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映画『名探偵コナン ゼロの執行人』声優ふたりが「江戸川コナンと安室透」を語る!

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』声優・高山みなみと古谷徹「江戸川コナンと安室透」を語る

 

ファンをキュン死させようという使命感から出た、安室の決めゼリフ

――おふたりともレジェンド声優なんですけど、今回のアフレコで難しかったというところはありましたか?

高山:最後の「かいかぶりすぎだよ」っていうセリフですね。安室さんの言葉をどう受け取ったらいいんだろうと悩みました。「安室さん、もしかして俺の正体知ってるの?」という疑問も少しだけ持っていたので……。

本当に、「ただの気のつく子供」として協力者に選んだのかって、すごく複雑な気持ちになっちゃったんです。

古谷:絶対知ってるでしょ?!

高山:いや、知らないと思うんですけど……、4割ぐらい(笑)。知らないでいて欲しい気もするし……。

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

――古谷さんは知っていると思われるんですね。

古谷:はい。確実ではないですよ。でも疑っているし、「ただの小学生ではない」と思っているし……。じゃないと(安室がコナンに言うセリフの)「愛の力は偉大だ」とか……。

高山:おかしいんですよね、言っていることが!

古谷:小学1年生に言う言葉じゃない(笑)。これだけ完全に信頼しきっているわけですから、もう6割以上、いや8割ぐらい確信しているんじゃないですかね。

高山:知っていて、近くにいて、いわゆる「盾のひとつになってくれているのかな?」という気持ちもあるし……。

古谷:そういう事にしておいて(笑)。

高山:いやいやいや~(笑)。そういう、知りえない謎の部分がすごくたくさんあるんですよね……。だからこそ、あのセリフは、「どう返したらいいのかな?」と最後まで悩んでいました。でも最終的には、もう何も考えずに、「フルヤさんの言葉を聞いて、感じたままに返そう」と思いました。

古谷:古谷徹さんの古谷さんではなく、降谷零の方の降谷さんですよね(笑)。

高山:そうです、そうですね(笑)。

――いつもと違ってコナンくんの声のトーンもけっこうシリアスでしたよね。

高山:はい。安室さん(降谷さん)には、正体がばれないようにしたかったのですが、子供のふりをしている余裕は無かったですね。

カジノタワーにいる蘭に、「電話が繋がらねぇ」と言うシーンは極力声を潜めました。すぐそこ安室さんいるし(笑)。

でも、万が一、正体がバレたとしても、安室さんなら大丈夫だとも思ってしまいます。逆に「安室さん」が「降谷さん」で、「バーボン」だと知ってますからね。

古谷:よく他の人に言わないよね。灰原(灰原哀、CV:林原めぐみ)とかもね。みんなにも内緒にしてくれてるもんね(笑)。

▲灰原哀(CV:林原めぐみ)
黒ずくめの組織の元メンバーで、毒薬「APTX4869」の開発者。

▲灰原哀(CV:林原めぐみ) 黒ずくめの組織の元メンバーで、毒薬「APTX4869」の開発者。

――古谷さんは難しかったなと感じたところはありましたか?

古谷:やっぱり決めゼリフですよね。これで安室ファンを「キュン死させよう」と思って言っています。

高山:します(笑)。確実に!

古谷:「させなきゃいけない」っていう使命感があって……(笑)。それで(興行収入)「70億超えるかどうか、そのひと言にかかっちゃうな」っていうプレッシャーがありましたので、どう言おうかは本当に悩みました。

高山:一般試写会の時は、そこでファンの皆さんが「キャー!」だったらしいですよ。

古谷:え、本当に?

――では大成功ですね。

古谷:知らなかった……。僕がマスコミ試写会で観た時は、誰も「キャー!」と言ってなくて……。ま、狭い試写室でマスコミの人たちだけだったから当然ですけど。

高山:(マスコミ試写会では)皆さん、我慢されてたんですよ(笑)。一般試写会では「僕の~」辺りでもう「キャー!」だったと思いますよ。

古谷:リハーサルの時に、意外と自分で思っていたよりも強い言葉で出たんですよね。コナンくんとふたりの会話の流れから自然に出たんですけど、「ちょっと強くなりすぎちゃった」と反省していたら、リハーサルが終わった時に、僕の隣にいた園子さん(鈴木園子、CV:松井菜桜子)が……。

▲写真左:鈴木園子(CV:松井菜桜子)
蘭の同級生で大親友。

――園子役の松井菜桜子さんですね。

古谷:はい。菜桜子さんが「ハートを打ち抜かれました!」って言ってくれて(笑)。この言い方でいいんだと思って、一応テスト(リハーサル)でも録音してるので、今の使ってくださいみたいな(笑)。本番はもう一回やりましたけれども。自分で考えていた演技プランよりも、リハーサルで自然に出た言葉の方が周囲の反応がよかったので、これで正解なんだと思いました。

高山:考えて決めて言うよりも、感情の流れから出るのが本当の言葉なんですよね。

古谷:そうなんだよね。それでいいんだよね、きっと。

高山:自分で想像していたのと、違った感じになったところって、たくさんあると思います。

古谷:あるある!

▲安室透(CV:古谷徹)

▲安室透(CV:古谷徹)

 

――高山さんは今回の収録でそういったことを感じたところはありますか?

高山:先程言った「かいかぶりすぎだよ」のセリフもそうですね。今作は会話劇のシーンが多く、相手が何を言いたいのか、何を聞き出したいのかを受け取らないと、次のセリフが出てこないんです。ですから、自身でやるリハーサルで想像していたものが全てではないんですよ。

「相手がこう来るだろうから…」と思っていても、話の流れでキャラクターそれぞれの感情も動くので、想像をはるかに超えることが多いんです。

――そうやって芝居が変わっていくんですね。

高山:そうですね。
 

映画を観終えて、立てなくなる?! 観終わった後に改めて思う「こんなに衝撃的な作品だったんだ」

――お互いのセリフの、「ここがカッコイイ!」と思ったところはありますか?

高山:え~!? ネタバレになっちゃうけど、言っちゃっていいの? それはもう決めゼリフですよね。あの時の手とかね。

「何で、こうやって(指を一本ずつ動かして)ハンドルを握るかな?!」って……(笑)。最高でしたね。

一同:(笑)。

古谷:コナンくんは「行っけえぇぇぇ!」じゃないですかね。「よく声が続くな」と思いましたね(笑)。

高山:(笑)。

古谷:でもあのセリフは、つい観ている側としても一緒に言いたくなるというか。「頑張れ!」って……。観終わって筋肉痛になりましたから、力が入っちゃって(笑)。

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

 

――アフレコを終えてストーリーを知っていても、安室さんの立場で観て、そうなってしまうんですか?

古谷:正直言って、(アフレコ時は)画がこんなになかったですから(笑)。

高山:完成したのを観ると、そうなりますよね(笑)。

古谷:ホッとしました(笑)。そういう意味では手探りの状態でやっていましたし、それが間違いではなかったから、スタッフの方たちがすごく頑張って合わせてくれたんだと思ってるんですけど……。それで、ものすごい迫力のクライマックスシーンになったんで、「よかったなぁ」と思いました。

高山:あのカーチェイスのシーンがやっぱり、すごかったじゃないですか?!

古谷:すごかったねぇ!

高山:初号という、関係者だけの一番最初の試写で観た時に、ラストのカーチェイスシーンは、G(重力加速度)で身体が後ろに押し付けられちゃって。「死ぬかと思った」(笑)。終わってから、しばらく立てなくて……(笑)。

古谷:わかる、わかる!

高山:全身硬直で放心状態……。

古谷:もう何も考えられなくなるよね。

高山:足を突っ張っちゃて、膝が痛くなっちゃいました。

古谷:本当にそうなるなぁ。「こんなに衝撃的な作品だったんだ」って改めて思いました(笑)。

 

――今作のアフレコで楽しかったことや大変だったことなど、エピソードがあればお願いします。

古谷:やっぱり収録が1日がかりなので、お昼休みをとってみんなで一緒にお弁当を食べるんですけど、「魚と肉のメニューで、どっちがいいか?」っていうので、みんなで盛り上がりましたね(笑)。

高山:ずっとスタジオの中に入ってたから、その話を知らないんですよ(笑)。「何を盛り上がってるんだろう?」って思ってました。

古谷:(工藤新一役の山口)勝平くんがTwitter(※2)で、どっちがいいかとフォロワーに尋ねていましたね。

高山:マジか~(笑)。

古谷:(結果、フォロワー多数が)圧倒的に肉だったんで、「やっぱりエネルギーとしては肉を食べておいた方がいいな」と、僕も肉をいただきました(笑)。

――お肉弁当とお魚弁当のどっちがいいかということですね。

古谷:そうです。映画のクライマックスシーンにエネルギーを使わないといけないなと思ったので、僕は肉を選ばせていただきました(笑)。

(※2)参考Twitter

――コナンくんは映画の中で、ずっと出ずっぱりでしたからね。

高山:そうですね。出番の無い空き時間がなかったので、お昼休憩以外はほとんどスタジオの中にいました。ちなみにお弁当は肉を食べました(笑)。でもエネルギーを使うので、お弁当一つじゃ足りず、クライマックスシーンの前にお腹が鳴り始めちゃって……。

見かねた灰原(哀役の林原めぐみさん)が、スタッフに発注してくれたおにぎりを持ってきて「ほら、食べなさい」って……。さすが灰原!自分のお仕事をしながら、気を配ってくれる。本当に助かりました!そして、古谷さんにもお裾分けを。

古谷:僕はタラコおにぎりをいただきました(笑)。

一同:(笑)。

高山:でもあれがなかったら、死んでいました(笑)。

古谷:死んでましたね(笑)。

一同:(笑)。

古谷:こんなインタビューでいいのかな?(笑)。

――こういうお話もファンは嬉しいんです。

古谷:そうですか(笑)。

高山:特に、フォローしてくれたのが灰原だったというのがまた。

――関係性が出ていますね。

古谷:役になりきっていますね。

 

次のページでは、高山さん、古谷さんが、気になるキャラクター、もっと掘り下げたくなる人物を語る!
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