーカリストのキーとか関係なく、作家が唯一自由に動けるところなので、自分の好きな楽器を使って「どうだ!」という想いが強く出てしまって、いつもああいう壮大な感じになっちゃうんです(笑)。でもそういうイメージの時って早くできるんですよ。難しい曲はすごく時間がかかるイメージがあるかもしれませんが、頭の中にパーっと鳴って、それをバーっと起こす。そういうのが早くうまくできたかなと。もちろん大サビは大事にしていて、だいたいみんなBメロやCメロで力尽きるんですけど、僕は「まだ聴かせてやる」みたいな感じでDメロもつけてしまいました。でもEメロまで作るとさすがに何だかわからなくなっちゃうんで、やめました(笑)。


●アニメ・ゲームのサウンドは作り手として「いい場所」

――この曲はすごく手間や時間がかかっているのがわかるので、ちゃんと聴かなきゃいけないという気になります

上松さん:僕の曲は聴いていて疲れると思います(笑)。1曲聴いて「はぁ~」みたいな。でも僕はそれでいいと思っています。それだけ集中してもらえるのは作り手としてうれしいですから。アニメ・ゲーム音楽というジャンルだからこそという気がするんです。僕らが詰め込んだり、難解であってもユーザーさんが面白がってくれるというのがすごくありがたくて。「音楽家にとってはこんなにいい場所はないな」と思います。「みんなが喜んでくれるならもっといい曲作るよ!」という気持ちになります。


――このアルバムの最初の2曲がスケールが大きいカッコイイ曲でしたが、同じ上松さんが作曲・編曲を手がけた6曲目の「Happy Leap」(『タイムリープ』OP曲)は対照的にかわいくてさわやかな曲で驚きました

上松さん:元々、Elements Gardenを立ち上げる前はfeelという音楽制作集団に属していたんですが、その時はこういうタイプの曲が多かったんです。その時は「マイナー調の暗めでせつなくて、でも激しい」というのが代名詞になりつつあって。実は他にも演歌っぽい曲も作るし、音頭っぽいものも作ったり、1回、校歌を作ったこともありました。そういう、いろいろやれる自分を見せたい衝動がわいてきたんです。メジャーコードで明るいアップテンポの曲もありますよというのを出したくて作ったのがこの曲です。もちろん榊原ゆいさんの持つイメージも考慮して、こんな感じもいいかなと。


――詞の世界観もそうですが、サウンド感も夏らしいキラキラした曲だなと思いました

上松さん:あまりやったことのない雰囲気で作ってみたいなと思いまして。ピッチカート(弦楽器の弦を、指ではじいて弾く奏法)をポンポン入れたり、ギターや鐘も入れたり、かなり盛り込んでいますね。


――そういう細かく盛り込んだ部分はヘッドフォンなどでじっくり聴かないとトータルまで味わいきれませんね

上松さん:本当は普通に聴いて成立しなければいけないんですよね。店頭で流れる事もある訳ですから、メロディが耳に残って、メインに聴こえるメロディがわかりやすいというのが一番いいんですが、それもやりつつ、隠しトラック的なヘッドフォンを使ったり、じっと耳をすますと「ああ、こんな音があったんだ」という発見も多いと思うんです。でも音数が多いと「ごちゃごちゃしてる」と怒られるんですよね(笑)。この曲も情報量が多くて、聴く人は疲れると思いますが、そこは「ああ、上松曲だしな……」と思っていただいて(笑)。


――たぶんElements Gardenというクレジットを見た瞬間に、どんな曲調の音楽でも手間がかかった曲じゃないともうファンの方も納得しない段階に来てますよね

上松さん:どんどん自分達を追い込んでますね。求められるのは常に「Elements Garden」らしく。でも僕らの音楽は皆さんに認知されているということですからそれはうれしいことです。


――この3曲を含めて、アルバムが完成しました。改めて感想はいかがですか?

上松さん:率直に言うとうれしいです。そして今日、完成したCDを手にして思うのは、これまではボーカリストの方のお名前でCDになる事はあっても、ジャケットにいきなり『Elements Garden』と書かれる事はなかったので、名前前面に出る事の責任の大きさを改めて感じました。「これが世に出てしまうのか」と。このCDが終わりであったり、集大成とはまったく思っていなくて、むしろ始まりの気持ちが強いので、「これから僕らは何ができるんだろう?」と思うし、「まだまだ何でもやってやる」という意欲も強まったし、ひとつのターニングポイントになった1枚だと実感します。


――収録曲を見ると新曲を除いて、すべてゲームのOP曲だったんですけど、これはどんな理由があるんですか?

上松さん:ゲームの音楽はユーザーさんが最初に耳にするのは店頭であったり、OPムービーであったり、1コーラスか1ハーフのようなショートバージョンが多いんです。もちろん1曲1曲が単独でCDになったり、フルコーラスを収録していただく機会もありますが、今回はElements Gardenという名義のもと、「僕らが作った音楽を全部入れたので聴いてください」と言いたかったんです。PCゲームの音楽は僕らの原点なので、Elements Gardenの1枚目のアルバムですし、まずはここから……という気持ちがあったんだと思います。


――店頭でゲームの曲を流して聴いてもらうことは、ストリートミュージシャンが通行中の人の足を止めるのと同じくらい大変ですよね。だから短時間のフレーズの中で心をつかむ部分が必要で。そこもサビメロが印象的なElements Gardenのサウンドとつながっているのかもしれませんね

上松さん:僕らのサウンドのポイントはやっぱりサビで、キャッチーでわかりやすくというのは常に頭においています。難しいメロディーを使ってもサビのどこか、一瞬でもいいから口ずさめる場所は入れるようにはみんな気をつけていると思います。
 集団で作っていておもしろいのはそれぞれ作った曲をメールで出して聴き合うんです。それに対して必ずレスをするというのは恥ずかしいんでしないんですけど、さりげなく「あれ、いいんじゃないの?」と言ってみたりして。「あれ作った時、腹痛かったの?」と言う様な場合もありますが(笑)。でも僕がそう思っても、ユーザーさんからの評判はよかったりする時もあるので、そんな時は「俺のアンテナもうダメになってきたかな」と落ち込むこともあります(笑)。


●この4年間は「感謝」。イベントではしゃべる僕を見てください

――さて8月6日にアルバムをリリースした後、8月9日にイベントがあります。Elements Gardenがメインで、このアルバムで3曲ボーカルを担当されている榊原ゆいさんがゲストで参加されるそうですが……

上松さん:今、メンバー内で誰が出るのか相談中です。僕は間違いなく、出ると思います(笑)。今回はトークライブでこのCDの制作秘話を聴いていただいたり、僕らのキャラクターを見てもらうのもおもしろいかなと。榊原さんがすごいパフォーマーなので、聴かせたり、みせたりする部分は頼らせていただいて(笑)、僕らはトークの部分で楽しんでもらえるようがんばろうと思っています。


――きっといろいろな場所で上松さんのエピソードを聞いていた方はその人となりが気になるでしょうし、写真で見て怖い人と思った人も印象が変わりますよ(笑)

上松さん:僕はこう見えて結構、しゃべりますよ。怖い人のイメージは決して狙っているわけではなく、Elements Gardenを立ち上げた時期、代表でもあるので威厳がないとまずいと思って、ひげや髪を伸ばしたり、少し大きくなってみたり(笑)、イメージ作りをしてみたところ……。こう見えても小心者なのでイベント当日は怖がらずに気軽に遊びに来ていただければと思います。


――Elements Gardenを立ち上げて約4年経ちましたが振り返ってみての感想は?

上松さん:まず思い浮かぶのは感謝です。スタッフみんなが集まってくれてElements Gardenでやれたこと、一人ひとりにまず感謝です。そして曲を聴いてくれて、「Elements Gardenっていいよね」と言ってくれる人や「ちょっと重いよね」と言ってくれる人も含めてうれしかったです。ブログに書いてくれる人が多くて、僕もわりと検索するんですけど(笑)、それだけ僕らの音楽に関心を持ってくれたり、認知してくれていることは本当に感謝です。
 自分達だけのことでは100がゴールだとしたら、まだ4くらいのところしか来てないという感じです。今の段階で満足するElements Gardenのメンバーがいたら、僕が容赦なくぶった斬ります(笑)。初心を忘れずに、最初に音楽を作った楽しさやうれしさ、何を聴かせたかったのかを忘れずに今後も作っていきたいなと思っています。


――今後も1曲1曲の完成度で100%を目指し、納得できないものは世に出さないという決意も変わらず……

上松さん:そうですね。自ら追い込んでますね(笑)。ライバルが自分自身になっているのは感じています。もちろん他の音楽を作っている人がライバルという気持ちはありますが、究極で言えば自分を超えていかないと音楽は作れない。過去の作品のほうがいいよねと言われるのは怖いし、そう言われないようにいつも何かを探ってます。寝る直前まで、『ドラクエ』やってる時も(笑)。


――その真剣な姿勢がいろいろなアーティストの方に「一緒に仕事をしたい」と思わせるんでしょうね

上松さん:いろんな人の、できれば全員の曲を書きたいです。アーティストさんは例えばこのジャケットのように鳥や天使のイメージであったり、様々なパフォーマンスをしてくれる大切な方々です。100人いれば100通り、まったく違うので、色々な方に楽曲を提供していきたいですね。今まで一緒にお仕事してきた方とは曲を作るたびに新たな可能性が見つけられるようにしたいです


――今回、アルバムが出たので、いつかElements Gardenゆかりのボーカリストを迎えてのライブも見たいと思います

上松さん:やってみたいですね。今回のアルバムも自分達が表に出たいという気持ちがあったから始まったことだと思うので、次は演奏に関心が向くかもしれません。みんなの気持ちがあえばいつか実現する可能性はあります。でも今は曲を作りたい気持ちのほうが強いんです。曲を作ることが僕らの仕事だと思っているので、自分の名義でCDを出すことはご法度にしていたんですが、その垣根を越えて「やっぱり出したい」という気持ちが強くなって「CDを出そう」という決意に至ったので、この先そういう事もでてくるかもしれませんね。


●さて注目の菊田さんからのリレー質問は……

――ここで菊田さんから上松さんに寄せられた質問にお答えいただきます。「ある朝起きたら、女性に変わってました!最初に何をしますか?」

上松さん:あいつ、何考えてんの? もっと音楽的な質問しろって(笑)。うーん、まずは鏡でじっくり確認するよね。男だったらそうじゃないですか。やっぱり。


――ちなみに罰ゲーム付きのNGワードが設定されていました。それは「まず歌う」です

上松さん:あいつ、わけわかんないよ!(笑) まず鏡で確認して、「得したな」と思うでしょうね。男だった時期があった上で女性になれるというのは、両方の経験をすることなんてそうそうないので女性として生きていくことを決意して、買う雑誌を変えたり、枝毛処理したりケアもちゃんとして。あとは曲を作るかな。「女の子になったらどんな曲を作るんだろう?」って。体を確認したら5分後に曲を作る。ちなみに罰ゲームは何だったんですか?


――「キングレコードさんのビルの階段をマラソン」でした

上松さん:だから、そんなことさせてどうすんの?(笑) 菊田らしいといえば、非常に菊田らしいのかもしれませんが…。



――最後はアーティストらしく、またElements Gardenの代表らしいメッセージでキメてください

上松さん:まずぜひ買って、聴いていただきたいと思います。僕らは普段、アーティストを中心として曲を作っていますが、今回は初めて自分達の名義で出せるCDなので僕たちにとっては特別な意味を持った1枚です。そして一度でもいいので、静かな状況の中、ヘッドフォンなどで最初から最後までじっくりこのアルバムを聴いてほしいんです。どの曲も本当に深いところまで考えて作っているので、よく聴くと「普通に聴いた時に気が付かなかったこの音って、もしかしてそういった意味で使ってたの?」という散りばめられたこだわりの部分に気づいていただけると思います。
 僕らはこれからも初心を忘れず、本当にいい曲を常に追究して自分達の100%の仕事を毎回していくつもりですので、今後も僕達と、僕達の作る音楽を楽しんで聴いていただければうれしいです。


『Elements Garden』/Elements Garden
8月6日発売
3,000円(税込)
発売:キングレコード

1.introduction
2.SALVAGE REQUIEM(新曲)
 Vocal:榊原ゆい、作詞&作曲&編曲:Elements Garden
3.Wing of Destiny (PS2「ギャラクシーエンジェル2~絶対領域の扉~」OP)
 Vocal:富田麻帆、作詞&作曲&編曲:上松範康
4.KAMUY (PC「夜刀姫斬鬼行」OP)
 Vocal:木蓮、作詞&作曲:上松範康、編曲:藤田淳平
5.dissonant chord (PC「PRINCESS WALTZ」OP)
 Vocal:NANA、作詞:kanoko、作曲&編曲:上松範康
6.Happy Leap (PC「タイムリープ」OP)
 Vocal:榊原ゆい、作詞:Bee’、作曲&編曲:上松範康
7.ツナガル☆らぶみくす(PC「ツナバン(ハート絵文字)らぶみくす」OP)
 Vocal:矢田みこ、作詞:佐藤ひろ美、作曲&編曲:藤間仁
8.120円の春 (PS2「120円の春」OP)
 Vocal:YURIA、作詞:片岡とも、作曲&編曲:藤間仁
9.ZERO (PC「はぴねす!」OP)
 Vocal:佐藤裕美、作詞:kanoko、作曲&編曲:菊田大介
10.Never Slash!! (PC「がくと!」OP)
 Vocal:飛蘭、作詞:kanoko、作曲&編曲:藤田淳平
11.Growth of mind (PC「ティンクル☆くるせいだーす」OP)
 Vocal:榊原ゆい&NANA、作詞:宮内理恵、作曲&編曲:菊田大介
12.Answer (PC「G線上の魔王」OP)
 Vocal:片霧烈火、作詞:kanoko、作曲&編曲:藤田淳平
13.CRISIS BEAT (PC「オトメクライシス」OP)
 Vocal:Rita、作詞:ayachi、作曲&編曲:菊田大介
14.Reconquista(レコンキスタ) (PC「レコンキスタ」OP)
 Vocal:飛蘭、作詞:海富一、作曲:上松範康、編曲:菊田大介
15.魂響 (PC「魂響」OP)
 Vocal:片霧烈火、作詞&作曲:上松範康、編曲:藤田淳平
16.夢の月 (PS2「きると~貴方と紡ぐ夢と恋のドレス~」OP)
 Vocal:KAKO、作詞:kanoko、作曲&編曲:藤間仁


『Elements Garden』発売記念イベント
日時:8月9日(土)13時開演
場所:秋葉原・石丸電気SOFT2 7Fホール
出演:Elements Garden、榊原ゆい
内容:トーク&ミニライブ
石丸電気SOFT2
http://www.ishimaru.co.jp/event/16013468/

<B>『Elements Garden』</B>/Elements Garden

『Elements Garden』/Elements Garden

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