スーパーアニソン魂 2009“夏の陣”レポート!

スーパーアニソン魂 2009“夏の陣”がお台場・Zepp Tokyoで開催!渾身のライブレポートをお届け!

 毎年、夏のコミケと同じ日程で、3夜連続で行われるアニメソングの祭典・ANIME JAPAN FES。水木一郎さん、堀江美都子さんら大ベテラン勢を中心に、懐かしいアニソンから隠れた名曲、最新ナンバーまでを扱うライブで、今回で11年目という歴史を持つ。また往年の名曲を歌っていたものの最近は歌手活動を休止していたシンガーたちがこのステージに呼ばれ、アニメファンの熱気と大喝采を浴びることで、歌手として再生していくといった効用もあり、アニソン文化にとっても非常に意義のあるイベントといえる。

 今年は1日目が堀江美都子プロデュースによる「アニソン女子部」、1日目深夜が影山ヒロノブ・遠藤正明・きただにひろしを中心に送るオールナイトライブ「ゆかいな仲間たち」、2日目が特撮ソングを扱う「スーパーヒーロー魂」、3日目が全ジャンル網羅の「スーパーアニソン魂」という陣容で開催された。

 今回の「スーパーアニソン魂」は、AJFには2年ぶり2度目の参加となる大槻ケンヂさんがやはり注目で、期待通りのトークとパフォーマンスで会場を沸かせた。また『ドラゴンボール』特集として、初代オープニングを歌った高橋洋樹さんと、最新作『ドラゴンボール改』のオープニングを歌うDragon Soulの共演も実現。こうした年代を超えたコラボがAJFの真骨頂と言えよう。

 そして今回一番の見所となったのが、今年芸能生活40周年を迎えた堀江美都子さんに、仲間たちからティアラなどが贈られたサプライズ企画。昨年「スーパーロボット魂 2008“春の陣”」の際に、堀江さんが水木一郎さんの芸能生活40周年を祝って特製ジャケットを贈るサプライズ企画を行ったが、今回は逆に驚かされた形になった。

 水木さんは堀江さんを、世間のアニソンへの扱いが非常に低かった頃からずっと一緒に戦い続けてきた「戦友」と称しているが、アニソンから伝わる感動だけでなく、アニソンシンガーの生き方や仲間意識にも感動させてもらえる場として、これからもAJFからは目が離せない。

※次ページから詳細レポートを大紹介!

ミッチのデビュー40周年を祝い、仲間たちから贈られたサプライズプレゼントにミッチ大感激!

ミッチのデビュー40周年を祝い、仲間たちから贈られたサプライズプレゼントにミッチ大感激!

「ヤッターマン」の山本正之さんのステージは、かなりド派手で熱い!

「ヤッターマン」の山本正之さんのステージは、かなりド派手で熱い!

●ドラゴンボールの新旧コラボにアニキ&オーケンコラボと、AJFならではの企画が目白押し!

 「スーパーアニソン魂」のオープニングはアニキこと水木一郎さんが口火を切るのが恒例だが、今回は隠れた名曲「サバンナを越えて」からスタート。『ジャングル大帝』主題歌で大自然の雄大さを謳って一気に世界観を広げ、2番手の堀江美都子さんに繋げる。堀江さんは自身がヒロイン役を務めた永井豪原作のOVA『夢次元ハンターファンドラ』の挿入歌「ENDLESS WAY」というかなりコアな選曲で、AJFが並みのアニソンライブとは濃さが違うことを改めて知らしめる。

 2009年の009イヤーで様々な動きを見せる『サイボーグ009』の成田賢さんは、新たに見つかったという石ノ森章太郎先生が作詞した「誰がために」幻の2番を大きなステージで初披露した。

 続いて今回の小特集である『ドラゴンボール』コーナーへ。「魔訶不思議アドベンチャー!」の高橋洋樹さんは「AJF 2007“冬の陣”」以来の参加となったが、今や世界中で大人気となった作品の、その一番初めが自分の曲の歌い出し、「つかもうぜ」の「つ」から始まったことを「たまらんですよ!!」と熱く語る。さらに『ドラゴンボール』での新曲となる、Wii専用ソフト『ドラゴンボール 天下一大冒険』主題歌「Power Of Dreamer」を熱唱。初代オープニングの頃からまったく衰えることのない歌声で、ドラゴンパワーをしっかり引き継いだ曲をフルコーラス初披露した。

 次は現在放映中の『ドラゴンボール改』から、谷本貴義さんと岩崎貴文さんのユニット“Dragon Soul”で「Dragon Soul」。会場一体となって「Dokkan Dokkan!!」と猛烈に盛り上がり、その熱さのままMCに流れ込んだところで谷本さんが「どうもー、サイキックラバーでーす!」とボケて笑いを取る。さらにエンディング曲「Yeah!Break!Care!Break!」のサビ部分の振り付けを観客に教えるが、腕の振りが右からだと散々言ったのにバラバラになる様子に「右からだっつったろ!?」とおかんむり。しかし本番ではバッチリ合って、熱く楽しい一体感を生んだ。

 冒頭から会場の熱気が上がる一方だったところへ、石田燿子さんの登場で風が吹き抜けたように、場が一気に爽やかになる。石田さん自身も代表曲とする、美しい旋律の名曲『ああっ女神さまっ』主題歌「OPEN YOUR MIND~小さな羽根ひろげて~」が観客の火照った身体を癒し、会場中がすっかり和んだところへ、今度は石田さんまでもが突撃ナンバーである『ストライクウィッチーズ』主題歌「STRIKE WITCHES~わたしにできること~」を投入して、観客を再び熱狂の渦に叩き込む。

 萌え混じりの燃えで会場全体がフワフワしているところへ、今度はまた路線の違う爽やかさが舞い込む。「スーパー戦隊“魂”III2008」でアニソン系ライブに初参加した速水けんたろうさんが、今回「スーパーアニソン魂」に初見参。まずは名刺代わりに「オーレ!オーレンジャー」を披露するが、2番の「とびきり熱い5人の仲間」を「Zeppの仲間」に変えて歌うなど、速水さん自身も相当ノリノリだ。そして普段は「げんきなおともだち」を相手にしているだけに、こういう「すごくげんきなおともだち」ばかりのステージが嬉しいらしく、普段はできないコール&レスポンスをたっぷりと楽しんでいた。

 2曲目の1997年版『マッハGoGoGo』主題歌「純白の勇気(エナジー)」は、曲も声もひたすら爽やかで、速水アニソンの魅力が最も良く出ているナンバーと言えよう。歌うのはレコーディング以来、もちろんステージ初披露ということで、まさかこの曲が聴けるとはと観客も興奮気味だった。

 ここで突然速水さんが「僕の友達を呼んできます」と舞台袖に下がり、再び出てくるなり「どうも、谷本憲彦です!」と昔の名前で挨拶。そのおちゃめな姿と、この名前ということは次はあの曲かと予想をつけた観客が大喝采を贈る。「谷本憲彦」として演歌などを歌っていた速水さんが、「速水けんたろう」として『おかあさんといっしょ』に出演することが決まったのと同時期にオファーが来た曲で、イメージの問題などの諸事情により「うたのおにいさん=速水けんたろう」として歌うのは難しいということから「谷本憲彦」名義で発表したのだと、裏事情も詳細に説明された。また曲の人気が非常に高いことにも感謝しつつ、観客が生で聴ける日を待ち望んだ「アイアンリーガー~限りなき使命~」をステージ初披露した。

 山本正之さんのAJF名物ソロアコギコーナーでは、『ヤッターマン』によってタイムボカンシリーズが復活したので、次はJ9シリーズの復活を願ってと、前口上つきで「銀河旋風ブライガー」や『バクシンガー』エンディング曲「アステロイド・ブルース」などを熱唱。また昨年初頭の『ヤッターマン』主題歌騒動の折、みんなから暖かな応援を受けたことに「心強かったぞ!」と改めて感謝を述べた。

 そして今回の注目ゲスト、大槻ケンヂさんが「GO!リュウケンドー」で登場する。激しい歌唱の後、トークに入ると一転してのほほんな調子になるのも大槻さんの魅力だ。先週はFUJI ROCK FESTIVAL、昨日はJACK IN THE BOXという超人気バンドが顔を並べるライブイベントに参加し、今日はANIME JAPAN FESということで、自分の中でも整理がつかないと語って笑いを誘う。また、どこへ行ってもアウェー感を感じていたのに、ここはすごいホームな感じという言葉には会場が沸き返った。

 さらに、今回アニキから出演オファーを受けた際、「僕の曲は他のみなさんとは若干傾向が違うと思うんですけど」と躊躇したところ、「ドンマイ!」と励まされたと明かし、「懐の深いこのイベントのために、今日は歌わせてもらいますよ!」と『さよなら絶望先生』主題歌「人として軸がぶれている」を熱唱する。観客にも「ぶれぶれぶれぶれ」のところで手をゆらゆら揺らす振りをお願いし、会場が一体となって「ぶれぶれぶれぶれ」と手を揺らす様は、奇妙かつ楽しい光景となった。

 ここでアニキも登場し、出会いのきっかけとなった筋肉少女帯の曲「221B戦記」の想い出を語る。歌中のセリフを神谷明さんと宮村優子さんが担当している歌で、歌詞に「ゴー!!」と出てくることから、「ゴー!!」と言えば水木一郎ということでオファーを受けたとのこと。その「221B戦記」をアニキ&オーケンのお宝コラボで生披露した。ラストには大槻さんが得意のヌンチャクプレイも見せ、オーケンライブの醍醐味をしっかり堪能できるステージとなった。

サイボーグ戦士のようにマフラーを巻いた成田賢さんが、「誰がために」幻の2番を披露!

サイボーグ戦士のようにマフラーを巻いた成田賢さんが、「誰がために」幻の2番を披露!

世界に広がる『ドラゴンボール』の一番最初を歌ったことを誇りにする高橋洋樹さん

世界に広がる『ドラゴンボール』の一番最初を歌ったことを誇りにする高橋洋樹さん

先輩たちから『ドラゴンボール』を受け継いだDragon Soul

先輩たちから『ドラゴンボール』を受け継いだDragon Soul

●ミッチに愛情たっぷりのサプライズ! アニソンの仲間たちの結束は強く美しい!

 続いては堀江美都子さんが浴衣姿で登場する。実は堀江さんは8月10日開催の「アニソンBIG3」というイベントで階段から落ち、脚に怪我を負っており、あまり動き回れない状態であることを明かす。ただ、階段から落ちても骨折しなかったことを「若いってことじゃない?」と前向きに捉え、そのぶん歌をがんばるという姿勢に拍手が巻き起こった。そして『ねぎぼうずのあさたろう』エンディング曲「風の歌、星の歌、私の歌」、『ジュエルペット』エンディング曲「笑顔のループ」と新曲2曲を歌い、「これだけ長く歌っていると、新曲に出会える嬉しさは若い時以上なんです」と歌に対する真摯な気持ちを語った。

 次の曲に行こうとしたところで、段取りと違う曲が流れ、戸惑う堀江さんに、芸能生活40周年のサプライズ企画が行われる。ステージに運ばれたテーブルには豪華なティアラとネックレス、イヤリングのセットが並べられ、これがアニソンアーティストの仲間たちからのプレゼントであることと、代表してアニキがお祝いコメントを寄せる。堀江さんは、お喋りなアニキがおくびにも出さなかったことや、ずっと一緒にリハーサルをしていたアニソン女子部のメンバーも素振りさえ見せなかったため、完全に騙されたことに嬉しい逆切れをし、仲間たちの鉄の結束ぶりを改めて示した。

 興奮覚めやらぬ中、アニキとミッチが初めてデュエットした想い出の曲である「戦え!七人ライダー」を久々に披露し、感涙する堀江さんの肩をアニキが抱いて、さらなる感動を呼んだ。

 ここからは一気に最後まで駆け抜ける。「ああ電子戦隊デンジマン」の成田賢さんは、みんなの声援のおかげでようやく当時の声が戻ってきたと感謝し、また新しい気持ちで歌手として精進すると決意を示した。
山本正之さんは映画『ヤッターマン』のスタッフジャンパーを着て「ヤッターキング」を熱唱。曲調も明るく熱くかっこいいため、ステージの盛り上がり方が尋常ではない。

 キン肉マンのシャツを着た串田アキラさんが「炎のキン肉マン」でさらに油を注ぎ、続いて堀江さんがラ・セーヌの星のコスプレで登場して、興奮が最高潮に達する。

 最後はアニキが「ルパン三世愛のテーマ」で一旦場を静めた後に「グランプリの鷹」を決め、アンコールでは堀江さんが早速ネックレスを着けて登場し、アニキと「ENGAGE!!!ゴーダンナー」で最高のデュエットを見せる。
オーラスは全員で「バビル2世」。アニソンの歴史をしっかり見せつつ、マニアも驚くようなコアな曲も披露する、最も濃いアニソンライブとして、AJFには今後も期待したい。


<SET LIST>
M-1 サバンナを越えて(「ジャングル大帝」OP)歌:水木一郎
M-2 ENDLESS WAY(「夢次元ハンターファンドラ Part3 ファントス編」IN)歌:堀江美都子
M-3 キン肉マンGo Fight!(「キン肉マン」OP1)歌:串田アキラ
M-4 ヤッターマンの歌(「ヤッターマン」OP1)歌:山本正之
M-5 誰がために(「サイボーグ009」OP)歌:成田賢
M-6 魔訶不思議アドベンチャー!(「ドラゴンボール」OP)歌:高橋洋樹
M-7 Power Of Dreamer(Wii専用ソフト「ドラゴンボール 天下一大冒険」OP)歌:高橋洋樹
M-8 Dragon Soul(「ドラゴンボール改」OP)歌:Dragon Soul
M-9 Yeah!Break!Care!Break!(「ドラゴンボール改」ED)歌:Dragon Soul
M-10 OPEN YOUR MIND~小さな羽根ひろげて~(「ああっ女神さまっ」OP)歌:石田燿子
M-11 STRIKE WITCHES ~わたしにできること~(「ストライクウィッチーズ」OP)歌:石田燿子
M-12 オーレ!オーレンジャー(「超力戦隊オーレンジャー」OP)歌:速水けんたろう2
M-13 純白の勇気(エナジー)(「マッハGoGoGo」OP)歌:速水けんたろう
M-14 アイアンリーガー~限りなき使命~(「疾風!アイアンリーガー」OP)歌:速水けんたろう
M-15 銀河旋風ブライガー(「銀河旋風ブライガー」OP)歌:山本正之
M-16 黄金戦士ゴールドライタン(「黄金戦士ゴールドライタン」OP)歌:山本正之
M-17 アステロイド・ブルース(「銀河烈風バクシンガー」ED)歌:山本正之
M-18 GO!リュウケンドー(「魔弾戦記リュウケンドー」OP2)歌:大槻ケンヂ
M-19 人として軸がぶれている(「さよなら絶望先生」OP)歌:大槻ケンヂ
M-20 221B戦記(「全日本プロレス中継」ED)歌:水木一郎・大槻ケンヂ
M-21 風の歌、星の歌、私の歌(「ねぎぼうずのあさたろう」ED)歌:堀江美都子
M-22 笑顔のループ(「ジュエルペット」ED)歌:堀江美都子
M-23 戦え!七人ライダー(「仮面ライダーストロンガー」IN)歌:水木一郎・堀江美都子
M-24 ああ電子戦隊デンジマン(「電子戦隊デンジマン」OP)歌:成田賢
M-25 コスモス・ドリーム COSMOS DREAM -宇宙をかける夢-(「新竹取物語 1000年女王」OP)歌:成田賢
M-26 君にこの声が 届きますように(「金色のガッシュベル!!」OP2)歌:谷本貴義
M-27 ヤッターキング(「ヤッターマン」OP2)歌:山本正之
M-28 炎のキン肉マン(「キン肉マン」OP2)歌:串田アキラ
M-29 ラ・セーヌの星(「ラ・セーヌの星」OP)歌:堀江美都子
M-30 ルパン三世 愛のテーマ(「ルパン三世」ED2)歌:水木一郎
M-31 グランプリの鷹(「アローエンブレム グランプリの鷹」OP)歌:水木一郎
EN-1 ENGAGE!!!ゴーダンナー(「神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON」OP)歌:水木一郎・堀江美都子
EN-2 バビル2世(「バビル2世」OP)歌:水木一郎・全員


ANIME JAPAN FES“夏の陣”は大阪・名古屋でも開催!
「ANIME JAPAN FES 2009“大阪 夏の陣”」 
<日時>8月29日(土) 開場15:00/開演16:00
<会場>なんばHatch
<出演>水木一郎・堀江美都子・串田アキラ・山本正之・速水けんたろう・石田燿子・サイキックラバー・谷本貴義・岩崎貴文 他
<初参加>Dragon Soul・木村充揮(ex.憂歌団)
<特別出演>ささきいさお
<前売り料金>1Fスタンディング ¥5,500(税込・入場時ドリンク500)

「ANIME JAPAN FES 2009“名古屋 夏の陣”」
<日時>8月30日(日) 開場16:00/開演17:00
<会場>Zepp Nagoya
<出演>水木一郎・堀江美都子・串田アキラ・山本正之・成田賢・速水けんたろう・石田燿子・サイキックラバー・谷本貴義・岩崎貴文 他
<初参加>Dragon Soul
<前売り料金>1Fスタンディング ¥5,500(税込・入場時ドリンク500)

【TOTAL INFORMATION】
バースデーソング TEL:03-3496-6998(平日 月~金 12:00~18:00)


アニメジャパンフェス 公式サイト
バースデーソング

爽やかに熱く歌う速水けんたろうさんが、ファン待望の『アイアンリーガー』などを披露

爽やかに熱く歌う速水けんたろうさんが、ファン待望の『アイアンリーガー』などを披露

ラ・セーヌの星コスプレでミッチ登場!

ラ・セーヌの星コスプレでミッチ登場!

ミッチ、串田さん、さらに大杉久美子さんと、デビュー40周年を迎えた3人が勢揃い!

ミッチ、串田さん、さらに大杉久美子さんと、デビュー40周年を迎えた3人が勢揃い!

おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング