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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』カイロ・レン役の声優・津田健次郎さんインタビュー!“ダークサイド”に落ちていた過去を告白!

カイロ・レン役の津田健次郎さんが“ダークサイド”に落ちていた過去を告白! 作品愛も語る『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』声優インタビュー

遠い昔、遥か彼方の銀河系で。砂漠の惑星ジャクーで生きる孤独な女性レイ(デイジー・リドリー)をヒロインに迎え、新たな銀河の歴史を再び紡ぐことになった『スター・ウォーズ』シリーズ。

2015年公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』から始まる新たな三部作の続編であり、最新作となる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が、2017年12月15日(金)より公開されます。

今回は魅力あるキャラクターのひとり、カイロ・レン(演/アダム・ドライバー)の日本語吹替え版声優を務めた津田健次郎さんにインタビュー。

ハン・ソロの息子でありながら、祖父ダース・ベイダーの意志を継ぐ決意をし、レイの前に立ちはだかるカイロ・レンの魅力や、収録秘話、ご自身のダークサイドな一面(!?)などを語っていただきました!

大好きな「スター・ウォーズ」シリーズに参加してみて
──『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、『フォースの覚醒』のその後を描くシリーズ第2作目となります。そのうえで改めて、カイロ・レン役として出演が決まった時の感想をお聞かせください。

津田健次郎さん(以下、津田):『スター・ウォーズ』シリーズは、子どものころから見ていた作品でしたので、お話を頂いた時は本当にうれしかったです。

「僕の大好きな『スター・ウォーズ』じゃないか!」って(笑)。しかも演じさせていただくのが、ダークサイドに属するキャラクターのカイロ・レン。

僕は『スター・ウォーズ』の中でも旧3部作に出てくるダース・ベイダーという、真紅のライトセーバーで戦うダークサイドの戦士(シスの暗黒卿)が一番好きなんです。

だからカイロ・レンが真紅の十字のライトセーバーを持っているのは同じ系統という感じがして、とてもうれしかったですね。


──聞くところによると津田さんは子どもの頃に、段ボールでダース・ベイダーを作ったことがあるとか?

津田:そうですね、ダース・ベイダーを作ったことがあります(笑)。そのぐらい僕にとって、やっぱりダース・ベイダーはかっこいい存在なんです。

カイロ・レンには強い“表の顔”と繊細な“個人の顔”があるんです
──カイロ・レンを演じることができてすごくうれしかったということですが、演じる際に特に大事にした点や意識した点はありますか?

津田:カイロ・レンという人は、一言で表すと「葛藤する青年」なんです。最初からダークサイドに完全に落ちている悪役ではなくて、いろいろな葛藤を抱えている悩める青年と言いますか……。

感情がたまに爆発してしまったり、そんなすごく不安定なところを抱えていたりして、そこをまずはどう出していくかということがやっぱり一番のポイントでした。

その中でも特に『フォースの覚醒』の前半部分では、カイロ・レンが悪のキャラクターとして印象的に描かれていたので、割と強めに悪を出すようにしましたね。


──前半部分と言うと、カイロ・レンがまだマスクを被っている時のことでしょうか?

津田:はい。今回の収録は順を追って演じていまして、その立ち上げの時にはディレクターの方ともカイロ・レンについて、たくさんお話をさせていただきました。それでカイロ・レンには“表の顔”と、“個人の顔”みたいなのがあるな、と。

なんというか、例えば部下がたくさんいる場面の時には、カイロ・レン自身が意識して悪をより強めに出しているのではないか。つまり“表の顔”としての、リーダーとしてのカイロ・レンはやっぱりリーダーらしく、ドンと構えていないといけない。

だからそういう意味ではマスクをかぶっている冒頭の方などは、強めに悪を出すようにしましたね。


──「強めに悪を出した」ということですが、その加減の中で苦労された点はありましたか?

津田:やっぱりちょっと悪に寄りすぎるとか、強すぎるとかの部分は、ディレクターの方にもご指摘いただきましたね。もうちょっと繊細な青年でいて、ちゃんと若者なんですよね、みたいな。

マスクを被っているシーンは、当然声に加工が入ってくぐもった音になるんですけど、それでも「悪役然!」とした感じではなく、カイロ・レンが抱える不安定さを出せるよう、そこはすごく大事にしました。

そしてそれは、心情がどう向かっていくかということを、いかに理解できているかだと思うんです。なので、カイロ・レンの心情の揺らぎをどう出していくか。いわゆるステレオタイプな、典型的な悪役のお芝居ではなく、繊細な味付けと言いますかね。

そういう部分はすごく気を遣って、表現自体を繊細に、丁寧に丁寧に作り上げていった思いがあります。


──先ほどカイロ・レンには“個人の顔”があるとも仰っていましたが、こちらはいかがでしょう?

津田:『フォースの覚醒』の前半部分では悪としての印象が強いんですけど、途中から「この人なんか違う」っていう。カイロ・レンはマスクを脱ぐと、さらにまた印象が変わるキャラクターです。

例えばダース・ベイダーの仮面と対峙しているシーンあたりからは、より彼の繊細な、“個人の顔”の部分が出てくるようになるんです。

その“個人の顔”の部分はシーンごとに変わってくるわけですけど、カイロ・レンはどのシーンでもとっても複雑な表情をするんですよね。だから演じるときには、その表情を糸口にしていきました。


──演じる中でカイロ・レン役のアダム・ドライバーさんを意識した点はありましたか?

津田:吹き替えとは言っても僕らはモノマネをするわけではないので、似せようというよりも「アダム・ドライバーさんが持つ独特の色」は大事にすべきポイントだな、とは思っていました。

特にアダム・ドライバーさんが演じるカイロ・レンを最初に見た時、特殊な声をされているような気がしまして……。とても不思議な響きを持っていましたので、その部分は大事にしたいと思いましたね。

挫折の連続……“ダークサイド”に落ちていた20代
──前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開後、この2年の間に『最後のジェダイ』に関する新情報について続々とアメリカから届いていました。新情報に関しては、津田さんはどのような気持ちで受け止めていましたか?

津田:僕の場合はフラットな気持ちで受け止めていました。確か春過ぎだったと思うんですけど、『最後のジェダイ』の予告編が世の中に出た時も、ツイッターか何かで僕も知って、「わー! ついに来たかー!」って単純に楽しんだぐらい(笑)。

新情報に関しては演じる前提はあるにしてもお客様と同じ感覚で、ワクワクした気持ちが一番に来ましたね。「スター・ウォーズの季節だ! 待ってました!」という思いでいました(笑)。


──2017年12月15日(金)に公開される『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』には、「光か、闇か…」というキャッチコピーがつけられ、ヒロインのレイやカイロ・レン、ルークが闇に完全に落ちてしまうのか、という部分にも注目が集まっています。津田さんご自身は、今までに迷いや戸惑い、落ち込むなど、“ダークサイドに落ちていた”時期はありますか?

津田:ありますね。20代の頃などは自分の未成熟な部分や何者でもない自分だったりとか、そういう葛藤しかなくて。それが本当に目の前に、ずっと大きな壁のように立ちはだかっていましたね。

それに、早く何者かにならなくてはいけないみたいな、どこか焦りもあって。他にも、早く結果が欲しいとか、早くなんかこう立場が欲しいとか。役者として良い表現が出来るようになりたいとか、認められたいとか、もう“ダークサイド”に落ちてましたね。とにかく挫折の連続でした。


──そのへこんでいた時には、ご自分の気分をあげるべく習慣化していたことや、やる気を起こすためにご自分へのご褒美などはされていたのでしょうか?

津田:それはしていないですね。ご褒美とかこう、気分転換で復活できるほどのレベルのへこみではなかったので……。


──結構深く“ダークサイド”へと落ちていたんですね。

津田:本当にもう“ダークサイド”に落ちていました。でもその経験を経て個人的に一番良かったなと思うのは、“へこみきる”ことですね。なんと言いますか、中途半端に落ちるのではなくて、「本当にダメだな」「つまらない人間だな」と、ちゃんと自分のダメなところをしっかりと味わうところまでいかないと、誤魔化していちゃいけないのかなって。

自分は本当に何者でもないとか、どうしようもないんだ、っていうところまでちゃんと落ちるのは一番苦しいです。でもそこから這い上がれたなら気分的にもなんですけど、一番力になる。


──ダメな自分を受け入れたからこそ、這い上がれる力が?

津田:そうだと思います。それ以上もう下が無いんじゃないかっていうところまでやっぱり落ちちゃうと、這い上がるしかないので、それは良い経験だったなと思いますね。

今でもへこむことなんて山ほどありますし、人生は楽しいだけではなくて、苦しくてしんどいこともあるけど。でもそれはそんなもんだろうと(笑)。

『スター・ウォーズ』には必ず好きになるキャラクターがいる
──最後に『スター・ウォーズ』シリーズの魅力と、注目してほしいポイントを教えてください。

津田:『スター・ウォーズ』シリーズは、全編を通して壮大な宇宙の冒険譚となっています。その壮大さや物語の抑揚とものすごく細かなディティール。その細かさも含めて世界観が確立されていますし、R2-D2やC-3POのようなドロイドも含めてそれぞれのキャラクターが立っている。そのすべてを合わせた総合力が魅力なのかな、と思います。

ちなみに僕はダース・ベイダーと、R2-D2が好きなんですけど、全キャラクターがとても活き活きとしていますし、今全編を観返しても全然古さを感じずに、むしろワクワクして見られる。

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が公開された時には、それまでの映画界の流れを変えたような力がある作品ですから、もしまだ『スター・ウォーズ』を観たことがないという方も、観ていただいたら多分どれかのキャラクターを好きになるんじゃないかな。


──『最後のジェダイ』に関しても、注目してほしいポイントを教えていただけますか?

津田:前作『フォースの覚醒』では、今までのシリーズで出来上がった世界観を踏襲しつつ、新しい『スター・ウォーズ』として衝撃の展開を見せてくれました。その衝撃の展開の続きとして、『最後のジェダイ』が公開されます。

映画のキャッチコピーでもある「光か、闇か…」、それを受けてカイロ・レンも含めた各キャラクターたちが今後どうなっていくのか。僕自身も今後の展開は楽しみですし、その中でもC-3POは変わらないんでしょう、という気もしています(笑)。

それからカイロ・レンは、今までに出てきたダークサイドのキャラクターの中でも、不安定さが目立つような人間味あふれるダークヒーローだな、と思います。ダース・ベイダーの完全に出来上がっている悪に比べると、やっぱり若々しいですし、その繊細さはとても大きな魅力です。

そして、ヒロインのレイ、フィンも含めて未成熟で不安定な、まだ1人の人間として出来上がっていないキャラクターたちが、新しい『スター・ウォーズ』を引っ張っている部分も新章の魅力のひとつです。

そんな楽しみも含めて、『最後のジェダイ』は本当に楽しみだらけの作品になっているはずですので、劇場で触れていただけたら僕としてはうれしいですし、ぜひ何回でも観て楽しんでいただけたら、と思います。


[取材・文/竹内巴里]



作品情報
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
2017年12月15日(金)全国ロードショー

出演:
マーク・ハミル キャリー・フィッシャー アダム・ドライバー デイジー・リドリー

監督・脚本:ライアン・ジョンソン
製作:キャスリーン・ケネディ、ラム・バーグマン
製作総指揮:J・J・エイブラムス、トム・カーノウスキー、ジェイソン・マクガトラン

>>『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』公式サイト

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