監督やキャスト陣も登場した『サカサマのパテマ』初日舞台挨拶レポ

藤井ゆきよさん、岡本信彦さんが思いの丈を語る! 『サカサマのパテマ』初日舞台挨拶をレポート

 2013年11月9日(土)、東京の映画館・角川シネマ新宿において、同日に公開されたアニメ映画『サカサマのパテマ』の初日舞台挨拶が実施された。

 今回公開される『サカサマのパテマ』は、『イヴの時間』で知られる吉浦康裕さんが監督・脚本を手がける最新作だ。現実のエッセンスを取り入れつつ作られた、独特な浮遊感を持つファンタジー世界を描くことを得意としており、本作でもその作風は健在である。

 本作の序章となるアニメ映像『サカサマのパテマ Beginning of the day』の配信が行われて以来、約1年半を経ての公開とあって、以前からのファンにとってはまさに“待望の”封切り日となった。

 本イベントには、監督の吉浦康裕さんと、「パテマ」を演じる藤井ゆきよさん、「エイジ」役の岡本信彦さんの3名がゲストとして登場。本作の劇場公開への想いを語ってくれた。

■ 藤井さんは“熱い”お人……。アフレコの裏話も語られた、初日舞台挨拶トーク

 劇場公開初日、上映時間の朝9時30分を迎えた角川シネマ新宿・シアター1会場は、来場したファンによって満席となっていた。やはり、その注目度はかなり高いようだ。

 舞台挨拶が行われたのは本編上映の直前。MCによる本作の基本情報の紹介が行われた後に、今回のゲストとなる監督の吉浦康裕さん、声優の藤井ゆきよさん、岡本信彦さんらがステージへと登壇した。

 壇上で最初に口を開いた監督の吉浦さんは「ようやくここまで来ました。感無量、といった感覚です。皆で一緒に映画を見るという体験が好きな人間なので、この機会を楽しみにしていました」と、公開初日を迎えた喜びを語っていた。

 今回初ヒロインを演じた藤井さんも、それに続く形で「本当に、この日を待っていました!」と、非常に熱が入った様子で、しかしちょっと涙ぐみながら話していた。岡本さんによると、収録を行ったのは2年ほど前であり、かなり長いスパンで製作が行われた作品だったとのことで、三者三様に思い起こすことがあるようだ。

 そんな流れで、これまでの製作を振り返るようなトークが始まった。最初に話題に挙がったのは“サカサマ”という独特なコンセプトを持った本作品の構想について。吉浦さんはその発想は「子供の頃に“空に落ちそう”と思うことってあるじゃないですか。……僕はあったんですよ。その感覚が、この作品の根本にあります」と語っていた。

 続けて両キャストにも演技についての話が振られ、藤井さんは「エイジくんと心が通じる様子は気をつけていましたが、まず脚本が魅力的で。私が受け取ったイメージを、そのまま演じました」と、ストーリーの魅力の強さについて話していた。トーク時はまだ上映前ということで、ちょっと言いたいことを堪えているような様子で、うまく上映への期待を高めてくれた。

 感情が入ったトーク部分からも分かる通り、藤井さんは非常に作品と演技に対する熱意が強いようで、その後には「パテマが強くダメージを受けるシーンでは、少し倒れ込んでしまったり……」というエピソードも飛び出していた。吉浦さんによると、そんな人となりもキャスティングの一因になっていたらしい。

 トークに区切りがつくと、続いては少し趣向を変えて、本作の“サカサマ”というキーワードに当てられたコーナー「サカサマ・ワードバトル」も行われた。こちらはその名の通り、MCに提示された言葉を、文字を見ることなく“サカサマ”に読み上げる対決コーナーだ。最初は短い「パテマ」や「エイジ」といった短いキーワードが出されていたが、だんだんと難易度が上昇して行き、最終的には「マタエイジヤクカ」という長い言葉や、奇をてらった回文(上から読んでも下から読んでも同じ文)なども登場。来場者の笑いを誘っていた。

▲パテマ(CV:藤井ゆきよ)

▲パテマ(CV:藤井ゆきよ)

 そんな流れで、約30分あまりのトークを展開した後、初回舞台挨拶は終了。ついに、本編の上映がスタートした。『サカサマのパテマ』は、本日より全国ロードショーとなっている。劇場にて本編を楽しんでほしい。

<STORY>
手を離したら、彼女は空に落ちていく。
かつて、この世界を襲った大異変。そして…。
夜明け直前の‘空’を見上げる少年、エイジ。彼の住むアイガでは、「かつて、多くの罪びとが空に落ちた」と‘空’を忌み嫌う世界であった。
そこに、突然現れた‘サカサマの少女’ 。彼女は、必死にフェンスにしがみつき、今にも‘空’に落ちそうである。
彼女の名前はパテマ。地下世界から降ってきた。
エイジが彼女を助けようと、パテマの手を握った時、体がふっと軽くなり二人は空に浮かびあがった。
恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。
二人は未だ知るまでもないが、この奇妙な出会いは、封じられた<真逆の世界>の謎を解く禁断の事件であった。
その頃、アイガの君主イザムラの元には、「サカサマ人」があらわれたとの報告が届く。
イザムラは治安警察のジャクを呼び、「サカサマ人」を捕獲するよう命じるのだった…。

【CAST】
パテマ:藤井ゆきよ
エイジ:岡本信彦
ポルタ:大畑伸太郎
ジィ:ふくまつ進紗
ラゴス:加藤将之
ジャク:安元洋貴
カホ:内田真礼
イザムラ:土師孝也

<STAFF>
原作・脚本・監督:吉浦康裕
アニメーションキャラクターデザイン・作画監督:茶山隆介
コスチュームデザイン:杏仁豆腐
作画監督:又賀大介
美術監督:金子雄司
CG監督:安喰秀一
音楽:大島ミチル
配給:アスミック・エース

製作:サカサマ会(アスミック・エース、グッドスマイルカンパニー、角川書店、ディレクションズ)

◆11月9日(土)全国劇場公開

>>映画『サカサマのパテマ』オフィシャルサイト

(C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013
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