『マイマイ新子と千年の魔法』原作が、片渕須直監督の解説付き文庫化

大ヒットアニメ映画『この世界の片隅に』のルーツであるアニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』原作が、片渕須直監督の「解説」付きで緊急文庫化

 クラウドファンディングで制作資金を集めた作品ながら、上映館は200以上に広がり、興行収入も20億円を超えた大ヒットアニメ映画『この世界の片隅に』。

 2017年6月8日(木)、そのルーツとして今にわかに再注目を浴びている『マイマイ新子』が、片渕須直監督の「解説」、浦谷千恵作画監督の描き下ろし挿画付きでに文庫化することが決定しました。本作は片渕須直監督の前作「マイマイ新子と千年の魔法」の原作でもあります。

 本書は昭和30年代の山口県国衙(こくが)が舞台で、芥川賞作家・高樹のぶ子さんの自伝的小説。「この世界の片隅に」と同様に日常を丁寧に表現している作品で、空想好きな小学3年生の少女・新子と東京からの転校生で引っ込み思案な少女・貴伊子らとの暮らしが活き活きと描かれています。

■『マイマイ新子』(ちくま文庫)内容紹介
 新子はマイマイ(つむじ)をピンと立て、妹や友達と今日も元気に駆けまわる。大好きなおじいちゃんが作ってくれたハンモックは二人だけの秘密。昭和30年の山口県国衙を舞台に、戦争の傷を負いながらも懸命に生きる大人たち。変わりゆく時代の中で成長する日々を懐かしくも切なく描いた傑作。

■片渕須直監督の「解説」より
 ようやく『マイマイ新子と千年の魔法』という題でアニメーション映画化しようと目論みが立った頃には、毎日毎日日が暮れるまで遊びまわった子ども時代の楽しさなどというものに留まらない「描くべきもの」が自分の中にも蓄積されていたようだった。
 あらためてお目にかかった高樹さんからはこのようにいわれた。
「映画に作るときにどういうふうに変えていただいてもかまわないんです。ただひとつここは大事にして欲しいというものがあります」
 ――それは『切なさ』なんです。と、高樹さんは続けられた。もはや意外とも思わず受け止めることが出来たように思う。

■著者プロフィール
高樹のぶ子(たかぎ・のぶこ)
 1946年山口県防府市生まれ。東京女子大学短期大学部卒業後、出版社勤務を経て、1980年「その細き道」を「文學界」に発表。1984年「光抱く友よ」で芥川賞、1995年『水脈』で女流文学賞、1999年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞を受賞。2009年紫綬褒章受章、2017年日本芸術院賞受賞。主な著書に『満水子』『甘苦上海』『飛水』『アジアに浸る』『マルセル』『香夜』『少女霊異記』『オライオン飛行』など。

その他関連情報
■ちくま文庫『マイマイ新子』高樹のぶ子
刊行日:2017年6月8日
ページ数:352ページ
定価:本体680円+税
ISBN:978-4-480-43451-7
解説:片渕須直
挿画:浦谷千恵


■アニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」

>>公式サイト

■「マイマイ新子と千年の魔法」Blu-ray版
発売日:2016年10月28日
価格:6,980円(税込)
品番:EYXA-11000
発売・販売元:エイベックス・ピクチャーズ

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