色々な麻生夏子を見せる!「Precious tone」ライブレポ

色々な麻生夏子を見せる!「Precious tone」ライブレポ

 「みんなに会えるのを心待ちにしてました!」という言葉に湧く大歓声。オーディエンスも同じ気持ちであったことが、その声の大きさから伝わってくるかのよう――。新世代の歌姫・麻生夏子の2ndアルバム『Precious tone』のリリースを記念して行われたLIVE TOUR 2012「Precious tone」東京公演ワンマン@恵比寿リキッドルームは、ライブハウスならではの一体感を持ってスタートを切った。

 『Precious tone』のジャケットで着用している鮮やかなワンピース姿で、『バカとテストと召喚獣』OPであるアッパーな「Perfect-area complete! 」を打ち放ち、会場の高揚感に一気に火をつけた夏子。続けさまに「Programming for non fiction」「Movement of magic」というクールなナンバーをエッジィなダンスと共に届け、「最後までぶっ飛ばしていきたいと思います!」とアジテート――序盤から気合い十分といった様子である。そのままキラキラのミディアム・チューン「トキメキ☆トラベラー」やハートフルな「Dear my fortune」など、その衣装のようにカラフルなナンバーで客席を揺らしていき、中でも初披露のタオル曲「Merry-go-round」(2月に発売されたシングル「Lovely Girls Anthem」カップリング曲)では、スピーディーなビートに合わせ観客一丸となってタオルを振り、さらにはPPPHも自然と湧きおこるなど(笑)、彼女自身も「みんな本当に初めて聴いたの!?」と驚くほどの盛り上がりを見せた。

 この日のコンセプトは「いろいろな麻生夏子を見せる!」ことだと中盤のブレイクで話していたが、そのコンセプトが顕著に表れたのが後半ブロック。「何色にでも染まるように」と願いを込めた純白のショート・ドレス姿でステージに現れ、ポップな「Luminous face, It's mine」を歌い上げたあとは、アコースティック(「bitter」、「starry-eyed future」)で大人びた表情を覗かせ、次は一転「攻めていきますっ!」と「Everyday sunshine line!」(振付レッスンあり!)を力強くパフォーム――と、曲調ごとに声色や表情をクルクルと変化させていく。多彩な構成で加速していくなか、今度は「More-more LOVERS!!」「エウレカベイビー」と代表曲をここぞとばかりに畳みかけ、フロアに大きな熱狂を打ち立てるのだった。

 「みんなの熱気で凄いことになってます! 全力で楽しんでくれてありがとう!」。そう笑顔で伝えたあとは、声のトーンを少し落として長めのブレイクへ。「今回のライヴのテーマは……私の中では「楽しむ」ということでした。去年、私の夢だったアニサマ(Animelo Summer Live)に出させて頂いたんですが、決まったという話を聞いたときは「本当ですか!?」って(笑)。それが去年の頭で、それから8カ月くらい準備期間があったんですけど、もう緊張しすぎて……本番のステージでは緊張しなかったんですよ。楽しもうって思ったんです。でも、やっぱり「私のことを誰も知らなかったらどうしよう」って不安もあったんですけど、ライヴ当日「麻生夏子です、アニサマいくよー!」って言ったら(サイリウムで客席が)オレンジになって……私のことを知っててくれたんだってすっごく嬉しかったんですね。そこからもう楽しくなっちゃったんです」と時折言葉を詰まらせながら、アニサマのライヴを振り返った。

 そして「歌うことって本当に楽しいことなんだなって、アニサマのステージに立って改めて思いました。今年デビューさせていただいて4年目になるんですけど、自分の技術の未熟さを痛感したときもあったし、悔しい思いをしたこともあったし……正直、辞めようかなってありました。でも、ここまで来れたのは、みんなのおかげだなって思います。心の底から、ありがとうございます」と語尾に力を込め、客席からは大きな拍手が沸いたのだった。

 その感謝の気持ちを伝えるかのように、ラスト・ナンバー「Precious tone」を熱唱。〈今、素直に誇れる自分になれた/誰かの夢とリンクしていく 不思議だね/ヨロコビはわけあえる 本当みたい〉〈オレンジの光 明ける世界 夢じゃない/キミの声が聞こえる/それがこんなにもうれしくって〉――アニサマ以降の心境や、ファンへの気持ちを伝えるかのような言葉の数々。想いが溢れすぎたのか声を詰まらせて泣いてしまう場面もあったが、オレンジ色に染まったフロアからの「頑張って!」という声に支えられながら最後まで歌いきった姿に心を打たれたのは私だけではなかっただろう。なんとも美しい、感動的なハイライトを刻んで本編を終えたのだった。

 アンコールは2月に発売される新曲「Lovely Girls Anthem」を始めとした3曲を披露。最後に「これで燃え尽きて帰ってください!」と「ダイヤモンドスター☆」を熱唱し、輝かしいクライマックスを飾ったのだった。「アーティスト・麻生夏子」の確かな実力、そしてまっすぐな姿勢を改めて感じさせられた充実のライヴだった。


>>麻生夏子 オフィシャルウェブサイト

[文・逆井マリ]

麻生夏子さん

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