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Androidアプリ『マミTPS』開発者インタビュー

リリース直後から話題沸騰! ゲームの注目ポイントから今後の展開、希望妄想まで徹底的に掘り下げた『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』開発者インタビュー

 今回特集するタイトルは、2012年8月9日よりGooglePlayで配信が開始され、そのキャラクターゲームにあるまじきクオリティと、何よりTPSというジャンルで多くのファンを驚かせたタイトル『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』。前作『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』をプレイして、本作のリリースを心待ちにしていたファンも多かったことだろう。

 ちなみに、「何それ知らなかった!」という方は、別ページにレビューを掲載しているので、そちらも参考にしていただきたい。本シリーズの情報は「アニメイトTV アニメアプリ!」でも度々お伝えしてきたが、今回はなんと『マミTPS』を開発した株式会社メビウスのスタッフの皆様にインタビューを行う機会をいただけた。

 開発に至るまでの経緯から、本作、前作を含めたシリーズの魅力。そして気になる「今後」の話などなど、ここでしか聞けない情報が盛りだくさんの内容となっている。まだゲームをプレイしていない方はもちろん、「もう完全にやり込み済みだぜ!」という方も、新しい魅力や遊び方を発見できるかも!?

●社員全員で『まどマギ』DVDをチェック!

――それでは最初に自己紹介を兼ねて、それぞれどのような形で製作に関わったのかをお聞かせください。

喜多村明夫さん(以下、喜多村):今回私は開発の統括を行いました。具体的には、元請けであるフロンティアワークスさんとの折衝と、開発全体のクオリティチェックなどですね。

佐野晃さん(以下、佐野):製作においては、プログラム全般を担当させていただいています。ほかにもアプリのネタ出しなど、色々と自由に関わらせていただきました。

出岡典子さん(以下、出岡):グラフィッカーとして、システム周りやキャラクター、背景のテクスチャなどの製作を担当しています。

――『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』(以下、『マミTPS』)の開発は、どのような経緯でスタートしたのでしょうか。

喜多村:前作にあたる『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』(以下、『ほむらTPS』)の開発が終わった後に、フロンティアワークスさんから今回のお話をいただきました。最初は、続編は出ないということで話が進んでいたのですが、好評を受けて急遽続編の制作が決定したと。

――では『ほむらTPS』のほうは、どういったきっかけで開発が始まったのでしょうか。

喜多村:弊社は以前から、Android端末向けにTPSのタイトルをリリースさせていただいていました。その作品がフロンティアワークスの担当者さんに見ていただけたようで、私達にお声がかかった、という流れです。

――TPSというジャンルのゲーム製作経験はあったのですね。

喜多村:そうですね。前作にあたる『ほむらTPS』や、今回の『マミTPS』は、以前に弊社がリリースした『M.N.I.B.R』というAndroidアプリが基盤になっています。また、3D脱出ゲームを制作していましたので、3Dゲームを制作するノウハウはしっかりと持っていますよ。

――なるほど。では、製作にあたって参考にした作品などはありますか?

喜多村:海外の大手さんが作っている、スマートフォンのTPSタイトルはかなり参考にしました。もちろん、そのほかコンシューマーやPCで発売されているTPS作品も、海外版と日本語版をしっかりチェックして分析を続けています。

――となると、お話が立ち上がった当初から、TPSで『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』(以下、『まどマギ』)を原作にしたゲームを制作すると決まっていたのですね。

喜多村:いえ、アニメの版権を使って制作するとは聞いていたのですが、その作品までは聞かされていませんでした。それがまさかあの『まどマギ』だとは夢にも思いませんでしたから、最初に聞いたときは本当に驚きましたよ。案件の詳細を聞いたとき、まずアニメに詳しい出岡に相談してみたのですが、すぐさま「すぐに契約して帰ってきてください!」と返されたのを覚えています(笑)。

――制作スタッフの皆さんは、以前から『まどマギ』をご存知でしたか?

喜多村:知ってはいましたが、しっかりと作品を把握しているかと言われると……、という感じです。なので、案件が決まってからは社内の人間ひとりひとりにDVDを回して、徹底的に世界観を頭に叩き込みました。途中からDVDでは満足できなくなってBlu-ray版を用意したり、とにかく原作を把握するためには努力を重ねています。

開発統括・喜多村明夫さん(※イメージ画像)

開発統括・喜多村明夫さん(※イメージ画像)

プログラム担当・佐野晃さん

プログラム担当・佐野晃さん

グラフィック担当・出岡典子さん

グラフィック担当・出岡典子さん

●よりマミさんをエレガントに、美しく見せるための工夫が満載!

――続いては、もう少しゲーム内容について切り込んでいきたいと思います。『マミTPS』は前作に比べて、どういった部分が変化していますか?

喜多村:『ほむらTPS』では、少々海外TPSの操作感覚に近づけすぎた印象があったので、今作では日本向けに調整しなおしています。

佐野:具体的には、よりキャラクター性を際立たせるため、絵をより多く見せる演出を増やしています。技を使った時にカットインを入れてみたり、原作であったイベントはなるべく再現したりと、小技をちょくちょく詰め込んでいますよ。ゲーム部分の骨子はしっかりしていたので、そういったネタを盛り込むことができました。

――原作再現といえば……。やはり「あの」魔女との戦いで、「あの」演出がありましたね!

佐野:ご覧いただけましたか! 「みんな絶対あの戦闘ではでわざと負けるでしょ!」と思って、隠し演出を入れていたりしています。

喜多村:そのシーンは、ぜひ自分の目で確認していただきたいです(笑)。

――細部に愛情あふれるネタが散りばめられていました。そのほかには、どういった要素が組み込まれているのですか?

佐野:敵をマスケット銃で撃った時のちょっとした動作とか、細かな仕草にも注目してほしいです。武器が初期状態のときは1発撃つごとに銃をポイっと捨てたり、なるべく原作らしい動きを取り入れていますので。

――見た目の面では特に、主人公がマミさんになって一気に魔法少女らしく、ファンタジックな雰囲気になった印象があります。

佐野:前作の『ほむらTPS』では、使用していた武器が現代武器だったのが、今回はマスケット銃になっていますよね。マミさんはあまりSFっぽさが無いキャラクターなので、よりファンタジックに見えるように注意して調整しています。

――キャラクターを強調するという点でいえば、今回はかなりボイスが増えているように感じたのですが、そちらはいかがですか。

喜多村:そちらも、前作から比べて大幅に増加しています。原作のマミさんが3話でいなくなってしまいますので、それをどうゲームに落としこむかで、ものすごく佐野が苦戦していました(笑)。

――マミさんファンにはたまらない調整になっていますね!

佐野:今回はあまりガチガチのTPS寄りの調整にはしていませんので、「マミさんラブ!」という方にプレイしていただければ本望です(笑)。

――『マミTPS』に関して、ほかに何か注目点などはありますか?

喜多村:今回のひとつのウリとして、ゲームをクリアすると入手できる壁紙(ギャラリーモード)の収集があります。かなり見応えのあるものになっていますので、ぜひ頑張って見ていただきたいですね。ちなみに、各ステージでAランク以上を取得すれば開放されます。

――Sランクではなく、Aランクですべてが開放されるのは嬉しいですね。

喜多村:ユーザーさんは、やっぱり普通のアニメファンの方が多いと思うので、さすがにラインをSにしてしまうのは厳しいかと思いまして、そこは配慮するポイントだろうと。そこまでやりこみができるのは一部のプレイヤーだけですからね。

――両作のキモになるシステム、「エイムアシスト機能」の発想はどこから来たのでしょうか。

喜多村:まず、海外で配信されているTPSタイトルをプレイしてみたのですが、やはりスマートフォンでそのままTPSを遊ぶのは難しいと感じました。そこから「僕でもクリアできるようにして!」とオーダーした結果生まれた機能です。ですから、弊社の開発しているTPSタイトルには『ほむらTPS』以前から搭載しています。

――やはり、よりゲームを遊びやすくするための発想なのですね。

喜多村:自分の思ったところに弾が飛んで行かないのって、やっぱりストレスじゃないですか。中央に捉えている敵に、ほぼ確実にヒットするほうが絶対に爽快感があるんですよ。

――確かに、敵を中央に捉えてさえいれば、ほぼヒットするくらいの感覚でした。

喜多村:『マミTPS』に関しても、弾速の遅い武器にホーミング機能をつけたりと、爽快感があるゲームになるように心がけています。


原作第3話で登場する「あの魔女」。もし負けてしまうと……?

原作第3話で登場する「あの魔女」。もし負けてしまうと……?

ランクの取得には難易度制限がない。頑張って挑戦して、エレガントなマミさんのお姿を拝もう。

ランクの取得には難易度制限がない。頑張って挑戦して、エレガントなマミさんのお姿を拝もう。

●『マミTPS』Android版の売り上げ次第でiPhone版リリースの可能性も!

――『ほむらTPS』の反響が大きかったからこそ、今の『マミTPS』があった。とのことですが、最初の『ほむらTPS』ではどれほど反響があったのですか?

喜多村:詳しい数字はちょっと言えませんが、GooglePlayの方でベストセラータイトルとしてランキングに上がっていました。2011年の末にリリースしたのですが、売上げランキングもかなりの期間上位を維持していましたね。数もそうですが、コメントでユーザーさんの声が聞けるのが嬉しかったです。

――ユーザーさんの声には、どういったものがありましたか? まず、出岡さんからお話を伺いたいと思います。

出岡:背景や小物のデザインなどはすべて私が制作していましたので、やっぱりそこを褒めて貰えると嬉しいですね。

――では、グラフィック以外の点からはどういった声が寄せられていましたか?

佐野:私が開発に関わったのは今作の『マミTPS』からなのですが、前作からTPSゲームとしてのデキがいい、という評判を各所からいただいていました。それを継ぐ形になる私としては、今すごく緊張しているところです(笑)。

――ひと通りコメントを見てみても、やはり好意的な意見が多いように感じられます。

喜多村:GooglePlayの評価は最大5点評価で、『ほむらTPS』の平均点数は4.7なんですね。この数字で、なかなか評価をいただいるのだなと実感が得られています。もちろん、ゲームとしての良さだけではなくて、原作である『まどマギ』が持つ人気があってこそだと思っていますが。

――評価と一緒についていたコメントで、どんなものが印象的でしたか?

喜多村:一番衝撃的だったのは、コメントのタイトルが「ほむほむ」で、内容が「ほむほむほむほむ……」で埋まっているコメントでした。それをスタッフが見つけてきた時の感動たるやありません。最高の褒め言葉ですよ!

――制作スタッフ全員にほむほむ語のメッセージが伝わっている……。恐るべし株式会社メビウス!

喜多村:ええ、脳内で全部変換しています(笑)。

――訓練されすぎている(笑)。

一同:(笑)。

――『ほむらTPS』といえば、以前iPhone版がリリースされましたね。そちらの製作の計画は、いつごろから始まったのですか?

喜多村:やはり、ユーザーさんからもiPhone版を制作してほしい、という要望はかなり多かったので、それに答えるのはやぶさかではありませんよね。

――iPhoneとAndroidではかなり製作の形態が違い、移植も簡単ではないと思うのですが、そちらの作業ではなにか苦労はありませんでしたか?

喜多村:『ほむらTPS』は、ガチガチのAndroid向けで制作していたので、iPhoneに移植してちゃんと動くまでの間に4ヶ月ほどかかっています。その甲斐あって完璧な移植になりましたが、「移植したいとか言ってたのに、なんでiPhone版のこと考えずに作ってんだ!」と、プログラマーからはすごく怒られました(笑)。

――ここまで来て気になるのは、やはりiPhone版の『マミTPS』ですよね。そちらは制作されるご予定はありますか?

喜多村:そうですね……。Android版が売れて、皆さんの期待が私達まで届いたら、ぜひそのご期待には応えたいと思います。こちらは、『ほむらTPS』のようにガチガチのAndroid仕様ということはありませんので、声が集まりましたらすぐにでも制作させていただきますよ!


『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』画面写真

『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』画面写真

『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』の評価状況。有料アプリとしては、かなり高い評価を得ている。

『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』の評価状況。有料アプリとしては、かなり高い評価を得ている。

●公式がファン制作物に負けるわけにはいかない! という気合の中から生まれた『ほむらTPS』

――前作や今作の製作において苦労した点はありますか?

喜多村:かなり楽しみながら作っていましたので、難航したところはあまりありませんでしたね。逆に、かなり自由奔放に作っていたので、チェックが通るかだけが心配でした(笑)。

佐野:そうですね。かなり自由に作ったので、先ほどお話したようなネタがいろいろと通っています。

――さすがです、制作作業自体はスムーズだったと。

喜多村:もちろん原作者の方々にも満足していただけなければなりません。そして、原作があの『まどマギ』ですから、少しばかりプレッシャーはありました。



●次に『まどマギ』作品を作るとするなら、ジャンルはRPG!?

――それでは続いて、今後のお話についてお聞きしていきたいと思います。まず、現在リリースされている『ほむらTPS』や『マミTPS』についてですが、こちらに関してアドオンなどを配信する予定はありますか?

喜多村:バージョンアップは、常時実施していきます。ただし、どんなアップデートを行う際も必ず、ユーザーさんに喜んでいただける要素を追加していきます。バージョンが変わったのにただのバグの修正だけ、ということだけはしたくないので。

――では、今後作ってみたい追加要素や、やってみたいネタなどはありますか?

喜多村:まだ作れるかは分かりませんが、『ほむらTPS』にカットインを入れたいなと思っています。これはまだ工期がかなりかかってしまうので難しいのですが……。あと、もともとウチは、RPGを作りたくて立ち上げた会社なんです。なので、そういった別ジャンルの作品も作ってみたいですね。

――もし喜多村さんが『まどマギ』の新しいゲームを作るとするならば、どんな作品にしたいと思いますか?

喜多村:やはり、重要な選択をプレイヤーの手に委ねられる、というのが原作ありのゲームにおける醍醐味ですよね。『まどマギ』に関しては、マルチエンディングに至るまでの選択肢ひとつひとつの重みが分かる作品になれば、と考えています。私の師匠に当たる方に「選択肢それぞれに、意味をきちんと持たせた作品を作れ」と度々言われていましたので、少なくともそういった部分をきちんと考えた作品にしたいです。

――『ほむらTPS』や『マミTPS』のようなクオリティで、RPGやアクションの『まどマギ』作品がリリースされたら、ファンとしても最高です!

喜多村:もし任せて頂けるのなら、ぜひ作りたいと思っています。こういった、原作ありきのゲームを制作する際は「原作ファンを絶対に悲しませない」、ということをモットーに製作を行なっていきますので、ユーザーの皆様におかれましては、どうぞ応援をよろしくお願いいたします!

――最後に、読者の方へひと言ずつメッセージをお願いします。

出岡:グラフィッカー的には、かなり背景が増えていて、それぞれを凝って作ってあります。余裕があるときに、たまに見ていただけると幸いです。

佐野:マミさんがかわいらしく、エレガントに見えるように組み立てました。そのあたりを楽しみながら、TPSとしても楽しんでいただかたらと思います。

喜多村:前作よりもかなり敷居が下がって、遊びやすくなっています。ご購入いただきました皆様におきましては、ぜひ壁紙を集めてみてください。また、バージョンアップでなんらかの要望に答えられるようにしますので、何かご意見がありましたら、どんどんGooglePlayに書き込んでください! ……できれば、星5つで(笑)。

――ありがとうございました!


> Google Play『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』配信ページ
> 『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 巴マミ』公式サイト
> 『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』公式サイト
> 株式会社メビウス公式サイト

[インタビュ&文・蒼之スギウラ]

『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』では、ボイス追加のアップデートが行われている。サポートも積極的なようだ。

『魔法少女まどかマギカ TPS FEATURING 暁美ほむら』では、ボイス追加のアップデートが行われている。サポートも積極的なようだ。

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS
(c)Frontier Works Inc. (c)mebius.
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