ファン待望の舞台が５年ぶりに再始動――！　『最遊記歌劇伝－God Child－』に出演の鈴木拡樹、鮎川太陽、藤原祐規のインタビュー（後編）

　峰倉かずや原作の大人気コミック『最遊記』シリーズ（一迅社刊行／「月刊コミックZERO-SUM」にて連載中）。ドラマCDはもちろん、アニメ、ゲーム、ミュージカルなどさまざまなメディア展開を続けているが2014年、多くのファンを魅了したミュージカルが５年ぶりに再始動する。

▲玄奘三蔵（鈴木拡樹）、沙悟浄（鮎川太陽）、猪八戒（藤原祐規）

　一部、新たな出演者を迎えた『最遊記歌劇伝－God Child－』は、原作コミックスで描かれる「カミサマ編」を上演。三蔵一行に訪れる最大の危機と絆を描いた人気エピソードだ。

　インタビューの後編では、前編に引き続き、鈴木拡樹さん（玄奘三蔵役）、鮎川太陽さん（沙悟浄役）、藤原祐規さん（猪八戒役）にインタビュー。舞台へかける熱い思いや、1月に行われたプレイベントの感想などをたっぷりと語っていただいています。また、アニメや漫画が大好きという３人の意外な一面も明らかに……？　アニメイトＴＶでしか読めない３人のロングインタビューをお楽しみください！

■ 舞台経験豊富な３人でも「原作物」の舞台になると……？

――コンビプレーのようなシーンを入れたいと鈴木さんが提案されたということですが、普段から舞台に対して何か提案をするというのはよくあるんですか？

鈴木：現場によって提案ができる雰囲気かどうかが全然違うので、毎回自分の意見を言うというわけではありません。ただ僕は自分からいろいろと提案できる方が好きで、演出家さんやスタッフさんとさまざまなディスカッションができる座組みの方が、お客さんと一体感を生みやすい舞台表現ができると思うんです。僕たち自身が舞台の演出を提案することで、作る側の一体感・空気感が舞台に現れて、それがお客さんに伝わって、本当にいい舞台になると思うので、今回の舞台では自分から提案をさせていただきました。

藤原：提案ではないのですが、僕は「このシーンではこういうことをしてみたいな」と思ったら、稽古でとりあえずやってみるんですよ。演出家さんのイメージと違ったらカットしてもらうんですけど（苦笑）、自分がやったことに対して演出家さんが「それをやるなら、こっちの方をやってみて」と違う案を出してくださって、そこから僕も「じゃあ、こういう形にしてみたい」と、どんどんよりよい方向に提案しあえたらベストだなと思っています。でも、原作物って難しいんですよ。僕たちがキャラクターにどれだけ近づけるかということが最大の課題なので……。

――原作ファンの方のなかには、キャラクターに対する確固たるイメージがありますからね。原作を読んでいる人、アニメを見ていた人、持つ印象はさまざまですから。

藤原：そうなんですよ。だって、キャラクターに対して全員が違うイメージを持ちあわせている可能性がありますからね。イメージは人それぞれですから。お客さんだって原作ファンの人、アニメファンの人、過去２回の舞台のファンの人といろいろな方がいらっしゃると思うんです。理想はその人たち全員に納得していただける舞台にしたいです。そのためにどうするか、なんですよね。

鈴木：原作物を舞台にした際に、役者さんの間で話題になるトークのひとつが、すでにアニメ化されていたりドラマCD化されたりして、声優さんの声がついている場合、それを意識するかどうかということなんですよ。声優さんの声に近づけるのなら、リスペクトのために近づけた方がいいでしょうし、でも、どうしても無理な場合ってありますよね？　それなら声を寄せるのではなくて、何か他の部分でキャラクターに近づけるところを探して演じる方がいいのかなと僕は思っているんです。もちろん、声だって近づける努力はしますけどね。

藤原：確かに……。

鮎川：僕もそう思います。

鈴木：だから、舞台は舞台なりの表現をするので、そこを楽しんでもらえたらいいなと思います。

▲玄奘三蔵役 鈴木拡樹

▲沙悟浄役 鮎川太陽

――チケットが完売したという話を聞いて、プレッシャーを強く感じましたか？　それとも「やってやるぜ！」という気持ちが強かったですか？

鮎川：僕は「やってやるぜ！」の方ですね。とてもありがたいです。

藤原：プレッシャーも感じるし、自分たちがどれだけできるかワクワクする気持ちもあるし両方ですね。

鈴木：僕は完売したという結果を聞いてホッとしました。すごくうれしいです。

藤原：客席がガラガラよりはいいもんね。

鈴木：今回、多くの方に見ていただきたいという当初の目標をチケット完売という結果によってクリアできたので、次の目標に向けて非常にいい傾向だなと思っています。


――次の目標というのは、舞台の続編ということでよろしいですか？

鈴木：実際に続編が決まっているわけではないのですが、できたらいいなとは思っています。

鮎川：僕はいつか、帝国劇場でやりたいです（笑）。１ヶ月公演とかやってみたいですね！

藤原：１ヶ月!?

鈴木：１ヶ月かどうかはさておき（笑）、ロングランもひとつの手だし、より多くの人に見てもらう方法として地方公演をやってみたいなと思っているんです。

鮎川：舞台の公演は東京や大阪がメインですけど、自分は地方在住で舞台を見に行けないという人のためにも、僕たちの方から行ってあげられたらいいですね。

藤原：ぜひ生で見てもらいたいよね。

鮎川：そうですね。舞台を収録したDVDもいいんですけど、みんなの熱さとか、空気感はやはり劇場で感じて欲しいです。

鈴木：DVDだと「鑑賞してる」って感覚になるけど、劇場で実際に観てもらえたら、お客さんも舞台を作る空間に一緒にいられるからね。

■ プレイベントで感じたお客さんの「愛」

――そういえば舞台に先がけて、1月にはプレイベントの“旅支度イベント”を行いました。そちらのチケットもソールドアウトだったそうですが、イベントはいかがでしたか？

鈴木：イベントには僕たち３人と鯛造くん、唐橋充さんの５人で参加したのですが、メンバーがステージにずらっと並ぶうれしさとドキドキがありました。特にこの２人は初登場だったので、どういう風に登場してくれるのかなと。

藤原：全然普通に登場したけど、めちゃくちゃ緊張したよ！

鮎川：え？　僕は意外と緊張しませんでしたよ。

藤原：緊張しなかったのかよ！

鮎川：緊張しているフリをしていたんです（笑）。でも、そうしたら本当に緊張してきてしまって、段々喋れなくなっちゃいました（笑）。

藤原：ステージに出る前から落ち着かない感じがしたから、「先輩のオレがしっかりしなきゃな……」って思ってたのに、あれは緊張からくるものじゃなかったの？

鮎川：その緊張感がすごかったせいで、僕にも伝染してきたんですよ。

藤原：だから途中からカオスな感じになってたのか（笑）。

▲玄奘三蔵（鈴木拡樹）

▲沙悟浄（鮎川太陽）

――舞台よりも前にお客さんと触れあってみて、どう思いましたか？

藤原：イベント後、ハイタッチでお見送りをしたんですけど、お客さんがどれだけこの作品に期待しているかバシバシ伝わってきました。だから、全力でがんばらなくちゃなって改めて思いました。
「楽しみにしてます！」とか「期待してます！」と言われて、「おいおい、ハードル上げるのやめてよ～」って最初は思ってたんですけど、みなさんの目を見ていたら「これはガチだな」って。期待に応えられるように、本当にがんばらないといけないなという気持ちになりましたね。

鮎川：作品や舞台に対するみなさんの愛がすごく伝わってきましたね。ハイタッチをしているときに、お客さんの「（舞台化を）待ってました！」という声を聞いて、『最遊記歌劇伝』が帰ってくるのを待っていてくれた人がこんなにもいたんだなと実感しました。僕とふっきーさんは新メンバーですけど、僕たちが加わってよかったと思っていただけるような舞台にしたいです。

■ ３人のオタクな一面が明らかに!?

――さて、アニメイトTVはアニメや漫画、声優さんの情報を扱うWEBサイトです。ということで、みなさんが最近はまっている漫画やアニメについてお話をうかがいたいのですが。もちろん、過去にはまった作品でもかまいません。

鈴木：はまっているアニメはいくつかあるんですけど、なかでも『進撃の巨人』と『鬼灯の冷徹』はおもしろいなと思いました。『鬼灯の冷徹』は１話完結で見れましたし、OPのにぎやかな感じとか全体通してのあのノリがすごくよかったです。
今期やっているアニメのなかでもう１つ、好きな作品があります。『弱虫ペダル』です！　アニメイトでもいっぱい宣伝していますしね。まだ放送中ですので、僕も最後まで見ますし、みなさんにも見ていただけるとうれしいです。

鮎川：僕の好きなアニメは『コードギアス』です。すでに舞台化されてますけど、機会があればルルーシュ役をやりたいです。

藤原：お前じゃ背がでかすぎるよ！　ルルーシュはそんなにでかくないからね。

鮎川：え～。

藤原：どちらかというとスザクっぽいよ。

鮎川：そうですか？　僕はスザクよりもルルーシュが好きだし、福山潤さんの声が好きなので……。あと、最近読んだ漫画は『BASARA』です。ちょうど『BASARA』の舞台に出演させていただいたこともあって読む機会があったのですが、すごくいいお話でした。そういえば僕、アニメや漫画が大好きなので、アニメイトでよく買い物してますよ。


――アニメイトに鮎川さんがいたら、周りの方にばれませんか？

鮎川：全然ばれません！　平気です。この間なんて、殺陣の練習のためにアニメイトで売ってる模造刀を買いました。サイズがいくつかあって、どれが扱いやすいかわからなかったので店内で模造刀を構えたり、振り回したりしましたよ。

藤原：太陽みたいなでかいやつが振りまわしてたら目立って仕方ないよ（苦笑）。

鮎川：決めポーズまでしちゃいました。

藤原：お前、すごいな！（笑）　ちなみに、僕は『エヴァンゲリオン』が好きです。エヴァ以外だと『AKIRA』ですね。あとは『シグルイ』が大好きです。一見するとわけがわからない設定が出てくるところとか、危機的な状況に陥ったときに考えもしない驚くような行動を起こしていたり、そういうお話に心惹かれるんですよね。いつかそういう役をやれたらいいなとも思っています。


――ありがとうございました。それでは最後に、本公演を待つファンへ向けて、メッセージをお願いします。

鈴木：みなさんの舞台化を待望するお声によって、５年ぶりに帰ってきました。期待されるのはプレッシャーであり怖さもありますが、期待しているみなさんの思いに早く応えたいという気持ちもあります。どのような舞台になるのか明確に見えているわけではないですが、各々が成長するストーリーが描かれているお話なので、きっと最後には「観に来てよかった」と思っていただけるようなものになっていると思います。もっとこの作品を愛してもらえるような舞台にしたいと思います。みなさま、期待を胸に劇場までお越し下さい。お待ちしています。

藤原：大人気の原作の舞台に出演させていただけるのは光栄です。せっかく出演の機会をいただいたので、八戒という役を今までやってきた役のなかでも「一番、心に残っている役」と言われるように仕上げたいですし、プレイベントで感じたお客さんの愛、期待の気持ちに全力で応えたいと思います。観に来たことを後悔させない、そして何か心に残るものを見せられる舞台にしたいです。

鮎川：全力でがんばるというのは当然ですが、みなさん同様作品を愛している僕たちの思いを舞台にぶつけて、最高のアクトができたらいいなと思っています。原作はもちろん、僕たちのことも愛してください！　そして「あの舞台には本物の三蔵一行がいた」と、みなさんに思ってもらえるようにがんばります。

　

▲カミサマ（平野 良）

▲金閣（柴入拓矢）

《イントロダクション》
2008年、2009年に上演され、好評を博したミュージカルがついに再始動！！
原作は、峰倉かずやの大人気コミック『最遊記』（一迅社刊）シリーズ。
三蔵一行の新たなる旅を、須らく看よ。

《ストーリー》
文明と信仰の源”桃源郷”
そこではかつて、人間と妖怪が共存を果たしていた。
しかし、突如世界を満たした負の波動により、狂暴化した妖怪が人間を襲い始める。
その元凶である大妖怪・牛魔王の蘇生実験を阻止すべく、玄奘三蔵、孫悟空、沙悟浄、猪八戒は西へと奔る。

とある道行きで沙悟浄が出会った“金閣”という少年。異形の妖怪を“銀閣”と呼ぶ彼を助けたのが事の始まり。
彼ら兄弟の背後に潜む、“カミサマ”という謎の存在、そして“先生“…。

新たな出会いが、かつてない壮絶な闘いへと導く。
各々に絡み付く過去に迷い、しかしその歩みは止まらない。
己が己を生き抜く為に…。

―――神様に喧嘩を売りにいく。ただそれだけ。


《スタッフ》
原作：峰倉かずや『最遊記』（一迅社刊）
企画・製作：CLIE
演出・脚本・作詞：三浦 香（FuncAScamperS009）
作曲・歌唱指導：浅井さやか（One on One）
振付：當間里美


《出演》
玄奘三蔵：鈴木拡樹
孫悟空：椎名鯛造
沙悟浄：鮎川太陽
猪八戒：藤原祐規

カミサマ：平野 良
銀閣：村田 充
金閣：柴入拓矢・細川晴太（Ｗキャスト）
你健一：唐橋 充


《スケジュール・会場》
会場：全労済ホール／スペース・ゼロ
スケジュール：
5月2日（金）
　19:00～（細川晴太 出演）

5月3日（土）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）

5月4日（日）
　13:00～（柴入拓矢 出演）

5月5日（月・祝日）
　13:00～（柴入拓矢 出演）
　17:30～（細川晴太 出演）

5月6日（木・祝日）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）★追加公演

5月7日（水）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）

チケット：
桃源郷シート：10,000円（税込み）※非売品特典グッズ付・前方エリア席
指定席：6,900円

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>>最遊記歌劇伝 公式Twitter／@saiyuki_kgkdn