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『魔法少女サイト』岡本信彦さんが語る「朝霧要」を演じるうえで重要なポイント

【連載】TVアニメ『魔法少女サイト』岡本信彦さん(朝霧要役)インタビュー|「最終的には、天罰が下って欲しいなと思いながら演じられるキャラクターでした」

先日放送された第9話では、ついに魔法少女の一人、にじみんこと穴沢虹海が命を落とすというショッキングな展開となったTVアニメ『魔法少女サイト』。にじみんを殺したのは、普段は好青年のふりをしながら、自宅では妹の彩に暴力を振るい、心の中では自分の以外の人間をバカにしている朝霧 要でした。

アニメイトタイムズ、キャストインタビュー連載の第6回では、朝霧 要役として怪演を披露している岡本信彦さんが登場。ヒールなキャラクターを演じる際の思いなどをうかがいました。

 
一周回れば、すごく魅力的なキャラクターになるんじゃないかな
──『魔法少女サイト』という作品や、朝霧要というキャラクターの第一印象を教えて下さい。

岡本信彦さん(以下、岡本):オーディションの時に読ませていただいたセリフが、たしか、第1話で妹の彩を殴るシーンと、8話でにじみん(穴沢虹海)のパンツを直戸(圭介)に見せつけるシーンだったんです。

その二つのセリフを読んだだけでも、もう最低最悪の兄貴なんだなって思いました(笑)。でも、やってる方としては、すごく楽しいキャラクター。やればやるほど、皆さんからのヘイトを集められるので、一周回れば、すごく魅力的なキャラクターになるんじゃないかなと思いました。

『魔法少女サイト』というタイトルを見た時には、普通の魔法少女系の可愛い感じの作品なのかなと思ったんです。でも、役が決まってから、原作を読ませていただいたら、全然違っていて。憂鬱でダークな作品だったので驚きました。そして、どんな方が原作を描かれているんだろうということにも興味が湧きました。

──要のような尖ったキャラクターは、役者さんとしては、演じがいがあるのですね。

岡本:楽しいですよ。ある意味、ファンタジーではあるのですが、現実にももしかしたらいそうなキャラクターでもありますし。サイコパスと呼ばれるようなキャラクターを演じる時は、「こんな感じなのかな? あんな感じなのかな?」みたいに性格を分析するところから始めるのですが、そういうことも楽しいです。

あと、自分が「こういう人いたら嫌だな」と思うような芝居をするのは、ストレス解消に近い感覚もあります(笑)。お兄ちゃん(要)も、最終的には天罰が下って欲しいなと思いながら演じられるキャラクターでした。

──視聴者の人にも、そう思ってもらいたいと思って演じられているのですか?

岡本:そういう気持ちは大きいですね。お芝居のやり方にもよると思うんですけれども、「憑依型」などと呼ばれる、自分がキャラクターの内面に入り込んで演じるタイプの役者さんは、気持ちまでキャラクターに重ねて演じるイメージがあるんです。

でも、僕は演じるキャラクターを三人称視点で観ていることが多いので、自分が「キャラクターの中に入る」というよりは、「キャラクターを着る」という感覚なんです。だから、要というキャラクターを着て演じながら、三人称視点では「コイツ、本当にひどいやつだな!」とか思いながら見ていました。


犯罪を犯した時に「なんであんな子が」と言われるようなタイプかなと想像
──この連載でインタビューした魔法少女役のキャストの皆さんにも、要お兄ちゃんは大人気でした(笑)。

岡本:本当ですか? 良かったです。すごいインパクトありますからね~。僕も大好きです(笑)。僕、LINEブログをやっているんですけれど、『魔法少女サイト』が放送された日のコメント欄は、お兄ちゃんの話題も多くて。「お兄ちゃん、今日もひどかったですね。すごく嫌いだけど、観てしまいます」とか書いてもらえて、すごく嬉しかったです。

その人が苦手なキャラクターでも、作品を観てもらえているということなので。最終的には天罰が下ることを期待しながら観てくれている人が大多数だったので、「僕も同じ気持ちだよ!」と思いながらコメントを読んでいました(笑)。

──では、第9話の展開も岡本さんとしては望んでいたものでしたか?

岡本:要のキャラクターを着ている時は、「あともうちょっとで自分の思い通りになったのに、なんで……」という悔しさもありました。でも、個人的には、「ざまあみろー」みたいな感じでしたね。

──要を演じる際、どのようなことを特に意識されたのでしょうか?

岡本:二面性のあるキャラクターで、外ヅラは良いという面があるので、犯罪を犯した時に「なんであんな子が」と言われるようなタイプかなと想像して。きっと、普段は仮の自分を作るんだろうなというところからイメージしていきました。

要くん自身は、どんどん心が汚くなっていってると思うんですよ。だから、逆に奇麗な自分を作ろうとするのかなと思って。お父さんと会話する時とかは、こんな人いないだろうっていうくらい奇麗で爽やかにやってみました。

本当に爽やかな人は、実際にはもうちょっとラフな一面もあると思うんですけれど、それをまったく見せないことで、観ている方に「なんだ、こいつ。おかしいだろう」と違和感を感じてもらえればと思って演じました。そして、奇麗な自分を演じることなどで生まれるストレスを妹にぶつけたり、心の中で人を見下すことで発散しているイメージですね。

──要を演じる上で、特に難しいことを教えて下さい。

岡本:感情の切り替わりがすごく激しいと言うか、例えば、(第9話の)最後の方とかはまくし立てることも多かったので、早いカット割りになっていて、そこが難しかったですね。彼の頭の回転速度に、口を合わせるというのは結構大変でした。


僕自身は、あんな悪いことを考えたりはしないですよ
──これは、彩役の大野柚布子さんにインタビューした時、「今度、岡本さんにも取材します」と話したら、託された質問なのですが……。

岡本:そうなんですか? 何でしょう?

──「岡本さんと、要お兄ちゃんに共通点はありますか?」と(笑)。

岡本:共通点! 自分で言うのもあれですが、僕自身は、あんな悪いことを考えたりはしないですし、けっこう良い人だと思いますよ?(笑) 「こんな世界なんて!」とか思ったことは無いです(笑)。

でも、外面を良くしようとするところは共通点かもしれませんね。僕の場合、要とは違って、人に嫌われたくないから、そういう態度になるのですが。

──松林唯人監督や、原作者の佐藤健太郎さんと、要についてお話しする機会などはありましたか?

岡本:プロデューサーさんたちも含めて、いっぱいお話ししました。要というキャラクターは、ちょっと誇張するくらいにやった方が面白くなるかなと思って。第1話では、皆さんの反応も見ながら、そういう感じでやってみたんです。その時、皆さんから「要、すごく良かったです」と言ってもらえたので、要の方向性が決まりました(笑)。

それと、オーディションの時、佐藤先生が、要役はぜひ僕にと言ってくださったそうなんです。それもすごく嬉しかったですね。

──先ほど、『魔法少女サイト』を読んだ時、どんな人が書いてるのか気になったと仰っていましたが、佐藤先生の印象は?

岡本:すごく爽やかで、スポーツマンのような方だったので、意外でした。もっと、この世の中に対して、心の中に一物抱えているような方かなと想像していたので(笑)。あと、佐藤先生は奴村(露乃)が復讐している相手(小田野総二)の声を演じられているんです。上手くて、良い感じに気持ち悪いし、ビックリしました(笑)。多才ですよね。原作者の先生なので、このキャラクターに何が必要なのかを分かっていらっしゃるんだな、という印象を受けました。


にじみんは超好きなキャラクターの一人だったので、要はひどい
──第8話で、にじみんのパンツを履いて、直戸を罵倒するシーンは非常にインパクトがありました。

岡本:たぶん、要の中にはカーストというか、ヒエラルキー的なものがあって。自分が一番トップで、ほとんどの人間をすごく下に見ていると思うのですが、その中でも一番下に見ている嫌いなタイプが、直戸のような人だと思うんです。

でも、それを日常生活ではっきり言うことはできない。だから、絶大な力を得てから、自分の思っていることをさらに膨らませながら言葉責めをできるのは楽しかったと思うんですよ。自分としても、「こういう言い方したら相手はどうなるんだろう」とか考えながら演じるのは楽しくて。直戸が泣きはじめた瞬間も、すごく楽しかったのを覚えています(笑)。本来だったら、笑っちゃうようなシーンなんですけれどね。

──視聴者的には、爆笑してしまうシーンでした。

岡本:直戸がにじみんファンでも「え……引くわ……」となる可能性はあったと思うんですよ。そうなってたら、要も自身もつまらなくなって、また違う展開になったかもしれないのですが、直戸が泣いてくれたので、要はすごく楽しかったでしょうね。

──先日放送された第9話の内容についても感想をお聞かせ下さい。

岡本:僕としては、にじみんが死んだ事は超ショックなんですよ。

──にじみんファンからは、「おまいう」と言われそうですね(笑)。

岡本:あはは(笑)。でも、本当に、にじみんは超好きなキャラクターの一人だったので、要はひどいなって。要はにじみんに「君はもう用済みだ」と言って、殺そうとするんですけれど。

殺すメリットは無いだろうと僕は思うんですよ。もしかしたら、ずっと孤独だったから、誰かがそばにいるという事態が怖かったのかもしれないですね。

結果、にじみんを殺すという選択から、バタフライエフェクト的に自分がやられることになった気がするので。にじみんを殺したことは、要のルートとしては、間違いだったんじゃないかなと思っています。

──魔法少女チームのように、誰かと力を合わせて、という発想が無かったわけですね。

岡本:自分のパーソナルスペースに誰かがいることも不快に思うんでしょうね。人に褒められることさえ嫌なのかもしれないし、にじみんに好かれることも嫌だったんだろうなって。ただ、一人で生きていきたい人だったのだろうなと思います。


アニメは、原作とは少し違うラストになっていくので、それも楽しみに
──第9話までの中で、要が絡まないシーンで特に印象的なシーンなどはありますか?

岡本:僕、梨ナとにじみんが好きなんです。この二人はすごく二面性のあるキャラクターで、そこがとても魅力的だなと思っていて。「死んでもらいまーす」と言ってる梨ナや、爪を何回も噛みまくっているにじみんがすごく好きでした。だから、この二人のやりとりも超好きで。にじみんが梨ナに「殺す~」とか可愛く言ってる時も、たぶん、にじみんは本当に殺したいんだろうなって(笑)。

──岡本さんが思う、第10話以降の見どころを教えて下さい。

岡本:実は、要に関するシーンで、カット候補だったシーンが後々出てくるので、それをぜひ楽しみにしていてください。本来は、要の話は9話で終わっていたらしいんですよ。でも、あれだけ盛大に色々なことをやらかしているのに、何もオチがないのは良くないだろうという監督たちの意向で、あるシーンを入れて下さったんです。

僕も観ている側としては、罰を受けないのは嫌というか、ちょっと後味悪い気がしていて……。まあ、その気持ちの悪さも『魔法少女サイト』の魅力だと言われたら、その通りだは思うのですが(笑)。僕は、そのシーンが加わったことが、すごく嬉しかったんですよ。実際、どのように感じるかは観て下さる方次第でもあるのですが、楽しみにして頂きたいです。

──最後に、『魔法少女サイト』ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

岡本:要を演じることになってから原作を買い始めたのですが、すごく面白いので、原作の続きもすごく気になっています。アニメは、原作とは少し違うラストになっていくので、それも楽しみにしつつ。管理人とは何か、テンペストとは何かといった謎を、皆さんも一緒に考察しながら楽しみましょう。

[取材・文/丸本大輔]

(C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会
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