魅力のすべてが詰まった、まさにど真ん中のルパン! 藤井ゆきよさん、アニメ『ルパン三世』との向き合い方
日本テレビほかで好評放送中の30年ぶりの新テレビシリーズ『ルパン三世』。イタリアとサンマリノ共和国を舞台にルパンファミリーの新たな物語が描かれる、本シリーズ待望のBlu-ray&DVDが2015年12月23日(水)よりリリース開始となります。今回、物語のキーパーソンである新キャラクター、ロッセリーニ財閥の若き会長で世界的なゴシップクイーン「レベッカ・ロッセリーニ」を演じる藤井ゆきよさんにインタビュー! 『ルパン三世』に出演した気持ちやレベッカを演じる上で意識したことや作品の見どころなどたっぷりお話をうかがいました。
■ とにかくじゃじゃ馬でわがままになるように意識しました
――『ルパン三世』への出演が決まった時の率直な気持ちをお聞かせ下さい。
レベッカ役・藤井ゆきよさん(以下、藤井):「まさか!」という感じで本当にびっくりしました。私だけでなくマネージャーさんも事務所のみんなも、大抜擢に驚いたほどです。
――ゲストキャラではなく物語のキーパーソンですからね。
藤井:そうなんです。そうそうたる皆さんが演じられているルパンファミリーの中に大事な役として絡んでいくのは、嬉しいと同時に責任の重大さでナーバスにもなってしまって。アフレコには毎回吐きそうなぐらいドキドキしながら向かっていました(笑)。当時は緊張のあまり、テレビCMで「ルパン・ザ・サード♪」と流れるたびに背筋がシャンとなっていました。
――どのような経緯でレベッカ役に決まったのでしょうか?
藤井:『ルパン三世』のプロデューサーさんが別の現場で私のことを見かけて、次のシリーズのヒロインのイメージに合うと思っていただいたみたいです。それでオーディションの話をいただきました。
――特にどういったところが?
藤井:どこなんですかね(笑)。レベッカはとにかくじゃじゃ馬でわがままな子なので、設定を見た時に「私はどういう風に映っているのかな?」と思ったんですよ(笑)。天真爛漫なキャラクターに合うと思っていただけたなら嬉しいです。
――藤井さんとレベッカの似ているところはありますか?
藤井:物怖じしないレベッカに比べて私は緊張しいですし、自分では似ているところはあまりないと思っていたのですが、彼女を意識して過ごしていたので、少し似てきたところもあるかと思います。ビールは克服しましたし、フライドポテトもよく食べるようになりました(笑)。
――そんなレベッカを演じる上で意識した点を教えて下さい。
藤井:ディレクションでは、「こうくるだろうというところで、そうこない子」や、「じゃじゃ馬で野生児みたいな感じ」「とにかくわがままに、かわいくならなくていい」とのことだったので、いわゆるヒロインらしい可愛さは意識しませんでした。私はこう思うけど、レベッカはこういう時どう思うんだろうなぁ、とずっと考えてました。今思えば考え過ぎちゃってたくらい(笑)。もっとシンプルでよかったのかもしれません。
――でも、わがままを許しちゃいそうな可愛さがありますよね。
藤井:それはきっと絵のおかげだと思います。出来上がった映像を見たら絵がとてつもなく可愛くて、くるくる変わる表情でレベッカのわがままで奔放なところまで魅力的にしちゃってるんです。絵を見ずにセリフだけを聴くとあまり可愛くないと思いますよ(笑)。
――『ルパン三世』の世界に入るということで気をつけた点はありますか?
藤井:私自身はとても小心者で緊張してしまうタイプなんです。でも、レベッカはそんなことを気にもとめない子なので、責任の重さに飲まれていてはレベッカを演じられないと思い、現場では必要以上に『ルパン三世』だと考えないように心がけました。そうそうたる先輩方のことも収録中は気にしないように、「キャストの皆さんは野菜だ!」と思って(笑)。
――実際に現場の雰囲気はいかがでしたか?
藤井:先輩方が本当に温かい雰囲気を作ってくださいました。私以外にも新人の役者さんは『ルパン三世』というタイトルに緊張してスタジオに入ってくるんです。そんな時に冗談を言ったり声をかけるなどの気配りを毎回してくださって、温かな中で収録することが出来ました。
■ 初恋の相手は石川五エ門かもしれません(笑)
――小さい頃は『ルパン三世』をご覧になっていましたか?
藤井:学校から帰ってくると夕方に赤ルパン(ルパン三世 2ndシリーズ)の再放送をしていて、国民的なアニメとして当たり前のように見ていました。説明しなくてもみんながルパンのことを知っているのって、すごいことですよね。
――その当時はどのキャラクターが好きでしたか?
藤井:五ェ門が好きでした。今見ると五ェ門はお茶目なところも多いですが、当時は“格好いい理想の男性”と思っていて……初恋だったかもしれないです。でも、大人になってと次元の良さに気づきました(笑)。そして今回ヒロインとして関わると、ルパンの頭の良さや切れ味、困った子であるレベッカを見捨てずに助けてくれるところなどが格好良く感じて。ルパンが1人でいる時に呟く台詞もとっても格好良いですよね。
――ルパンは浮気性なところがありますよ?
藤井:女性に弱いところはあるけど、それはルパンの優しさであって女ったらしではないですから(笑)。
――子供の頃は表面しか見えなかったものが、大人になると表面以外の魅力を感じますよね。
藤井:そうなんです。ふざけている裏には気づかいがあって。例えば第10話でレベッカと不二子の直接対決があるのですが、最終的にはどちらも傷つかせないためにあえて2人からフラれちゃうんです。大人になってからルパンの見え方が変わりました。
■ 第1話にはすべての要素が詰まっています
――Blu-ray&DVD第1巻に収録される第1話〜第3話の見どころを教えて下さい。
藤井:3話とも見どころ満載ですが、やはり第1話が印象的でした。「ルパンってこうだよね」「まさにど真ん中のルパンだな」って。ルパン役の栗田貫一さんが1話を見て「五目寿司を食べたみたい」とおっしゃっていたように、ギュギュッとルパンの魅力とキャラクターの個性が詰まっています。あと、オープニングがめちゃめちゃ格好良くてセンスの塊だと思いました。しかも、片目をつぶったら3Dに見えるらしいですよ!(笑)
――ルパンらしさがしっかりあるだけでなく、現代風のテイストも感じますよね。
藤井:舞台がイタリアなこともあり服装がオシャレで、レベッカや不二子は毎回衣装が違っています。そういった現代的なところを取り入れつつ、キャラクターの絵は強弱のついた太めの線を使って昔ながらの雰囲気も大事にしていて。新旧合わせた魅力になっていると思います。
――第1巻には藤井さんと栗田貫一さん、沢城みゆきさんによるオーディオコメンタリーも収録されます。こちらの聴きどころをお聞かせ下さい。
藤井:緊張しちゃって、あまり上手く喋れてないんですよ(苦笑)。私は新キャラクターとして参加させていただいていますけど、栗田さんも沢城さんも役を引き継いでいらっしゃるので、その重圧の話は聴き入ってしまいました。2人のこれまでの歴史を感じられるコメントはぜひ聴いてもらいたいです。
――オンエアではまもなく第1クールが終了となります。その中で好きな話を挙げるとすればどれでしょうか?
藤井:個人的にホーンテッドホテルの回(第8話)が好きです。最後にルパンがカーラに言うセリフは、とても切ないけど印象的でした。毎回30分があっという間に感じます。
――レベッカは世界的な大財閥の会長ですが、もし藤井さんがそういう立場だったら何をしたいですか?
藤井:私は両親に家を買ってあげることが夢なんです。でも、レベッカぐらいのお金持ちならいくつでも買えますね(笑)。
――ご自身のことで何か希望は?
藤井:やはりお芝居をすることが好きなので、大好きなスタッフさんや役者さんたちと一緒に面白い作品を作りたいです。すっごいお金をかけて素敵なアニメを作ります!(笑)
――1月からスタートする第2クールの見どころをお聞かせ下さい。
藤井:第2クールには、まさかの強敵が出てきます。「その人が敵になっちゃうんだ!」とびっくりすると思いますよ。レベッカは第1クールで過去のことがいったん落ち着き、そこからルパンとの関係がどうなるのか注目して下さい。私は最終回のルパンとレベッカの会話が本当に好きなんです。栗田さんのお芝居が胸に染み入ってくるいいシーンなので、放送を見るのが楽しみです。
――最後にメッセージをお願いします。
藤井:キャストはもちろんのこと、スタッフの皆さんも本当に丁寧なお仕事をされていて、見ているだけで愛情がひしひしと伝わり胸がいっぱいになります。たくさんの愛が詰まった本当に素敵な作品なので、まだテレビシリーズを見ていない人はBlu-ray&DVDでぜひ見てもらいたいです。そして1月にはテレビスペシャルも放送されます。こちらも合わせてよろしくお願いします!
――ありがとうございました!
<Blu-ray・DVD 商品概要>
■ルパン三世 PART IV Vol.1
発売日:2015年12月23日(水)
価格:[Blu-ray]6,000円+税 / [DVD]5,000+税
本編:約72分(#1~3)+特典映像
【仕様】
・横堀 久雄描き下ろし三方背BOX
・友永 和秀描き下ろしデジパック
【音声特典】
オーディオコメンタリー
(第1話:栗田 貫一×沢城 みゆき×藤井 ゆきよ)
【特典映像】
ノンクレジットOP/ED
【封入特典】
ルパン三世シリーズスタッフ色紙集、予告状型ストーリーカード
>>「ルパン三世」公式サイト