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映画『キカイダー REBOOT』プロデューサーインタビュー

映画『キカイダー REBOOT』の誕生秘話からストーリーまで、井上伸一郎&白倉伸一郎両プロデューサーインタビュー

今から40年ほど昔となる1972年、『仮面ライダー』の大ヒットがきっかけとなって巻き起こった“変身ブーム”に乗り、1人のヒーローが生み出された。それが『人造人間キカイダー』である。

『人造人間キカイダー』は、『仮面ライダー』と同じく石ノ森章太郎原作、東映制作の連続テレビ映画として企画された。放映と同時進行で石ノ森によるコミック連載が『少年サンデー』(小学館)で行われ、こちらも高い人気を誇ることになる。

その内容は、次の通り。悪の秘密結社「ダーク」に捕らえられていたロボット工学の権威・光明寺博士は、自分で善悪の判断をすることができる“良心回路”を組み込んだ人造人間ジローを製造。光明寺とその娘・ミツ子はダーク基地を脱出するが、光明寺は記憶喪失になって行方をくらませた。ダークの首領プロフェッサー・ギルは配下の「ダーク破壊部隊」に命じてミツ子とその弟・マサルをつけ狙うが、姉弟のピンチには必ずジローがかけつける。彼はチェンジ・スイッチオン・ワン・ツー・スリーのかけ声とポーズによって「キカイダー」にチェンジし、ダーク破壊部隊に立ち向かう。しかしジローの良心回路はまだ完全なものではなく、ギルの吹き鳴らす「悪魔の笛」の音に操られそうになることがある。悪の命令に従うまいと、不完全な良心回路がギリギリの抵抗を試みる。正義と悪との狭間で苦悩しながら、ジローは光明寺博士とミツ子、マサルを再会させるべく、果てしない戦いの道を行く。

この『人造人間キカイダー』が2014年5月24日、装いも新たに劇場映画『キカイダー REBOOT』として復活する。それでは、今回の映画の仕掛人というべき、エグゼクティブプロデューサー・井上伸一郎(KADOKAWA代表取締役専務)氏と、プロデューサー・白倉伸一郎(東映取締役企画製作部長)氏のお2人に、往年のヒーロー“再起動”についてのお話をうかがった。

▲東映・白倉伸一郎氏(左)、KADOKAWA・井上伸一郎氏(右)

▲東映・白倉伸一郎氏(左)、KADOKAWA・井上伸一郎氏(右)

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■ 二人の熱い想いが動かしたキカイダーの再起動


――そもそも、約40年ぶりに『キカイダー』を甦らせることになったいきさつを教えていただきますか。

井上:まず、単純に私がかつての『人造人間キカイダー』という作品が大好きだったことが挙げられます。当時は中学2年生だったのですが、ロボット=人造人間なのに人間と同じ“心”を持ったジローの人物像に、心奪われていたんです。2年前、たまたま白倉さんと一緒に会食する機会があり、そこで私が「来年は『キカイダー』40周年ですけれど、東映さんは何か企画がおありなんですか?」とお尋ねしたんです。

白倉:そして、そのときは「特に何もありません」とお答えしたんですね。

井上:それならば、と、僭越ながら私自身が劇場映画の企画書を作らせてもらって、東映さんに吟味していただいた。これが直接のきっかけになりますね。後で知ったことですが、実は白倉さんも『キカイダー』に並々ならぬ愛情をお持ちだったそうですね。

白倉:おっしゃるとおり、私にとっても『キカイダー』は重要な作品でした。それだけに、リメイク作品を作るのは難しいと思っていました。おそらく井上専務から持ってこられたお話でなかったから、この企画は実現していなかったのではないか、と思うんです。

■ 40年経っても変らないキカイダーの「本質」

――新作映画『キカイダー REBOOT』のターゲットは、かつてテレビの『キカイダー』を観ていた大人ファンでしょうか。あるいは、現在「平成ライダー」と呼ばれている『仮面ライダー』シリーズを楽しんでいる子供たちでしょうか。

井上:もちろん、大人ファン、子供ファンどちらの世代にも楽しんでもらえるような内容になっていますけれど、その中間といいますか、つまりライダーやスーパー戦隊シリーズを“卒業”した少年少女たちが観て、面白いと思ってもらえるような作品を目指しています。

白倉:たとえば、今テレビで放送している『仮面ライダー』シリーズだと、いくら年長のファンが多くなっていても、コアターゲットが“子供たち”という部分は絶対に動かないんです。今回、テレビ番組の劇場版という形でない『キカイダー』という単発のヒーローにしたことにより、従来の東映ヒーローとは違った高めの年齢層にターゲットを置くことができたんです。

――REBOOT=再起動ということで、ストーリーもかつての『キカイダー』から大きく変わりましたが、一方で、変わらずに受け継いでいる要素などはありますか。

井上:まず何より、キカイダー=ジローが“心”を持ったロボットだという部分は大事にしていますね。これは私の解釈なのですが、不完全な良心を持つ人造人間のジローは「思春期の少年」の象徴だと思うんです。

善、悪どちら側にも揺れ動いでいく不安定さ。それは自我が確立していない少年期独特のものです。そういった人間の内面を、青と赤に分かれた(キカイダーの)ビジュアルとして表現しているところが、石ノ森章太郎先生の凄いところだったんですけれど。ストーリーを突き詰めていくと、ロボット=機械に“心”を与えることにより「人間にとって“心”とは何か」というテーマをストレートに描くことができるのだと思います。

また、ロボットのジローと人間のミツコが互いに心惹かれるという“恋愛”の要素も大切ですね。従来の特撮ヒーロー作品であまり深く描かないところですが、これもジローがロボットであることによって、素直に打ち出すことができました。

白倉:『キカイダー』を現代風に作るということ自体は、大きなテーマではないんです。今のスタッフが作ると、おのずと今風になるのは当然ですし、昔のように作ることは不可能ですから。

『REBOOT』を作るにあたって私たちが考えたのは、かつての『キカイダー』の本質の部分をきちんと描くためにはどうすればいいか、ということだけです。まず初めは、主役であるキカイダーが「ロボット」だということに向き合わざるを得ない。人間の感情なら人間同士だから理解できるけれど、“心”を持ったロボットの思考となると、これは我々には解らないんじゃないか、とか。でも、そこから目を背けるわけにはいきませんからね。さんざん思考に思考を重ねて、ようやく見出した結論とは「ロボットだって人間だ」ってこと(笑)。

井上:寓話的というか、「不完全な良心回路を持つロボット」に、実際の人間(思春期の少年)の心を投影して描いていくわけですね。これが人間だけのドラマだと、ちょっと気恥ずかしい感じになるんですが、人間をロボットに置き換えることで、その内面を素直に描くことができる。

白倉:本来ロボットというのは、人間から何らかの命令を受けないと動くことができない存在です。何も命令されなければ、ただ立っているだけ。でもジローは自分で考え、善と悪を判断することのできるロボットです。だから、ジローは常に「自分って何だろう」と考えながら生きていくんです。『キカイダー』はヒーローものですから、アクションをして敵を倒していきますが、そうしながらも、自己について考え続ける存在なんですね。

井上:ただ、今回の映画では敵をかっこよくやっつけるのもありますが、かなり痛めつけられる場面もあるんですよ。もともとかつての『キカイダー』でも、片腕が切断されたり、全身バラバラに破壊されたことがあったでしょう。

白倉:そういうの、ロボットヒーローならではですよね。仮面ライダーがバラバラになったら、まず助からないような気がする(笑)。

井上:ロボットだから、身体のパーツが破壊されることもある。そういうキカイダーというヒーローの持つ無常観のような要素も入っています。

■ 間違いや迷いのない、これぞ現代の『キカイダー』が完成!

――設定面やキャラクターは現代風に洗練されているけれど、かつての『キカイダー』が持っている人間ドラマ風味などは現在の視点で吟味され直し、より深みを増しているような印象ですね。

白倉:上っ面の要素を加えて『キカイダー』“っぽい”作品を作るのは避けたかった。『キカイダー』の本質を突き詰め、その上で新しい作品として作りたかったんです。

井上:今だったらこう作るでしょ、みたいなところは、だいたい外している(笑)。新しくした時点で「俺の思っている『キカイダー』はこんなのじゃない」なんて思われるファンの方たちもいらっしゃるかと思いますが、私と白倉さんの中では、間違いや迷いのない、これぞ現代の『キカイダー』だといえる作品になりました。
 

――ご自身も大の特撮ヒーローファンという漫画家の村枝賢一さんがリニューアルデザインされた、キカイダーとハカイダーのビジュアルは実にカッコいいですね。

井上:キカイダーの頭部は昨年の2月ごろに早々と仕上がっていました。ほんとうに、マスクがすごくハンサムに作られていたのが嬉しかったです。私の師匠の一人・富野由悠季さんから「ヒーローの顔はハンサムでなければならない」とことさら教えられていたんですが、このキカイダーも周囲のみなさんから「ハンサムですね」と言われていて、喜ばしい限りです。デザインと造型の素晴らしさに、満足しています。

白倉:かつての名作をディテール面だけで甦らせるのではなく、精神的、本質的なところから復活させなければいけない、それは私たちの義務だと思っています。撮影現場でキカイダーのマスクをたびたび覗き込みながら、そんなことを考えていました。

■ 『キカイダー』の続編はあるのか?


――お2人とも『キカイダー REBOOT』の出来にはご満足していらっしゃるようで、こちらとしても期待が高まります。少々気が早いですが、今後『キカイダー』の続編を作るというお考えなどはありますか。

井上:『キカイダー REBOOT』がもしも当たれば、当然次にコマを進めたいですから、続編の構想もありますよ。キカイダー01、ビジンダー、ワルダーなどの新キャラクターが復活する可能性もゼロではないですね。

白倉:そういえば、キカイダー復活のニュースをご覧になったファンの人から「ビジンダーやワルダーは出ないのか」なんて質問があったそうですね。でもそれって『キカイダー01』のキャラクターだから(笑)。

――『キカイダー』以外にも、井上さん白倉さんで手がけてみたいリメイク作品などはありますか。

井上:そりゃいろいろありますけれど、ここで好き放題なこと言っても妄想に終わってしまいかねませんから、少ししか言わない(笑)。弊社の『大魔神』や、東映さんの『怪竜大決戦』のような、特撮を使った時代劇の大作なんて、やってみたいですね。『新幹線大爆破』のようなパニック・サスペンスものも、魅力的です。

白倉:『北京原人2』ですかね。実は『キカイダーREBOOT』の撮影中、出演者の本田博太郎さんにお会いして『北京原人』のスチールとDVDパッケージにサインしていただいたんです(笑)。家宝にしています。

井上:正直、まずは映画『キカイダーREBOOT』を、できるだけ多くのお客様にご覧いただきたいんです。まずはヒットを打って、塁に出ないことには何も始まりませんから。そしてもしご好評をいただくことができたら、また白倉さんと一緒に新しい作品を創造していきたいです。本当に、そういうチャンスをいただけたら嬉しいですね。

【DATA】
キカイダー REBOOT
5月24日(土)ROADSHOW

《キャスト》
入江甚儀
佐津川愛美 高橋メアリージュン
原田龍二 中村育二・伴大介・山中聡 長嶋一茂
本田博太郎 石橋蓮司
鶴見辰吾

《スタッフ》
原作/石ノ森章太郎 監督/下山天 脚本/下山健人
音楽/吉川清之 アクション監督/田渕景也(Gocoo) VFXスーパーバイザー/美濃一彦(ツークン研究所)

《作品紹介》
<Introduction>
 1971年、「仮面ライダー」のスタートによって開幕した“変身ヒーロー”の時代。
 翌年、巨匠・石ノ森章太郎が新たに挑んだのが、「仮面ライダー」の“改造人間”に対して“人造人間”=アンドロイドを主人公とした「人造人間キカイダー」だった。
 ロボット工学の権威・光明寺博士によって、体内に不完全な「良心回路」を埋め込まれて誕生したアンドロイド・ジローは、その「良心回路」の存在ゆえに、正義と悪の感情を持って、苦しむことになる。人間とアンドロイドのせつないラブロマンスや、宿命のライバル・ハカイダーの存在といった要素が幅広い層に受け入れられ、「キカイダー」は高い人気を博した。今もなお「キカイダー」を“石ノ森ヒーローの最高傑作”として支持するファンは多い。
 そんな「キカイダー」が、最新の造型&VFX技術や、今日的なテーマ性を備えた物語とともに“再起動”する。原作やテレビシリーズが持っていた魅力を再構築した完全新作『キカイダー REBOOT』の誕生だ。
 ??これは日本における「ヒーロー映画」の、新時代への第一歩である。

<Story>
 ロボットの平和利用によって日本国民に幸せをもたらそうという「ARKプロジェクト」が進行していた。しかし、その過程で、ロボットに“心”=「良心回路」を持たせようとした主任研究員の光明寺博士と、それを否定する立場の研究員ギルバート・神崎が激しく対立する。
 そんなとき、光明寺博士が非業の事故死を遂げた。彼が息子・マサルの体に残した研究データを狙って、謎の特殊部隊が動き出す。狙われるマサルと、その姉・ミツコを守ったのは、光明寺が造ったアンドロイド・ジロー。やがてミツコとジローは人間とアンドロイドの壁を越え、静かに“心”を通わせていくが、ジロー=キカイダーを破壊しようとする暗黒の戦士・ハカイダーが現れて??!

>>映画『キカイダー REBOOT』公式サイト

(C)石森プロ・東映 (C)2014「キカイダー」製作委員会
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