鈴村健一さん、岩田光央さん、櫻井孝宏さんの全編アドリブ劇を連続レポート!「『鈴村健一の超人タイツ ジャイアント』~微妙にスケジュールがあいませんでした SAKURAI・再会~」編
当サイトで配信中の人気番組『鈴村健一の超人タイツ ジャイアント』のイベントが2月12日、13日、東京・ニッショーホールで行われました。ほぼ全編アドリブ劇で、出演は番組パーソナリティの鈴村健一さんと、12日は岩田光央さん、13日は櫻井孝宏さん。2日間のそれぞれ夜公演のレポートと、出演者の終演後インタビューを2回に分けてお届けします。
まず2月12日の「『鈴村健一の超人タイツ ジャイアント』~微妙にスケジュールがあいませんでした SAKURAI・再会~」(夜公演)の模様をお伝えします!
●鈴村健一さんが日替わりでパートナーを替えるアドリブ劇に再挑戦!
「『鈴村健一の超人タイツ ジャイアント』~微妙にスケジュールがあいませんでした」は、1月7日に発売されたコメディCD『超人タイツ ジャイアント CDとネタ男 第2弾~ザ・フロンティア~』との連動企画イベント。同CDに出演する鈴村健一さん、岩田光央さん、櫻井孝宏さんがアドリブ芝居に挑戦する。3年前にも行われ、伝説となった舞台が復活! ただ今回も岩田さんと櫻井さんのスケジュールが合わず、鈴村さんと岩田さん、鈴村さんと櫻井さんの日替わりペアによる2人芝居になった。サブタイトルには出られないキャストの名前が入っているところに男の友情を感じる。
舞台セットは、同じアパートで、ドアが向かい合わせの2つの部屋があり、左手には引越し後と見られる積荷のダンボールしかない殺風景な部屋、右手にはベッドに本棚など生活感あふれる部屋。ここから物語が始まる。
●アパートに越してきた隣人がもたらす謎と恐怖
右手の部屋には岩田さん扮するアパレルメーカーで働くハギが住んでおり、ヘッドフォンをしてモニターを見ながら妖しげなアクションをしている。そこに向かいの部屋に引っ越してきた鈴村さん扮するアシタバがあいさつに訪れる。寡黙な謎の男・アシタバはハギの素性を次々に質問。「死にたいと思ったことは?」と聞かれ、唐突な質問に動揺しながらも「ちょっとね」と答えるハギ。不思議な会話が続くと突然、アシタバの部屋からガラスが割れる音が。見つけた銀のジュラルミンケースの中には「逃げられない」と書いた紙。物語はスリリングな方向に向かっていく。
この舞台は、照明の暗転や効果音などの最小限のきっかけや結末が決められている以外はほぼ全編2人のアドリブで繰り広げられる。アパートの住人と引っ越してきた人というポジションが決まっているほかはお互いがどんなキャラで出てくるのか、わからない。更に事前に会場のお客さんから言葉やセリフを募集し、劇中に2人が肩にかけたバッグからタイミングを見て、アットランダムに引いてセリフとして言う仕掛けもあり、ハプニング性が増している。
●予想不能のアドリブ劇は役者力と厚い信頼感で最高のエンターテイメントに
次の瞬間には何が起こるか、予測不能なアドリブ劇だが、ラジオ番組など付き合いの長い盟友同士の鈴村さんと岩田さんらしく、テンポのいい会話で笑いの連続。時折、岩田さんらしい天然ぶりに鈴村さんも素で笑ってしまう場面も。
更に引いたお客さんの予期せぬワードに戸惑ったり、すかさずかぶせ合ったりするのもアドリブ劇らしい。アイコンタクトやあうんの呼吸で展開する舞台からは2人の信頼感の厚さも感じられた。
岩田さんが演じる明るい中年男性と鈴村さん演じる影のある寡黙な男という対照的な設定が会話劇のおもしろさを演出し、笑いとシリアスなシーンのコントラストが、このステージを最高のエンターテイメントに仕上げていた。
●岩田光央さん終演後インタビュー
――公演を終えての感想をお聞かせください。
岩田光央さん:舞台は生き物だなと。物語の骨組み、効果音や暗転などのきっかけは昼夜公演共同じはずなのに、お互いが持ち寄ったキャラと立場を逆にすることでまったく違ったストーリーが生まれてくるおもしろさ。しびれました。10年以上、小劇場をやっていた頃の記憶がよみがえりました。
――ほぼ二人きりのアドリブ芝居はかなり役者力を要求されますよね。
岩田さん:でも本来の芝居の形だと思うんです。相手が投げた言葉を受けて、リアクションの連続で、そこに間が入ったりしながら、物語の整合性をとっていくのが芝居で。だから自分のベースを再認識しているような感覚で、怖いけど、しびれるんです。
――1日2公演で、それぞれキャラを変えるのも大変なのに、お互いの立場も逆転させるなんて負担も大きいのでは?
岩田さん:前回は同じ役を違うキャラでやってたのに、「今度はAとBの役を昼夜で変えたいんです」と言われて「え~!」って。今だから話せるけど、(櫻井)孝宏君と二人でこっそり「自信ないからさ、ケンたん(鈴村健一さん)に提案しようか? 役を変えないで行こうよ」と言ってました(笑)。でも稽古したら2人共、「あっ、イケるかも。じゃあ言わなくていいか」と。昨日のことなんですけど(笑)。僕自身、勉強になりました。
――鈴村さんとは長い付き合いで、信頼関係の強さも見えました。まるで夫婦芝居のような。
岩田さん:その表現はあながち間違ってないかもしれない(笑)。そのぐらいの信頼感はありますね。長年一緒にやっているので、お互い目を見ると何がしたいのか、察することができるんです。野球で言えば、どちらかがピッチャーをやったら一方はキャッチャー、その逆にもすぐなれる。そのぐらいの関係です。
――もし次にまたアドリブ劇をやるとしたら?
岩田さん:次はスケジュールを合わせて3人でやりたいです。だから鈴村君にはまたアドリブ芝居の企画をやってほしいんです。円形劇場で360度、お客さんに見られる中でやったらしびれるでしょうね。また自分でハードルを上げて苦しむようなこと言ってますが、この3人ならできるはずです。そして、もし次回公演があったらぜひ見てください。この企画のおもしろさと舞台に漂うヒリヒリ感をリアルに味わってもらえたらいいですね。
<取材・文:永井和幸>
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7月2日(土)~7月3日(日)
2月14日より受付開始。6月中旬まで受付
>>『鈴村健一の超人タイツ ジャイアント』公式サイト
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