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Elements Garden・上松範康さんと谷山紀章さんが対談

『Elements Garden III-phenomena-』が9月22日発売で今年もやりますリレー企画! Elements Garden代表・上松範康さん&ゲストボーカル・谷山紀章さん発売記念対談

 水樹奈々さん、茅原実里さんほかの楽曲やキャラクターソング、サウンドトラックなどを手がける音楽集団、Elements Gardenのコンピレーションアルバム『Elements Garden III-phenomena-』が9月22日に発売されます。それを祝してElements Garden代表・上松範康さんと新録曲「PLEASE KILL OUR MUSIC」でゲストボーカルを務める谷山紀章さんの対談をお届けします!

ゲストボーカルの谷山紀章さん(左)とElements Garden代表・上松範康さん(右)

ゲストボーカルの谷山紀章さん(左)とElements Garden代表・上松範康さん(右)

●Elements Gardenの進化と挑戦を刻むコンピレーションアルバム

――2008年にコンピレーションアルバム『Elements Garden』を出してから毎年リリースを重ねて今回3枚目になります。まず感想を聞かせてください

上松範康さん(以下上松):僕らの中では1つコンセプトがあって、変化していかなきゃいけないといつも強く思ってて。Elements Garden(以下EG)の名前がちょっとずつ広まっているのは嬉しいけど、新しい何かを常にやっているという部分は見せたいと。もう一つ、何のタイアップにも縛られない状況でどんな曲が作れるのか、挑戦するために毎回、新録のオリジナル曲を収録しています。

――アルバムのサブタイトル“phenomena”は“現象”や“奇才”を意味する"phenomenon”の複数形です。どんな意図で付けられたんですか?

上松:今、おっしゃられたようにいろいろな意味やイメージでとらえていただいて結構です。音楽から生まれたことや起こったことはこれからも続いていくよという意志も含めて。今後もこのアルバムは続けていきたいので、タイトル文字はある有名RPGソフト風のフォントをマネしてます(笑)。


●オリジナル新録曲のゲストボーカルに谷山さんを選んだ理由とは?

――1枚目のオリジナル曲のゲストボーカルは榊原ゆいさんで、昨年の2枚目で影山ヒロノブさん、今回の谷山紀章さんとかなり大きなサプライズでした。今回、新録のオリジナル曲「PLEASE KILL OUR MUSIC」のゲストボーカルに谷山さんを迎えた理由を教えていただけますか?

上松:PSP用ソフト『うたの☆プリンスさまっ♪』の音楽プロデュースをEGでやらせていただいて、那月役で出演していた谷山さんの歌声を初めて聴きました。そこでメンバー全員、ほれ込んでしまって。更にボイストレーニングも一切されていないと聞いて、天才肌というか歌の野生児というか(笑)。

谷山紀章さん(以下谷山):(笑)。

上松:ちょうどこのアルバムの新録曲の歌い手も探してたので、僕らの音楽にもエネルギーを注入してもらいたいと思い、オファーしたらOKをいただいて驚きました。僕らは正直、あまり接点もないですし。でも歌声にひかれるものがあって、「どんな人なんだろう?」とずっと興味を持っていました。今日、レコーディングしたら、まさに音楽の申し子みたいな感性だなと。


●上松さんと谷山さんを結び付ける意外な接点

上松:でも実は意外な接点があったんです。谷山さんがやっているユニット、GRANRODEOのe-ZUKAこと飯塚昌明さんは僕の師匠なんですよ。学校で、マンツーマンで教わっていたことがあって。覚えてないかもしれないけど。

谷山:飯塚さんは覚えてましたよ。

――EGは上松さんが教え子の方達と結成されたクリエイター集団で、そういう意味では飯塚さんは源流と言ってもいいんでしょうか?

上松:そうですね。飯塚さんの音楽センス、編曲技術、何よりギターがカッコイイし。GRANRODEOとして活動するバイタリティもすごいですよね。

谷山:確かに。僕も飯塚さんや他の方から水樹奈々ちゃんや茅原実里ちゃんの曲を作っているとか、EGのことを聞くにつれてすごい人達だったと。


●紀章ロックのNEWスタイル、デジロックに挑戦


――お二人がお仕事をされたのは『うたの☆プリンスさまっ♪』が初めてだったんですね。その時にEGの楽曲を歌ってみた印象は?

谷山:普通の、今まで歌ったのと同じキャラソンでした(笑)。

上松:僕らの音楽は難しいと言われることが多くて(笑)。だから普通だと言ってもらうのも、歌いこなしてくれるのも嬉しいんです。

谷山:そんなに難しいとは思わなかったですよ。

上松:そこにほれ込んだんです!

――谷山さんのボーカル参加が決まってから曲を作られたんですか?

上松:はい。決まった以上は半端な曲は出せないと思いました。GRANRODEOで培った谷山さんや飯塚さんのロックスタイルはすごく好きなので、僕らができる新しいロックって何かないかなと考えた時、デジロックはどうだろうと。

●挑発的なタイトルは秘めた破壊願望とインパクトで決定!

――谷山さんが初めて曲を聴いた時の感想は?

谷山:いよいよ難しいのが来たなって(笑)。すごく速くて、英語部分も早口で聴き取れないくらいのタイトさがあったので、自分がそれらしく歌えればカッコイイ曲になるだろうなと思いました。

――この曲は作詞・作曲・編曲がEG名義ですが全員で制作されたんですか?

上松:はい。ケンカしながら(笑)。歌詞のメインは中山(真斗さん)が作ってます。アグレッシブなタイトルを決めて、それに引っ張られるようにみんなで考えていきました。破壊願望があるのかなと思っていて。音楽をたくさん作っていくと進化もするけど、わからなくなることもあるんです。そんな気持ちをひと言で表わしつつ、インパクトを考えたら浮かんできて。普通、タイアップだと"KILL"なんて入れたら速攻でNGだけど、ここでならいいかなと(笑)。谷山さんのイメージもそんな感じで。

谷山:恐縮です(笑)。でも、いいタイトルですよね。


●谷山さんのイメージをダイレクトに出した歌詞も注目

――“欲しがる本能”や“果てる前に触れてみてよ”など、エロスあふれる谷山さんらしいフレーズが並んでいるのも意識されたんですか?

上松:谷山さんの持つイメージをダイレクトに音楽に出したいと。

谷山:僕も詞を作るんですけど、この曲の詞を見て、「わかる、わかる」と。

上松:(笑)。歌う時にノリがいい言葉やかっこよく聴こえる言葉ってありますよね? それを探ったつもりです。意味的には伝わりにくいかもしれないけど、それでいいかなと。谷山さんって結構そういう……。

谷山:完全にそうです。

――谷山さんのエロかっこよく、直感的な雰囲気が出てますね。

谷山:そうですね。僕も最初に物語を考えて詞を作る時もあるけど、曲に合わせて詞をぱっとはめていくほうなので。英語を使っても文法とかはあまり気にしません。こういう勢いやスピード感のある曲はそのほうがいいと思う。

上松:谷山さんだったら日本語と英語とまざった感じがかっこよくなるという確信もありました。僕らは理論派で狙ったことをやって、ちょっとのピッチの誤差も許せないみたいところがあったけど、「音楽って、面白ければいいじゃん」という原点に立ち返れた気がします。


●歌入れ前にちゃんと練習しておけばよかったと激しく後悔!?

――実際に歌ってみた感想は?

谷山:非常に速かったのでブレスが大変でした。キャラソンなどを歌う時は事前に仮歌をもらっても2回くらいしか聴かないんです。家でも歌の練習はしません。グランでも。嫌だから(笑)。

上松:カッコイイ(笑)。

谷山:でも、この曲は珍しく5回くらい聴いて、譜割も一応頭に入れて。「これくらいやっておけば大丈夫かな」という感覚だったけど甘かった。家でちゃんと練習しておけば良かったと後悔しました。

――特に苦労されたところは?

谷山:サビが難しかったです。きっちりやろうと思うとサビで吸う音が入ってしまったり、一番気持ちいいキーが伸ばせない感覚はありましたね。

上松:僕らも自分で仮歌を歌ってみて、歌いにくいなとは思ってました(笑)。いつも演者には迷惑をかけるかもしれなくても、やりたいメロディを試したいという葛藤があるんです。お渡しする時にブレスの位置について言われると思いながらも何とかしてくれるという気持ちもあって。結果は期待以上でした。

――レコーディングはどのように進んでいったんですか?

谷山:Aメロ、Bメロ、Cメロで3本ずつくらい録るんですけど、3本の中で歌い替えたりはしてます。「ここをこうしていいですか?」と聞くよりやってみたほうが早いので。それで面白がってくれたり、そのテイクが採用されたらいいかなと。2コーラス目のBメロはそうでした。

上松:最高にしびれました。実際、レコーディングでいろいろな変化は感じてて、いつもより幅が広いなという感覚がありました。


●声優アーティストと共に進化を遂げていきたい

――もしまた今度、コラボするとしたら、どんな曲をやりたいですか?

上松:今回はロックだったけど、ジャンルも180度変わるかもしれない。僕らは男性声優さんとガッチリやる機会がなかなかなくて。最近、宮野真守君に曲を提供したくらいで。宮野君と今回の谷山さんで、男性ボーカルの可能性を感じたのでいつかやりたいですね。

谷山:何でもいいですよ。ブルースでも演歌でも。めっちゃシャウトする曲とか。

上松:今、想像したら鳥肌が立っちゃった(笑)。ファンの人だけでなく、業界の人も驚かせたいという気持ちは共通しているかもしれませんね。

谷山:それで、面白がってくれたらOKです。

――次の『Elements GardenIV』のヒントが見えてきたんじゃないですか?

上松:声優という仕事のカテゴリーが進化して、アーティストのくくりから飛び出していると思うんです。谷山さんや宮野さんとか……。

谷山:あいつ(宮野君)は特別ですからね。僕も彼の才能がすごく大好きなんです。

上松:GRANRODEOが出てきた時はすごく衝撃的でした。僕らも進化していかなきゃいけないと意識しましたから。アーティストありきのEGで、アーティストが進化しているからこそ、僕らも進化できる。常にいろいろな人達と触れ合って、いろいろな空気を感じていきたいなと思います。


●15人のボーカリストとEGのサウンドの融合を楽しんでほしい

――谷山さんを含め15人のアーティストが参加した豪華なアルバムですね

上松:いろいろなボーカリストに曲を提供してきたので、そこをみてほしいなと思って、収録曲すべてボーカリストが違う形になりました。

谷山:自分は基本的にクリエイターでなく、演者だと思っていて、自分の仕事を見てくれて、一緒に仕事をしたいと思ってもらえることは無常の喜びで、ゲストボーカルに呼んでいただけて光栄です。

上松:このアルバム唯一の男性ボーカリストなので期待していただければ。

――最後に皆さんへメッセージをお願いします

谷山:業界を席巻するEGのアルバムに参加させていただけて嬉しかったし、初のデジロックに挑戦できて面白いものができたと思います。魅惑のリズム、悪魔の譜割、とろけるボイスで、アルバムのトップバッターにふさわしい曲になりました。若き才能と情熱が集まったアルバムを聴いてください。

上松:今回、3枚目で続けて出せるのも、新しい土台に挑戦できるのも皆さんのおかげです。谷山さんとのコラボは最高に刺激的でした。僕らが起こそうと目指す新たな息吹に共感してもらいつつ、素敵なボーカリストさん達の歌声と僕らの音楽の融合を楽しんでください。

<TEXT:永井和幸>

『Elements Garden III-phenomena-』
9月22日発売
3,000円(税込)
発売:キングレコード


【他誌合同リレー企画進行中!コチラもチェック!】
●萌王ブログ 藤田淳平氏×中山真斗氏対談
●マイコミジャーナル 上松範康&母里治樹インタビュー
●げっちゅブログ これが進化するElements Gardenだ! コンピアルバム第3弾げっちゅリレーインタビューは藤間×菊田のタッグです
●ITmedia Webリレー企画第5弾Elements Gardenメンバー全員集合インタビュー


>>Elements Garden公式サイト
>>Elements Garden公式ブログ


<b>『Elements Garden III-phenomena-』</b><br>9月22日発売<br>価格:3000円(税込)<br>発売:キングレコード

『Elements Garden III-phenomena-』
9月22日発売
価格:3000円(税込)
発売:キングレコード

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