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新海誠監督最新作『星を追う子ども』特別試写会&舞台挨拶をレポート

教師・モリサキ役は脚本を書いている段階で井上和彦さんをイメージしていた! 新海誠監督最新作『星を追う子ども』特別試写会&舞台挨拶をレポート!!

 2011年4月26日、東京・有楽町のよみうりホールにて新海誠監督の『星を追う子ども』の特別試写会が行なわれ、その上映後には新海監督と金元寿子さん、井上和彦さんによる舞台挨拶が行なわれた。

 『星を追う子ども』は、新海監督自身が幼い頃に読んだ本に着想を得たという本格ジュブナイル・アニメーション。
 主人公の少女・明日菜は、父の形見である鉱石ラジオから不思議な唄を聴く。その唄に心を奪われた明日菜は、地下世界であるアガルタから来たという少年=シュンと出会う。互いに心を通わせたふたりだったが、シュンは突然、明日菜の前から姿を消してしまう。シュンとの再会を願う明日菜の前に現れたのは、亡くなった妻との再会を求めアガルタを研究する教師・モリサキと、シュンに瓜二つの少年・シン。そして明日菜は、地下世界アガルタへの旅を決意するのだった――。

 今回の舞台挨拶では、主人公・渡瀬明日菜役の金元寿子さん、アガルタを研究する教師・モリサキ役の井上和彦さん、そして今作の脚本も担当した新海誠監督が登壇。和やかな空気のなかで、キャストならではの作品の感想やエピソードなどを語ってくれた。

 初めて新海監督の作品に参加した感想を尋ねられた金元さんは、「監督の作品は、すごく繊細で柔らかいイメージがあるので、私にその心の動きなどをちゃんと表現できるのかな、と緊張していました。でも、明日菜をやらせていただいてから、作品にのめりこんでいって、とても楽しくやらせていただきました。監督とお会いする前は、厳しい方なのかな?とかいろいろ考えをめぐらせていたのですが、実際お会いすると“怒”というものまったくない優しい方で(笑)。とてもリラックスさせていただきました」と、新海監督の人柄を交えたエピソードも含めて話してくれた。そして『雲の向こう、約束の場所』に続いて新海監督作品への出演が2度目となる井上さんは、「今回の監督は厳しかったですね。まさかアフレコ現場にムチを持ってくるとは……(笑)」と冗談を交えつつ「監督は、ひと言ひと言にとてもこだわって収録を進めていきました。録る度にどんどん良くなっていくのを感じましたし、監督の作品に対する思いの強さがすごく出ていました。普通は何回も録るとヘコんだりすることもあるんですが、今回はもっともっと良くしたい!!という欲に駆られましたね」と感慨深そうにコメント。二人の間にある絆の強さをうかがわせた。

 また新海監督は、教師・モリサキの役を書くときはあらかじめ井上さんが演じることを想定していたという。それについて監督は「脚本を書いている段階から、このキャラクターは井上さんだな、と思っていました。明日菜が主人公ですが、影の主人公はモリサキなんです。彼は明日菜に対して優しい表情の時もあるし、怖く見えたりすることもありますよね。子どもから見た大人の未知な感じや、大人って何を考えているんだろう、という複雑さを、井上さんであれば出していただけると思ったんです」と語り、井上さんに対する信頼の強さを改めて感じさせた。

 さらに、初めて脚本を読んだときの印象を聞かれた金元さんは、「色んなテーマ性があるな、と思いました。私は明日菜の視点から脚本を読ませていただいたのですが、他のキャラクターからは全然違う風にこの旅が見えているんだろうな、と思って、何回も読み返してしまいました」、井上さんは「人はどういう風に生きていけば良いんだろう、ということをすごく考えさせられました。それぞれのキャラクターが活き活きとしていて、本当にそこに存在しているように感じましたね。何回も観て、毎回色んなことを感じられる作品だと思いますので、いっぱい観てください!」と、脚本から見た作品の奥深さをアピール 。

 そして最後にファンへのメッセージを求められると、井上さんは「素晴らしい作品だと思います。この先何年も、何十年もいろんな方に見ていただきたいですね。ぜひ、たくさんの方に観ていただけるように伝言ゲームをお願いします!」、金子さんは「普段なかなか考えられないことを、ストレートに考えさせてくれる作品ですし、それを他の人と話せる機会になると思います。私自身、家族や大切な人たちと観に行きたい作品です」、そして新海監督は「僕は10年近く前、『ほしのこえ』という映画を1人で作って、50人規模くらいの小さな劇場からスタートしました。そして今作は、約200人ものスタッフと一緒に作りました。こうして作品を作り続けていられるのも、皆さんや周りの環境のおかげです。全力で放ったボールですので、ご覧になった方はぜひ、ネットなどに感想を書き込んでください」と、作品の魅力やファンに対する感謝の気持ちなどを語ってくれた。

 『星を追う子ども』は、2011年5月7日よりシネマサンシャイン池袋・新宿バルト9ほかにて全国ロードショー。上映館などの詳細情報はオフィシャル・サイトをチェックしよう!

<取材・文:杉山玲菜>

>>『星を追う子ども』公式サイト

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