音楽
『牙狼』 JAM Projectインタビュー

「何話か重ねて観ていくと、歌詞に込めた意味がわかってくる」テレビアニメ『牙狼<GARO>-炎の刻印-』連続インタビュー企画 オープニングアーティスト JAM Project

 人気特撮作品『牙狼<GARO>』(以下、牙狼)がアニメ『牙狼-炎の刻印-』として10月より放送中! 実写版からのファンも、アニメファンもうならせるクォリティになっている。そんな話題作『牙狼<GARO>-炎の刻印-』の放送を記念して、リレーインタビュー企画をお届けしている。

 今回はOP主題歌「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」を歌うJAM Project。2005年10月にスタートした『牙狼<GARO>』から主題歌を担当。影山さん自身もザルバ役で声優出演している。そんな作品と縁深いJAM Projectの5人にお話をうかがった。

■ アニメ化に驚き、実写版と違う新鮮な世界観と描写力に感動

――『牙狼<GARO>』のアニメ版が始まると聞いた時の感想とアニメをご覧になった印象は?

遠藤正明さん:まさかアニメになるとは思っていなかったので「えっ!?」という感じでした。果たしてアニメに合うのかな? と。アニメの映像を見せていただいたらバッチリ合っていて、こういう世界観っていいなと思いました。舞台もヨーロッパ風に変わっているのも新鮮でした。

景山ヒロノブさん:『牙狼』が長く続いて人気があるのは関わらせていただいて知っているけど、アニメにして大丈夫なのかな?と。同じストーリーでやるのかなと思っていたんですよね。でも見てみたら、いい意味でショックを受けました。実写版とはまったく違う世界観で、僕は『鋼の錬金術師』が好きだったりするので、ヨーロッパ風のお城っぽい建物とかが出てくるストーリーっていいなと思いました。

奥井雅美さん:最初に聞いた時、アニメになるイメージがなかなか想像つかなくて。見てみたら、むしろアニメだからこそ描ける部分やアニメならではのスピード感があって。黄金騎士の鎧のメタリックなツヤもちゃんと出るのかなと思っていたら、しっかり再現されていてすごいなと思ったし、スタッフの皆さんのすごい愛情を感じました。そして長く見たいなと。

きただにひろしさん:アニメになると聞いてぜひ観てみたいなと思いました。オンエア日に見てみたら、凄く分かりやすいストーリーで、入りやすいなと感じました。あとシリーズで受け継がれているセクシーな部分もしっかりあって。「こんなシーンが!?」と興奮しちゃいました(笑)。

影山さん:お前、おっぱい好きだもんな。(笑)

きただにさん:(笑)。ゾロという魔戒騎士がいて、そこも「なるほど!」と思いました。

福山芳樹さん:あんなに細かく動くのはすごいですね。特撮の時から細かい作品だったけど、アニメとして描くとなると大変だろうなって。しかもすごいスピードで動いていて、強烈だなと思いました。あと僕らの曲が流れるOP映像が特色があって好きです。昔のサイケを思い出して。

きただにさん:昭和テイストですよね。

福山さん:絵の具で塗ったようなタッチで。斬新ですよね。

 
■ 影山さん演じるザルバ、アニメ版はマイルド!?

――影山さんは今作でも声優として参加しているんですよね?

影山さん:今日は曲の話だからいいよ。

奥井さん:そこが重要ですから。

きただにさん:これで僕ら、声優ユニットになれますね(笑)。

影山さん:実写版と同じように、主人公が持つ魔導輪ザルバという意志のある指輪の役です。収録は基本、抜き録りですが、むしろみんなと一緒じゃなくてよかったです。順番でマイクに近寄って、セリフを言って戻るなんて、できないんですよ。台本めくるのも雑音とか出しそうで。

奥井さん:私も絶対できない。

影山さん:立場的には実写と一緒だけど、生意気さは少しマイルドになったように感じます。

奥井さん:ザルバがどうレオンと出会うのか、いちファンとしても楽しみです。

影山さん:どんな登場をして、アニメ版ではどう違うのか、見てください。お楽しみにとは言いません(笑)。


■ OP曲「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」の作品名の連呼はアニソンの王道!

――JAM Projectが担当するOP曲「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」は、作詞が奥井さん、きただにさんが作曲ですが、どんなイメージで作られたのでしょうか?

きただにさん:舞台が中世のヨーロッパみたいな感じと言われて。あと"GARO"という言葉はどこかに入れてほしいとも。それなら最初に叫ぶでしょうと(笑)。まずそこから作っていって、あと外国と中世という時代背景を元に様式美、ゴシックな雰囲気にしたいと思って、速い曲にしようとかいろいろ考えて、この形に着地しました。

奥井さん:実写の時のイメージがどうしても残ってしまっているので、新鮮なものを入れたいなと思ったのと、ダニーがアニソンを意識して曲を作ってきたのがわかったので、曲の頭はやっぱり"GARO! GARO!"だろうなと。実は一度”GARO!”じゃない歌詞も考えたんですが”GARO!”のほうがいいかなと思ってそのままにして。あとはいただいた台本を読み込んで、ストーリーを歌の世界の中に込められるように書きました。"炎の刻印"はキーワードなので曲名や曲中に使って。

――サブタイトルの"DIVINE FLAME"は"神の炎"?

奥井さん:そうですね。主人公のレオンが生まれたのも炎にまつわる因縁があるし、黄金騎士は尊い存在なので、炎も神聖なものなんだということは入れたくて。

 

■ 複雑で美麗なコーラスワークとストーリーを暗示する歌詞の意味に注目!

――楽曲を聴いた時の印象や聴きどころは?

遠藤さん:今までの『牙狼』の曲と違って、アニソンだなと最初に思いました。曲頭の"GARO"の連呼はやはりインパクトがあって、わかりやすいなって。

影山さん:作品がアニメになって大きく変わったように、主題歌も質感が変わってかなり新鮮かなと思いました。最初にムードがある女性コーラスが流れる中、"GARO!"のフレーズに入るところはいいですね。

奥井さん:コーラスがたくさん入るのがJAMの味なのでそこははずせないかな。私、みんなの声が好きで、フルサイズでみんなの声が入るとその迫力に感動しちゃうんです。

きただにさん:車の中で聴いてて、頭に残るのは2番のBメロの後半の"真(まこと)の魔に操られる堕ちた奴らを焼き尽くせ"で。理由はわからないんですけど。

奥井さん:実は何話か重ねて見ていくと、歌詞に込めた意味がわかってくるので、ぜひ毎回見て、シングルを買って聴いてください!

福山さん:僕はBメロの頭が好きです。理由は自分が歌っているから。いいメロディだね?

きただにさん:ありがとうございます(笑)。

福山さん:メロディがキャッチーで覚えやすいのに、コーラスの面倒くさいことと言ったら。アレンジャーの須藤賢一さんの独特のコード進行を再現するのがすごく難しくて。録音しながら5人で順番に重ねていくんですけど、4つくらい重ねた後に「ああ! そういうコード進行なんだ!」とわかるくらい複雑なコードなので。

きただにさん:和音がすごいんですよね。

――聴く側としては美しいハーモニーだなとただ感心するだけですがそんな苦労が。

福山さん:そこは職人魂で頑張りました(笑)。

 
■ カップリング曲「WONDERERS」も作品を意識。男の色気や寂しさを表現したバラード

――カップリング曲「WONDERERS」も奥井さんが作詞で、きただにさんが作曲なんですね。

きただにさん:こちらも『牙狼』の世界観で書いた曲で、なぜかバラードかなと思って。また「男の色気を書きたい」とまっくんが言ったので。JAMではなかなかない曲かなと。

奥井さん:私は表題曲よりもカップリングのほうが好きで、作詞魂がうずいてきました。特に作品で曲が流れるということではないけど、作品の世界観に沿って作っておこうと。今まで『牙狼』の楽曲をたくさん作ったり、歌ってきたけど、背負っている部分や寂しさをクローズアップしたことがなくて、JAMで歌う主題歌は強くなければいけないし。これは良い機会だなと思って。レオンが若い主人公であり、お母さんが命をかけて産んでくれたこともあって、彼の持つ孤独感や寂しさを表現しようと書きました。歌詞はすごく気に入ってます。自分で言うのもなんですけど(笑)。そして男性ボーカルメインで、女性はコーラスに徹しています。

――お二人が作った楽曲を聴いた感想は?

影山さん:JAMの主題歌やテーマ曲といったタイアップだけ聴いている、知っている人には新鮮に聴こえるだろうなと思います。JAMはハードな曲が表に出てますが、カップリングではこういう落ち着いた曲もやっているし、シングルならではだと思うので、また違ったJAMの魅力に触れてほしいです。

遠藤さん:聴きどころは間奏明けの僕のソロかな(笑)。注目して聴いてください!

福山さん:きただにひろしの甘いメロディと、『牙狼』を愛する奥井雅美のまさに結晶だなと。僕も心を込めてハモりました。

奥井さん:作中でかけてほしいくらいの気持ちで書いたので。

影山さん:言っておけば使ってくれるんじゃない?

奥井さん:ではぜひ影山さんからもプッシュを(笑)。劇場版『牙狼<GARO>~蒼哭ノ魔竜~』のテーマ曲で影山さんが作詞作曲した「風?旅立ちの詩?」も哀愁がある曲だけど、それとは違う哀愁を、ダニーの色っぽいメロディにのせて。

福山さん:そういえばバックコーラスがなかなか決まらなくて苦労したね。

奥井さん:その追っかけコーラスも聴きどころです。今後のJAMもライブ尽くしで世界を股にかける!

――今回のシングルのジャケットのイメージは?

奥井さん:表紙はアニメですが、僕らの写真も使われてます。今、着ている衣装で。

影山さん:俺も! 『牙狼』の取材だから同じほうがいいかなと思って。

遠藤さん:俺は前の時のかもしれない。

影山さん:(きただにさんを見て)お前は私服だろ?

きただにさん:私服じゃないです。でもジャケット撮影の時の衣装とは違います(笑)。

奥井さん:いつも衣装は黒が基調だけど、少しずつ変化を見せようと思っているですが、これがなかなか難しくて(笑)。

福山さん:アニメの絵と、僕らの新しい写真、どちらか好きなほうをお楽しみください(笑)。

――JAM Projectの今後の予定を教えてください。

影山さん:11月15、16日に『ランティス祭り』の東北公演、11月22日に『ANIMAX MUSIX 2014』に出演して、年が明けると1月からラスベガス、香港、シンガポール、ソウル、台北などを回る『ランティス祭り』の海外公演が始まります。相変わらずのライブ尽くしになりそうです。もちろん、その間に新しい楽曲作りも並行して。「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」もどこかで歌いたいと思っているので、楽しみに待っていてください。

 
■ JAMにとっても記念碑的な作品。ずっと関わりたい

――では、皆さんへメッセージをお願いします。

遠藤さん:『牙狼』の曲をずっと歌わせていただいてますが、初のアニメ版でまた僕らが歌わせていただけるということでワクワクしながらも気合を入れて歌ったので聴いてください。あと覚えて、カラオケで歌ってください。気持ちいいですよ!

奥井さん:作品とシンクロさせながらフルで曲を聴いていただくことで、話が進んでいくうちにいろいろなことが明らかになっていくはずです。アニメもJAMのOP曲も一緒に楽しんでください!

きただにさん:『牙狼』が始まった時から主題歌を歌わせていただいて、アニメ版でも『牙狼』ファンの方に「やっぱり、JAM!」と喜んでもらえるように歌っていきたいと思います。

福山さん:『牙狼』の1話が放送してから9年、この取材日から10年目に突入したと聞いて驚いてます。

影山さん:ということは俺も声優歴10年目か(笑)。

遠藤さん:ベテランですよ!

福山さん:JAMとして特撮作品の主題歌を担当したのも初めてだし、こんなに長く関わった作品もたぶんなくて、僕らにとって記念碑的な作品になりました。『牙狼』あってのJAMかなと。雨宮監督が死ぬまでと言うのなら、生き残って歌うだけです!

影山さん:今回のアニメ版は今まで『牙狼』が好きだった人は絶対大好きになってくれると思うし、『牙狼』を知らずに見たアニメファンの人にも受け入れてもらえる作品になったと思います。そこに今まで主題歌を担当させてもらった僕らが関われたことはすごくラッキーです。いい意味で『牙狼』が変わったように、僕らも少し変われたかなと。10年目という節目でのアニメ化ですが、これからも『牙狼』ワールドが続いていくようにJAM Projectも応援したいし、関わっていきたいと願っています。ぜひ皆さんも応援してください。


JAM Project「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」<br>2014年10月22日発売<br>1296円(税込)<br>発売:ランティス

JAM Project「炎ノ刻印-DIVINE FLAME-」
2014年10月22日発売
1296円(税込)
発売:ランティス

■INDEX
1.炎ノ刻印-DIVINE FLAME-
<TV アニメ『牙狼 -炎の刻印-』オープニングテーマ>
作詞:奥井雅美 作曲:きただにひろし 編曲:須藤賢一
2.WANDERERS
作詞:奥井雅美 作曲:きただにひろし 編曲:鈴木マサキ
3.炎ノ刻印-DIVINE FLAME-(Off Vocal)
4.WANDERERS(Off Vocal)

<「牙狼<GARO>-炎の刻印-」とは>
 テレビアニメ「牙狼<GARO>-炎の刻印-」は、監督に期待の新鋭・林祐一郎氏、シリーズ構成・脚本にはTVアニメ「進撃の巨人」などでお馴染みの小林靖子氏を起用し、声優陣も主人公のレオン・ルイスに浪川大輔さん(『Persona4』主人公/鳴上悠)、父親のヘルマン・ルイスに堀内賢雄さん(『ガンダムZZ』マシュマー・セロ)、王子アルフォンソ・サン・ヴァリアンテに若手の野村勝人さん(『I"s Pure』瀬戸一貴)、謎の女魔戒法師エマには朴璐美さん(『鋼の錬金術師』エドワード・エルリック)といった豪華声優陣を起用。
 これまでのファンはもちろんのこと、初めて『牙狼<GARO>』を見る方でも楽しんで頂ける新しい『牙狼<GARO>』です!

<牙狼<GARO>とは>
 2005年にテレビ東京系列で放送開始された特撮シリーズ「牙狼<GARO>」。最新のCG/VFX技術を駆使し、雨宮慶太監督が生み出す独特の筆文字を取り入れたスタイリッシュな映像で、大人のための特撮ドラマとして独自の歴史を築き続けている。
4月からはテレビシリーズ第4弾『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』が放送中。10月からは初のアニメシリーズが放送開始。

<放送スケジュール>
★10月3日からテレビ東京系6局、スターチャンネル(BS10ch)【無料放送】、CSチャンネル・ファミリー劇場にて放送START!

[テレビ東京]10月3日より 毎週金曜深夜1時23分~
[テレビ大阪]10月3日より 毎週金曜深夜2:10~
[テレビ愛知]10月3日より 毎週金曜深夜2:05~
[テレビ北海道] 10月3日より 毎週金曜深夜1時23分~
[テレビせとうち] 10月3日より 毎週金曜深夜1時53分~
[TVQ九州放送] 10月4日より 毎週土曜深夜1時55分
 ※第1話~第2話のみ土曜深夜 2時25分
[スターチャンネル(BS10ch)【無料放送】] 10月10日より 毎週金曜20時15分~
[CSチャンネル・ファミリー劇場] 10月17日より 毎週金曜23時00分~

<STAFF>
原作:雨宮慶太
監督:林祐一郎
シリーズ構成:小林靖子
キャラクターデザイン協力:武井宏之
アニメーションキャラクターデザイン:菅野利之
美術監督:橋本和幸
撮影監督:淡輪雄介
CG監督:金本真
音楽:MONACA
音響監督:久保宗一郎
アニメーション制作:MAPPA/東北新社
製作:東北新社

<キャスト>
レオン・ルイス(CV:浪川大輔)
ヘルマン・ルイス(CV:堀内賢雄)
アルフォンソ・サン・ヴァリアンテ(CV:野村勝人)
エマ・グスマン(CV:朴璐美)



>>TVアニメ「牙狼<GARO>-炎の刻印-」公式サイト
>>TVアニメ「牙狼<GARO>-炎の刻印-」公式ツイッター(@anime_garo)

(C)2014「炎の刻印」 雨宮慶太/東北新社
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