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劇団ヘロヘロQカムパニー第23回公演『電波ヒーロー』レポート

劇団ヘロヘロQカムパニー第23回公演『電波ヒーロー~夢みるチカラ~FINAL』レポート

 関智一さん主宰、長沢美樹さんや小西克幸さんが所属する劇団ヘロヘロQカムパニー第23回公演『電波ヒーロー~夢みるチカラ~FINAL』が4月21~23日、新宿シアターサンモールにて行われた(レポート・写真はAキャスト公演)。


●過去3度上演の代表作『電波ヒーロー』のファイナルバージョン

 『電波ヒーロー~夢みるチカラ~』は過去に3度も上演されている人気作であり、代表的な戯曲。公演前に関さんが「『電波ヒーロー』をやるのはこれで最後です。決定版にします!」と断言して臨んだ今回。「ベテランの味のあるお芝居を堪能していただきたくて」と高木渉さんと藤田けんさんを客演に迎えた。

 また過去3回、関さんが演じてきた敏腕テレビプロデューサーの柴崎役と、前回公演で高木渉さんが演じた映像制作会社の監督・古澤役をそのまま演じるAキャストと、二人の役を入れ替え、共演陣も大幅に変わるBキャストの2パターンで上演するチャレンジも。そして4回目にして初めて『ミラクルZ』の主題歌(歌は関さん)付きOP映像も実現。まさにファイナルバージョンといえる内容だった。


●テレビ界初のオリジナル特撮実現を目指した映像マン達の熱い物語

 物語の舞台は戦後になり、映画やラジオが全盛の時代。ようやくテレビが普及し始めた頃、テレビ界に新風を起こすために敏腕プロデューサーの柴崎(関)が、古澤(高木)が所属する制作会社に斬新な番組企画を依頼する。テレビでのオリジナル企画に、人気女優・二階堂絹子(長沢)のキャスティングも聞かされ、作家の上島(小西)らと特撮作品『ミラクルZ』の企画書を完成させる。自信満々に企画書を柴崎に手渡すが「最初から書き直せ」とNGが出された。納得いかない古澤達はなんとか柴崎を説得しようとあの手この手で作戦を考える。夢をかけた、テレビ初のオリジナル特撮『ミラクルZ』は実現するのか?


●混迷の時代だからこそ夢や希望を伝える。現在にマッチした作品

 「子供達に夢を与えたい」、「映画を超えてみせる」という熱き想いのまま、まっすぐに突き進むテレビマン達の情熱と男同士の友情を描いている。ステージの演者から帯びる熱は何度公演を重ねても変わらず、見るたびに胸を熱くする。だが初演の97年よりも閉塞感あふれる現在だからこそ、ヘロQはこの作品をセレクトしたのではないかと思える。

 戦後という時代やテレビの黎明期は新たな希望と先の見えない不安が混在する今と重なる。何度も叩き落されてもあきらめずに立ち上がる彼らの姿を見て、崩れ落ちそうな自信、失いつつある夢を取り戻してほしいと。そして「多くの人に楽しんでもらいたい」という想いで、ストイックにエンターテイメントを追求し続けるヘロQそのものでもある。


●次回作は今夏、金田一耕助シリーズ『悪魔が来りて笛を吹く』を上演


 早くも夏に次回公演『悪魔が来りて笛を吹く』が決定! 横溝正史原作の金田一耕助シリーズで、2008年末に上演した『八つ墓村』以来の金田一シリーズ。「劇団を作ったのは金田一シリーズがやりたかったから」というルーツ的な作品。更に客演陣も井上和彦さん、三石琴乃さん、沢城みゆきさんなど豪華役者陣がそろう。独特の世界観と関さんがどんな金田一を見せるのか、興味は尽きない。

<取材・文:永井和幸>

次回公演・横溝正史原作『悪魔が来りて笛を吹く』
2010年8月8日(日)~14日(土)
吉祥寺・前進座劇場
前売5,400円/当日5,500円(共に税込)
出演:関智一、長沢美樹、小西克幸、那珂村タカコ、永松寛隆、井上和彦(客演)、中博史(客演)、辻親八(客演)、三石琴乃(客演)、沢城みゆき(客演)ほか

>>劇団ヘロヘロQカムパニー公式サイト

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